台湾旅日記 ~南国食い倒れ天国~ その5 | 縁茶亭茶話

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地味に地道に生活している一般人が綴る、ごくごくありふれた日常

【3月4日(日)】

⑨別に食欲はそそられません

 台湾旅行も、早くも終盤。

 自由行動2日目は、故宮博物院に行きました。

 これは私もすせりんも「ここは行かなきゃウソだろう!」で一致していたところで、買い物というか食い倒れに走った感のある今回の旅行において、唯一観光らしい観光をする場所になります。

 私もすせりんも博物館や美術館を見るのは好きなので、ここではほぼ1日取って、時間があれば茶芸館に行くというゆったりしたスケジュールを組んでいました。


縁茶亭茶話-故宮博物院


 とはいうものの、さすがは世界四大博物館の一つに数えられているという故宮博物院。

 最寄り駅からタクシーで行ったのですが、入り口付近は観光バスと観光客でいっぱいです。

 人混みをかき分けるようにして入り口を見つけ、どうにかチケットを買って、ようやく入場しました。



 台湾の故宮博物院には、身も蓋もない言い方をすれば、蒋介石が台湾に来た時に北京の故宮博物院から持ってきたといういろいろな宝物が展示されています。(これ以上は国際問題になりそうなので、怖くて言えない)

 が、すべてを同時に展示するには量が多すぎるので、一定期間ごとに展示品を変えているのだそうです。


「……って、どんだけ北京から持ってきちゃったの?」

「さあ?」


 私の素朴な疑問に首を傾げるすせりんは、お目当てだった王義之の書が展示期間外で見ることが叶わず、がっかりしていました。



 しかし、故宮博物院イチオシの展示品は、たぶん王義之の書ではありません。

 入場制限がかかり、観光客が長蛇の列を為しているその展示室で公開されているこの博物院の至宝と言えば、やはりこれしかない!!

 これを見ずして博物院を出るなと言わんばかりのその品とは。


「あった、角煮!」

「白菜はあっちの人だかりの方だ!」


 豚の角煮と白菜。

 正確には、清代の職人が精魂込めて細工をほどこした肉形石と翠玉白菜。

 加工技術の粋を凝らした、至宝中の至宝です。


 ――って、なんでよりにもよって肉と白菜やねん。

 残念ながら肉の説明は見落としてしまいましたが、白菜は「純潔の白」と「繁栄の緑(2匹のキリギリス付き)」を表しているんだそうです。


 これらの品は当然ガイドブックにも載っていますが、肉形石は思っていたよりも小さく、白菜は少しだけ大きなものでした。

 故宮博物院的には白菜の方をより推しているらしく、ミュージアムショップには、この白菜をかたどったストラップやら何やらがいろいろと販売されています。

 お土産には、あなたも一つ白菜をどうぞ。

 ちなみに、せっかくなので私も買いました。



⑩世界史問題にチャレンジ!

 王義之の書はありませんでしたが、乾隆帝の書やそのコレクションは展示されていました。

 この皇帝の趣味だったんだそうです。


「そういえば、清の三帝っていたよね。

 乾隆帝と康煕帝と、あと誰だっけ?」


 すせりんにわからないものは、たいてい私にもわかりません。


「光緒帝じゃない? ほら、こっちに光緒帝っているよ?」

「え、そうだっけ? 宣統帝じゃない? 康煕・乾隆・宣統って覚えなかった?」

「宣統帝は溥儀じゃなかったっけ? ほら、3歳で即位したけどすぐに退位したっていうラストエンペラーの」

「溥儀は満州国の皇帝でしょ?」

「いやだから、清のラストエンペラーを満州国の皇帝に据えて傀儡にしたとかって話じゃ……なかったっけ???」

「そうだったっけ? 溥儀は愛新覚羅溥儀って覚えてたからなぁ」

「私は宣統帝溥儀とも覚えた気がするけど……」


 うーん、と頭を抱える私たち。

 さて、正解はどちらだったでしょうか。




 ――という議論をしたことさえも忘れかけていた頃、ミュージアムショップで図録を見ていたすせりんが、「りんちゃん、わかった!」と教えてくれました。

 正解は、「康煕帝・乾隆帝・擁正帝」(この場合の「擁」には、手偏がありません)


「いたー! 擁正帝っていたー!」

「うわー、何かものすごくすっきりしたー!!」


 忘れられた皇帝、擁正帝。

 あの世から恨めしげな視線を送らないでください。



⑪倒れはしないが、やはり食う

 故宮博物院には長時間いたので、途中でティータイム1回、そして昼食をとりました。

 故宮博物院のレストランと言えば本格高級中華を味わえるところもありますが、私たちは4階の三希堂というところでティータイム、1階のカフェで昼食。


 結論から言うと、両方とも三希堂でもよかったかなぁと思いました。

 まず店の雰囲気がいいし、メニューも豊富。

 お茶もティーポットで出され、種類によっては渋くならないように茶海(茶杯に注ぐ前に、急須から茶を移し替えておく器)も出してくれます。

 ここではデザートも頼みましたが、すせりんのマンゴーパンナコッタも、私の緑豆ケーキ(というか落雁。きなこを凝縮したような素朴な味で、私としては好み)も、とても美味しかったです。

 食事メニューも充実してそうだったので、もしも次があるのなら、ぜひここで食べたいと思います。


 ちなみに昼食で食べたのは、サンドイッチ(中国語表記では三明治)でした。

 台湾に来てまで何故!?とは思いましたが、こちらのカフェは比較的洋食系で、メニューもあまり充実していなかったのです。

 すせりんはハムサンドを頼んだのですが、私はせめてもの試しで「台湾三明治」のハムサンドを頼んでみました。


 注文は席で受けてくれますが、会計は前払い。

 そして、すせりんのハムサンドは席まで持ってきてくれますが、私の台湾三明治は会計ついでにレジで渡されるとのこと。


 お会計後に渡された「台湾三明治」なるものは、食パン3枚の間にそれぞれハムとトマトが挟んであるだけのものでした。

 ……まあ、いいんですけどね。

 安かったし。(30元、日本円で100円しないくらい)


 ちなみに、すせりんのサンドイッチは3枚重ねを斜め半分に切った物が皿一杯に盛られていて、「食べきれない」という彼女の言葉に甘えて一ついただいてしまいました。

 台湾のサンドイッチというのは、三枚重ねが基本なんでしょうか。



⑫本当はこういうところが好き

 故宮博物院は郊外で、街中に比べれば圧倒的に緑に囲まれたところにあります。


 今回の台湾旅行で、私が「故宮博物院に行くならここにも行きたい!」と希望したのが、博物院に隣接している至善園です。

 庭園好きとしては、やっぱり中国風の庭園も見たい!


縁茶亭茶話-至善園


 正直、期待していたほどではありませんでしたが、やはり緑の多いところを歩くとほっとしました。

 池には、日本では見慣れない黒い鳥(白鳥ならぬ黒鳥?)がいて、子どもたちからエサをもらっていました。


縁茶亭茶話-黒鳥?


 でもあのエサ、たぶん鯉用じゃなかったかなぁ?

 まあ、食べてるからいいんでしょうけど。(続く)