『魔眼の匣の殺人』 | えにーの読書感想文

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読んだ本の説明や感想なんかを書いていきます。主にミステリーや歴史・皇室関係についてが多いと思います。
未読の本の内容を確認する際にも参考になれば幸いです。


​『魔眼の匣の殺人』
今村 昌弘、創元推理文庫、2022年



「けどこれはミステリの解決編じゃない。だからワトソンは必要ない」


3ヶ月前に葉村 譲や剣崎 比留子らが巻き込まれた婆可安湖集団感染テロ事件を予言していた投書を掲載した雑誌。そこには数々の事件を的中させてきた予言があったこと、そこにテロ事件の際にも名前が出た「斑目まだらめ機関」の成果ではないかと書かれていたのだ。


それを頼りに斑目機関の場所を調べて確認に行った葉村と比留子は、予言の絵をスケッチブックに描く少女と出会う。そして人里離れた施設に暮らし予言者と恐れられる老婆の下に辿り着く。

葉村たちを含め、9名の来訪者に告げられたのは、あと2日のうちに男女2人ずつ計4人が死ぬ、という予言だった。


村に繋がる橋が燃やされ施設に閉じ込められた一同を、予言をなぞるように次々と死が襲う。このまま予言は成就してしまうのか。逃げ場のない葉村たちの運命は。



   



シリーズ第2弾。


前回の事件の背後にいたと思われる斑目機関。それを追っていた葉村と比留子は、かつて研究の被験者だった予言者に辿り着きます。そして2日以内に男女2人ずつ死ぬという予言を基に、事故?殺人?が始まっていきます。


斑目機関についてはだいぶ明らかになったのですが、シリーズのラスボス的な存在ですかね。ざっくり言うと、戦争中にあった、倫理的・道徳的な枷に囚われない研究をするための機関とのことで、超能力の研究もしていたようです。


作中では「比留子」という名前への言及もちょろっとありましたが、ここにも確執とか歪んだ何かがありそうな予感…。

そもそも比留子は極度の事件巻き込まれ体質であり、自衛のために事件を解決しようとするしワトソン役として葉村をスカウトし続けていますからねぇ。


しかし、犯人が行なった予言の操作テクニックは、DEATH NOTE劇場版でライトがやってた手法を彷彿とさせますね。