オクス駅お化け | m-memo

m-memo

ネタバレだらけの映画メモ。

忘れ易いので自分用にメモしてます。
ネタバレ部分は詳細を記載することもあれば、
二言三言のこともあります。

 

■あらすじ
駆け出しのウェブニュース記者のナヨンは、ボーイフレンドのウウォンを助手として、アクセス数を稼ぐため、地下鉄オクス駅での人身事故の記事を書くことに。取材を進めていくと被害者以外に「線路に子供がいた」という奇妙な目撃談がでてくる。ある目撃者は、取り憑かれたように謎の数字を連呼するのだった。事件の真相を追ううちに、二人の周囲で次々とおぞましい怪死が起こり始める…。(公式サイトより)

■ネタバレ
*人影の少ない終電間近のオクス駅のホームで、ダンスするかのように身を捩る髪の長い女。居合わせた男はそれを密かに面白がり、写真を撮影して「オクス駅で女がヘッドバンギング」とSNSに投稿する。やがて壁に頭部を強打する女。男は女が泥酔状態だと思っているが、SNSでは「心霊写真か」「その女、幽霊なんだろ」「女は血塗れの手に頭を掴まれ、線路に引き摺り込まれる」といった反応が返ってくる。よくある怪談話といった風だ。気付けば女は忽然と姿を消し、駅のホームドアがふいに開く。電車が到着した訳ではない。線路上の何かを見咎め、ドアから頭を突き出して様子を窺う男。ドアが前触れなく閉じて、頭を突き出したままだった男の首から血が滴り落ちる。
*その1ヶ月前。ウェブニュース[デイリーモード]の女性記者キム・ナヨンは、取材時のミス(「真夏のセクシーギャル」として紹介した人物が実は男性で、強制的なアウティングと判断された)ことが原因で、5,000万ウォンの示談金を求められる。「実家が金持ちじゃないなら、原告を探し出して土下座するか、アクセス数が上がる記事を書きなさい」とモ社長から叱責されるナヨン。
*女装男子である[セクシーギャル]について教えてくれた、駅で保安係として働くチェ・ウウォンに尋ねても相手の連絡先は知らないと言う。それならば広告が取れるような、ページビューを稼げる記事を書くしかない。何かネタはないかとウウォンとその同僚スンジュンに訊くと、オクス駅の地下にある廃駅で自殺した男の話を教えてくれる。
*廃駅の監視カメラに一般人の姿が映り、上司の指示で駆けつけたウウォン。ホームから線路上に下りていた男カン・テホに、早く上がれと声を張り上げる。その時、線路の脇に子供の姿を見たのだと言う。テホは結局そのまま線路上に佇み、回送電車に轢かれてしまった。スンジュンは「オクス駅の怪談が作れるかも」と提案するが、ウウォンは暗い表情。ナヨンとしてはエピソードが弱いと感じる。ナヨンが「もっと目撃者が必要」と話すと、ウウォンは「湯灌師も見たと言っていた」と告げる。
*湯灌とは、死者の身体を洗い清めること。ナヨンが湯灌師を訪ねると、入れ違いに髪の長い女が出てくる。彼女は[自殺者]の親族らしく、遺品の入った箱を抱えている。湯灌師は「自分の父親は霊感が強かったのに霊能師になれず、死体を洗っていた」と言う。つまり、彼は家業を継いだようだ。オクス駅が開業した年に彼は10歳で、父を手伝って死体洗浄を始めた。
*湯灌師は先日、自殺者の遺体の断片を集めていた時に、線路の脇で子供を見付けた。名前を尋ねると、黙って[1211]と書かれたタグを見せてきた。「1211?それが名前か?」と訊くと子供は黙ったまま頷いたが、目を離した隙に姿を消してしまった。そう語る湯灌師の手の甲には、爪痕のような傷がある。
*複数の目撃証言を得て記事になると踏んだナヨンは、ウウォンに監視カメラの映像を入手するよう頼む。次長も居る管理室で、緊張しつつ映像をダウンロードするウウォン。部屋を出ると、例の自殺者を轢いた電車の運転士と擦れ違う。別の管区所属なのに、何故事故現場に居るのか。彼は譫言のように「0329」と繰り返して、抜け殻のように歩いて行く。
*その後、トイレで閉まったままのドアに、体調の悪い客が居るのかと心配して声を掛けるウウォン。するとドアが激しく揺れる。中に居たのはスンジュンで、悪戯されたウウォンは怒って立ち去る。残されたスンジュンが鏡を見ると、曇った鏡面に指で書かれたような4桁の数字がある。「1013?」と読み上げるスンジュン。
*ウウォンから監視カメラの映像を受け取り、運転士について聞いたナヨン。彼がホームへ向かっていたと知り駆け付けると、髪の長い女と擦れ違う。そちらも気になるが、運転士の隣に座って話し掛ける。「何故ここに居るのか」と訊くと「あれが離れない」と言う。彼の見詰める鏡には、自分の姿と纏わり付く黒ずんだ子供の姿が映っているが、ナヨンには運転士の姿しか見えない。意味が分からないまま「事故の際、自殺者以外に誰か居なかったか」と尋ねると、運転士は「もう1人居た…0329…0329…」と呟く。事故の瞬間、運転士は線路脇に蹲る人影を見ていたが、それもナヨンには分からない話だ。
*運転士は覚束ない足取りで歩き始め、ナヨンがそれを追う。階段を下りて、人影のない地下へ。彼は壁に向かって「呼びなさい…呼ぶんだ…呼べ、呼べ、0329、0329、0329…」と声を上げる。運転士は事故の後で[0329]と書かれた札を拾っていた。湯灌師はタグを見せられ、スンジュンは鏡の文字を見た。それぞれ4桁の数字を読み上げている。「呼べ、呼べ、呼べ…呼ぶんだ」運転士は最後に振り返り、強い命令口調で声を張り上げる。その顔は傷だらけになっている。
*目撃証言と監視カメラの映像で、ナヨンの記事は掲載を承認される。そして閲覧数30万を越え、部署内でちょっとした祝賀会が開かれる。しかし喜びも束の間、モ社長は「運転士は昨日自殺したのに、誰に取材したの」と激怒。駅の監視カメラの映像を確認すると、運転士と話した筈が、誰も居ない空間に話し掛けている自分の姿が在るばかりだった。意気消沈していると、自殺者テホの妹テヒが、ナヨンとの面会を希望しているとの知らせが入る。
*ナヨンがテヒを訪ねると、彼女は湯灌師や運転士に接触した際に擦れ違った髪の長い女だった。テヒは語る。「調理師だった兄が、廃駅に行った理由が分からなかった。でも井戸を探していた気がして…昔はあの場所に井戸が沢山あったけど、地下鉄工事で埋められたの。実は私達の父も、オクス駅で死んだ。開業の日に、ホームから転落してね。兄と私はそれを見ていたのに記憶がなくて…それで催眠療法を試したわ。でも思い出そうとすると井戸が出てきて、そこで終わる。それ以上は思い出せないの。兄は私のために井戸を探しに行った気がする」
*ナヨンにはテヒが不安定な状態に見える。それを裏付けるように、突然絶叫するテヒ。「考え過ぎだって思ってるの?無理に兄の死と結び付けていると?」どうにかテヒを宥めて、彼女に寄り添おうとするナヨン。「ネットのなかった時代の資料も豊富だから」と会社で調べ、テヒに画像を送る。それは井戸のある[オクス児童養護施設]のもので、テヒの記憶と合致する光景だった。
*その後、ナヨンは湯灌師に呼び出され(1人では心細く、ウウォンを連れて)運転士の傷だらけの遺体を撮影する。オクス駅が開業して30年、事故死した遺体の大部分には爪痕があったと言う湯灌師。「それを世間に伝えて欲しい。そうしてもらえると、実に有難い」湯灌師の手の甲には、やはり爪痕のような傷がある。
*ナヨンは運転士が目を見開いたのを見た気がするが、それは写真には撮れない。ウウォンは湯灌師の首筋に黒ずんだ指が這うのを見るが、声には出せない。「霊感が強かった父は、オクス駅に深い怨念を感じていた」「最近事故が増えたのは何故?」「増えたんじゃない、目を背けていただけ」「無関係な人が呪われるのは?」「怨念が生じると恨みは先ず相手に向かうが、それだけでは救われないと分かると矛先は全ての人に向かう。世の中を恨むんだ。誰が呪われるのか?それは運の悪い奴だ」
*テヒは兄の遺品の中から、オクス児童養護施設の前で撮影した古い写真を見付ける。写っているのは父・兄と自分。4桁の数字で頁が埋め尽くされた手帳もある。誰かの「1001、早く来い」と言う声が聞こえたように感じ、身震いするテヒ。
*『オクス駅事件に新局面、呪いの爪痕?』と題したナヨンの記事が掲載され、出社すると上司から「もう閲覧数が100万を越えた」と祝福される。既に[パクリ画像]も投稿されていると言う。パクリ画像とは、手の甲に爪痕がある男が「呪いの爪痕、やってみた。0411を見たと思う」と画像付きで投稿したもの。例の女装男子も類似した投稿をしているが、添えられているテキストは「0106を見たから死ぬかも」となっている。不謹慎な投稿だと不快感を示すナヨンだが、上司は「うちはゴシップ記事の新聞社だぞ」と意に介さない。
*そしてまたモ社長に呼び付けられるナヨン。モ社長は「昨日1000万、今日1000万…あと3つヒットさせたら、示談金は会社が払うわ」と言う。次の記事について訊かれ、轢死したテホについて取り上げるつもりだと伝えると「妹は精神科病院に通ってる、信用出来るの?」と懐疑的な反応。「それは没ね、他にない?」と言われ、ナヨンは言葉に詰まる。
*終業時間のウウォン。スンジュンは今日は夜勤らしい。スンジュンの手の甲や首筋に、爪痕のような傷があるのを見咎めるウウォン。「お前も[パクリ投稿]したのか?この傷はどうした?」「原因に覚えはないけど軽い冗談だよ、悪化したら病院へ行く」ウウォンが帰ろうとすると覚束ない足取りの女装男子と擦れ違うが、ナヨンの示談金は会社が支払う方向だと聞いているので深追いはしない。
*女装男子はトイレの鏡の前で、自分の顔や首筋に爪を立てる子供の姿を見る。爪を立てられた場所には、実際に爪痕が浮かんでいる。子供の身体は傷だらけで黒ずみ、目だけが鈍く光るような姿だ。悲鳴を上げて、個室に倒れ込む女装男子。その後、スンジュンに無線で「女子トイレの3番から異音、ドアが開かないとのこと。確認を」と指示が入る。該当のトイレのドアを、繰り返しノックするスンジュン。自分がウウォンに悪戯したのと同じ状況だ。反応がないため床に這ってドアの下の隙間から覗き込んでみると、横たわっていた黒ずんだ肌の何者かが目を見開く。慌てて起き上がり後退るが、今度は目の前に黒ずんだ少女が現れ、更に背後から首を掴まれる。最後にはトイレの個室の中で女装男子が、個室の外の床でスンジュンが横たわる。
*スンジュンの葬儀に参列するナヨン。新しい情報に期待する上司にウンザリしていると、更に質の悪いモ社長は「霊安室で写真が撮れるだろ」と焚き付けてくる。顔馴染みの刑事からは「怪談話なんかでっち上げて…デマを拡散しても何も悪くないのか?運転士・女装男子・保安係、お前の周りで人が死ぬ」と絡まれる。疲弊するナヨンに、ウウォンから着信がある。
*ナヨンが駆け付けると、ウウォンは蹲って泣き崩れている。彼は終業後に建物を出て、一見普通の(肌が黒ずんでいない)少女に出会した。少女の胸には[0816]と書かれた名札があり、ウウォンはついそれを読み上げた。その後、手の甲に爪痕が出現したのだ。運転士・女装男子・スンジュンは、爪痕が出現した後で死んだ。怯えるウウォン。
*それ以降、ウウォンは毎晩井戸が出てくる悪夢を見るようになる。何か関係があるのではないかと、テヒを訪ねるナヨンとウウォン。テヒは兄の遺品を見て、記憶が少し戻ったと言う。「オクス児童養護施設は、父が経営していた。4桁の数字は子供の入所日…入所金の振込日だった」湯灌師が話していたのは、子供達の怨念のことなのか。
*3人は、テホの遺品の携帯電話を確認してみることに。すると廃駅で撮影された動画が残されていた。トンネルへ向かって歩き、やがて井戸の残骸と、その場に残る人骨を発見するテホ。養護施設の子供達が、井戸に埋められたようだ。
*ナヨンとウウォンは廃駅へ。監視カメラに映らないよう注意しつつ、テホが見付けた場所を目指す。子供達の無念を晴らせたら、ウウォンは死を免れるかもしれない。ウウォンが念のため行程を撮影しようとすると、目には見えない何かをカメラが認識する。そして黒ずんだ子供が出現、絶叫するウウォン。ナヨンが手を差し伸べて宥めてくれるが、別の方向からもナヨンの声がする。改めて確認すると、先に傍に居たナヨンは黒ずんだ子供に変わっている。再び絶叫するウウォン。
*今度こそナヨンが駆け付け「貴方は1人で先に進んでしまった」と言う。気を取り直して暗い線路上を進む2人。やがてテホが見付けた場所へ到着。骨を掘り起こしていると、黒ずんだ子供達が出現。ナヨンが「貴方達の恨みを公表する」と言うと、絶叫が響いた後で子供達の姿は消えて静かになる。
*通報して警察が到着。ウウォンの傷はまだそのままだが、やがて癒えるだろうとナヨンは考える。テヒにも結果を報告すると「これで安心して兄の葬儀が出来る」と感謝される。
*『オクス駅/井戸に眠る子供達』と題した記事を書き上げるナヨン。するとまた社長に呼び出され「井戸の記事は許可してない」と一蹴されてしまう。弁明も叶わず「従えない者はお払い箱よ」と、出勤停止扱いになるナヨン。憤っていると、上司が「モ社長は駆け出しの頃に井戸の取材をしたが、記事が出れば工期が遅れるからと没になった」と教えてくれる。それにしてもあまりに理不尽だ。
*一方ウウォンは退勤時間に、傷だらけの黒ずんだ子供に腕を掴まれる。呪いは終わっていなかった。堪らず駆け出し肩で息をしていると、湯灌師が目に入る。その手の甲にはもう爪痕はない。ウウォンが「何故俺の爪痕は消えないのに、あんたのは消えているんだ」と詰め寄ると、湯灌師は「他人に移した」と言う。彼はテヒを襲撃しナイフで脅し、無理矢理[1211]と言わせていた。そんなに簡単なのかと驚くウウォンに「ただし、恨みを知る者にしか移せない」と言う湯灌師。彼は霊感の強い父親から、呪いの移し方を聞いていたらしい。湯灌師は他にも必要な条件を、ウウォンに聞かせる。
*テヒはナヨンを訪ねる。呪いを移され[1211]に爪痕を付けられたことで、テヒは記憶を取り戻していた。児童養護施設で、避難訓練と称して井戸に入れられた子供達。その中には[1001]と呼ばれた自分も、[1211]と呼ばれた少女も居た。一度は井戸の蓋が閉じられたが、暫くして「1001、早く来い」と自分が呼ばれた。1211は1001の手の甲を強く掴み「私の名前も呼んでもらって欲しい、ここは怖いから」と頼んだ。他の子供達も「僕も」「私も」と口々に言った。1001は頷き、下ろされた梯子を上った。その後は、井戸の蓋が開くことはなかった。
*「あの子達は知ってたの、名前を呼んでもらえたら助かると…だから名前を呼んで欲しがっている」と涙を流すテヒ。名前を、つまり4桁の数字を声に出すことで呪いが移る。「兄が泣いて、私を出して欲しいと頼んでくれた。それで仕方なく、私の名前が呼ばれた」テヒは実の娘ではなく、後に養子になったのだと言う。テヒが父の遺品から見付けたと言う手帳には、子供達の手術日が記録されていた。児童養護施設で臓器売買が行われていたのだ。駅の開業に伴い施設が閉鎖になり、証拠隠滅のために子供達は生き埋めにされた。それを目撃した恐怖から、テヒは記憶をなくしていた。
*翌朝、ナヨンの携帯電話に着信がある。知らない番号だが相手はウウォンだ。彼は「携帯をなくしたから買い換えて、番号も変えた」と話す。まだ爪痕が消えないと言うウウォンを気遣い「一緒に解決方法を探そう」と励ますナヨン。ウウォンは「番号を言うから、暇な時に電話して。010-1764-0816」と言う。それを復唱してから、ウウォンの様子がおかしいと気付くナヨン。「まさか…何故私に?」「ごめん、俺は死にたくない」ナヨンはウウォンに怨念を移されてしまったのだ。
*ナヨンはウウォンがそうしたように、呪いについて湯灌師に教えを請う。「恨みを知る者にしか移せない」「多少の距離であれば、離れていても有効」「呪いを移すには強い意志が必要だ、お前の代わりに死ぬんだからな」「子供達のことを知ってさえいれば良い、呪いを信じている必要はない」「そんな奴が、誰か居るか?」その言葉を聞いて、薄く笑みを浮かべるナヨン。
*少し前に『井戸に沈んだ子供達』と題された記事がデイリーモードに掲載された。中身はナヨンの取材内容だが執筆者は[モ・ドゥヨン特別取材班]、モ社長だ。会社へ抗議の電話を入れると「人事課から退職勧告が出ている」と告げられた。退職届を携えて、社長室に乗り込むナヨン。彼女は「施設を取材した時、臓器売買の隠蔽は知っていたんですか?」とモ社長に詰め寄る。「工事の遅れは言い逃れ。得をした人間が上から指示を出したんでしょ、闇に葬れと」社長は明言しないが、その表情で確信するナヨン。[0816]と書いた紙片を取り出し「声に出して読んで、それで退職届は社長のものです」と要求する。社長にとってはナヨンの言動は不可解だが、これで係争が避けられるのならばと考えたのか、或いはナヨンに気圧されたのか。社長は折れて「0816」と4桁の数字を読み上げる。社長に背を向けて歩き始めるナヨン。手の甲を見詰め、勝ち誇った笑みを浮かべる。背後では、社長の悲鳴が響く。

■雑感・メモ等
*映画『オクス駅お化け』

*レンタルにて鑑賞
*日韓合作のホラー
*wikiによれば「韓国の大手ポータルサイト"ネイバー"のウェブトゥーンミステリー短編で2011年に発表され、1億ページビューと平均9.84/10点の高レビューを記録した、ホ・ラン作のホラー漫画『オクス駅お化け』を原作としている。ただし原作にあたる部分は、駅のホームで踊っているように見える女性が実はお化けだった、というような映画冒頭の短いシークエンスだけである」とのこと。そして映画脚本の着想は[寿産院事件]から得ているそう。
*「名前を呼ばれると助かる」ために名前を呼ばれたがっていて、名前を呼んだ(読んだ)相手に纏わり付く…という、怪異に理由付けがあるのは個人的に好き。
*バトル漫画の頭脳戦ような爽快感ある終盤も好きなんだけど、最後がシンプルに「読めと要求する」のはちょっと物足りなさも感じてしまった。その手前の展開では工夫が見られたので、最後も一捻り欲しいなと。とは言え脅すでもなく細工するでもなく「(絶対殺すという)強い意志」で捻じ伏せたのが肝なのかも。
*工夫とは言ったけど、着信があった番号へ折り返すだけなら普通は復唱は要らないかな。「今は借りてる電話で、新しい番号はこれ」みたいな、こちらが読み取れなかったニュアンスがあるかもしれないけど。
*運転士は精神的に追い詰められて首吊り自殺。女装男子は壁に頭部を強打したけど、それが死因ではない?ウウォンの同僚スンジュンは、死に直接繋がるような具体的描写はなし。救いを求めて、それが叶わなければ呪い殺す感じなのかな。殺した後は次の標的にタグを見せたりすると。それにしても湯灌師が生き延びたのに比べると、女装男子とスンジュンは殺されるまでが短いような。(SNSへの投稿は不味いのかもしれない。)
*冒頭の[お化け]はテヒなんだけど、あの時点でまだ取り憑かれているのか或いは幽霊なのか。ホームドアで死ぬ人は、名前とか全然関係ないけどどういうことなの。