こんにちは。
認知症リハビリテーション専門士の
菅野洋子です!
認知症状の中で、最も多くの方に見られるのが記憶障害である物忘れ。
この物忘れは、3つの段階の〔どこか〕で問題が起こっていることによります。
記憶の3つの段階とは…?
◉第1段階『情報の入力』
目の前で起こった出来事や聴いたこと、言ったことなどの情報入力。
◉第2段階『情報の保持』
入力した情報を覚える(保存)。
◉第3段階『情報の想起』
必要な場面や状況になった際に、保存していた情報を思い出す。
この3つの段階の中でも、1つ目の『情報の入力』ができていないことが多いようです。
物忘れというより、そもそも入力できていない状態ですね。
今回は、『情報の入力』が困難になる原因について考えていきます。
記憶といえば『海馬』が有名ですね。情報を最初に入力する部位です。
そして脳の前側にある『前頭前野』。
前頭前野の仕事は、〔注意・集中・意欲〕。
この機能が低下すると、聞いていない、見ていないということが起こりやすくなります。
ヒトは『言語野』により言語を理解し、『視覚野』により物や状況を見て理解します。
この脳部位の機能が低下すると、聴いたり見たりしたことを理解しづらくなります。
次に、内臓では『肺』がもっとも関係します。
呼吸が浅くなると、注意力と集中力が低下します。
高齢者は猫背の方が多く、呼吸が浅くなりがちです。
そのほかに、難聴・視力低下・疲れ・痛みなどが、情報入力困難な原因になります。
年齢関係なく疲れていたり、痛みがあると、情報を入力するどころではないですよね。
「1日動かず、座っている。寝ているのに疲れるの?」と思うかもしれませんが、
活動量が減ることで全身の血流が低下し、疲労感を感じやすくなります。
実は疲れを感じている高齢者は多いです。
物忘れは、認知症状の中でも原因となることが多く、人によって症状も原因も様々です。
脳のいろんな部位や身体の調子も、記憶に関係しています。
ご本人の〔原因となること〕を見極めると、改善の糸口になります。
一緒にその原因を探って行きましょう!