シークレット・マツシタ 怨霊屋敷 | m-memo

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ネタバレだらけの映画メモ。

忘れ易いので自分用にメモしてます。
ネタバレ部分は詳細を記載することもあれば、
二言三言のこともあります。

 

■あらすじ

今、明かされる衝撃の事実。 それは、実在する幽霊屋敷で起こった…。南米ペルー共和国の首都リマに、伝説の幽霊屋敷が実在する。かつて日系人の一家が住んでいたその屋敷は“マツシタ邸”と呼ばれ、現地の人々に口にすることさえ忌まわしいと恐れられている。凄惨な事件の現場となり、数々の超常現象の目撃が報告されているその屋敷に、ある撮影チームが潜入し、そして消息を絶った。これは、失踪事件から6か月後に発見された、ビデオデータに記録された信じられない出来事の全貌である…。(メーカーサイトより)

■ネタバレ
*「2013年9月、3人の学生がドキュメンタリーの撮影中に失踪。何の説明もなく捜査は終了となったが、6ヶ月後にこの映像が見付かった」
*2013年9月17日:精神科病院の個室、ベニートという男がカメラの前で「午前3時に、2階から泣き声が聞こえた」と証言する。暫くすると男は「あの女が怒ってる」と言って暴れ出し、カメラマン達は医療スタッフに部屋の外へと追い遣られる。
*ペルーのリマで、昔から有名な幽霊屋敷が[マツシタ邸]だ。大学生3人が、卒業制作としてマツシタ邸のドキュメンタリー作品に取り組んでいる。メンバーはプロデューサーのヒメナ・進行役且つ機材管理のファビアン・カメラマンのルイス。作品のタイトルは『超常現象の世界』だ。
*超常現象ジャーナリストのタイラは、マツシタ邸が幽霊屋敷と呼ばれるようになった理由を語る。「古い家主の虐待に耐え兼ねた使用人が復讐を決意、客を招いた日に毒を盛った食事を出した。客はナイフを握ったまま手足が切断されていて、壁は血で染まっていた」「もう1つ有名なのが、屋敷の2階に住んでいた日系人の一家の話だ。主人がいつもより早く帰ると、妻が他の男とベッドに居た。主人は直ぐにナイフを取り出し、男だけではなく妻も刺し殺した。怒りが収まらず、彼は帰宅した子供も殺した。やがて我に返り、日本の武士の伝統だったハラキリを決意した」「その後、多くの人々が超常現象を証明するために屋敷に足を踏み入れた。有名なのがウンベルト・ビルチェス・ベラ。彼があの屋敷の噂を世間に広めた」
*ウンベルトはアルゼンチン人、テレビ業界のスター。1962年に彼はバラエティ番組に出演していて、一晩マツシタ邸で過ごすと宣言した。歴史家のエミリオ・トレレス教授は「ウンベルトは数人の出演者と賭けをした。マツシタ邸の2階で一晩過ごして無事に戻ると。しかし3~4時間も経つと、彼は助けが必要な状態になった。正気を失い、精神科病院へ搬送された。番組での賭けは果たされなかった」と話す。「あの屋敷には日系人の男性が、妻や子供と住んでいた。彼等があの屋敷の最後の住人と思われる」とも。
*屋敷の最初の所有者は、ヨーロッパから来たパルバネ・デルバスパという人物。彼女がリマにやって来たのは18世紀初頭。言い伝えによると彼女は、魔術の使い手だったと言う。言い換えれば、自然医学の知識があり病人を治療していた。当時のペルーはスペインの植民地で、リマもヨーロッパの影響が強かった。大勢の隣人達が彼女のことを、魔女だと噂した。彼女は異端審問に掛けられ、魔女と断定された。恐らくパルバネはペルーの魔女裁判で、火炙りとなった最後の1人だったろう。彼女は燃え盛る炎の中で「屋敷に住む人を呪う」と言ったとされる。その屋敷の跡地にマツシタ邸が建てられた。
*2013年9月18日:大学生3人は、明るい内にマツシタ邸へ入りたがっている。警備員は「バレたらクビになる」と警戒しており、18時までは待つ必要がありそうだ。やがてトレレス教授から紹介された霊媒師オスカルが合流し、4人で邸内に入る。予定では2~3時間の撮影、遅くとも夜明けまでには撤収する。霊媒師は「霊が現れるとしたら3時以降だ」と言う。
*2階へ上がり、各部屋を回りながら撮影する。湿度が高く、カビと虫食いが酷い。屋外に比べると室温は随分低い。現在は18度。窓を開けると賑やかな通りに面しており、数年前までは通りの向かいにはアメリカ大使館があった。危険な場所には思えない。
*学生達は居間にモニタ類を設置する。家中の動きがモニタに映り、サーバーに保存される。各部屋には暗視カメラを設置。最新鋭のカメラ・モーションセンサー・サウンドレコーダー・電磁場探知機に、電磁気で測定する温度計(マイナス50度から750度まで測定可能)もある。「様々な機器を使い、邪悪な力が潜むことを証明する」とファビアンがカメラに向かって語る。
*次いで各部屋にカメラを設置していると、1台が故障している。互いに準備不足を詰るヒメナとルイス、2人を宥めるファビアン。予備のカメラを子供部屋に設置しようとしていると、木馬が揺れて子供の影が横切るが、恋人と電話中のルイスは気付かない。
*やがて暗視カメラの設置が完了。モーションセンサーは廊下に、メインのカメラはファビアンとルイスが1台ずつ持ち、予備は居間に置く。霊媒師は互いに手を握り合い、祈りを捧げることを促す。そして本格的な撮影が始まる。子供部屋から出発し、霊媒師が霊に語り掛ける。電磁場探知機には反応がない。霊媒師は「信頼関係を築く必要がある」と言う。
*別の部屋へ移動すると、室温はまた下がり13度に。ハンガーに掛けられたスーツは、家主の物だったかもしれない。ファビアンが上着を手に取ると、裏面に漢字で[死]と書かれた写真が床に落ちる。日系人の夫婦と息子、使用人が2人。子供部屋にあった乳母車も映っており、 赤ん坊も居たのだろう。恐らくこれが最後に住んでいた一家だ。ファビアンと霊媒師が一緒に写真を持つと、霊媒師は「とても重い。強い痛み、そして邪悪な力も感じる」と言う。そして、火気もないのに写真が燃え上がる。
*驚く間もなく短い悲鳴が聞こえ、3人はヒメナを探す。締め切っているのに、邸内には霧が蔓延している。ヒメナの声だけが聞こえ「声のする方へ歩いてるけど何も見えない」と言う。3人は別の場所に居て、カメラにはヒメナともう1人、別の人影が動く。湿度は98%を越えている。暫くしてヒメナを発見。「モニタを見てたら、電球が突然爆発したの」と話す。「何か意味がある、霊からのサインだ。我々は歓迎されていない」と言う霊媒師。しかし、まだ撮影を止める訳にはいかない。
*予備のカメラを持っていたヒメナが狼狽えた様子になり「食堂に入って行った」と言う。4人揃っているので、それは霊なのだろう。霊媒師は「彼女が話したがっている、セッションで呼び掛けよう。彼等の世界へ扉を開く」と準備を始める。怯えて帰りたがるルイスからカメラを取り上げるファビアン。
*ヒメナは周囲の撮影を続け、居間の床を踏み抜く。床のその部分には[死]と刻まれており、下に空間があるようだ。板を剥ぎ取るとそこには刀があり、柄の部分にも[死]の文字がある。切腹に使った刀なのか。
*1人で居たファビアンは、人ならぬ気配を感じる。試しにテーブルを2回叩くと、ノック音が2回返ってくる。床に転がっていた積み木が一瞬で移動。そして自分の両足の間から、青黒くくすんだ子供の手が伸びて積み木を掴む。ファビアンは驚き怯えるが、仲間には何も伝えず撮影に戻る。
*霊媒師の準備が整い、ルイスにカメラが戻り、食堂で儀式の撮影開始。霊媒師が言葉を唱えると灯していた蝋燭の炎は消え、周囲の物が激しく動き落下する。静かになると「彼等は助けを求めている」と言う霊媒師。「彼等とは?」「大勢だ、沢山の声がする。数人は泣き叫んでいる。ここには邪悪な力がある…この家の女主人の力だ」
*悲鳴がして、ヒメナの姿が消える。騒然とする中「女主人は我々を脅威に感じている、ヒメナは女主人に捕らわれた。その狙いを探るんだ」と霊媒師が叫ぶ。家中を探してもヒメナは見付からず、モニタの映像を見直すことに。ヒメナが虚ろな表情で儀式に背を向ける様子が撮影されているが、ドアを出た様子がない。声が聞こえてその方向に走ると、乳母車が動いている。手を伸ばすと、弾け飛ぶ乳母車。助けを呼ぼうにも、3人の携帯は全て電池が切れている。霊が彼等に敵意を向けている。
*脱出して助けを呼ぼうとすると、窓は全て板で塞がれ、入口のドアも壁に変わっている。ルイスは一層怯えて取り乱し「脱出方法を知ってるんだろ?このインチキ野郎」と霊媒師を責める。霊媒師は「女主人の過去に何かある」と主張するが、ルイスは「失敗を認めて、霊にヒメナの居場所を尋ねろ」と言い募る。
*人間同士で揉めていると、階段の踊り場に使用人2人の霊が出現。霊媒師は「彼等は味方だ、彼等も捕らえられている。我々と話したがっているんだ」と言い階段を駆け上がる。使用人の霊との交霊を試みる霊媒師。部屋中の物が浮き上がり「彼女がここに居る」と叫んで苦しみ、霊媒師が倒れる。
*耐え切れなくなり、闇雲に逃げ出すルイス。途中でヒメナの「止めて、放して」と言う声が聞こえて戸惑う。しかし姿は見えず、霊に惑わされたらしい。大きく叫ぶように口を開けた女の霊が目の前に現れ、見えない力で跳ね飛ばされ、壁に吊り上げる上げられるルイス。最後は床を引き摺られて行く。
*ファビアンと霊媒師は、子供部屋で少年の霊が壁を指差すのを見る。壁を壊すとそこには赤ん坊のミイラが。手紙が残されており、パルバネが男との約束で赤ん坊を隠したと分かる。魔女裁判で自分の死が迫り、男が赤ん坊を育ててくれる筈だった。しかし男は来ずに、赤ん坊はそのまま死亡した。そのせいでパルバネは安らかに眠れないのだろう。霊媒師は、赤ん坊を埋葬しようと提案。その上でパルバネに、ヒメナとルイスを返してくれるよう頼むのだ。その時、壁に開けた穴から腕が伸びて、霊媒師は赤ん坊のミイラごと壁の中へ引き摺り込まれる。
*壁の奥には部屋があり、無数の蝋燭が燃えている。霊媒師の姿はない。中央にはヒメナが繋がれていて、彼女の背中には鞭打ちの痕がある。額には漢字の[死]の文字。目から血を流しているヒメナ。彼女は「全部見たわ、日系人の男はパルバネに操られて、家族を殺して自殺した」と言う。
*ファビアンはヒメナの拘束を解き、自分の上着を被せてやる。床に置いたカメラに2人の姿が映る。一緒に逃げようとしている2人がカメラの画角の外へ消えた直後、ファビアンが倒れて腕だけが見える。痙攣する腕、呻き声。やがてそれも、床を引き摺られて消える。
*床に置かれたカメラが持ち上げられ移動する。次にカメラは、鏡の前で髪を切るヒメナを捉える。蓄音機から流れる音楽。ルイスと霊媒師の死体が椅子に座らされており、生きているファビアンも椅子に拘束されている。ヒメナはもう邸宅の最初の女主人パルバネに取り憑かれている。「私はヒメナじゃない」と声を張り上げ、泣き叫ぶファビアンを平手打ちするヒメナ。彼は「パルバネだろ?あんたの息子を見た。息子を安らかに眠らせてあげるよ」と訴える。「私を助けて」と言うヒメナと「お前には誰も救えない」と言うパルバネ。彼女はテーブルの上で身体を反らせ、宙に浮き、泡を吹いて倒れる。「パルバネと戦うんだ、負けるな」と必死にファビアンが呼び掛ける。するとヒメナが正気に戻り、ファビアンの腕のロープを解く。唯一の証拠であるカメラを2人で回収。しかしヒメナは背後からファビアンに刺され、ファビアンも自分の腹を切り裂く。映像の最後に、ニタリと笑う女の顔が映る。
*その後、警備員がカメラを撤去。途中で黒衣の女が、踊り場に立っている姿が映り込む。
*「機材を撤去した警備員は異常な行動を取り始め、数日後、息子と妻を相次いで殺害した。現在は精神科病院に居る」

■雑感・メモ等
*映画『シークレット・マツシタ 怨霊屋敷』
*レンタルにて鑑賞
*ペルー製POV形式のモキュメンタリーホラー
*撮影隊が廃墟に潜入・心霊現象発生・何故か外へ出られない…というPOVのお馴染み過ぎる展開が全部起こる。抜群の安心感。
*簡単まとめ:大学生3人(男2人+女1人)と歴史家の教授斡旋の霊媒師が幽霊屋敷に潜入。邸宅の最初の女主人パルバネの呪いにより、カメラマンの男・霊媒師が連れ去られ死亡。女が取り憑かれるが進行役の男が正気に戻す。次に進行役が操られて女を刺殺、自分も切腹する。彼等を秘密裏に屋敷に招き入れた警備員がカメラを回収。彼は間もなく妻子を殺して精神科病院へ収容される。
*POV作品の中では、導入は比較的コンパクト・それなりにメリハリのある事象が発生して映像も見易い部類。
*特徴的なのは日系人の一家が住んでいた邸宅なので、日本語が時折出てくる。それが漢字の[死]一文字で、写真の裏はまだしも刀の柄や、挙げ句に人の額に刻まれるとどうにも笑ってしまう。脱力。
*劇中言及されているウンベルト・ヴィルチェス・ベラ氏は「1989年に発表した著書『ゴーストハンター』で、この事件は視聴率を上げるために行った演出で、自分はマツシタ邸には入っていないと否定している」そう。(webムーによれば。)そこを含めて噂や伝承は、劇中で語られる通りなのかな。
*カメラを設置する辺りで「カルロスと一緒に各部屋を確認する」という字幕があるんだけど、カルロスて誰だ。霊媒師がオスカル・カルロスてこと?