■あらすじ
夫の死を目の前で目撃してしまったハーパーは心の傷を癒すため、イギリスの田舎街を訪れる。そこで待っていたのは豪華なカントリーハウスの管理人ジェフリー。ハーパーが街へ出かけると少年、牧師、そして警察官など出会う男たちが管理人のジェフリーと全く同じ顔であることに気づく。街に住む同じ顔の男たち、廃トンネルからついてくる謎の影、木から大量に落ちるりんご、そしてフラッシュバックする夫の死。不穏な出来事が連鎖し、“得体の知れない恐怖”が徐々に正体を現し始めるー。(公式サイトより)
■ネタバレ
*束縛や暴力を経て、夫へ決別を突き付けるハーパー。夫は死を仄めかす。謝罪を受け容れずに部屋から追い出すと、実際に夫は飛び降り自殺。ハーパーはその様子を目の当たりにする。
*彼女は傷心旅行を兼ねたワーケーションで、イギリスの田舎町へ。レンタルハウスの管理人は風変わりな男で、ハーパーは友人に電話で「如何にも田舎の人って感じ」と話す。
*その後、全裸の男が庭に侵入。少年は暴言を吐き、牧師は「夫に謝罪の機会を与えなかったのか」と咎める。警官は全裸男を安易に釈放。どの男もハーパーを不愉快にさせ、そして皆が同じ顔をしている。
*友人への電話で「もう帰る」と弱音を吐くと、友人は「諦めないで、そちらへ行くから」と宥める。友人に地図を送信しようとすると、何者からか「居場所は分かってる」とのメッセージが届く。庭に警官が現れたかと思うと、照明が切れた一瞬の内に全裸男に入れ替わる。
*逃げ惑い、ドアの隙間から差し出された腕をナイフで切り裂くと、それは転落死した夫の傷と似る。管理人・徘徊男・少年・牧師が次々に現れハーパーを苛む。
*車で逃げ出そうとして、管理人を撥ねてしまうハーパー。管理人は車を奪い、ハーパーを追い回す。やがて、車が塀に衝突して大破。
*車から出てきたのは、草冠を被った全裸男。男は同じ顔の少年を産み落とし、少年は牧師を産む。牧師は背中から管理人を出産、管理人は口からハーパーの夫を吐き出す。夫婦はソファに並んで座る。「私に何を求めてるの」「愛だよ」「…そっか」
*夜が明け、妊婦である友人が到着。大破した車、血で汚れた邸宅に友人は顔を顰めるが、ハーパーは笑顔になる。
■雑感・メモ等
*映画『MEN 同じ顔の男たち』
*レンタルにて鑑賞
*アレックス・ガーランド監督のイギリス製不条理スリラー
*夫の自殺を目撃した女が、傷心を癒すためイギリスの田舎町へ。町で出会う男達は、ある側面では同じ顔を持つ。馴染みのある不穏。互いの偏見・差別・恐怖心とその連鎖。
*終盤の展開はインパクトあり。