児玉麻里 & 児玉桃 ピアノ・デュオ リサイタル:チャイコフスキー;3大バレエ 他 | Wunderbar ! なまいにち

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まだまだひよっこですがクラシック大好きです。知識は浅いがいいたか放題・・・!?

2018. 12. 7 (金)  19 : 00 ~    FFGホール(旧福銀ホール)にて

 

<チャイコフスキー・ファンタジー>

 

チャイコフスキー/ラフマニノフ編:「眠りの森の美女」組曲 Op.66より

          1. 序奏/リラの精 2. アダージョ/パ・ダクシオン 3. 長靴をはいた猫 4. ワルツ

 

チャイコフスキー/ランゲリ編:「白鳥の湖」 Op.20より

              1. 情景 2. 四羽の白鳥の踊り 3. パ・ド・ドゥ (グラン・アダージョ)

 

チャイコフスキー/ドビュッシー編:「白鳥の湖」 Op.20より

              1. ロシアの踊り 2. スペインの踊り 3. ナポリの踊り

 

ドビュッシー:白と黒

 

チャイコフスキー/アレンスキー編:「くるみ割り人形」 Op.71より

               1. 小序曲 2. 行進曲 3. こんぺいとうの踊り 4. アラビアの踊り 5. 中国の踊り

               6. トレパーク 7. 葦笛の踊り 8. 花のワルツ 9. パ・ド・ドゥ (グラン・アダージョ)

 

(アンコール)

ビゼー:子供の遊び Op,22 より

ラヴェル;マ・メール・ロワより 第3曲 「パゴダの女王レドロネット」

 

ピアノ:児玉麻里、児玉桃

 

 

「国際ソロプチミスト福岡ー南 認証30周年記念チャリティーコンサート」と題されたこのコンサート。 「ソロプチミスト」って何なんでしょう。私はキリスト教団体かと思ってました(プロテスタントと響きが似てたもんで・・シュミ)が、全然違いました。ググってみると、

国際ソロプチミストとは、4つの連盟(アメリカ連盟、ヨーロッパ連盟、グレートブリテン&アイルランド連盟、サウスウェストパシフィック連盟)で構成され、約130ヶ国に3,000のクラブ、80,000人の会員を有する、女性の世界的な奉仕団体。人権や女性の地位向上を高める奉仕活動をしているそうだ。「ソロプチミスト(Soroptimist)」とは、「女性にとって最良のもの」を意味するのだそう。

というわけで、この日の会場はこの団体関係者の方々ばかりだった(と思う)。女性がほとんどで、あちこちでご挨拶回りがあっていた。たぶん関係者つながりで来た人が多いせいなのか(つまり公演自体にはあまり興味ない?)、拍手は少ない、終始雑音や話し声が聞こえてきて環境はあまりよろしくなかった怒る
 

とはいえ、私にとっては2台ピアノのコンサートを聴くのは初めて!

しかもこないだバレエで観た「白鳥の湖」やちょうど時期的に旬な「くるみ割り人形」、のピアノ版と聞けば食指が動いちゃいますうっとり顔・ネコ恋

 

児玉姉妹のお姉さんの方、児玉麻里さんを聴くのは初めて。帰宅してプロフィールを調べたら、旦那様はなんと指揮者のケント・ナガノ氏!ブタ そして娘さんがカリン・K・ナガノさんといって、今年20歳。このお嬢さんもピアニストでご活躍らしい。すごいなぁ!

妹さんの方の児玉桃さんは以前に一度聴いたことがある。調べてみたら、5年前の2013年4月のトヨタ・マスター・プレイヤーズ、ウィーンでシュトイデさん(Vn)とノーチさん(Vc)との共演でベートーヴェンの「ピアノ、ヴァイオリン、チェロのための三重協奏曲 Op.56」だった。

 

おふたりはこの日の曲目のCDもリリースしている。

(表示の値段が高いのはこれはSACD版だからです。通常のもあります。)

 

 

ステージ上に交差して置かれたピアノは手前側はふたを完全に外してあって、奥側は通常のようにふたを開けた状態だった。

ステージに現れたおふたりは、フライヤーと同じ真っ赤なドレスを着ていた。

 

前半の「眠りの森の美女」から「白鳥の湖」までは手前側(連弾でいうセコンド)に桃さんが、奥側(連弾でいうプリモ)に麻里さんが座った。

ラフマニノフやドビュッシーといった多くの作曲家たちがこうして編曲しているということは、チャイコフスキーのこれらのバレエ曲はあらためて言うまでもなく素晴らしい曲なのだ。

 

2台のピアノへのアレンジは初めて聴いたが、管弦楽バージョンと比べても全然ひけをとらずとても魅力的だった。先日見たバレエ「白鳥の湖」の色んな場面を思い出しながら聴いた。

2台のピアノなので互いの距離が遠いが、お互いにアイコンタクトや顎を使うなどして息もぴったりだった。

あえていうならば、主に旋律を弾く麻里さんの打鍵が強いせいなのか、やや音色がキンキンしたような角張ってるような、そんな気がした。

 

前半最後のドビュッシーの「白と黒」は初めて聴く曲だった(フライヤーにも曲目が載っていなかったので、演奏されること自体知らなかった)。このタイトルの「白と黒」はピアノの白鍵と黒鍵に由来するらしい。3楽章構成かと思ったら、3曲構成みたいだ。

この曲は姉妹第Iピアノと第IIピアノを交代しての演奏だった。

初聴きなので細かい所は分からないが、この曲はちょうど第一次世界大戦中の1915年(ドビュッシー53歳時)に作曲されたそうで、ドビュッシーらしさがありながらもそういう時代背景も影響しているのかなといった曲調にも思えた。

 

 

休憩後の後半は、ドビュッシーのときと同じく、第Iピアノを桃さんが、第IIピアノを麻里さんが担当した。

この「くるみ割り人形」の2台ピアノ版といえば、私が一番好きなのはこれ下差し

 

 

これを初めて聴いたときは眩いばかりの音の美しさや躍動感に衝撃を受けた。(第Iピアノをアルゲリッチが第IIピアノをエコノムが担当している)

これを聴いて以来いつかこの曲の2台ピアノ版を生で聴いてみたいと思っていた。

 

そして実際に聴いてみて、やっぱりいいなと思った。

個人的にはやっぱり第Iピアノを桃さんが弾いた方がバランス的にはしっくりくるような気がした。後半にいくにしたがってミスタッチが目立ってきたようだったが、色とりどりの曲を魅力的に聴かせてくれた。

 

ちょっといただけないなと思ったのが、譜めくりのおふたり。

第IIピアノの方についていた人は、何度か譜めくりを忘れた?もしくは気付かなくて?そのたんびに 麻里さん自らがめくっていた。 第Iピアノについていた人は、最後の曲のグラン・アダージョの最後の盛り上がるところで譜面をめくったのはいいが、リピートを見逃してた?かなんかで再度めくらないといけないところを見逃して、桃さんがむんずとめくっていた。

2台のピアノ曲の楽譜は見にくいのかなんなのか分からないが、”譜めくり役”としてそれはどうなんでしょうね・・・

 

 

アンコール2曲は今度は連弾。自らが曲紹介をしてくださった。

2台のピアノは(自分で弾くのは)無理としても、連弾はいいな~音譜

ずっと昔姉とよく連弾をしていた。私はいつもセコンドをやらされていたが、主旋律より低音役の方が大好きだった。連弾はほんとに楽しかった。そういうことをずっと思い出していた。

あ~また連弾やってみたいな~ハート

 

終演後にサイン会あり、参加しました。

で、ずっと前から聞いてみたかったことをついに質問しました!

それは、「どちらのパートをどちらが弾くのはどうやって決めているのか」ということ。

麻里さんがすごく丁寧にお答えくださった。

「私たちはふたりとも両方とも弾いてみて決めているんですよ。だからほんとは私たちどちらのパートも弾けるんです。」  なるほどー!!うっとり2

私が、姉と連弾していたときはいつも左手パートをやらされていたという話をすると、

「あらぁ~、それは両方ともやってみられた方が面白いと思いますわよにこにこ」 と明るく答えてくださった。 質問に答えてくださってありがとうございました!aya

麻里さんも桃さんも近くで拝見したらなんかオーラがすごい。本当に素敵なおふたりでしたはーと