呪。 | 縁茶亭茶話

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地味に地道に生活している一般人が綴る、ごくごくありふれた日常

 事務所の自席に鎮座坐して電話番をするのも、私の役目の一つです。

 そして、うちの会社にかかってくる電話の中には、やはりクレームというものもあります。


 本日の場合。


「はい、(ピーッ←職場名)です」

「あのさぁ、……」


 私の言葉をさえぎる勢いで、いきなりケンカモードで話しはじめたのは、推定60代後半のおじさまでした。

 仕事や職場がバレかねないので、途中の話は省略。

 早い話、おじさまは身の回りで起こるいろいろなことがご不満だったようです。


 やがて、話は行政へと移りました。

 某公共団体の歴代首長について、あれやこれやとケチをつけるおじさま。

 そして、私もその名をよく知る某女性首長の番になって。


「アイツはキライ。女のくせに首長になって、生意気。」


 ……………………ぷち。


「ンだとごるぁ!! 男がなんぼのもんじゃい!

 確かにいい首長だったとは言わん、だがしかし『女だから』というただそれだけの理由で、キサマ如きに偉そうに嫌われる覚えはないぞ!!

 女なめんな、いてまうどごるぁ!!」


 ――という台詞は、おとなげと品性と良識とオリジナリティが著しく欠如しているために不採用。

 とりあえず、「キサマなんぞ、『コンビニで1本147円のペットボトルを買おうとしたら146円しかなくて、仕方なく唯一財布に残っていた1万円札を使った』とか、『時刻表も見ずに家を出たら、ちょうど目の前で電車に行かれた挙げ句次の電車が30分後だった』とか、『今夜は降らないという天気予報を信じて傘を持たずに家を出たら、暴風雨になってしまい一張羅をびしょびしょにして帰った』とか、『久しぶりに車をきれいに洗ったら、その日の内に鳥フン落とされた』とか、そんな「そこはかとなくイヤな気分」になるようなプチ不幸に1日10回は見舞われながら、この1週間を過ごすがよい。」と心の中で呪うにとどめておきました。


 ちなみに、私がひたすら忍耐に忍耐を重ねて聞き役に徹したこのおじさまとの会話は、25分間にも及んだことを付記しておきます。