King's Lucy. | Chapter 2,682〜

Chapter 2,682〜

非表示にしたものも含めると2,800話くらい?
これ8章。

確か、

17歳だったと思う。

都心のコンサートホール、と言うより公会堂。

学校帰り(当時の俺がその日登校してただけでも凄い)夜。

古く、それほど大きくないホールは胡散臭げなおっさんと派手なおばさん達でいっぱい。ウイスキーのボトル回し飲みやらビールやら。

なんと言うか『駄目な大人の集まり』

が、

今思えば、

 

長ラン土管、厚さ3cm鞄の明らかなツッパリ(死語だねー)アイパーに剃り込み、目つきの悪いデカい高校生。

 

が、一人でそこに居る方が異様だよね。

おじさんおばさん達「え?彼は何?」だったろなぁ。

『アルバート&BB、ダブルKING来日公演』

俺をロック少年からブルース青年に変えた夜だった(かどうかは知らん)

 

「Albert KingのフライングV、すっげかっちょい」

 

あれから随分いや物凄く時間が経って、ギターを弾くようになった。

ジョー・ボナマッサが『I'll play the blues for you』のPVでアルバートのギターそのものを弾いていて「亡くなった後、譲り受けたんだろか?」と(ボナマッサはネックにALBERTではなくてBONAMASSAと書かれた同型も持ってるよね)

 

「やっぱりこのFlying V、かっこいーなー」

 

Lucy(ルーシー)と名付けられたこのギターは何だろう?

「ギターを弾く者、誰もが通るフライングVの道」

なんだろうけどGibsonではない。

俺あのおちんこみたいなヘッド好きじゃないのズッポリ卑猥で。

アルバートのVのヘッドはレス・ポールみたいに四角いんだよ。3周くらい回ってこっちの方がかっちょいい。

で、

これ、

ワンオフで職人(ダン・アーウィンさん)が作ったそうだ。

例えレプリカでもそんなギターが売られるはずもない(版権あるしね)

 

 

あった。

 

 

しかも日本だ。

世界中でこれだけだろね。

メイプル(カエデ)をウォールナット(胡桃)で挟む材構造まで一緒。

これじゃ、

量産出来ないよな。

これ、

儲かんないだろな。

 

が、

 

3年前あの頃。

「俺は人に恵まれたかったんじゃねえ、あなたにだけ恵まれたかったんだ。」

落ち着け餅つけ。

やれやれだよ。

本当にやれやれだ。

 

 

いい加減、逃げるのやめなきゃ。