『珈琲の世界史』 | えにーの読書感想文

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読んだ本の説明や感想なんかを書いていきます。主にミステリーや歴史・皇室関係についてが多いと思います。
未読の本の内容を確認する際にも参考になれば幸いです。


​『珈琲の世界史』
旦部 幸博、講談社現代新書、2017年




コーヒーの歴史をまとめた一冊。

そもそも「コーヒー」の語源はアラビア語の「カフワ」であり、日本にはオランダ人が持ち込んだのでオランダ語から「コーヒー」という呼称になったそう。「珈琲」の漢字は江戸時代の蘭学者・宇田川 榕庵ようあんが最初に用いたとのこと。



コーヒーと人との出会いについて、よくカルディというヤギ飼いの少年が、ヤギが山の中に実っていた赤い木の実を食べて興奮してるから自分も食べてみて云々とか聞きますが、17世紀半ばの文献には「民間伝承だ」と述べられているらしいです。

そもそもコーヒーノキの起源は「分子進化時計」解析な結果、約1440万年前の中央アフリカ付近で近緑植物との共通先祖から分かれ、多様に分岐していったのだとか。現生人類より先輩だったんですねぇ。



10世紀初めの医学書の中にコーヒーについて書かれた一文が登場したり、その100年後にも「くすり」として医学書に掲載されていたりと、100%コーヒーのことだと断定はできないみたいですが、昔はそういうジャンルだったのかも知れませんね。

1996年ドバイ北東のクシュという遺跡で、1000年頃に作られた陶片と一緒に炭化したコーヒー豆が2粒出土したってこともあったそうです。



そして15世紀になっていよいよ表舞台に出てくる、と。

日本では17世紀末〜18世紀頃、出島のオランダ商人たちが飲んでいて、そこに出入りしていた日本人らが飲んだのが最初っぽいですね。1804年に文人の大田 南畝なんぽが、オランダ人の船でコーヒーを飲んだときの感想を書に記していますが、口には合わなかったみたい。



コーヒーが本格化したのはカフェが出来始めた明治時代に入ってから。

それが今や消費量は世界4位とかですからね。コンビニのコーヒーもけっこう美味しくなったし、今後はさらにみんな飲むようになるのでしょうか。