9月19日 ~ フランスのピアノの貴公子 カサドシュ 没 | Wunderbar ! なまいにち

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まだまだひよっこですがクラシック大好きです。知識は浅いがいいたか放題・・・!?

皆さま、今日もお元気でお過ごしでしたか? 今日から四連休という方も多いのかな?ニコ

 

「今日はなんの日」のコーナーです。

参考にしたのは、近藤憲一氏著「1日1曲365日のクラシック」という本で、それをお題に書いています。(写真はwikipdeaなどwebからお借りしました)

 

今日、9月19日は・・・フランスのピアニスト 「ロベール・カサドシュの命日」 です。

 

Robert Casadesus: 1899.4.7-1972.9.19

フランスのピアニスト、作曲家

 

出典本の著者、近藤氏によると、カサドシュは「コルトーのような”何でも自分の好き勝手に弾く”タイプの対極にいて、真にフランス的な典雅・華麗・節度を保った才人」で、彼の青年時代に流行した”楽譜に忠実に弾く”をモットーにした「新即物主義表現」の洗礼を受けながらも、それをフランス的感覚と融合させて深い味わいのある演奏を聴かせたピアニスト、だそうです。

 

 

ロベール・カサドシュは、1899年4月7日にパリで長男として生まれました。彼の一家は、クープラン家以来のフランスの大音楽家一家といわれています。4歳から叔母のロズ・カサドシュからピアノを習い始め、10歳でパリ音楽院に入学するまで彼女に学びました。パリ音楽院ではリストの弟子のルイ・ディエメに師事、1913年(14歳)にピアノ科を首席で修了、1917年(18歳)には初リサイタルを開きました。

第一次世界大戦が勃発すると、1918年(19歳)から2年間兵役に就きましたが、終戦後はパリ音楽院に復学、和声法科首席で卒業した後、ディエメ賞も受賞しました。

 

1921年(22歳)に師ディエメの同門だったピアニストのガブリエル・ロート(ギャビー・カサドシュ)と結婚、初のヨーロッパツアーを行いました。

1922年(23歳)にラヴェルと出会い、翌年は彼と共演してフランス、英国、スペインでツアーを行い、1924年(25歳)にはパリでラヴェル作品のみのリサイタルを行いました。その後アルベール・ルーセル(⇒8月23日の記事で彼のことを取り上げました)、ファリャらと出会いました。

 

若い頃のロベールとギャビー夫妻

 

その後もヨーロッパツアー、ロシアツアー(1929年(30歳) モスクワで15回も公演したそう)、南米ツアー(1931年(32歳))、アフリカと中近東でツアー(1933年(34歳))など世界中で公演を行いました(ギャビー夫人とも頻繁に共演)。その間に1927年に長男ジャンが、1932年に次男ギーが生まれました。(ジャンもその後世界的ピアニストになります)

 

1935年(36歳)にアメリカ音楽院フォンテーヌブロー校でピアノ科主任に就任、同年アメリカで初ツアーを行い、翌年トスカニーニ&ニューヨーク・フィルとも共演しました。

1940年(41歳)にフランス政府の派遣でアメリカで演奏や教育活動を行いました。プリンストンの住居ではあのアインシュタインの隣人だったそうですびっくり

1941年(42歳)にニューヨークのカーネギーホールで初リサイタル。コロンビアレコードにラヴェルとドビュッシーのピアノ曲全曲を録音。

1942年(43歳)に長女テレーズが誕生、ヴァイオリニストのフランチェスカッティと親交を結びました。グレート・バーリントンに開校したアメリカ音楽院フォンテーヌブロー校で教鞭をとりました。

このように、1945年に第二次世界大戦が終結するまではアメリカに亡命、演奏・教育活動を行いました。

 

フランチェスカッティとは1955年にベートーヴェンのヴァイオリン・ソナタの全曲を録音しました。

なかでも第9番「クロイツェル・ソナタ」の演奏風景は映像化されDVDとして発売されました上差し

 

 

1946年(47歳)にヨーロッパへ帰還、アメリカ音楽院フォンテーヌブロー校の校長に就任。

その後も妻や息子ジャンらと時に共演しながら、精力的に各国での演奏活動、さらに録音活動(自作も含む)を行い、数々の賞や勲章を授与されました。

1963年(64歳)には初来日、ツアーを行いました。

 

1971年(72歳)にはピアニストとしてのキャリアが50年目を迎え(コンサート3000回、録音数も100回を数えました)ましたが、翌1972年の年頭に息子ジャンがカナダで交通事故に巻き込まれて死亡、ロベールはこの年の夏に最後のコンサートを行いますが、同年9月19日にパリで病没しました。73歳でした。 彼は妻ギャビーや息子ジャンとともにフランスのRecloses(リクローゼ)という所で眠っているそうです。

 

 

「ロベール・カサドシュ」で写真を検索すると、ご夫妻で写った写真がたくさん出てきます。

演奏・録音活動をふたりでたくさんしていたせいもあるかと思いますが、おふたりともきっととても仲良かったんでしょうね~。

 

 

それでは今日の曲です。カサドシュがジョージ・セルと共演したモーツァルトのピアノ協奏曲第27番より第3楽章です。歌曲「春への憧れ」を主題に用いたとされる第3楽章はモーツァルトが亡くなる年に書かれました。(第3楽章は22分15秒あたりからです。)

 

モーツァルト:ピアノ協奏曲第27番 変ロ長調 K.595 (30分25秒:第2楽章;13分25秒~、第3楽章;22分15秒~)

/ ロベール・カサドシュ (Pf)、ジョージ・セル&クリーヴランド管  (1962年11月4日)

 

ロベール・カサドシュとジョージ・セル

 

親子3人で演奏している貴重な映像も。

 

J.S.バッハ:3台のピアノのための協奏曲 BWV1064より 第3楽章(一部)(2分58秒)

/ロベール・カサドシュ、ギャビー・カサドシュ、ジャン・カサドシュ、The Bell Telephone Orchestra  ("The Bell Telephone Hour"より)