『探偵は教室にいない』 | えにーの読書感想文

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読んだ本の説明や感想なんかを書いていきます。主にミステリーや歴史・皇室関係についてが多いと思います。
未読の本の内容を確認する際にも参考になれば幸いです。


​『探偵は教室にいない』
川澄 浩平、創元推理文庫、2021年



「真実を知ることは、必ずしも問題の解決には繋がらないこと。それどころか、新たな問題を生み出してしまう可能性すら孕んでいる。世の中には曖昧なままにしておいたり、知らないままでいた方がよかったりすることもある」


海砂 真史うみすな まふみと、彼女の幼馴染である鳥飼 歩とりかい あゆむは9年ぶりに再開した。それは、真史の中学校の机に入っていた、名前のないラブレターの差出人を歩に推理してもらうためだった。


歩は幼い頃から頭の回転の速さは大人顔負けで、真史とも小学校に入るまではよく遊ぶ仲だったが、今の彼は学校には通っていなかった。


この相談をきっかけに、真史は自分の学校であった不可解な出来事を歩に相談するようになる。

合唱コンクールのピアノ伴奏を辞退した男子生徒。同級生の浮気疑惑。そして、真史の家出。

札幌を舞台に、中学生たちは身の回りの謎を通して成長していく。



   



第28回鮎川哲也賞受賞作。


札幌の中学生・真史が身の回りで起きた不可解なことや不思議なことを、幼馴染で不登校の歩に相談し謎解きをしてもらうストーリー。
中学生たちのお話なので、謎といっても本当に他愛もないような感じですが、少年少女の成長を描いた穏やかな短編集ですね。

殺伐とした殺人事件ばかりではなく、たまにはこういう青春ものも悪くはないですね。