ぱたぱたのおん | Chapter 2,682〜

Chapter 2,682〜

非表示にしたものも含めると2,800話くらい?
これ8章。

定時15分前。

靴履き替えて、上靴レジ袋に入れてリュックに入れて、

パーカー畳んでリュックに入れて、

iPhoneケーブル外してリュックに入れて、

指の汗疱の薬、ケースに入れてリュックに・・

いっぺんにまとめてリュックに入れらんないんだよっ。

別々にやらないとわかんなくなっちゃうんだよっ。

あすぺたぁそーゆーものだ。

 

 

夜勤のお姉さんニコニコで俺の席来る。

俺の席はホワイトボードの陰、大型コピー機の向こうなので、わざわざ来ないと来れない。

しかも夜勤のお姉さん、あまり話したことない。


 

?(なんな?)

 

「kenさんにお願いがあるんですけど」

 

ごめん。

俺、好きな人居るから。

 

「・・・は?」

 

(いやそこはなんか気の利いた返ししよーよ)

え。

なんでしょう?

 

「ゴミ袋が欲しいんですけど」

 

??????

え?

ゴミ袋?

(ないの?・・・え。俺に出せって?取って来いって? )

(あー、倉庫番の俺に「倉庫にあるゴミ袋が欲しい」って言ってんのか)

どれ?

 

 

立ち上がって一緒に倉庫へ。

 

 

「でもね」

「kenさん、伝票付いちゃってるんです」

 

あ、行先票付いちゃってるのか(んじゃだめだよー)

 

「これなんですけど」

「ここに伝票・・」

 

ん?

あ、これ?

これね、うちに来た時の伝票。

だのでこれ関係ないの。

ゴミ袋ね、他の荷物と違って行先票じゃなくて品名付けるだけのもあるから。

そか。

これか。

 

「はい。」

「どうですか?」

 

いよ。

どんだけ持ってく?

ひと箱行っちゃう?

1000枚。

重いよ?

 

「いいですか?」

「ありがとうございます!」

「ひと箱頂きます」

 

 

オフィス戻って閉所資材担当の管理職(前職場の同僚。仲良し)に、ちょっといい?と倉庫。

 

 

◯◯さんゴミ袋ひと箱欲しいって。

あげちゃっていい?

てかあげちゃった。

 

「◯◯さんて?」

 

夜勤のあの髪の長い人。

 

「あー、綺麗だよね」

 

・・・お、おう(ま、いーけどそこは)

 

「在庫表どうなってんの?」

 

に。

 

「にかー」

 

うん。

に。

 

「書き直すかー」

 

(そう来なくっちゃ)

いーよー俺やっとく。

いちにしとく。

 

「んじゃ直しといてね」

 

おーよ。


「どーやって持って帰るの?」


さぁ・・

 

 

「ゴミ袋は引取り手が少ないのでそちらで斡旋掛けてくれても構いません」て本庁担当に言われてた。

で、昨日一件見に来られて「このサイズ、うち使ってないので」て断られた。

だからさ、いんだけどね。黙ってあげちゃっても。

でもさ、後で何か言われて◯◯さん不愉快にするのも気の毒だしね。

管理職を共犯にするつもりなんかない。けど、通せる筋は通さないと。

 

 

帰り際、

管理職にも断って帳尻合わせたから重いけど早目に持ってってね。

何も問題ないです大丈夫ですから。

 

 

 

夜勤姉さん、

『パーカーのフードのほこりぱたぱた』の恩は忘れねえぜ。


(ほんとに、どーやって持って帰るんだろ?)