森夜 | Chapter 2,682〜

Chapter 2,682〜

非表示にしたものも含めると2,800話くらい?
これ8章。

原始の森との境、熊笹とススキの原が風で大きく波打っている。

ぼんやりと見えるのは俺の暗順応か星灯りか。

原生林の中でGITZO(三脚)にCanonを載せてさっきから座ってる。

寒い。

2000m超えのここまで機材を担いで登った汗が強い風で急激に冷える。

見上げればそびえる木々の隙間から満点の星、空が緑色に見えるほどの凄まじい星空。

冷くて手がかじかむ。

22時を過ぎた。

一人ぽつん。

霊的なものの怖さ、不気味さなど感じない。それも含めて半径100mは俺以外誰も居ない(はず)

もし、人の形をした何かが居たらそれはむしろ神に近い何かだと。

俺は徹底した無神論者だ。

でも、

音がする。

さっきから俺の後ろで何かが動いてる。

そりゃあ、ね。

居るでしょう。

人が暮らす場所ではないし、兎、狐、狸、鹿、猿も居るかも知れない。熊だったら俺ヤバいかなぁ。

死ぬのは怖くないしいつでもいいけど熊に生きたまま食われるのはなぁ・・痛いんだろなぁ。

 

 

冷え切った体で深夜、山を駆け降りて、温泉嫌いの俺がじっくり温泉に浸かって体を解凍して再加熱して。

スタッフで遅い夕食、てか夜食。

酒が入って話題は俺のこと(俺が飲まないからか)

 

「色んな経験をされて来て」

「ドラマか小説みたいな濃い人生を過ごされて」

「職業柄当たり前なのかも知れませんけど世界観が違いますよね」

 

違わないと写真撮れないですよね。

それに、

ほんとにしなくていい経験を山ほどして来て、そのほとんどは嫌な事でしたけど、

あー・・うーん、

しない方が良かったかな。

結果、大して肥やしになってないし。

もうたくさん。

早く死にたいです。

 

「kenさんそれって」

「そう思うのって」

「大切な人がそばに居ないからじゃないですか?」

 

そうなのかな?