デビル・インサイド | m-memo

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ネタバレだらけの映画メモ。

忘れ易いので自分用にメモしてます。
ネタバレ部分は詳細を記載することもあれば、
二言三言のこともあります。

 

■あらすじ

1989年、マリア・ロッシと名乗る人物から「3人を殺害した」との緊急通報が入る。裁判所では彼女を精神障害と判断した。20年後、マリアの娘・イザベラは、母親が強力な悪魔にとり憑かれていたことを知らされる。彼女に一体何が起こったのか? 真実を知るため、イザベラは2人の神父を呼びマリアが収容されている精神病院へ向かうが…。(メーカーサイトより)

 

■ネタバレ

*「バチカンは悪魔祓いの撮影を認めていない。この映画を承認せず、製作の援助もしていない」
*カトリックの公式エクソシスト、クリストファー・エイムズ神父は語る。「マリアの現在の病名は解離性同一性障害。87年以来何度も病名が変わり、7つ目の診断名です。科学は万能ではない。悪魔祓いの最中に身体が浮くのを、どう説明しますか?」
*1989年10月30日:アメリカのサウス・ハートフォードで、2人の司祭と1人のシスターが殺された。通報したのはマリア・ロッシ。彼女の家に3人の聖職者が集まっていた。2年後、彼女は心神喪失を理由に無罪が確定。州立の精神科病院に収容された。その後、ローマのセントリノ精神科病院へ転院した。
*20年後、マリアの娘イザベラ・ロッシは「何が起こったのか知りたい」と思い、母に面会してその様子を記録することにする。撮影するのはドキュメンタリー監督のマイケル・シェイファーだ。イザベラは25歳の時に、父から「母さんはお前が8歳の時、悪魔祓いの最中に3人を殺した」と突然告げられた。憑依なのかと父に尋ねたら「分からない、とにかく正気を失った」と答えた。その父ももう亡くなっている。
*イザベラが、死亡した司祭達の教会に尋ねても何も分からず「公式のエクソシストは居ない」と言われてしまった。ローマ司教区は「マリアの悪魔祓いを認めたことはない」という立場。そこで彼女は、直接イタリアへ出向くことにした。
*2009年11月26日:イザベラは先ず、バチカンの悪魔祓いの学校(ローマ使途アカデミー)を訪ねる。講義では、複数の悪魔に取り憑かれる[多重憑依]について説明されている。これは極めて不安定で危険な状態であり[転移]を引き起こす場合もある。転移とは、悪魔が次々に別の人間に乗り移ることだ。ある事例の映像を見て、妄想型の統合失調症だと捉える者も居れば、明らかに憑依だと判断する者も居る。
*公式エクソシストで教授のロバート・ガロ神父は「これは聖職者を育てるための講義です。勿論一般の方も受け入れ、悪魔の存在を知らせています。イタリアだけでも悪魔を崇拝する集団が800以上存在するのです、エクソシストが足りません。悪魔に取り憑かれているのか、統合失調症や双極性障害といった疾患なのかを見極めなくてはならないので、精神医学も教えています」と話す。
*聴講後、イザベラは受講者数人から話を聞く。中には「証拠がない」と、そもそも神や悪魔に懐疑的な者も居る。医師でもあるデイヴィッド・キーン神父は「科学と宗教の融合に興味がある」と話す。イザベラが「いつ悪魔祓いの儀式が見られるのか」と問い掛けると、ベン・ローリングズ神父からは「学校では理論を学ぶだけだ」との返事。彼は「実際に見れば、精神疾患か悪魔憑きかは分かる」とも言う。逆にベンから映画を撮っている理由を尋ねられ、正直に母の話をするイザベラ。デイヴィッドとベンは、イザベラの話を受け容れてくれたようだ。
*2009年12月1日:セントリノ精神科病院を訪問するイザベラとマイケル。転院当時、ローマからイザベラの父へ手紙が届いた。司祭が関係する事件だったため、教会も放っておけなかったようだ。マリアをセントリノの[赦しを施す施設]で治療したいとの内容だった。それ以来、イザベラの母はここに居る。
*施設は古い牢屋のようだが、責任者のアントニオ・コスタ医師は親身になってくれる。母は7年以上、暴力的な(自傷・他害を伴うような)発作は起こしていないと言う。母は「極度に反宗教的」で、「攻撃的になるので宗教関連の話題は避けて欲しい」と念を押すコスタ。イザベラが悪魔祓いの件を尋ねると「その件は知っているが、憑依などではなく珍しい病気のせいだ。脳の機能に問題がある」と言う。「では何故、わざわざローマの病院へ転院を?」「私の着任前だったから分かりませんね」
*遂に母との対面になる。母の個室へ繋がるドアには、複数の十字架が掛けられている。コスタによると、母には抗精神病薬・抗不安薬・鎮静剤等の大量の薬物投与が必要なため、娘のことも分からないだろうとのことだ。「宗教的な話はせず、逆らわず、敵意を見せないように。刺激してしまいますから」と言われ、母の部屋へ送り出されるイザベラ。母はやはり、イザベラを認識出来ていないようだ。家族の写真を見せても反応はない。ただ「傷を繋げて、傷を繋げて」と呟いている。どんな意味か尋ねると、母は袖をたくし上げ、下唇を捲る。そこには鋭利な物で刻んだらしい、逆十字があった。
*動揺しながらも会話を続けるが、母は非常に不安定だ。イザベラが諦めて立ち上がろうとすると、母が「あんたは殺すべきじゃなかった。子供を殺したでしょ、神の意志に反することよ」と言う。母が絶叫を始め、イザベラ達は部屋から追い出される。

*母と会話が成立せず、涙を流すイザベラ。しかし諦め切れない気持ちもある。悪魔祓いに肯定的に見えた神父ベンとデイヴィッドに連絡を取り、母の映像を見てもらうことにする。2人は快く時間を割いて、家に招いてくれる。

*デイヴィッドは神父になった動機を「人助けをしたかったから。科学で救えない人には、宗教が力を貸すべきだ」と話す。ベンは両親共に教師だが、司祭の叔父に懐いていたそうだ。「13歳の時に叔父がエクソシストだと知って、悪魔と戦うヒーローのように思った。やがて悪魔祓いに同行出来るようになり、18歳までに4回悪魔祓いを見た。人生が変わったよ。叔父は2~3年前に亡くなったが私は23歳で司祭になり、27歳でエクソシストになった。今まで神よりも悪魔と遭遇した方が多い」
*イザベラは4年前、医師から「出産まで保たない」と言われて中絶した。映像を見返すと、母はそのことを言い当てているように見える。部分的に言葉に訛りもあるようだ。方言は、知らない筈の言語を話す[異言]の一種とも言える。

*悪魔憑きの判断基準には4つの要素がある。異常な怪力・聖なる物への嫌悪・未知の言語や出来事を語る・超自然的な物体移動を起こす。マリアは幾つかの条件は満たしている。
*ベンは逡巡した後「見せたいものがある」と、イザベラ達を家の2階へ案内する。そこには様々な人の資料が並んでいる。「教会が悪魔祓いを拒否した人達だ」と説明するベン。実際には皆悪魔に取り憑かれていると、ベンとデイヴィッドは考えている。数人は解決済、数人は保留。2人の神父は、教会の許可なく悪魔祓いを行っているのだ。
*2人の行為は厳密には合法ではない。それでもベンは「苦しむ人を放っておけない」と言う。部屋には悪魔祓いに使用する機器も置かれている。儀式の最中には命の危険もあるため、血圧や心拍数を測定する。瞳孔の拡張を調べるカメラもある。通常瞳孔の幅は9mm程度・コカインやメタンフェタミン等の薬物を使用した場合10~11mm・それ以上なら憑依と考えられる。
*2人の神父によると教会は官僚的で、人々を癒やそうとしない。400年間で初めてのことだが、教会は1999年に悪魔祓いの規程を変更した。悪魔の存在が確実でないと、儀式を試みることも出来なくなった。しかし儀式以前に悪魔の存在を確実に把握するのは殆ど不可能なのだ。(加えて、メディアの取材は禁止になった。)「教会の偽善的制約に縛られず、人々を救っている」と主張するベン。

*イザベラの母のケースでは、既に人を殺しているから教会はもう助けてくれない。母を救うためには、悪魔祓いを真に理解する必要がある。「3ヶ月受講するよりも、5分でも実際の悪魔祓いを見る方が学べる」と言われ、儀式への同行を決めるイザベラ。
*2009年12月3日:悪魔も天使と同様に基本的に序列がある。悪魔がその姿を現せば、階級が推測できる。今日訪ねる女性ローザに取り憑いている悪魔は、前回11月13日の儀式で正体を突き止めている。名前はベリト。

*家に到着すると、母親が「部屋に置いておけなくて、地下室へ移した」と言う。悪手だと咎めるベン。母親を部屋の外に出して儀式を始める。先ず筋弛緩剤に似た薬剤を投与し、強ばった手足を解す。伸ばした手足をベッドに括り付け、ローザと悪魔に語り掛ける。悪魔に名前を呼ばれて狼狽えるイザベラ。

*ローザは卑猥な言葉を吐き、股間から出血する。ベンが詠唱し、激しい遣り取りが続く。ローザの身体が大きく仰け反り、ベッドが揺れる。血圧も心拍数も上がり、危険な状態だ。拘束が解けてしまい、デイヴィッドが捕まえようとするが跳ね飛ばされる。壁を這い上るローザを必死に抑え込む神父達。イザベラも加勢する。絶叫するローザ。詠唱が続き、やがてローザは落ち着いた状態になる。「茶番かどうか見極める」と息巻いていたマイケルも、言葉をなくしている。
*2009年12月4日:ローザの儀式の映像を見直し「これで教会も認めてくれるわね」と言うイザベラ。しかし神父達は「報告すれば逮捕されて追放される」「教会にとっては我々の行為は過ちだ」と話す。

*そこへイザベラに、ローマ司教区から電話が入る。母の再評価を頼んでいたが「無用な干渉は、彼女の回復の妨げになる」との回答だった。落胆するイザベラ。そこでベンは「医師でもあるデイヴィッドが検査するという名目でマリアに接触し、儀式を行おう」と提案する。マリアは15年以上も再検査されていないので、セカンドオピニオンの権利はあるだろう。診察を口実に時間が稼げる。

*デイヴィッドはベンと比較すると教会を重んじており、今回の計画には及び腰だ。イザベラは「母が解離性同一性障害でなければ、正しい治療を受けられていないかも」と訴える。「母のプライバシーを主張して、病院のスタッフを閉め出しましょう」と言われ、逮捕を恐れるデイヴィッドも遂に折れる。
*2009年12月7日:カメラの前で独白するデイヴィッド。「不安だよ。僕の評判は良く、教皇庁に信頼されている。でもこのまま秘密裏に悪魔祓いを続ければ、いずれ露見するだろう。職を失うかもしれない…でも教会にも問題はあるし、マリア・ロッシが憑依されているのかどうか時間を掛けて見極めなくてはいけない…多分ね」

*ベンは教会への反発が強く、マリアの件でも躍起になっている。「マリアは体制に埋もれ忘れ去られ、薬漬けにされている。1989年におぞましいことが起きたが、それは彼女の罪じゃない。教会は変わるべきだ。信念を貫きたい」と語気荒く言う。
*再びセントリノ精神科病院へ。イザベラとマイケル、そして今回は神父2人も一緒だ。コスタ医師は4人を警戒しておらず「手に余るような状態になったら、緊急ボタンを押して。検査は簡易構造化面接法で?それなら所要時間は2時間程度かな」と穏やかに言う。

*4人とマリアだけが診療室に残され、セッションが始まる。先ず大量の薬品を投与されているマリアに、拮抗薬を与え覚醒させる。十字架を掲げ「そこに誰か居ますか」と問い掛ける。「彼等が怒る」「悪魔は複数居る?」マリアはそれには答えず眠ってしまう。「初めてだ、司祭と聖水を前にして憑依されてる人間が眠るなんて」と苦笑するベン。
*憑依ではなかったのかと思ったが、突如絶叫するマリア。瞳孔は開き切っている。詠唱と罵声の応酬。マリアはベンに「あんたは神の恩寵を取り戻せないよ、神父」と言う。マリアの身体が診察台から弾け飛ぶ。激しい音がして、イザベラがドアの鍵を掛ける。「卑怯者、名を名乗れ」「アスベエル」ベンの身体が壁に叩き付けられる。

*母が想い出の唄を歌い、イザベラは笑みを浮かべて近付こうとする。神父が大声を張り上げ、正気に戻るイザベラ。施設のスタッフが異変に気付いて激しくドアを叩くが、診療室の中は更に騒然としている。異常な心拍数に、デイヴィッドが警告を発する。イザベラは母に覆い被さるようにして、悪魔に語り掛ける。「お願い、私の母を解放して」母は「お前は灼かれるぞ、永遠の炎で…可哀想に」と言って目を閉じる。母の脈拍数や体温が正常値に戻り、ドアが開かれ施設のスタッフが駆け込んでくる。
*2009年12月10日:撮影した映像を見直し、興奮気味のベン。「超自然的な物体移動、見たことはあるが撮影出来たのは初めてだ。遂に決定的な証拠を掴んだ、凄い収穫だよ。これで教皇庁も僕等を無視出来ない。マスコミに流せば大騒ぎになる」

*デイヴィッドは冷静で「先ずはマリアをアメリカへ戻さないと。退院にはコスタの承認が必要だが、あれを見れば同意せざるを得まい」と言う。しかしコスタは、マリアが悪魔憑きだとは思っていない。「儀式に刺激されただけ」との考えだ。退院が承認されるかどうかはまだ分からない。
*ベンは儀式の際のマリアの音声を調べている。 単なる異言ではなく、同じ意味の言葉を複数の言語で、同時に喋っている箇所があるのだ。重なる声を分析していくと、その部分の意味は「お前は奴に死んで欲しがっていた」になる。表情が強張るベン。デイヴィッドには何か心当たりがあるのか「君の叔父さんのことか?」と訊く。
*同時に記録されていた声は4種類。つまりマリアに取り憑いている悪魔には[弟子]が居り、彼女は多重憑依されている状態。強力な悪魔なのだ。デイヴィッドは憂鬱そうに「それは運が良い」と呻く。ベンは「教皇庁に報告しよう」と言うが、司教に会える確約はない。

*マスコミへの暴露を口にするベンと、母を優先したいイザベラは険悪な雰囲気に。一方、ベンには連絡がないのにデイヴィッドには2回、ガロ神父から電話がある。「[正しい判断]が出来るように手伝う」との申し出だ。

*「僕等を、いや僕を心配してる。職が危うい」と狼狽えるデイヴィッド。ベンは「単なる脅しだ、ガロは教会の言い成りだと知ってるだろ」と吐き捨てる。恐らくガロは、デイヴィッドの方が御し易いと考えているのだろう。デイヴィッドが鼻血を出し、口論は中断される。イザベラに詫びるベン。それぞれがストレスを抱えている状態だ。
*2009年12月14日:セントリノ精神科病院は、マリアの退院を承認しなかった。理由の説明もない。苛立つイザベラ。その後別々の場所で、各々がカメラの前で話す。デイヴィッドは「この報告を教会が無視することは有り得ない。正しいことをしたと、胸を張って言える」と自分を鼓舞するように言う。

*ベンは「これが教会だ、事実を隠し無視する。誰が傷付いてもお構いなしだ。このままでは終わらせない」と声を荒らげる。イザベラは「母の問題なのよ、ベンのエゴやデイヴィッドの職は関係ない」と主張。一転して怯えた表情のデイヴィッドが「苦しくて堪らない。これで破門されるような、悪い予感がする」と涙声になる。

*マイケルは疎外感を感じているようで「ベンやデイヴィッドには事情もあるけど、イザベラは…一緒に始めたのに身勝手だ。3人で固まって、俺はカメラを持った邪魔者って気分だ」と不満をぶつける。

*「撮影は止めるべきだわ、マイケルは映画のことばかり。…デイヴィッドは実は臆病よね」とイザベラ。彼女は背後に気配を感じ、暗闇だったダイニングの照明を点ける。そこではデイヴィッドが黙々と食事をしている。話し掛けても返事をせず、電気をまた消してしまう。
*2009年12月15日:デイヴィッドは酷く狼狽えた様子で「司教様に面会を断られた」と言う。例の儀式の調査中というのがその理由だ。イザベラが宥めようとすると、強い仕草でその手を振り払う。不安定な様子のまま、洗礼式のため教会へ出向こうとするデイヴィッド。撮影の約束をしていたマイケルが同行する。

*洗礼とは謂わば[罪の移譲]で、生まれながらの原罪と個人の罪を転移する行為。デイヴィッドは「赤ん坊が洗礼後に亡くなったら天国へ、洗礼前なら地獄行きだ」と話す。その日は幼児洗礼が行われ、浸礼の段階になると、デイヴィッドが虚空を睨み水中の赤ん坊を押さえ付ける。異変に気付いた周囲の人々が、慌ててデイヴィッドを引き剥がして、溺れかけた赤ん坊を救い出す。喧噪に包まれる礼拝堂。
*無言で家に戻って来るデイヴィッド。遅れて帰って来たマイケルによれば、デイヴィッドは通報されたが姿を消してしまったらしい。マイケルも狼狽し疲弊した様子だ。「完全に正気を失ってた、以前にもこんなことが?」とベンに詰問するマイケル。

*その時、打撃音と振動があって電気が落ちる。2階から「馬鹿にするな」と叫び声。カメラのライトで照らしながら2階へ行くと、壁には破いた聖書が貼られていて、白目を剥いたデイヴィッドが両腕から酷く出血している。

*そこへデイヴィッドを連行するため、警官が2人やって来る。「危険だ」と止めるが、警官は2階へ。しかし警官は銃を奪われ、デイヴィッドが銃口を咥える。必死に説得しようとするベン。デイヴィッドは泣きながら聖書の一節を諳んじる。一瞬「思い出せない」と言い銃口を離すが、次に「奴がありがとう、って」と笑うと引き金を引く。
*泣き叫ぶベン。イザベラは強い衝撃で失神する。彼女は救急車で搬送され、ベンとマイケルが追走。車内でも動揺は収まらず、マイケルがベンに状況説明を求める。「恐らく悪魔の転移が起こったんだ」と言うベン。

*イザベラの治療を待つ間、ベンはガロ神父に電話をする。悪魔が4体居ること・転移していることを伝え、なるべく早く連れて行くと約束。(デイヴィッドのミスだとも伝えている。)その後イザベラの状態は落ち着くが、医療スタッフから「今夜は入院になる」と告げられる。ベンが「彼女は危険だから、ここには置いておけない」と訴えていると、イザベラの唸り声が聞こえてくる。
*病室へ駆け付けると1人が大量出血しており、幾人ものスタッフが暴れるイザベラを押さえ付けようとしている。奇妙に身体を捻るイザベラ。下唇を捲ると、そこには逆十字がある。スタッフと共に彼女を病室から運び出し、鎮静剤を打ってもらう。スタッフに「他の人を助けてあげて」と促し、ベンとマイケルはイザベラを院外へ運ぶ。ガロ神父に悪魔祓いを手伝ってもらうのだ。
*マイケルが運転し、後部座席でベンが「悪魔に負けるな」とイザベラを励ます。しかしイザベラは「13歳の時に叔父がエクソシストだと知った。神の恩寵は取り戻せないよ、神父。思い出せ、あんなことを仕出かしたんだ。お前は奴に死んで欲しがっていた。奴がありがとうと言っている」と話す。「お前は誰だ?」「知っているだろう?皆知っている」
*イザベラが暴れ、ベンは声を張り上げ詠唱する。ベンを撥ね除け、運転中のマイケルの首を締め上げるイザベラ。悪魔祓いが続き、やがてイザベラが落ち着いた様子になる。謝罪の言葉を述べるイザベラ、宥めるベン。一方、マイケルが苦し気な表情になりシートベルトを外す。(車内の誰もシートベルトをしていない。)車が加速。ベンが気付くのが遅れ、マイケルは対向車を睨んだまま減速しない。正面衝突し、車は何度も回転してやがて静かになる。
*「ロッシ事件の真相は未だに解明されていない。現在調査中の事例に関して詳細を知りたい方は、サイトにアクセスを」

■雑感・メモ等
*配信レンタルにて鑑賞
*エクソシズム系モキュメンタリーホラー
*POV形式の作品の中では、前振りは簡潔・テンポは適切・大変見易い部類。
*使徒アカデミー・無許可エクソシストの神父2人組・多重憑依や転移等の要素もなかなか楽しい。好き。(自分が[神父コンビ]てものに弱いのもある。神父コンビの映画として安心して見られるのは『ヴァチカンのエクソシスト』なんだけど、今作や『マーク・オブ・ザ・デビル』も設定だけは楽しいんだよね。『スレイヤー 7日目の煉獄』は個人的に最下位です。)
*ベンと叔父(伯父かも)のエピソードを詳しく知りたかった。デイヴィッドもある程度知っている風だったし。何があったのか。
*展開には大きな破綻や分かり難さとかはないかなと思うけど、取り憑いている悪魔が何物なのか・4体の悪魔の内1体だけが転移しているのか、の辺りはもう少し説明が欲しかった。そしてラストはもう一押しあった方が良かったような。母親の扱いは中途半端・別の悪魔祓いも未遂に終わってしまうので。
*悪魔祓いの最中に「全てのカメラが同時に落ちる」という場面があるけど、あの時に転移が起きているのかな。その後も停電があるけど、転移のタイミングとしては早い気が。最後の車内ではカメラの映像が途切れないし。
*本編の最後にアドレスが表示されるので、過去にはプロモーションサイトの類いが作られていたのかも。今は何もないです。
*監督はウィリアム・ブレント・ベル(図らずも日本で視聴可能な作品は偶々全部見てる)、神父ベン役のサイモン・クォーターマンは同監督の『ウェア 破滅』『邪悪は宿る』 にも出演。