5時40分そっと家を出る。
寝てる娘を起こさない様に。
これさ、
娘ではなくてさ、
隣で寝息を立てている(別にいびきでも気にしないよ)温もりから離れ難く、髪の毛に顔を埋めて思いっきり息を吸って、そっとベッドを出る。シャワーでシャッキリさせて一人で静かに朝ごはんを食べて、火の元を確かめながらひとつひとつ部屋の灯りを消す。目が覚めた時にリビングが明るい様にカーテンを開け、寝室のドアをちょっとだけ開けて「じゃ、行ってくるね」と呟く。彼女が出勤するのは2時間後だから。
とかさ、
やろうと思えば出来てたはずなんだよ。
後悔先に立たず。
覆水盆に返らず。
奢れる者は久しからず。
MA-1の肩に「ぱらぱら」と音を立てて。
ありゃ降ってんの?
雨?
見上げると月が雲に隠れた。
晴れから曇り雨に変わりつつ・・・これ霰(あられ)じゃん。
濡れた道路を駅へ「とことこツルリ。」おーあっぶねえ。
始業5分前、何の気なしに窓を開ける。
え。
まじでふってんじゃん。
しかも雪じゃん。
ありゃ。
雨だろうと雪だろうと一日の行程は変わらない。
今日初めて会う外部さん代表に職員さんが、
「12月からうちに来てくれたkenさんです」
初めまして。よろし・・
「あー噂のっ」
(え。)
「お噂はかねがね伺っております〜」
え。っとどんな・・
走って汗びっしょで、止まって寒くて寒くて手がかじかんで足踏みする午前中。