レイクサイド・スクリーム 脱出不能 | m-memo

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ネタバレだらけの映画メモ。

忘れ易いので自分用にメモしてます。
ネタバレ部分は詳細を記載することもあれば、
二言三言のこともあります。

 

■あらすじ
片田舎にあるパラドックス・レイク。そこは1950年代、あるカルト集団のメンバーたちが殺し合う凄惨な事件が起きた土地だった。だが、今は静かな湖畔の別荘地に。そこで週末を過ごすためにやって来たトミー、グレース、メーガン、その恋人キップの4人。森の中で車が故障し困っていると、バックパッカーの青年トーマスが修理してくれる。トミーは彼にうさん臭さを感じるが、一緒に別荘で過ごすことに。バカ騒ぎした翌朝、メーガンが一枚の写真を見つける。それは5人で撮った写真だった。だが、誰もそんな写真を撮った記憶がなく、更には車で食料の調達に出かけたキップがいつになっても帰らず、残された4人は不安に駆られる。そんな中、突如、トミーとトーマスが見知らぬ老人に襲われる。(動画配信サービス作品頁より)

■ネタバレ
*友人同士の4人、トミー・グレース・メーガン・キップがパラドックス・レイク湖畔の貸別荘を訪れる。(メーガンとキップは恋人同士だが、キップはグレースと浮気した。メーガンは奔放、グレースは真面目そう。トミーは黒人青年。)
*車の故障で立ち往生した際にヒッチハイカーのトーマスが助けてくれて、彼も一行に加わった。トミーは森の中で突如現れたトーマスを警戒するが、他の3人は歓迎ムード。トーマスは缶ビールを抱えて旅しており、4人にも振る舞ってくれる。別荘はまだ先だが、携帯電話の電波は既に届かない。
*【1日目】貸別荘へ到着した翌朝、キップは1人で食料品の買出しへ出掛ける。残った4人は撮った記憶のない集合写真を発見。グレースが撮影したが、誰にも送信していない画像もプリントされている。更にグレースが撮ったスマホの画像の片隅には、見知らぬ人影が映っている。
*グレースは怯えて帰りたがるが、今は車もない。「キップが戻ったら考えよう」と宥めるメーガン。トミーはトーマスを疑っている。
*夜になるとメーガンの名を呼ぶ老人が出現。「周辺を徘徊されても困る」とトーマスが主張、縛ってガレージに入れ、朝になったら通報することに。メーガンの名前を知っているのは、密かに監視していたからではないか。グレースの画像に写っていた人影も彼だろう。
*「お前が現れてから様子がおかしい」と詰め寄られ「自分は俳優で、学生映画の役作りのため旅をしていた」と話すトーマス。彼は4人に会う前にはピックアップトラックに乗り、奇妙な体験をしたと言う。「車内で[法則]を聞き、車を降りた後は数日間、同じ場所を歩いていたようだった。君達に出会って状況が好転したんだ。キップも自分と同じように彷徨っているのかもしれない」3人からすると、それは要領を得ない話だった。
*一方、深夜になると「キップの声を聞いた」と取り乱すメーガン。実際にはキップは戻って来ていない。
*【2日目】トーマスとトミーは携帯電話の電波が入る場所を求めて森を歩き始める。しかし道を真っ直ぐ進んでも、同じ場所をループすることに気付く。
*メーガンはガレージの老人と話し、それが年老いたキップだと知る。(老人にはキップと同じ刺青がある。)
*トーマスとトミーが貸別荘へ戻り、状況説明。メーガンは皆に「老人は死んだ」と話す。幸い食料品は地下室で見付かった。トーマスとトミーは2人で並んでビールを呑み、何か打開策はないかと話し合う。
*夜になると(若いままの)キップが戻るが、メーガンは何故かナイフを手に彼に襲い掛かる。メーガンを部屋に閉じ込める面々。キップは「同じ道を走っていた。車が故障して、男に助けられた」等と話す。撮っていない筈の写真に心当たりはない様子。
*夜が更けると、トーマスが何者かに刺殺される。
*【神の手】パラドックス・レイクについてのインタビューに対応する町会議員・団体の理事・そしてカルトの専門家アルバート・クラークソン。『神の手』についてクラークソンが語る。酒好きな整備士バーノン・コーシュが『1つの手』というカルトを1953年頃に創立。(バーノンによれば、超能力があると言う)メレディス・パーラーという女に出会い「生贄と引換えに永遠の命を与える」と告げられたのが発端だ。
*バーノンは20人の男達に3日間殺し合いをさせた。20年経ち、バーノンは突然姿を消す。教団は『神の手』という共同体へ変貌。
*その後、湖畔の土地が売却され、1977年にダニエル・ヤング教授が別荘を建てた。ヤングは「全ての行動に対して新しい現実が生まれる」と書き残した。あの土地は複数の世界が交差する場所で、それらが出現するのは3日間。ヤング自身も、過去の自分の姿をそこで見たと言う。彼は幻覚や邪念に悩まされて1978年に自殺した。
*【3日目】トーマスの遺体が見付かり、昨日の行動からメーガンが疑われる。部屋に閉じ込めていたが窓からは出入り自由だったと分かり、窓枠に釘が打たれる。
*トーマスを移動し、ガレージの遺体が増える。八方塞がりな状況に唸るトミーに「逃げ道はない、奇妙なものは残留物…時空の歪みの産物だ」と話すキップ。
*貸別荘を出た後、道に迷ったキップは老人に出会い「それぞれの時間軸から、外へ出られるのは1人だけ」と聞かされていた。そして、キップが森に留まっている間に彼等の時間はもう終わってしまった、と。
*一方、部屋からの脱出を図るメーガン。ドアに鍵はないので、ノブが動かないように外側から椅子で固定されているだけの状態だ。彼女はドアの下の隙間から、椅子を倒そうと試みる。
*メーガンは老人キップから聞いた話を思い返す。この場所では時間の流れが変化する。物質も生物も、全ては別の時間軸から生じた産物に過ぎない。発生しなかった時間も存在する。昨夜、メーガンが聞いた声は[残留物]、別の人生の切れ端。
*彼が3日間森を彷徨い歩いた後、遂にこの場所からの出口を発見し元の世界へ戻ると、仲間達は1人残らず行方不明だと知らされた。その後、キップは結婚し2人の子供に恵まれた。しかしこの場所のことが心から離れず、メーガンを救うために戻って来た。自分が死んだら、メーガンにも自分のような人生を送って欲しい。そして年老いたらこの場所に戻り、次は別の誰かを救って欲しい…そんな話だ。
*キップとトミーに、グレースと脱出したメーガンが合流。キップは自分が脱出するため、仲間を殺すことに決めているようだ。トーマスを殺したのも彼だろう。キップがメーガンにナイフを投げ付け、グレースは貸別荘から持って来た猟銃でキップを撃つ。傷付いたメーガンはグレースとトミーを逃がし、自分がキップと対峙。
*グレースから猟銃を受け取っていたが、結局キップを撃てないまま気絶するメーガン。銃を奪ったキップは次にグレースに迫るが、隠れていたトミーが背後からキップを殴打し窮地を救われる。しかしメーガンが姿を消しトミーと2人になると、グレースはトミーに銃口を向ける。同じ時間軸から逃げられるのが1人なら、自分以外を殺すしかないのだ。
*トミーが森を逃げていると、別の時間軸の自分達の車と出会す。追い付いたグレースがその時間軸の自分達を次々に射殺、トミーに迫る。そこへトーマスが現れる。それは別の時間軸、1日目のトーマス。彼はバーノンという男の車に乗った。バーノンは「俺は100年は生きてる」「救える奴は救おう」と話した。トーマスは車を降りた後、バーノンに「入るな」と忠告された森でこの状況に遭遇したのだ。
*そこへメーガンが現れ、貸別荘にあった脇差で背後からグレースを刺す。グレースは絶命、メーガンも息絶える。森を出て一息吐くと、トミーとトーマスは並んで缶ビールで乾杯する。それは以前にもあった光景だが、この時間軸のトーマスにとっては初めてのことだ。彼等はそれぞれの時間軸の生き残りとなった。
*カルトの専門家や『神の手』の担当者等にインタビューしていたのは、トミーとトーマスだった。彼等は「友人達を取り戻したい」と話す。カルトの専門家は「手助けは出来ない、しかし他の人間なら…」と笑む。別の映像では、バーノンが「それでトーマス、どうやって俺を見付けた?」と問い掛けていた。

■雑感・メモ等
*動画配信サービスにて鑑賞
*ループ系低予算SFサスペンス
*厳密に言うとこれは登場人物がループしている訳ではなく、並行世界の自分と遭遇するタイプの作品。(どんなに歩いても同じ場所に戻ったりするので「ループしてる」という台詞はある。)
*要点まとめ。
1.酒好きな整備士バーノン・コーシュが『1つの手』というカルトを1953年頃に創立
2.(バーノンによれば、超能力があると言う)メレディス・パーラーという女に出会い「生贄と引換えに永遠の命を与える」と告げられたのが発端
3.バーノンは20人の男達に3日間殺し合いをさせた
4.20年経ち、バーノンは突然姿を消した(教団は『神の手』という共同体へ変貌)
5.トーマスが出会ったバーノンは「100年は生きてる」と話していた
6.湖畔の土地が売却され、1977年にダニエル・ヤング教授が別荘を建てた
7.ヤングは「全ての行動に対して新しい現実が生まれる」と書き残した
8.あの土地は時間の流れが変化・複数の世界が交差する場所で、それらが出現するのは3日間(ヤング自身も過去の自分の姿をそこで見て、後に自殺)
9.この場所から脱出出来るのは、同じ時間軸から1人だけ(そのためヤングは、いつも1人で滞在していた)
10.物質も生物も、全ては別の時間軸から生じた産物に過ぎない(発生しなかった時間も存在する)存在しない筈のものは謂わば[残留物]、別の人生の切れ端
11.老人キップが3日間森を彷徨い歩いた後、遂にこの場所からの出口を発見し元の世界へ戻ると、仲間達は1人残らず行方不明だと知らされた
12.元の世界で家庭を持ったキップは、メーガンを救い出すために年老いた後にこの場所へ戻った(メーガンが元の世界で年老いたらまたこの場所へ戻り、次は別の誰かを救って欲しいと考えている)
*1~5:メレディス・パーラーについては作中全然説明はないけど、実際に何らかの力があって(生贄を捧げたことにより)バーノンの願いが成就したということなのかな。バーノンが望んであの場所に居るのか、閉ざされた時間の中でだけ[永遠の命]を得たのかは分からないけど。20年経ってからあの場所へ戻って「救える奴は救おう」としているとか?
*6~9:この辺は並行世界が交錯する話。ヤング教授は、1度は誰かと滞在したのかな。そうでなければ「脱出出来るのは、同じ時間軸から1人だけ」なんて解明出来ないのでは。(バーノンに教えられた可能性もある?)そして「現象が出現するのは3日間」というのはどういう意味なのか。主人公組は3日目が終わる前に別の時間軸の自分達に遭遇していたし、そうなると延々別の時間軸の自分を見ることにはならないのかな。
*10:奇妙なもの(撮っていない写真や居ない筈の人の声等)は、この[残留物]ということらしい。
*11~12:最初にこの老人キップの話を聞いた時は、理解が出来なかった。老人キップが戻って来ることによって、誰かが脱出出来るようになる、という意味なのかと。でも老人キップは作中の主人公組とは別の時間軸のキップだよね。(別の時間軸であれ)メーガンに[法則]を教えることで救いたい、ということだろうと思う。
*キップが老人キップから聞かされたと言う「森に留まっている間に自分達の時間はもう終わってしまった」というのもちょっと分からない。あの時間軸からはトーマスが脱出している訳なので…「終わった」とは?まあ老人キップは「この場所では時間の流れが変化する」とも言っていたので、そこは考えても無駄なのかも。
*老人キップの言う[出口]は存在するのかどうか。もしかしてあのキップの時間軸では、彼以外が別荘で全滅してしまったのかもしれないし、本当は自分で全員殺したのかもしれないし。
*トミーは映画好きの設定。映画関連の発言集(場面はそれぞれ異なる):「その世界のバットマンはトーマス・ウェインで、しかも拳銃を使うんだ」「閉じ込められた人々はパニックになる。少女が自分の肌を切って、辺りは血塗れ。(「コミック映画は見ない」と言われ)これはコミック映画じゃない」「写真を撮った記憶が消えたのかも。それとも自分達が死んでたら…『シックス・センス』みたいに。若しくはロブ・ゾンビかも。森に隠れてるマンソン・ファミリーが、俺達を殺しに来る」「まるでスティーヴン・キングのSFの世界だ」
*森の別荘に猟銃があるのは分かるとして、脇差があるのは珍しい。
*最終的にどうなるのか(仲間達を救い出す手段は存在するのか?)不明だけど、生き残り2人の頑張りを感じて、幾らか前向きな幕切れは良い。