「将来の夢は?」
と聞かれると、「職業を答えなくちゃ」と思ってしまいませんか?
もちろん、ほとんどの場合「将来の夢は?」の答えには何らかの仕事を答えることが期待されています。
でも、「将来就きたい仕事」を小学生のうちから答えられるものでしょうか?
●世の中にどんな職業があるかもまだわからない
(たくさんの仕事があるので、大人でも知らない仕事がたくさん存在します)
●自分がどうしたいかわからないうちに、親や周りからの期待にこたえなければと思ってしまう
(子どもの幸せを願うあまりに、きちんと稼げる仕事についてほしい、できれば苦労は少なく安定した仕事についてほしい、と思う親もいます)
●「自分がどうしたいのか」を考える機会が少ない
(本来一番大切なのは「自分がどうしたいか」ですが、分かっている人は少ない)
私も小学生のころ、「将来の夢は?」と聞かれ、少ない知識の中から、自分が好きそうな職業をひねり出して答えていました。
成長するにつれて、「夢と仕事は別のもの」と考え、挑戦することもなく、何となく大学を選び、何となく就職をしてきました。
でも、いつも心のどこかで「私のやりたいことは何だろう?」と考えていました。
自分が夢中になれて、人にも喜んでもらえる仕事は何だろうと。
その答えは、自分の中にしかありません。
「自分はどうしたいのか」
「自分は何をしているときに充実感を感じるのか」
「自分はどう生きていきたいのか」
世の中にたくさんある仕事について知ることも参考になるとは思いますが、まずは「自分」から。
そもそも、小学生が将来就く仕事の60%は、今はない仕事と言われています。
それなら、今存在する仕事に、自分を無理やり当てはめるのも意味がありません。
「自分は」どんな仕事をしたいのか?
どんな人に、どんな価値を提供して、どんな風になってもらいたいのか?
少し難しく感じるかもしれません。
では
どんな人と一緒にいたら楽しいか?
どんなことをしたらワクワクできるか?
どんな未来なら自分も周りもワクワクして楽しそうか?
と考えてみてください。
「働く」のは「お金を稼ぐため」。
もちろんそうです。
でも、それだけではありません。
では何のために働くのでしょう?
自分が成長するため?
生きるために仕方なく?
人に喜んでもらうため?
考えてみてください。
考えてみましたか?
私が思うに、「働く」とは「みんなが幸せになるため」。
そんなきれいごとを、と思われてしまうかもしれません。
けれど、働いて、「ありがとう」のお金をいただく、と考えると、やはり大きな意味で「幸せになるため」ではないかと考えます。
ここでの「みんな」は自分自身も含みます。
自分を犠牲にして周りを幸せにすることだけを考えると、無理が生じて続きません。
理想は、「自分を満たし、それがあふれて周りを満たしていく」イメージです。
そうすると、「自分を幸せで満たす」ためには、「自分が何を欲しているのか」を理解する必要があるのです。
「自分が欲しているもの」が何かわかるでしょうか?
そんなの簡単、と思いますか?
大人にとっては、意外と難しいのです。
もちろん、自分がどうなりたいか、自分が欲しているものは何か、分かっている人もいます。
一方で、
お金さえあればと稼いできても、あまり幸せではなかったと気づく人もいます。
そこそこ幸せだけど、なんだか物足りない、なぜだろう?と思って過ごしている人もいます。
本当はもっと違う人生にしたいけど、よくわからないし、変えるのは無理だよね・・・という人もいます。
どうして自分のことなのに「自分の欲していること」が分からないのでしょうか?
それは、自分の心が成長するにつれ「幸せとはこういうものだ」という価値観、考え方、いわゆる「常識」「世間一般の価値観」に覆われていった結果だと思います。
自分の本当の気持ちを隠している、その「覆い」を外していくのは大変です。
自分では気づいていないことも多いからです。
その「覆い」の考え方が、「自分の考え」であり、「正しい」と思いこんでいることもあります。
でも、そのままでは、本当の「自分の気持ち」はわからないまま。
小学生のあなたは、まだ「覆い」は多くありません。
ゼロとは言いません。
育ててくれている親の考え、周囲の価値観、現時点までの常識、正しいと思われること、など、意識して、また意識せずに取り込んだ考え方があります。
それでも、「自分の本当の気持ち」には、大人がするよりも早くたどり着けるはずです。
その「自分の本当の気持ち」を知る事が大切なのです。
大人向けの本では、やりたいことを探すための質問の中にこんな問いが書かれていることがあります。
「子どものころに好きだったことは何ですか?」
「子どものころに楽しかったことは?」
「子どものころに夢中になったことは?」
自分のやりたい事へのヒントは、すでに子ども時代にあるのです。
もしかしたら、子どもの時には気づかないかもしれません。
それでも、世間一般の価値観に覆われる前の心が何を感じていたかを思い出すことが大切になってきます。
だったら、小学生の今、「自分について」考えるきっかけを持つことが、大きな意味を持つのではないでしょうか?
遠回りのようにも感じますが、「自分」について知ることで、自分の望む「生き方」が分かり、「やりたいこと」、「したい仕事」が分かるのです。
「まだ子どもだから、自分について考えるのは早い」?
小学生のうちから、「何をしているのが自分が心地いいと感じるのか」「どんな時に楽しいのか」、少し立ち止まって考えることで、将来につながるきっかけになります。
「この仕事に就く」と決める必要はありません。
「どんな生き方をしたいか」を考えてみることが重要なのです。
夢と仕事はつながっています。
夢は夢だとあきらめる必要はないのです。
実現が難しい夢であっても、真摯に向かい合い、自分の気持ちを理解し、行動していくことで「夢をあきらめた人生」ではなく、「なりたい自分を目指す人生」にすることができます。
かつての私は、「夢なんて叶うわけがない」と、未来は古い映画のように灰色でした。
けれど、今は自分の可能性を感じ、ワクワクしています。
そんな、「自分の可能性を感じ、ワクワクしながら生きていく人」が増えていけば、世界はもっと良いものになるのではないかと考えています。
今のあなたと将来のあなた。
自分について考えることでつながります。
「自分はこうしたい」
「こんな生き方をしたい」
「そのために仕事でこんなことがしたい」
自分を理解し、自分で選んで生きていくことは、将来どんな仕事に就くにせよ、大切なことです。
このブログ「Re-GROW」では、自分の本当の気持ちに重なっている「覆い」を外し、自分の本当の気持ちに向き合い、自分らしく生きていける手助けができればと思っています。