サムワン・インサイド | m-memo

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ネタバレだらけの映画メモ。

忘れ易いので自分用にメモしてます。
ネタバレ部分は詳細を記載することもあれば、
二言三言のこともあります。

 

■あらすじ

オズボーン高校の生徒たちを襲い、犠牲者の暗い秘密を暴く仮面の殺人鬼が出現。マカニと仲間たちは犯人の正体を突き止め、その犯行を止めることができるのか。(Netflix作品ページより)

 

■ネタバレ

*マカニ・ヤングは過去のある女子高生。2年生の時にハワイから引越して、祖母と共に暮している。いつも一緒に居る仲間は、口の悪いアレックス・宇宙オタクでXジェンダーのダービー・薬を手放せないロドリゴ・大地主の息子ザック。アレックスとロドリゴは互いに想い合っているが、気持ちは伝えていない。マカニは周囲から問題児と認識されているオリーと、密かに付き合っている。
*アメフトの試合前に仮眠するためジャクソンが帰宅すると、キッチンに卵形のキッチンタイマーが置かれている。時を刻む卵。しかし皆で試合前のパーティへ出掛けている筈で、家に他の家族の気配はない。訝かりながらも眠りに就く。時間が経つと、携帯電話のアラームではなくキッチンタイマーのブザーで目が覚める。夕方4時に起きるつもりが外はすっかり暗い。不審に思いつつ試合へ向かおうとすると、自分の車がない。明らかに様子がおかしく、ジャクソンは家へ戻る。家の壁や床には、自分がチームメイトのケイレブを一方的に手酷く殴った際の画像のプリントが無数に貼られている。それを剥ぎ取る内、クロゼットへ誘導される。犯人が潜んでいると見込んで、ゴルフクラブを振り回す。鋭い刃物で、両足のアキレス腱を切り裂かれて転倒。迫り来る相手は、自分の顔を模したマスクを被っている。(3Dプリンタで作ったものだろうか。)困惑していると、長いナイフを胸に深々と突き刺される。その頃、試合会場に居る生徒やジャクソンの家族に、イジメの証拠の動画が送信される。
*翌日以降、学園は追悼ムードに包まれる。一方で「自業自得だ」との囁きや、ケイレブを疑う空気もある。他の生徒から避けられ、マカニ達のグループに加わるケイレブ。生徒会長ケイティーは食堂で、わざわざダービーの性自認やケイレブの性的指向を持ち出しつつ、大学入試用の一見感動的なスピーチを披露。ジャクソンの追悼集会についても告知する。ウンザリした表情のダービーやマカニ達。学校を出ようとすると、ザックの車には「サンドフォード家の奴等はクソ」と大きく落書きされている。ザックの父が、住民の土地を買い叩いているのだ。
*礼拝堂で追悼式の準備をするケイティー。一緒に作業をしている生徒から「準備に行けない」とメッセージが届き、揶揄われているのだと思い憤慨。しかし自分も相手もフード付きの礼拝服を着ていたため、顔を確認していなかった。先刻まで居たのは誰だったのか。するとスピーカーから、自分が匿名で投稿した白人至上主義・人種差別的な内容のポッドキャストが流れ始める。自分の顔のマスクを被った何者かが現れ、必死に言い訳するケイティー。追い詰められ腹部を横一直線に切り裂かれ、這い回って逃げる。白い礼拝服と、礼拝堂の床が血に染まる。懺悔室へ逃げ込むと、扉に長い刃が突き刺さる。緊急通報中に背後から強く押されて、刃はケイティーの口を貫き首の後ろへ突き抜ける。やがて神父が教会の鍵を開けると、中では血塗れのケイティーが吊され、ポッドキャストが流れ続けている。生徒達もポッドキャストの存在を知ることになる。
*警察は警戒を強め、20時以降の外出禁止を発令。2人の生徒が秘密を暴露された上で殺されたことで、秘密を抱えるマカニは怯える。そんな中、生徒達に事情聴取が行われる。マカニの仲間達に疑われるオリー。町では来月、保安官事務所の存続についての住民投票がある。結果次第では治安維持は民間の警備会社へ移管される見込み。その計画を推し進めているのはザックの父だ。連続殺人を解決すれば、保安官事務所の閉鎖は阻止出来るかもしれない。ザックは「そうなると保安官も怪しい」と言う。そのザックは、父親の弁護士からの連絡で「黙秘権を行使する」とされ放免になる。
*聴取は進み、待合場所に残るマカニとオリー。オリーは副保安官の弟で、聴取が済むのを待っている。(オリーの兄はテーザー銃が見付からず、困っている様子だ。)仲間達の手前、オリーに冷たい態度を取っているマカニ。オリーはそれを責めずに彼女に話し掛ける。遂にマカニが呼ばれるが、副保安官はマカニの過去を知らないのか、重要視していないのか、然程質問もされずに解放される。マカニは外出禁止令を無視し、オリーを誘ってドライブへ。するとザックが父親の留守中に、パーティを開くとの情報が。2人もザックの家へ向かう。
*会場ではやはりオリーと距離を置いてしまうマカニ。ロドリゴやアレックスは、オリーを「ソシオパス」と詰る。今日は[秘密]をテーマにしたパーティらしく、参加者が各々秘密を吐露している。ザック曰く「秘密が犯人の武器になるなら、その武器を奪うんだよ」とのこと。ダービーからは「NASAのフェローシップ(特別研究員)に受かった」と嬉しい報告。アレックスとロドリゴは互いに好きだと告白。マカニは「詩を書いてる」と言う。ザックは微妙な表情を浮かべ「単位不足で卒業出来なさそうだ」と話す。もう1つの秘密は、大地主の父親が北米で10本の指に入るナチの記念品コレクターだということ。そのコレクションの銃器や防毒マスク等を、ザックはマリファナ用のパイプやボングに作り替えていた。パーティは更に盛り上がる。
*ロドリゴとアレックスがキッチンで初めてセックスした後、ロドリゴは床にばら撒かれた錠剤を発見。それは自分が服用を止められない強力な鎮痛剤フェンタニルだ。生徒達に薬物中毒暴露のメールが届き、狼狽え蒼褪めるロドリゴ。停電になりロドリゴのマスクを被った何者かが出現、パーティ会場はパニックに陥る。ロドリゴは薬の影響で考えが纏まらず、アレックスと離れてしまい心細い。追い詰められてダクトから家の外へ。その最中にもダクトの外から繰り返しナイフを突き立てられる。最後は噴水の側で大量の錠剤を口へ注ぎ込まれ、ナイフで深く喉を切り裂かれる。
*高校は暫く休校になる。再開する頃には生徒達は皆元気を取り戻しているように見えるが、マカニ達の気持ちは沈んだままだ。アレックス達はオリーを犯人だと決め付けている。(他にも同意見の者が居るようで、彼のロッカー周辺には大きく「人殺し」とスプレーで落書きされている。)ロドリゴを殺した犯人はテーザー銃を持っていた。副保安官の弟なら入手出来るだろう。町の住民の秘密についても、様々な書類を閲覧出来るのではないか。アレックス達はそんな話をする。付き合っていることは相変わらず隠しているが、マカニの言動はオリーを庇っていると受け取られ、アレックスと口論になる。皆でケイレブのアメフトの試合を応援をしていたのに、1人で帰るマカニ。
*翌日オリーが家まで誘いに来て、マカニはサンドフォード家のトウモロコシ畑へ。「俺を避けないで、こんな風に側に居て欲しい」と言うオリー。人目のない場所で抱き合う2人。彼の両親は飲酒運転で死亡した。飲酒が常態化していたが人々は都合良く噂し、問題児の息子を悲観して心中したことになった、とオリーは話す。彼が兄と電話をしている最中に、偶然グローブボックスの中のテーザー銃を見付けるマカニ。更に電話を終えたオリーは、彼女の本名や秘密を知っていると言う。マカニは堪らず彼と別れて1人で帰る。
*マカニの祖母には夢遊病があり、昨日から睡眠障害センターへ入所している。暫くはマカニ1人なのだ。「アレックスに泊めてもらう」と祖母には話したが、喧嘩をしたので予定が変わってしまった。厳重に戸締まり、扉の前には椅子を置いてドアノブが動かないようにする。更にキッチンからナイフを持ってきて就寝するマカニ。目が覚めると枕元に置いておいた携帯電話もナイフも消えている。緊急通報しようとすると、電話の向こうからは自分の裁判中の音声が聞こえてくる。
*リビングでは暖炉が燃えており、壁にも床にも、火傷を負った少女の無数の写真。そして「ビーチの火災で高校生起訴」の新聞記事。やがて窓の外に、自分の顔に似せたマスクを被った犯人が現れる。窓を割られ、テーザー銃の一撃を喰らう。(テーザー銃を持ち、自分の秘密を知る犯人がオリーであると確信するマカニ。)倒れたマカニにオイルを振り掛け、燃え盛る暖炉で新聞を燃やして火種にする犯人。マカニを燃やそうとした時、電撃で動けないマカニが必死に反撃、足を掴んで転倒させる。マスクが外れて逃げ出す犯人。そこへ電話が繋がらなかったせいだろう、祖母から頼まれたアレックスが駆け付け、窮地を救われる。「犯人はオリーだった、あんたが正しかったわ…皆に秘密がバレる」と嗚咽するマカニ。アレックスの携帯に(そして恐らく他の生徒にも)マカニ逮捕時のマグショットが送信される。
*搬送され、病院で目覚めるマカニ。祖母といつもの仲間が居てくれる。マカニがアレックスに伝えた言葉で、オリーは既に逮捕されたようだ。祖母が席を外してくれ、ダービーに「自分で説明したいよね」と促され、マカニは自分の秘密を話し始める。ハワイに居た頃、友人達と一緒に上級生に拉致された。焚火の燃える浜辺。チームの新人を攻撃して、仲間割れさせるのが目的だったのだろう。酒を無理矢理流し込まれ、トレーニングを強要される。酩酊状態で親友のジャズミンに押され、押し返したら彼女は炎の中に倒れ込んで大火傷を負った。起訴され無罪になっても、脅迫が続いた。両親は互いを責めて離婚。自分は引越して母の旧姓を名乗り、祖母と暮すことになった。話し終わると仲間達は受け容れてくれ、ザックは「もう俺達に秘密はないな」と笑う。抱き合う4人。
*容疑者が逮捕されたことで、収穫祭も無事開催されることになる。サンドフォード農場ではトウモロコシ畑の迷路が作られて賑わっている。ザックの父は「保安官は優秀だが人手不足だから、うちの農場が費用を負担して民間警備会社を雇った」と取材に答えている。保安官事務所閉鎖への布石なのだろう。マカニも仲間達と収穫祭を楽しむつもりだが、迎えに来てくれると思っていたザックは迷路を手伝わされているらしい。送迎バスは出発したばかり。アレックスが会場から戻って来てくれると言うが、暫くは学校前で1人で待つしかない。
*そこへダービーから「オリーが釈放された」とメッセージが届く。丁度オリーの車が近付くのが見えて、マカニは校内へ逃げ込む。緊急通報中にケイレブと出会し、安堵してハグすると、ケイレブが背後から刃渡りの長いナイフで貫かれる。刃先が腹部から見える程の長さだ。ケイレブが倒れると、そこにケイレブの顔のマスクが見える。呆然としていると、マスクの誰かから凶器のナイフを握らされるマカニ。
*直後にマカニの背後から、オリーが駆け付ける。犯人が逃げたのとは別方向からだ。彼は犯人ではなかった。冷静にケイレブの止血をし、緊急通報するオリー。そこにアレックスとダービーも駆け付ける。立ち尽くしていたマカニは、壁に貼られた『秋の収穫祭とトウモロコシの迷路』のポスターを見て「畑の迷路だわ」と呟く。町のあらゆる人達がサンドフォード家に土地を売っており、雇われているか恨んでいるかどちらかだ。保安官の中にさえ破産して土地を売った者が居り、そしてザックの父は保安官を追い出そうとしている。
*オリーの車にマカニ・アレックス・ダービーが乗り込み迷路へ向かう。ザックは電話に出ない。病院に確認すると、ケイレブは重傷だが持ち堪えているようだ。「何から謝れば良いのか分からない」と言うマカニの手を握るオリー。やがてトウモロコシ畑に近付くと、燃え盛る炎が見える。連続殺人犯がオイルを撒いて火を放ったのだ。ザックから折り返し電話があり「親父が炎の中に居るから探しに行く」と言う。
*4人が到着すると、トウモロコシ畑は火の海だ。オリーが過去に「ボロ車」と呼んでいたのを思い出し、車を犠牲にすることを頼むマカニ。車に乗ったままトウモロコシ畑に突っ込んで、通り道を作って町の人々を逃がすのだ。ザックと、クラスの半分も迷路の中に居るだろう。覚悟を決めてトウモロコシ畑へ飛び込む4人。マカニは炎で過去の出来事がフラッシュバックする。暫く走って炎のないエリアになると、車を捨てる。マカニはケイレブを刺したナイフを持ったままだ。オリーはテーザー銃を掴む。
*マカニとオリーはザックを探し、アレックスとダービーは人々の誘導をすることに。幾つもの死体が転がる通路を抜けて、やがてマカニ達はザックの父と、ザックの父のマスクを被った犯人が対峙する場面に遭遇。「こんなことは止めてくれ、皆にも私にも家族が居る」と訴えるザックの父。マカニが「このクソ野郎」と叫ぶと、犯人はマカニを一瞥してザックの父の顎から頭頂部へ向けて剣を突き刺す。「畜生、邪魔しやがって」と叫ぶ犯人。マスクを取ると、それはザックだった。
*「夢見た瞬間だったんだぞ、親父を殺せるのは1回きりなのに…完璧な台詞があったんだ、『9歳の誕生日に、孫子の兵法を与えたことを後悔したか?』ってな」動揺しつつもオリーは「このソシオパスめ」と言ってザックにテーザー銃を放つが、不発に終わる。逆に剣で腹部を刺されるオリー。彼に駆け寄ろうとするマカニに「この計画には手間暇が掛かってるんだ、あのマスクを作る苦労が分かるか?」と調子外れな怒りをぶつけるザック。「俺は裕福な家に生まれたことを恥じてきた、単なる巡り合わせなのに。お前等も別人の仮面を被ってるだろ。皆偽善者さ、俺の父親のように。でもお前と違って俺は親の苗字から逃れられない。だからお前等の嘘を暴くことにした」
*ザックはナイフを持ったままのマカニに対し「お前が皆を殺したんだ、だから俺は正当防衛でお前を殺す。炎もあるし、お前っぽい事件だろ?罪は全部お前に被ってもらう」と嗤う。そこでオリーが再度テーザー銃を撃つ。外れるが、ザックの気が逸れた隙にマカニが距離を詰めてザックを刺す。「自分のことを犠牲者だと思ってるの?悪いのは貴方自身だよ」と捲し立てるマカニ。「あんたの本性を暴くのに仮面は要らない」と言い、マカニは再度ナイフをザックに深く突き立てる。オリーに駆け寄るマカニ。炎の中で、緊急車両の近付く音がする。
*ケイレブはコロラド大学へ、アレックスはマンハッタン音楽院へ、そしてダービーはNASAへ。マカニはジャズミンに電話をする。そして卒業式で自作の詩を読み上げ、皆の拍手を受ける。

■雑感・メモ等
*映画『サムワン・インサイド』

*Netflixにて鑑賞(Netflixオリジナル作品)
*ステファニー・パーキンス原作のスラッシャーホラー。(ステファニー・パーキンスは、現時点で翻訳された作品はない模様。)
*マスク+秘密の暴露に主義主張を感じるけど、動機が薄っぺらでアンバランス。構成自体はオーソドックスで気楽に見られる。
*主人公が犯人を名指しする展開があるけど、根拠がちょっと弱いかな。犯人がチートで色々遣り過ぎるから、その材料だけで名指しを?と思ってしまう。
*1人目・2人目の殺人は割と凝っている。特に1人目の、キッチンタイマーという日常的な物から違和感を生み出すのが面白い。でも3人目以降は割と雑になる。秘密のレベルも、1人目・2人目と比較すると3人目は如何なものかなと。
*2人目の時の、一緒に居た人を把握していなかった、というのも無理がある。
*5人目の時は秘密の暴露もしていないけど、マスクはちゃんと用意しているから狙い通りの標的なんだよね?何故なんだ。
*この5人目の時に、最終目的の人のマスクが見えたならあの場所へ向かうのも納得出来るけど、何故ポスターを見て行先を決めるのか分からなかった。動機を推理している風だったけど、5人目までは特に恨みとかの動機は見当たらなかったと思うんだけど。
*動機と言えば終盤に犯人が語っていて、それが「秘密を暴く」理由だとしても、そこから「殺害」に到るのは何故なんだろ。最終目的が父親の殺害で「嘘を暴くこと」と「殺害」が一連ということ?それなら父親の偽善もきちんと告発した方が良くない?
*被害者まとめ:1人目ジャクソン(アメフト部でケイレブに暴力)・2人目ケイティー(生徒会長、差別的なポッドキャストを投稿)・3人目ロドリゴ(薬物中毒)・4人目マカニ(逮捕歴あり、殺害は失敗)・5人目:ケイレブ(秘密の暴露なし、殺害は失敗)・6人目:ザックの父(秘密の暴露なし)・他に最後のトウモロコシ畑では、無造作に殺された遺体が何人か
*殺害方法は基本刺殺。犯人の持っているナイフが通常より長めなのは、ホラー映画的に見映えが良い。最後はサーベルも使用。主人公は秘密に合わせてか、焼殺を狙われていた。
*主人公が転校前に何のチームに入っていたのか、そして卒業後の進路等には言及なし。