『たべてあげる』(ふくべあきひろ作)
〈あらすじ〉
嫌いな食べ物が多いりょうたくん。
今日も「にんじんいやだ」とつぶやいていたら、コップの陰から、りょうたくんそっくりの男の子が現れました。
小さなりょうたくんは、「たべてあげる」と言って、にんじんを食べてくれます。
それ以来、小さなりょうたくんは、りょうたくんが「いやだ」と言ったものを食べてくれるようになりますが…。(続きは解説でネタバレします)
〈解説〉
好き嫌いが多い子どもにオススメ…ではありますが。
マジでこえぇ。
大人が読んでも、充分そう思います。
小さなりょうたくんは、最初こそりょうたくんが「いやだ」と言ったものを食べてくれますが、やがて、あらゆるものを食べてしまうようになります。
そして気がつけば、小さなりょうたくんとりょうたくんの大きさが逆転。
小さくなってしまった本物のりょうたくんは、つい「りょうたいやだ」と言ってしまいました。
そう、「りょうたいやだ」と。
大きくなった元小さなりょうたくんは、言います。
「りょうたいやだ
ということは…たべてあげる。」
そうして、りょうたくんは元小さなりょうたくんに食べられてしまったのでした。
こえぇ。
マジこえぇ。
本物が偽物に食べられてしまうというのも衝撃的ですが、小さなりょうたくんの目がだんだん猟奇的になっていくのも怖いし、食べられたりょうたくんが「もう好き嫌いしないよー!」と泣きながら叫んで終わるというラスト、つまり改心したりょうたくんが元に戻ってめでたしめでたし…とならない結末も怖い。
そして、お母さんが、何でも残さず食べる元小さなりょうたくんに対して「見ちがえるようにいい子になったわね」と褒めるだけで、すり替わっていることに気づかないというのも、よく考えると怖い。
深読みすると、「いい子」とは「親にとって都合のいい子」であり、親の意に沿う子であれば、それが我が子であろうがなかろうが関係ない…という心の裏側が、見えてしまったりしまわなかったり。
でも、実際子どもがある日突然いい子になっても、「成長したわねぇ」と思って納得してしまう気もするんですよねぇ。
ちょっと話は横道に逸れましたが、とにかく怖いのは間違いないです。
実際知り合いが幼稚園生の我が子に読んだところ、お残しをした時に「小さいりょうたくんが出てくるよ〜」と言ったら、コップの裏側を確認して「いないよ。いないよ。」と首をぷるぷる振っていたそうなので。
食育としても怪談としても読める『たべてあげる』。
どうぞご活用ください。(何に?)







