確か、
17歳だったと思う。
都心のコンサートホール、と言うより公会堂。
学校帰り(当時の俺がその日登校してただけでも凄い)夜。
古く、それほど大きくないホールは胡散臭げなおっさんと派手なおばさん達でいっぱい。ウイスキーのボトル回し飲みやらビールやら。
なんと言うか『駄目な大人の集まり』
が、
今思えば、
長ラン土管、厚さ3cm鞄の明らかなツッパリ(死語だねー)アイパーに剃り込み、目つきの悪いデカい高校生。
が、一人でそこに居る方が異様だよね。
おじさんおばさん達「え?彼は何?」だったろなぁ。
『アルバート&BB、ダブルKING来日公演』
俺をロック少年からブルース青年に変えた夜だった(かどうかは知らん)
「Albert KingのフライングV、すっげかっちょい」
あれから随分いや物凄く時間が経って、ギターを弾くようになった。
ジョー・ボナマッサが『I'll play the blues for you』のPVでアルバートのギターそのものを弾いていて「亡くなった後、譲り受けたんだろか?」と(ボナマッサはネックにALBERTではなくてBONAMASSAと書かれた同型も持ってるよね)
「やっぱりこのFlying V、かっこいーなー」
Lucy(ルーシー)と名付けられたこのギターは何だろう?
「ギターを弾く者、誰もが通るフライングVの道」
なんだろうけどGibsonではない。
俺あのおちんこみたいなヘッド好きじゃないのズッポリ卑猥で。
アルバートのVのヘッドはレス・ポールみたいに四角いんだよ。3周くらい回ってこっちの方がかっちょいい。
で、
これ、
ワンオフで職人(ダン・アーウィンさん)が作ったそうだ。
例えレプリカでもそんなギターが売られるはずもない(版権あるしね)
あった。
しかも日本だ。
世界中でこれだけだろね。
メイプル(カエデ)をウォールナット(胡桃)で挟む材構造まで一緒。
これじゃ、
量産出来ないよな。
これ、
儲かんないだろな。
が、
3年前あの頃。
「俺は人に恵まれたかったんじゃねえ、あなたにだけ恵まれたかったんだ。」
落ち着け餅つけ。
やれやれだよ。
本当にやれやれだ。
いい加減、逃げるのやめなきゃ。