見下げた男 | Chapter 2,682〜

Chapter 2,682〜

非表示にしたものも含めると2,800話くらい?
これ8章。

「ガツガツガツ・・」とラーメン食ってたんだよ。

一人で。

フードコートで。

フードコートだからさ、他の店もあっていっぱいお客さん居るわけだ。

ざわざわうるせーから俺、隅っこのカウンターに座って「ガツガツガツ」

食ってる俺の左の通路で爺さんが座り込む。

和式トイレみたいな格好で床に座り込んで唸り声「うー」

 

(ああ痴呆か)ずばずばラーメン啜りながら。

(そんなとこでんこすんなよ)チャーシューはむはむ。

 

奥さんだか家族だか介護の人だか女の人がやって来て、一緒に座って爺さん抱きしめる。背中さすって「大丈夫だから大丈夫だからね」

 

ラーメンずずずず・・

あむあむあむ・・横目で見ると、女の人と目が合った。

 

俺かんけーねーよ。

知らんよ。

知り合いでもないし。

そりゃ最低限の介護資格は持ってるけどさ、

うん、ガタイいいから爺さんくらい抱えられるけどさ、

アルツハイマー、お袋一人で充分だって。

え。なんで俺のこと見てんの?

なんでそんなに真っ直ぐ俺のこと見てんの?

 

ごちそーさまでした。

丼返して、さー帰ろう。トイレも寄って行こうかね

 

 

『他人に関わるとロクなことにならない』

『死ぬことしか考えられなかった時、誰かが俺を助けてくれたか?』

『今日の自分がどうあれ、それは昨日まで生きて来た結果』

 

そうなんだけどさ、

それは俺の経験則で規範で譲れないもので、

だけどさ、

そこまでじゃなくて、

 

もういっぱいいっぱいなんだよ。

 

何もかにもがめんどくさい。ほっといてくれって思う。くたびれちゃったんだよ疲れちゃったほんとに。

こんなんでも、大した期間じゃないけど走って来たんだ。

もー

いーよ。

 

見ず知らずのボケ老人助ける気があったら、その前に友達の葬式出るよ。

それすら行く気力が無いんだもん。

自分のことで精一杯、今を何とかしたい、ここを逃げ出したい、もう来たくない。

 

 

あーくたびれた。

ゆっくりこぽこぽ女の人と一緒にお風呂に浸かりたい。

アイス持って。

 

なんか美味いもん食いに行こうよ。

晴れた日に潮風に吹かれて。

雨なら俺達を隠してくれる傘に隠れてキスをしよう。

 

良く

頑張ったよ

もう

たくさんだ

 

 

iPhoneをさ、

消音モードにしてても、電話着信で「ぶるっ」震える。

とか、

ディスプレイにメール着信メッセージ

とか。

嫌なんだよ。

なんかもーほっといてくれよ。

見たくないんだよ。

とは言っても、

 

退職する為には仕方のないことなんだよね。

 

退職すると経済的に貧窮する。

退職しなかったら精神的に参っちゃう。あ、身体もだ。

どちらにせよしんどいなら貧乏のがいい。

さてCanon売っ払うかぁ