『将棋殺人事件』 | えにーの読書感想文

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読んだ本の説明や感想なんかを書いていきます。主にミステリーや歴史・皇室関係についてが多いと思います。
未読の本の内容を確認する際にも参考になれば幸いです。



『将棋殺人事件』

竹本 健治、講談社文庫、2017年


「僕の想像があたっていたら」

  そう言いかけて二、三秒置き、

「犯人を存在させなくすることができるかも知れないよ」

  奇妙な言葉を言い残して出ていった。


墓地で謎々が書かれている紙を拾った人物がしだいに精神を病み、やがてその墓地で死体を掘り返す。そして新たなる犠牲者の連鎖が続く。

六本木界隈で囁かれる噂に疑惑を抱いたIQ200の天才棋士・牧場 智久、大脳生理学者・須藤 信一郎、智久の姉で須藤の助手の典子は独自の調査を開始する。


一方、静岡で大地震が発生し、土砂崩れの中から出てきた2つの死体が見つかった。

六本木で流れる噂との奇妙な符号は何を意味するのか。一連の出来事の裏にある詰将棋の盗作疑惑との関係は。

そして智久たちが辿り着く真実とは。


短編「オセロ殺人事件」も収録。




   



ゲーム3部作の第2弾。


前回の囲碁に引き続き今回は将棋です。将棋は将棋でも詰将棋が話のメインで出てきます。そして将棋の歴史もかなりマニアックなところまで。

詰将棋の本格的な話に怪談話の話題、精神科のことや盗作がどうとか、いろいろな話があっちこっちいってそれがしだいに一つにまとまっていく感じで、なんだかあの奇書を彷彿とさせます。


相変わらず探偵役を務めるのは須藤。本の裏のあらすじでも智久ばっかりクローズアップされてて何となく釈然としない感じですが、短編の「オセロ」の方は智久がしっかり探偵役をやっています。