こんにちは。

認知症リハビリテーション専門士の

菅野洋子です!


今日のテーマは『痛みと認知症』です。



痛みは、カラダに異常を知らせるサインであり、人間が安全に生きていくために、必要な情報です。


例えば骨折や捻挫・怪我に気がつけるのは、〝痛み〟というサインのおかげ。

また、腹痛で受診したら虫垂炎だったというように、放置していたら命に関わることも、人間は痛みのおかげで自身を守ることができるのです。



一方、高齢者の悩みで多いのが〔慢性的な痛み〕。

慢性疼痛とは、数ヶ月から数年にわたって持続したり、再発を繰り返することもある痛みのことです。


皆さんもこんな経験はありませんか?

腰痛や膝痛があって、歩くと痛い。

肩が痛くて、腕が上がらない。

肩こり、頭痛などで頭がボーっとして集中できない。


このように、痛みが気分や行動に大きく影響している経験をお持ちの方も多いでしょう。



痛みの影響は、以下の2つ。


❶痛みによる脳機能低下

記憶力・集中力・注意力・判断力・やる気・行動力・抑制機能(感情のコントロール)など。

そして、痛みが持続することで、認知症状が悪化しやすくなります。


❷痛みにより活動量が減る

活動量低下から、筋力低下や自律神経崩れにつながる。

そうすると食欲不振や不眠などの症状が出やすくなる。

また痛みからカラダが緊張して筋肉や関節も硬くなる。

体力低下し、さらに活動量低下する。

また、全身の血流低下から脳血流も低下し、認知症状が出やすくなります。

痛みの持続により、痛みに敏感になり、より痛みを感じやすくなるという悪循環になっている方も多いです。



このように〝痛みと認知症〟は密接な関わりがあります。

痛みがある方は、まず痛みの軽減に取り組むことがおすすめです。


中には痛みが改善しただけで、物忘れや見当識障害、被害妄想などの認知症状が改善することがあります。



では、痛みに対して、どう対応していくのが良いでしょうか。

もちろん、医師に相談も必要でしょう。

ただ受診した結果、

「年齢だからしょうがないですね」

「湿布や痛み止めを出しておきましょう」

と言われたまま月日が過ぎ、どうしたら良いか……

とお困りの方も多いのではないでしょうか。



これまでわたしが高齢者のおカラダに触れてきて感じていること、それは、

『高齢の方は、からだに触れられることで安心する方が多い』ということ。


ですから、まずは温かい手で、優しくゆっくりと背中をさすってみてください。

触れてみて、びっくりされるかもしれません。

想像以上にからだが硬いと感じると思います。


カラダ全体が痛いという方も、手の温かみを感じて「あったかい。きもちいい~」

とおっしゃる方が多いです。

「きもちいい」と感じることでからだの緊張が緩みます。

また脳機能にも良い影響があります。



また、じっとしたまま動かないことで起きる痛みや、本来動くべきところが動かないことによって、他の部位が無理に動かされてしまい、

それによって起こる痛みもあります。

痛みが出ない程度に、本当に小さい優しい動きから体を動かして行きましょう。



最初に取り組む運動でおすすめは、深呼吸です。いつもより深く呼吸することで、からだが動きます。

深呼吸も運動の一つです。


もう一つのおすすめの運動は、仰向けになり両膝を立てて左右に膝を倒します。

膝を倒す角度は調節しましょう。

痛みがある方は、手でサポートしてあげて、

数センチ動くだけでも効果があります。


ぜひお試しください!



認知症状改善サービス『Family応援隊』では、訪問しておカラダに触れて、痛みの原因部位を特定し、痛みの軽減をしていきます。


実は、痛みのある部位が原因ではなく、他の部分に原因があることが多いのです。

そのため痛みの原因をみていくことは重要です。

  

施術により痛みが軽くなった状態で、運動や脳トレをすると効果大です!