ボレイコ&ワルシャワ・フィル、反田恭平:ショパン;ピアノ協奏曲1番、ドヴォルザーク;新世界より他 | Wunderbar ! なまいにち

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まだまだひよっこですがクラシック大好きです。知識は浅いがいいたか放題・・・!?

2019. 10. 31 (木)  19 : 00 ~     福岡シンフォニーホールにて

 

モニューシュコ:歌劇 「パリア」序曲

 

ショパン:ピアノ協奏曲 第1番 ホ短調 Op.11

(ソリストアンコール)

ショパン:ワルツ 第4番 ヘ長調 Op.34-3

 

ドヴォルザーク:交響曲 第9番 ホ短調 Op.95

 

(アンコール)

モニューシュコ:歌劇「ハルカ」 第1幕より マズール

 

 

ピアノ:反田恭平

指揮:アンドレイ・ボレイコ

ワルシャワ国立フィルハーモニー管弦楽団

 

 

ワルシャワ国立フィルハーモニー管弦楽団(以下ワルシャワ・フィル)の来日公演はこの日の福岡公演を皮切りに11月4日まで連日の全5公演。指揮者は今シーズンから同楽団の音楽・芸術監督に就任したアンドレイ・ボレイコ氏。そしてソリストのピアニストは東京公演と横浜公演のふたつはラファウ・ブレハッチ氏であとの3公演は反田恭平氏。

 

反田さんのショパンを聴くのも楽しみだったが、ワルシャワ・フィルを聴くのは初めてだったのでそちらもとても楽しみにしていた。

ワルシャワ・フィルは1901年に創立、ショパン国際ピアノコンクールでは本選の協奏曲の伴奏を担当していることでも知られている。最近では2014年に放送されたNHK大河ドラマの「軍師官兵衛」のオープニングテーマの演奏も担当していた。

マンガやアニメ「ピアノの森」でもショパンコンクールのときに登場していたし、テレビでもしょっちゅうその演奏を観ていたので、実際に聴くことができる、しかもこの福岡で~なんてほんとに嬉しかった照れちゅん

 

アンドレイ・ボレイコ (Andrey Boreyko)さんは1957年生まれの今年62歳。サンクトペテルブルク出身で、父がポーランド人で母がロシア人。

ステージに登場したボレイコさんはチラシに写ってるお姿とはちょっと変わって口ひげと顎ひげを生やしていて、遠目に見たら「あれ、ドビュッシー?」もしくは「あれ、ドヴォルザーク?」って感じだったにひひ

 

 

1曲目はスタニスワフ・モニューシュコ (Stanislaw Moniuszko, 1819-72)の歌劇「パリア」序曲。

モニューシュコは私は名前すら知らなかったが、ポーランド人の指揮者&作曲家で、ポーランド語の歌劇や声楽曲を書いた人だそうだ。この曲も聴いたことがなかったので、you tubeで予習したつもりが曲が始まってみたら、全然違う曲をyou tubeで聴いてたみたい・・汗sei

ただ、曲が始まって、「ワルシャワ・フィル、う、うまい・・・ビックリマークびっくり」と思った。

弦の音色がとてもとても美しい! 奥行きがあるというか、深みがあるというか、透明感があってとても美しいキラキラ 九響にはない音だなぁ・・・

曲の途中でチェロのソロやヴァイオリンのソロ、木管のソロなどがあったがどれもとても美しくって!テレビなどで聴いていた音よりももっともっと素晴らしいと思った。

 

 

2曲目は反田恭平さんをソリストに迎えてのショパンのピアノ協奏曲第1番。

ステージに登場した反田さんは、遠目に見てなんだか少し痩せたかな?身体がややしまって見えた。髪は前はうしろに結んでいたが、やや短くなってショートボブのようなヘアスタイルだった。相変わらずポテポテポテ・・と歩いてきたかお

 

反田さんのショパコン1番、とてもよかった。すんごくうまかった。

白眉は個人的には第2楽章だと思った。 現在留学中のショパン音楽大学(旧ワルシャワ音楽院)で特に弱音の表現の仕方を再勉強中、と前に仰っていたが、まさにその弱音がとても活かされていたとっても美しい第2楽章だった。

第1、第3楽章も反田さんの指回りのよさがふんだんにアピールされた、流麗で洗練された演奏だった。 ただ感動したかと言われると、「うまいなぁ~」と感嘆したにとどまったかもしれない。

 

こっから先はあくまで主観、私の好みの問題なのだけど、第1楽章の両手でうわ~っとかけ上げるところ、あるいはかけ下がっていくところは10本の指が同じ力、同じ強さで弾いてほしかった。左右を微妙に変えている気がした。第3楽章の冒頭からのピアノの華やかな明るい旋律、もっとスタッカートを効かせてリズム感を強調してほしかった。ペダルを思ったよりきかせていたせいなのかもしれない。恐らく今書いたことも反田さんのことなので意図的にやっていると思う。他にも第3楽章のある箇所では、左手のポン、ポンという2音を右手の主旋律よりも強く叩いたりなど、反田さんならではの”工夫”のようなものがあちこちにあったような気がする。

 

ワルシャワ・フィルとの共演ときくと、益々ショパン・コンクールのリハーサル?な~んて思ってしまう。前回はショパンの曲でのソロ・リサイタル、そして今回はコンツェルトと聴いたが、準備は着々と進んでるのかな~。 ただこの反田さんのショパンの解釈というか演奏が(もしほんとにコンクールに出たとして)審査員たちにどう評価されるだろうか。それも興味がある。

 

ワルシャワ・フィルはこの曲の伴奏はもう飽きるほどやってるだろうが、曲の出だしから「うわぁ~っ、いいなぁ~照れちゅん照れちゅん」と思った。

この方達がチョ・ソンジンのときも伴奏をしたのかな、シャルル=リシャール・アムランのときも伴奏したのかな~なんて想像しただけでもぐっときました。

 

 

後半はドヴォルザークの交響曲第9番「新世界より」。

この曲でも弦の美しさが際立っていた。しかも低弦がとてもよく響いていた。

大好きな第2楽章は割とサクサクとしたテンポ。なのでイングリッシュホルンのあの主題もじっくり聴かせるというよりは、あっさりサクッと、という感じだった。

第2楽章の最後の方での各弦の第一プルトの方達での小休止をはさみながら弾くところも、割と短めの小休止だったが、その音色の美しさにぐっときた。

弦だけでなく金管・木管などもみんなうまいのですよ~ほのぼのきらハート

この曲聴いたのはたぶん久しぶりかなと思うけどとてもよかった。

 

アンコールは再びモニューシュコの曲。

初めて聴いた曲だったが、とても華やかで盛り上がって終わった。

 

ボレイコさんは立ち居振る舞いがなんだかとってもジェントルマン!

普通は舞台袖から現れたら、指揮台に上ってから客席に向かって一礼すると思うのだが、

ボレイコさんは舞台の端っこでお辞儀をして、オーケストラの方へ拍手を~という風に左手を伸ばす。最後も指揮台には上らず、その横で本当に深々と一礼されたうさ・ペコ 素敵!ラブラブ!

指揮は場面に応じて手だけで振ったり指揮棒を持ったりしていた。時々左手をすーっと水平に横にのばすような振りをしていたのが印象的だった。

 

ワルシャワ・フィルよかった~~きゃラブラブ すごく好きになっちゃいました。

3年前くらいにポーランドに行ったことがありますが、ポーランドの人たちもその街もすごく好きでした。私の中ではまた行きたい国の第一位なのですふふ

来年はショパン・コンクールの年ですが、またどんなスターが誕生するのか楽しみです。

 

反田くんも出るのかな~?