クワイエット・プレイス:DAY 1 | m-memo

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ネタバレだらけの映画メモ。

忘れ易いので自分用にメモしてます。
ネタバレ部分は詳細を記載することもあれば、
二言三言のこともあります。

 

■あらすじ
物語は、ひとつの家族を襲ったあの衝撃から471日前、世界が沈黙した日[DAY 1]へと遡る。音を立てるものすべてに襲い掛かる謎の生命体が突如として大都市・ニューヨークに襲来し、猫を抱えた1人の女性は、“即死度MAX”のサバイバルを余儀なくされる。果たしてこの街に生き残る術など存在するのか。この絶望に、彼女はどう立ち向かうのか。そして、“音を立ててはいけない”というルールに人類はいかに辿り着くのか。究極のサバイバルの先に、彼女たちが見たものとは…(公式サイトより)

■ネタバレ
*<NYの騒音は平均90デシベル。絶え間ない悲鳴と同じ音量である>
*癌患者のサムは、ホスピスで閉塞感を抱えて日々を過ごしている。外出可能な日になり、彼女はマンハッタンの店パッツィでピザを食べたいと考える。飼猫のフロドや他の患者と共にバスに乗り込んで、一路街へ。
*マリオネットのショーを抜け出すと、介護人で引率者のルーベンが狼狽えつつ電話をしている。施設から、急いで戻るようにと連絡があったらしい。ピザは次回にして、直ぐにも帰還しようとするルーベンに「ピザを食べよう」と食い下がるサム。施設ではなくここで食べるから意味があるのだ。しかし聞き入れてもらえそうになく、諦めて帰路のバスへ。
*何か異変が起こっているようで、他の患者達がバスの窓から外を見ている。サムも見上げると、青い空に無数の流星が降り注いでいる。一際大きな隕石が近くに落ちて、強い衝撃を感じる。
*ふらつきながらバスの外へ出ると、周囲は煙と砂埃で満足に視認出来ない。傍に居た男が「突然何かが現れた」と言うと、その身体が突き倒されて地面を引き摺られていく。軍人が「早く隠れて」と声を上げていて、無線機からは『あちこちに居るぞ』と聞こえる。何物かの襲撃を受けているのだ。軍人や悲鳴を上げた男の身体が、何かに攫われて浮き上がる。爆発が起こり、爆風で弾き飛ばされるサム。
*気絶していたサムが意識を取り戻すと、誰かの掌で口を塞がれる。「声を出すな」とゼスチャーで伝えられ、無言で頷く。そこはショーを観た劇場の中で、多くの人々が薄暗い空間に集まっているが、誰も声を発していない。ルーベンに再会し、無言で抱き合う。猫のフロドも保護されており、安堵するサム。
*劇場の外をヘリコプターが飛ぶ音がする。ヘリが拡声器で『建物内に留まってください、音は出さないように』と警告を発する中、爆発音が響く。音に驚いたフロドが腕の中から逃げ出してしまい、サムは咄嗟に自分も駆け出す。
*猫を追っていくと、入口付近で何かの気配がする。慌てて停止するが、足の下で割れたガラスが軋む。ルーベンが駆け付けて、2人で息を潜めていると、フロドが立てた物音を聞いて怪物がドアを蹴破る。寸前にフロドを抱えて物陰に飛び込むサム。怪物は流星により飛来したものなのか、音に反応するが視力はないようだ。四足歩行する大きな獣のようで、腕(前足)部分が長い。
*気配を探り、ルーベンの眼前で威嚇するように息を吐く怪物。その時、外からまたヘリからの警告が聞こえ、怪物は外へ駆け出す。外に居た他の個体も音声の方へ駆け出しているようで、街に轟音が響く。
*ラジオでは「マンハッタンへの橋には近付かないように」とアナウンスしている。夜になると橋が爆撃され、マンハッタン島は他のエリアから分断される。街では多くの建物が壊れ、方々で火の手が上がっている。絶望して叫ぶ男を、居合わせた別の男が捻じ伏せて黙らせる。
*サムは過去に詩集を出版したことがある。ホスピスで推奨されて最近また詩を書いていたので、今日もノートを持ち歩いていた。怪物の気配が遠離った屋内で、筆談でルーベンに『ハーレムへ行く、ピザを食べに』と伝える。最初は冗談だと捉えて笑っていたルーベンは、彼女が本気だと分かると当然反対する。癌で余命宣告された上にこの事態に巻き込まれ、サムにとってはハーレムでのピザだけが最期の希望になっている。
*突然、建物内に大きな音が響く。駆け付けると発電機の故障らしい。懸命に機械を止めるルーベン。発電機からの轟音は止むが、静かになった空間に切裂き音が響く。ルーベンが突起に服を引っ掛けて、生地が裂けたのだ。発電機の音で近くまで来ていたのだろう、怪物がその音で居場所を嗅ぎ付けて、瞬く間にルーベンを攫う。必死に悲鳴を抑えるサム。
*夜が明けて外へ出ると、人の気配は感じられない。多くの人は攫われたか、建物に隠れているのだろう。サムは打ち捨てられたストアで飲料水や懐中電灯等必要なものを準備、歩いて移動を始める。水音に掻き消されるため公園の噴水傍に陣取って、慎重に缶を開けてフロドに餌をやる。すると、噴水の影に人影を発見。兄妹だろうか、子供2人が身を寄せ合っている。食べ物を分け与えていると、ヘリの音がする。
*ヘリは『サウス・ストリート・シーポートから船で避難開始。水辺へ逃げてください、攻撃者は泳げません。これは強制的な避難命令です』と呼び掛けている。サムは子供達を連れて、大きな通りへ出る。建物に隠れていた人達も移動を開始したようで、街に人が溢れる。サムは人の流れに子供達を紛れ込ませると、自分は逆方向へ歩き出す。
*静かに行動していても、人が多くなれば様々な音が発生する。怪物が人の動きを察知して出現、誰かが悲鳴を上げて標的になる。更に怪物は放置車両を投げて爆発を起こし、また悲鳴が上がる。街は喧噪に包まれる。多くの人が逃げ惑い、サムは倒れ込みフロドを見失う。
*必死に這い進んで放置車両の下に潜り込むと、見知らぬ男が「助けてくれ、助けてくれ」と繰り返しながらサムの足を掴む。その声が怪物を招き寄せて、男はサムから引き剥がされる。怪物の爪がタイヤを切り裂いて、沈み込む車体。このままでは潰されてしまうので、足を挟まれながらもどうにか這い出す。粉塵の中、路地に身を隠すサム。
*フロドはネズミを追い掛けて、通りを移動。水に浸かった地下道から、息も絶え絶えに浮上した男と対面する。やがてフロドは路地に居るサムを見付けて駆け寄るが、背後には何故か男も付いて来ている。
*身振り手振りで南へ向かうように促しても、彼は聞き入れずにサムと同じ方向へ歩く。声を荒らげる訳にもいかず、好きにさせるしかない。やがて雨が降り出し、声が掻き消されるのを利用して名前を訊いてみる。彼はイギリス人のエリック。避難船のことを伝えても、心細いようで1人では歩き出さない。仕方なく、せめて雨を避けようと自分の住んでいたアパートの中へ。
*鍵がないので雷鳴にタイミングを合わせてドアを蹴破り、部屋へ入る2人。病により全身が痛むため、サムは鎮痛剤を探す。エリックはロースクールで学ぶために渡米したと話す。家族は遠く離れた場所に居て、この土地では行く当てもない。サムは「パッツィのピザの最後の1切れを、私が食べる」と宣言。エリックはそれに付き合うつもりらしい。2人は雷に合わせて絶叫して、少し笑う。
*眠っているエリックを残して、フロドを抱えて静かな街を歩くサム。やがてエリックも追い付いて来る。2人で移動を開始しようとして、物音を立ててしまい怪物が集まってくる。夥しい数だ。エリックが走りながら車に物を投げ付けて、セキュリティアラームを作動させる。怪物が幾らかその音に反応するが、次々に新しい個体が出現する。
*回転扉付きの大きな建物へ逃げ込むが、中も安全ではなさそうだ。荒れ果て、床や壁は血塗れになっている。慎重に奥へ進むと地下鉄に繋がっており、2人は水に浸かった線路上を移動。天井付近で眠っていたらしい怪物が2人に気付いて追ってくるが、水中で息絶える。軍の言っていた「泳げない」との情報はどうやら正確なようだ。
*2人は頭上に開いた穴から地上へ出る。そこは荒れ果てた教会の床の上だ。隕石の衝突によるものか怪物が壊したのかは不明だが、教会の床と天井に大きな破損がある。エリックはサムを休ませるが、苦しむ彼女のために薬を入手することに。
*薬局へ出向いてフェンタニルを探していると、フロドが姿を見せる。一緒に教会へ戻ろうとするが、途中で猫が脇道に入ってしまう。フロドを追うエリック。すると工事現場に迷い込むが、そこは怪物の住処のようだ。無数の怪物が群がって、何かを食べている姿を目撃する。高い鉄骨に上っ猫猫が身動き出来ないようなので、危険を顧みず助け出すエリック。気配を察知されたのか、怪物が最接近して聴覚器と思しきものをエリックに向けるが、どうにか遣り過ごす。
*鎮痛剤を渡されると、幾らか落ち着いたサムが昔話をする。父がピアニストで、演奏を聴きにジャズクラブへ連れて行ってもらっていたこと・そのジャズクラブの近くにパッツィがあったこと・父はもう亡くなっていること。パッツィは死を目前にしたサムの、想い出の場所なのだ。
*夜が明け、痛みが和らいだサムはエリックと共にパッツィへ。しかし店は黒く焼け焦げていて、サムは気落ちして座り込んでしまう。エリックはサムの父親が演奏していたジャズクラブを聞き出して、そこまで彼女を連れて行く。幸いこちらの店は綺麗な状態で残っている。そして1人で外へ出ると、近隣のピザ店からピザを持ち帰る。箱にはペンで[パッツィ]と書く。騒動が始まって数日経過しており、味は酷いものだが、それでも2人は(そしてフロドも)ピザを味わう。
*店の上階からは、もう海が近くに見える。避難船と、そちらを窺う怪物も視界に入る。ワイシャツ1枚のエリックに自分の上着を渡すサム。2人と1匹は、静かに水辺へと移動を開始。海までの距離が近付く程に、怪物の数が増える。行き詰まると、サムはエリックにフロドを抱えさせる。「走って」と微かな声で伝えると転がっていた鉄の棒を掴み、エリックを真似て放置車両を叩く。セキュリティアラームが騒々しい音を出し、怪物が押し寄せる。
*少し前に離岸していた避難船が、陸の様子に気付いて航行を止める。サムが作ってくれた好機に、怯えていたエリックも立ち上がる。激しい速度で移動する怪物と衝突しないように回避しつつ、徐々に船の方へ。物音を立ててしまい、周囲にいた怪物が反応する。桟橋を走るエリックに襲い掛かる怪物。最後はエリックが海へ飛び込み、怪物共は急停止する。フロドを抱いて、陸に居るサムを見詰めて船へと泳ぐエリック。彼は無事に船に迎えられる。
*エリックがサムから受け取った上着のポケットには、彼女からの手紙が入っていた。『私の猫を頼むわね。お腹は撫でないで、好きじゃないの』『家まで連れて帰ってくれてありがとう、私をまた生きられるようにしてくれて』『街の歌声を忘れていた。静けさの中で聞こえてくる』『戻って来られて、嬉しかった』
*その頃、サムは再びジャズクラブに辿り着いていた。父との懐かしい写真を眺めて涙を流す。そして外へ出ると、イヤホンを通して聞いていた音楽を街に流し始める。程なくして彼女の背後に、ビルの高所から飛び降りた怪物が着地する。

■雑感・メモ等
*映画『クワイエット・プレイス:DAY 1』
*レンタルにて鑑賞
*過去2作の前日譚となるシリーズ3作目
*1作目を観た時に、怪物からの襲撃初期段階を見てみたいなと思ったので割と楽しみだった今作。しかし主人公は気絶して覚醒した際に「声を出すな」と伝えられるだけで、他の誰かが最初に怪物の特性に気付くような場面もなくて。もうちょっと初日ならではの要素も欲しかったな。
*サムに「声を出すな」と伝えて、叫ぶ男を黙らせる(殺す)のはアンリという男で、演じているのは2作目で[島の長]役だったジャイモン・フンスー。
*サムは役名としては[サミラ]みたいなんだけど、劇中では愛称のサムと呼ばれてる場面しかなかったような気がしたので(見逃したのかもだけど)ネタバレ文内ではサムで統一。
*怪物は、ヒトを菌床としてキノコ的なもの栽培して食べている様子。(ぼやっと見ていて、自分ではその設定に気付かなかった。)
*1作目でも今作でも、主人公達は自分らしい生き方・死に方を選択したのだとは思うけど、些か釈然としない気持ちもある。