高市 「え?」
高市 「それ…大津が行かなくても…」
大津 「ダメだよ。使者を立てて奴らに知られぬはずがない」
大津 「伊勢は大来がいる。オレが行って神が会ってくれぬわけはない」
大津 「伊勢の加護を受けて即位すれば、国家は安定するはずなんだ。そんな大事、オレが行かないなんておかしいじゃないか」
高市 「そ…そう言われると…もっともな話だけど…」
高市 (そう言って、大津は伊勢へ向かった)
巫女 「斉宮様」
巫女 「太子様がいらっしゃいまして…ご神託を伺いたいと…」
大来 「え…大津が?」
大津 「…」
大来 「大津――――――!!」
大津 「うわっ!!」
大来 「よかったー…無事なのね。悪い噂ばかり聞くんですもの、心配で…」
大津 「う、うん…無事だから…ちょっとどいて…」
大津 「変わってないな、姉上…」
大来 「え?」
大津 「何でもないです」
巫女 「斉宮様っ!?」
巫女 「出られてはなりませんよ!」
大来 「出るくらいよろしいでしょ!数年ぶりに弟が訪ねてきたのですわよ」
大津 「いや、姉上…身内でも禁止されてたと思いますよ」