まぁ、
イジメられるなんてことは全然なく(当たり前だ日本一コンプライアンスうるさい職場だ)皆さん今日も「kenさん、 kenさん」と笑顔で良くしてくださる。
昼前、管理職が、
「kenさんちょっと」
(なんだよー 何かバレたかー?)
廊下を黙って歩いて倉庫向け。
あ。これ俺のことじゃないや。
俺も含めたここに居る誰かのことなら(我慢出来ずに?)オフィス出た途端、話し始めるはず。
「kenさんこれ」
(なんだへ?)あ。ここはー
倉庫の一角に物が積み重ねてある。
ここは消毒業者さんの機材置き場で、触らないことになってる。
俺にはとっても馴染みのある物なので、頼まれても素手じゃ触りたくない。てかこんなもんここに置くなよー。とは言わない。懐かしくも大変な仕事だあれは。
「うん。俺それ知らなくてさ」
「その段ボールの上のポーチ」
「なんだろう?忘れ物かな?って見ちゃったんだよ」
はぁ。(まぁ消毒中に見つけた物なら、うちに知らせないとダメだわな)
「それでね」
管理職、ポーチ開ける。
中に見える、
通帳(つうちょう?)
年金手帳(ね、ねんきんてちょお??)
(え。貴重品じゃん、ダメじゃん)
重なった下に白い封筒。
(わっ)
だめですっだめだめ。
それだめっ戻しましょう。
遺書
と表書き。
そんなの触っちゃだめです。関わらない方がいいです。
覚悟して書いたものなら、それだけのものを引きずってるはずです纏ってるはずです。
引っ張られます。
ダメですっ
そういうものがあった。これは何か?
どういう経緯でいつからここにあるのか?
消毒業者さんに聞いて然るべき処理をしましょう。
最悪、所轄署に届けましょう。
「う、うん。そうだね」
「さっき見つけて」
「とにかくkenさんに見てもらった方がいいと思って」
(なんでだよぉー)
一緒遺書どっこいしょーっ