「なにしてるの?」
フェンス越しに下校の小学生の女の子達が話し掛ける。
(ほらな。子供には人気なんだよ俺は)
ここのね、ゴミを取っておかないと雨降ったら道路に溢れちゃうんだよ。そしたら皆んなが学校行く道も通れなくなっちゃうのね。
「ふーん」
なんて話したちょっとの間にフェンス子供だらけ。どこかの難民キャンプか?
「おじさんどこの人?」
おじさんは役所の方から来ました(消化器詐欺か?)
「おじさんお給料いくら?」
(子供ってこれ聞くよなー)
みんなのお父さんの20分の1くらい。
(もっとか?じゃなきゃこの辺住めないよな。超絶高給取りだろな)
いつも通りに出勤すると無愛想上司、
「えっ。今日いいのっ?」
あ。はい。
体動かすの好きなんで。楽しそうですし。
「午後から」どころか朝8時から現場。一旦戻ってお昼食べてまた他の現場。
昨日は自席に2時間居なかった。
沖に季節外れの巨大な積乱雲。
なんでか俺だけ長靴(家からリュックに入れて持って来た)
さぶざぶざぶ・・
雨上がりの小学校一年男子状態。
楽し。
詰まった水路のゴミを大きなトングで摘んで歩く。崩れそうな所を土嚢を作って補強する。
汗びっしょりで帰る車中、無愛想上司が、
「kenさん、で、どう?」
「うちの仕事?」
(今日は)楽しいです。
「楽しい?!」
「おおー」
「これからもっと楽しくなります」
(え。)
「施設に応援で入ったことがあったんですよ。あそこでのkenさんは大ベテランでしたよね」
「kenさん物凄く若いし」
うーん。
なんかね、
なんと言うか、
良くある事なんだけどさ、
(俺を)測りかねると言うか『とっつきにくい』んだよね俺も。電話とか愛想良くしてるつもりなんだけど。距離感が掴めなかったらしい。
「kenさん、4年は居られます」
「kenさんさえ良ければ8年は」
「1月2月は許可取りますから残業してくださいね」
いや。
え?
あれ?
それはないかな。
とーいーし。
とは言わなかったけど。
行きたくない事は変わらんもん。
昨日の疲れが抜けない。筋トレサボってるもんなー
今日一日乗り切れば明日から三連休。
早く帰ろう。