猛烈A | Chapter 2,682〜

Chapter 2,682〜

非表示にしたものも含めると2,800話くらい?
これ8章。

 

 

「サー」

 

遠い音が近づいて来る。

(あれ俺今寝てるよな起きちゃったかな?いや目ぇ開かないし)

 

「ぼつ。ぼつ。ぼぼぼ・・ザー」

 

来た。

激しい雨。

 

(リビング窓閉めたっけ? 吹き込んだらやだな。仕方ない起きよ見てこよ)

 

テーブルの上のガラケー「ぴこぴこ」点滅。

 

(あり?何か来てら)

 

「明日から16日まで休み」と大家のメール。

 

(そか。夏休みか。ラーメンか)

(1時40分。寝よ)

 

 

 

いつもより早く出勤。

昨日やり残したことあるから。

2本前に乗ると座れるし。

 

モニターの陰に隠れてチャカチャカ。

これやっちゃわないとー

あっちの皆さんが出勤して来る前にアップロードしないと、まーた本庁から電話掛かって来ちゃうよ。

 

朝ミーティング終わったばかりの茄子さんが、慌てた様子で事務所に入って来る。

 

 

「1234の◯◯◯さん、様子が変ですっ」

 

(そーなのーそりわたいへんだあー)

 

「会話が出来ません」

「何を言ってるのかわかりません」

「突入しますので誰か一緒に」

「男性の方」

 

 

繰り返すが大型モニターの陰に隠れてる俺。

 

 

管理職の偉い人、

「え。◯◯◯さん⁈」

「突入っ⁈」

「kenさん」

 

(ん。とつにゅーけんさんて俺のこと?)

 

「それはうちのkenさんが行きます」

「同行します」

「大丈夫です」

「kenさーんん」(手をぐるぐる回しながら)

「RED入ってー」

 

はい行きます。

 

 

そらまー俺だろねー

この建物の中に居る男性で『居室に入った経験』ダントツで俺だろねー

 

 

小さな、それでいてパンパンもの言う小気味いい看護師さん、

「よろしくお願いします」

「暴れるかも知れませんので」

 

(え。)

 

茄子さんと二人きりイエロー更衣室ちょっとだけどきどき申し訳御座いません。

おおおおお。

久しぶりのボーゴ服。

しかもフル装備。


高級っぽいエレベーターでボーゴ服2人「ひゅいぃーん」と高層階。

事務所の粒子の粗い監視カメラ、SFみたいに見えてないかな。

 

 

あーりらー

ほんとだ。

なんかおかしいことになっちゃってる。

対象者が女性なので俺、室内に入らず廊下からドアを足で抑えて全開、両手をフリーにして『何かあったらいつでも飛び込める』ように。

 

・・・・・。

 

 

あの時もこうすれば良かったのか。

 

 

 

なんで、

こんなに、

思い出しちゃうんだろう。

考えちゃうんだろう。

恋慕か未練かいよいよの走馬灯か?

これぞフラッシュバック。

 

 

 

山で着けてたせいか、

酷い汗染みと硬化(紫外線かな)

時計バンドを自分で交換してみた。

小さな小さなマイナスドライバー「かちゃかちゃ」

・・・み、見えない。

ヘッドランプを着けて、

 

でーきたっ

今度はグレーにしてみた。

 

山を歩いたせいか、

酷い日焼け。

数年前まで地元の漁師と間違われる黒さだったのに。

こんなのは初めてだ。

額の生え際ボロボロ。

唇もっとボロボロ、痛くて痺れて感覚が飛んでる。