ベルリン・フィル スペシャル・アンサンブル:モーツァルト, プーランク, バルトーク, フンメル | Wunderbar ! なまいにち

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まだまだひよっこですがクラシック大好きです。知識は浅いがいいたか放題・・・!?

2019. 11. 18 (月)  19 : 00 ~      ヤマハホールにて

 

モーツァルト:フルート四重奏曲 第3番 ハ長調 K.Anh.171 (285b)

(Fl, Vn, Vla, Vc)

 

プーランク:クラリネット・ソナタ

(Cl, Pf)

 

バルトーク:コントラスツ (Sz.111(BB116))

(Cl, Vn, Pf)

 

フンメル:七重奏曲 ニ長調 Op.74

(Fl, Ob, Hr, Vla, Vc, Cb, Pf)

 

ヴァイオリン:ノア・ベンディックス=バルグリー

ヴィオラ:清水直子

チェロ:クヌート・ヴェーバー

コントラバス:マシュー・マクドナルド

フルート:マチュー・デュフォー

オーボエ:ジョナサン・ケリー

クラリネット:ヴェンツェル・フックス

ホルン:シュテファン・ドール

ピアノ:オズガー・アイディン

 

 

今月3度目の上京・・・家族からは罵詈雑言を浴びせられていますガーン

バチが当たったのか、羽田行の飛行機飛行機が着陸予定の滑走路が落下物騒動で閉鎖、滑走路変更のため空港上空でぐるぐる旋回を繰り返し、なんやかんやで結局1時間くらい遅れて到着、ヤマハホールには何とか間に合ったあせる

でもいいことも音譜 行きの飛行機がまたエアバス(A350)だったのだ~!おかげで「ライオンキング」の続きが観れた~ニコニコ 面白かった!

 

ヤマハホールは2度目。行き方をもうすっかり忘れていたので、自分のメモ用に書いときます。

メモ羽田AP→京急線で新橋下車→銀座線で銀座駅までひと駅→A3出口から出たら三越を背にしてまっすぐ歩く。 ホールは7、8階でエレベーターで行く。(女性用)トイレは8階は一個しかないそうなので、行くときは7階の方がいい。 ホールは1階E列までが前半。

帰り(川崎まで行くとき):メトロ銀座駅→新橋駅で6番出口→JR東海道線に乗り換えるのが一番早い。

 

そういえば、ヤマハホールに到着して、大きなエレベーターに乗りこんでふと横を見たら、なんとシュテファン・ドールさんが立ってた!ブタ (私もギリの到着だったんで)思わず「あ~た、今来たと?」と聞くと、「うん、そうやけど、僕の出番は後半の半分やけんね~^^」とおっしゃっていた(もちろん博多弁で喋ったわけではない笑う)。

 

 

さてさて、”珠玉のリサイタル&室内楽”と題したシリーズ、ベルリン・フィル スペシャル・アンサンブルのコンサートは”Vol 3”と書いてあったので3回目らしい。私は初めて聴いた。

ピアノ以外は皆ベルリン・フィルのメンバーなのだが、私が今回聴きたいと思ったのはメンバーの中に私の大好きなチェリストのクヌート・ヴェーバーさんがいたから得意げ 以前「12人のチェリストたち」の福岡公演で2回聴いたことがあり、サイン会でもすっごい優しかったのだ~照れちゅん しかもかっこいいラブラブ! オケの中では後ろの方でいつも弾いているので、この機会にぜひ彼のチェロを聴いてみたいと思った。

ミーハー的な動機だったのだが、結局このコンサートですね・・・

 

 

めちゃんこ素晴らしかったーーー!!!!!!きゃはきゃは

 

 

今日のこの曲、私はどれも知らない曲ばかりでyou tubeで軽く予習したくらいだったが、どれもこれも曲も素晴らしいと思ったし、まさに極上の演奏ばかりだった。

 

1曲目はモーツァルト (1756-91)のフルート四重奏曲第3番

メモこの日もらった無料パンフの真嶋雄大氏による曲解説によると、モーツァルト時代のフルートはまだ音程が不安定など機能的に完全ではなかったため、モーツァルトはフルートが嫌いで、「我慢できない楽器のための作曲を続けることにうんざりしてしまう」と言った内容の手紙も父親に書いているそうだ。しかし、フルートのための作曲を依頼され、収入のために彼は2曲のフルート協奏曲とフルート四重奏曲の第1番から第3番までを作曲した(第4番はまた別で作曲)。

嫌いだったという割にはモーツァルトが書いたフルートの楽曲はどれもお見事!と言うしかないほど美しい。フルートは19世紀中ごろにドイツのテオバルト・ベームによって大幅な改良が施されたそうだが、モーツァルトが今のフルートの音色を聴いたとしたら、もっと沢山のフルートへの楽曲が生まれたかもしれないなぁ・・・モーツァルトフフッ

 

実際の演奏について。デュフォーさんのフルートの音色が本当に美しかった!

私はデュフォーさんのフルートを実際に聴いたのは初めてかも、だがその華麗で美しい音色にただただうっとりした欲しい~ そしてクヌート・ヴェーバーさんのチェロ!やっぱり素晴らしくうまい。VPOもそうだけどこんな人がどうしていつも後列で弾いているのか・・・ほんとすごい。

手元をじっと見ていると、ヴェーバーさんの弓を持つ右手薬指に指環が光っていた(弦の人たち皆右手薬指に結婚指輪をしていた)・・・既婚者だったのね(お若く見えるけど今年45歳らしいので当たり前か・・)。残念だわw

 

 

2曲目はフランシス・プーランク (1899-1963)のクラリネット・ソナタ

メモこの曲はプーランク最晩年の1962年に作曲、数年前に亡くなったオネゲルの墓前に捧げられたが、自身も出版を直前に控えた翌年の1月に心臓発作で急逝、初演は同年4月にカーネギーホールにてベニー・グッドマン(Cl)とレナード・バーンスタイン(Pf)によって行われた。

 

私が最も楽しみにしていたひとつがこの曲だった。

you tubeで予習にしたのがヴェンツェル・フックスさん自身の演奏(2014年10月のもの)なのだが下差し、演奏もさることながらこの曲いいなぁと思ったのだった。

 

 

第1楽章中間部や第2楽章の哀愁ある旋律を聴いていると郷愁に誘われる。と思うと、第3楽章の打って変わった軽快で明るい曲調、そして超絶技巧で跳ね回るクラリネットの音色。

実際に聴いたフックスさんの演奏もまさにこの映像のように変幻自在だった。すごかった。

 

ただ時々ちょっと気になったのは、吹いているときに音と同時に時々息漏れのような「フーッ」というような音が筒の中から聴こえてくること。私はクラリネットだけの演奏をこんなに間近で聴いたのは初めてだったので、これが普通のことなのか分からなかったが、フックスさんも(それが気になったのかは分からないが)楽章の合間に楽器の穴?に息をプッ!と入れたり、筒の中にクロスを通したりしていた。もしかして楽器の調子がそんなによくなかったのだろうか、わからない。

 

 

前半最後はベラ・バルトーク (1881-1945)のコントラスツ

メモヴァイオリニストのヨーゼフ・シゲティと懇意になった名ジャズ・クラリネット奏者のベニー・グッドマンが、バルトークに依頼して1938年に完成されたのがこの曲。翌年カーネギーホールでシゲティ、グッドマン、エンドレ・ペトリによって第1楽章と第3楽章が初演、全楽章の形では1940年に同ホールでシゲティ、グッドマンとバルトーク自身のピアノで演奏された。

そのシゲティ、グッドマン、バルトークによるこの曲の演奏を貼っておきます。

 

 

この曲も実際に聴いてみたら予想外に(!?)すっごくよかった!!

第1楽章にはクラリネットの、第3楽章にはヴァイオリンのカデンツァがあり、様々な形でのコントラスツ(対照、対立)がこの作品の根幹になっているとのことだが、まさにそんな感じ。

クラリネット、ヴァイオリン、ピアノそれぞれが自己を強調しているようで、複雑に絡み合ったりパラレルになったり・・とほんとに面白い。

 

ベンディックス=バルグリーさんのヴァイオリンをオケ以外で聴くのは初めてだったが、やっぱり上手い。最初のモーツァルトでは、樫本さんにに比べてやや線が細い音色なのかなと思ったが、それはモーツァルトだったからだということがこの曲を聴いて判った。第3楽章のカデンツァやクラリネットとのうごめくような絡み合いなどすごい迫力だった。

 

そうそう、ベンディックス=バルグリーさんが最初ヴァイオリンをふたつ!チョキ携えて登場したので、「なんで?弦が切れたときのために?hate」と思ったが、これちゃんとした訳があったのだ(私が無知なだけ・・)

第3楽章の始めだけ、脇に置いてあったヴァイオリンに持ち替えて弾いていたが、これはスコルダトゥーラ (scordatura)されたヴァイオリンだったのだ。

”スコルダトゥーラ (scordatura)”とは変則調弦あるいは特殊調弦ともよばれ、弦楽器において楽器本来の調弦法とは違う音にチューニングすることで、 この曲の場合E弦が半音低く、G弦が半音高く調弦されている(G#-D-A-E♭)。 またひとつ賢くなった~にひひ

このスコルダトゥーラされたヴァイオリンで弾かれた箇所は、あの「ルーマニア民族舞曲」の一節にちょっと似ている気がした。

 

 

後半はヨハン・ネポムク・フンメル (1778-1837)の七重奏曲(第1番)Op.74

フンメルは名前しか知らなかった。曲を実際に聴くのも初めて。

セプテットといってもなんとヴァイオリンが入っていないという変則的構成で、フルート、オーボエ、ヴィオラ、チェロ、コントラバス、ホルン、ピアノなのだ。 私が好きな楽器ばっかじゃないですか~音譜

そしてこの曲そのものがとても素晴らしいビックリマーク だってピアノがふんだんに活躍しているんだもの。ピアノの旋律が本当に美しいのですビックリマーク

この曲、アルゲリッチ音楽祭でやってくれないかなぁ。アルゲリッチなら喜んで弾きそうな曲だと思った笑う

 

実際の演奏はもう言うまでもなく!

まずピアノのオズガー・アイディンさんがうまいっ!ちなみにこの方はヴィオラの清水直子さんの旦那様。1997年のミュンヘン国際音楽コンクールのピアノ部門で最高位を受賞(ちなみに同年の同コンクールのヴィオラ部門第1位が清水さんなのでそれで知り合ったのかな?)

フルート麗しき音色☆フルート、オーボエOboe、ホルンHornの3人の音もとても美しかった。ヤマハホールってやっぱり音響がすごくいいんだろうな。オーボエのケリーさんの音もホルンのドールさんの音も大きなホールで聴いたときよりもより柔らかく温かみがあった。

ヴェーバーさんのチェロもやっぱりいい。悦に入ってくると下唇をやや突き出してくるところもいい。イケメンのいかりや長介みたいだグゥ~オイ~ッス

遠目に見たらブラピのようなマシュー・マクドナルドさんのコントラバスもオケ以外で聴くのは初めてだったがやっぱうまい!眉間にしわを寄せて時々髪をかきあげる仕草もいい。(←一体どこ見てんだかw)

 

 

今回このスペシャル・アンサンブルの演奏を初めて聴いたが、やはりそのうまさに驚愕した。

皆さんの年齢を調べてみたら大半が40-50代(最若年が35歳のベンディックス=バルグリーさん、最高齢でフックスさんの56歳)で、皆さんまさに最も脂が乗っている時期なのかもしれない。 そして自分の知らなかった曲もたくさん聴けてそれも大満足だったキラキラ