ショートウェーブ | m-memo

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ネタバレだらけの映画メモ。

忘れ易いので自分用にメモしてます。
ネタバレ部分は詳細を記載することもあれば、
二言三言のこともあります。

 

■あらすじ
短波研究者のジョシュと妻イザベルは、娘を亡くしたショックから生活を立て直そうと人里離れた丘陵地の研究施設に移り住む。イザベルは静かな環境の中で衰弱と悲しみを克服しようとし、ジョシュは仲間のトーマスと研究に没頭するなか数年来研究していた謎の短波無線【シグナル】とその起源に関する画期的な発見をする。だが、そのシグナルの中の何かが、イザベルと共鳴し、彼女は幻覚や不思議なビジョンを体験しはじめる。ジョシュとトーマスはイザベルの体調を気遣いながらも、その現象をさらに調査するが、イザベルにはこのシグナルが何か得体のしれないものをこの家に引き寄せたのではないかと、感じ始め…。(メーカーサイトより)

■ネタバレ
*イザベルは夫ジョシュと娘アマンダと幸せに暮らしていた。しかしある日、本屋でトイレに行っている僅かな時間にアマンダが忽然と姿を消してしまう。店員も町の人々も姿が見えず、助けてくれる者は誰も居なかった。
*アマンダの失踪から2年が経った。誘拐されたのだと思われたが、犯人側からの要求はない。イザベルは抜け殻のような状態で、処方された薬を服用している。ジョシュはイザベルのために、郊外の静かな邸宅に移り住む事にする。それは短波実験の協力者ロバートが斡旋してくれた物件だ。
*7年間共に研究を続けているトーマスは町を離れる事に反対するが、ジョシュは「ここでも研究は出来る」と主張。引越の手伝いにやって来たトーマスは「研究は続けると約束しろ」と念押しする。人里離れた家に住む事には否定的だが、トーマスはこの物件について詳しく「警備用のコードは[1264]だ」と言い置いて、彼の妻ジェーンと共に帰って行く。
*引越の翌日、ジョシュは町へ戻ると言う。研究に必要な受信機を取りに行くのだ。この2年外部との接触を避けていたイザベルだが「カフェに行きたい」と同行を申し出る。ジョシュは喜ぶが、家を離れようとするとイザベルは首に強い振動と痛みを感じ、意識を失ってしまう。
*いつもとは様子が違って見えたためジョシュは心配するが、イザベルは「パニック発作よ」と伝えて夫を送り出す。2時間程度は1人になる。イザベルは部屋を片付けている最中に、ふとジョシュの受信機の電源を入れてみる。彼は電波の研究をしていて、これ以外にも必要な機材があるのだろう。すると受信機から不快なノイズが流れて、イザベルは慌てて耳を塞いで電源を切る。
*ベッドでイザベルが自慰を始めると、部屋に黒い人影が現れる。イザベルはそれには気付かない。その後リビングで、地下へ繋がる扉を見付ける。地下へ下りて行くと、切った筈の受信機から『ヌーン8369オブリクス、34369オブリクス』と言う音声が流れる。それに気付いて改めて受信機を切るイザベル。再度地下へ下りると、頭上の扉が閉められてしまう。ジョシュが戻ったのだろうか?暗闇に怯えて必死に助けを呼んでいると、イザベルの背後に長い指を持つ黒い人影が浮かぶ。
*帰宅したジョシュに漸く助け出されるが、家には他の誰かが居る訳でもない。イザベルは夫を疑う。一方ジョシュは、妻が服薬していないのではないかと疑う。険悪になる2人。やがてジョシュは詫びるが、イザベルは問題に向き合わないジョシュを責める。彼はイザベルが自殺未遂した件に触れようとせずに避けている。娘の失踪の責任についても。ジョシュもまた1人で呻き苦しむが、その傍に黒い人影が佇む。ジョシュはそれには気付かない。
*更に2年が過ぎ、家には研究の設備が整えられ、トーマスが訪れてジョシュと作業をしている。そこで2人は遂に求めていた信号を特定する。それは宇宙から届いたものだ。ジョシュ達は地球上の全ての短波無線局を相互参照し、共通する信号を見付け出した。発信元は、いて座の球状星団M55。これは1977年に地球外知的生命探査/SETIで信号を受信した時と同じだ。
*ジョシュはイザベルにドレスを贈り、家でパーティを開く。トーマスとその妻ジェーンは勿論、協力者ロバートや他にも多くの人々が訪れる。賑やかな宴席の隅で、ロバートに不安を吐露するジョシュ。件の信号を調べていたら、別の信号を見付けた。それは微弱だが、宇宙に向けて発信されている。何物かが人間の言葉を用いて、宇宙へメッセージを送っているのだ。信号のバイナリデータを解読すると、救難信号[SOS]と、ある座標を表すメッセージだと分かった。その座標が示すのは、自分達が住むこの家だった。「対応が決まるまでは、この事は秘密にしておくんだ。君の奥さんにも、トーマスにも」と言うロバート。その態度から、ジョシュはロバートが何かを隠している事を察知する。「何かがこの家に居るんだな?」
*ロバートは「月曜日の朝、私のオフィスに来てくれ。全てのデータを精査しよう」と告げて、その場を離れる。すると突然、イザベルがロバートに襲い掛かってナイフで繰り返し切り付ける。意識を取り戻したイザベルには、その記憶が一切なかった。彼女はロバートに襲い掛かる直前、森の中に居る幻覚を見ていた。娘アマンダに呼ばれて駆け寄ろうとするが、何かに阻まれて触れる事は出来なかった。
*ジョシュは妻を精神科病院へ連れて行こうとするが、イザベルは森の中でアマンダを見た事を思い出す。「ベッドに座って居たら無線の音が聞こえて、その後アマンダを見た。短波無線を聞かせて」と懇願するイザベル。ジョシュは折れて彼女に無線を聞かせる。するとイザベルは、ジョシュと出会った頃の自分になる。過去を追体験しているようだったが、自分の頬にジョシュのものではない黒く長い指が触れて悲鳴を上げる。
*その現象をトーマスに伝えると、彼は「前頭葉の情報が想起されたんじゃないのか?」と言う。信号に含まれる何かが引き金になって、抑圧されていた過去の記憶が呼び覚まされたのではないか。信号の送り主がイザベルと共鳴し、繋がりを築こうとしているようだ。過去を追体験させて、それを観察しているのかもしれない。その目的は分からない。
*トーマスは別の信号を試してみる事を提案する。そうすれば別の潜在意識が刺激されて、違う追体験が出来るかもしれない。ジョシュは安全かどうかを心配するが、イザベルは「誰がアマンダを誘拐したのか分かるかもしれない」と前向きだ。地球外に居る何かが、自分達を導こうとしているのではないか。そう言われればジョシュも承諾するしかない。
*イザベルが別の短波信号を聞くと、記憶にない場面の中に居る。ベッドに横たわっていて身体の制御が利かず、ナイフで自分の口角を横に切り裂く。「見殺しにしたな」と非難するジョシュ。それは追体験ではない。出鱈目な幻覚なのか、未来に起きる出来事なのか?トーマスはこの共鳴現象の解明を望むが、ジョシュは「彼女は実験用のモルモットじゃない」と反発する。
*その夜イザベルはまた短波無線の音声を聞き、黒い人影に取り囲まれる。生み落とした嬰児が、黒く長い指に抱え上げられる。「私は何処に連れて行かれるの?」と訊くアマンダの声。現実ではジョシュが、イザベルがベッドに居ない事に気付いて探しに来る。立ち尽くすイザベルの股間は血で濡れている。ジョシュはイザベルを宥めて状況を確認しようとするが、イザベルは怯えて「扉を閉めて」と訴える。ジョシュが家全体にロックを掛けると、イザベルは「彼等はもう中に居る」と言う。
*部屋の中には3人の黒い人影が居て、その動きに呼応するようにジョシュも動く。身体の制御が利かず、床に転がるナイフを手に取り自分の腕を切り裂くジョシュ。イザベルは泣き叫ぶが彼女も身動きが出来ず、助ける事は叶わない。漸くイザベルが動けるようになる頃には、ジョシュは大量に出血して瀕死の状態だった。外部と連絡を取ろうとしても、イザベルはロックを解除する方法を知らされていない。出会ってからの出来事が脳裏に浮かぶ。それは短波無線による追体験ではなく、2人の思い出だ。為す術もなく、ジョシュの隣りに横たわるイザベル。
*イザベルがどうにか外へ出ようとしても、ロックは強固だった。いつの間にか眠っていたようで夜が明けているが、何故かジョシュの遺体は消えている。その理由は分からないまま再び脱出を試みるが、どの扉も窓も開ける事が出来ない。やがてイザベルは大きな絵の裏に隠された操作盤を見付けて、防犯システムを解除する。外へ飛び出すが、家から少し離れると首の後ろに強い衝撃を受けて転倒してしまう。
*トーマスから頼まれて、ジェーンが実験用の機器を届けにやって来る。開いたままの扉と明滅する照明。不穏な空気に戸惑いながらも声を掛けて奥へ進むと、血に汚れたイザベルが蹲っている。悲鳴を上げるジェーン。やがて、戻らない妻を探してトーマスもやって来る。手には銃を握っている。家の奥でイザベルが立ち尽くしていて「彼はずっと間違っていた。信号はこの家から発信されていた」と言う。表情も声も、いつものイザベルとは違っている。口の端を切り裂いているのか血塗れで、目も赤く染まっている。次いで「トーマス、あなたが彼等を私の中に入れたのね」と言うのは、イザベル自身の声のようだ。また表情が変わり、地下の実験エリアへと消えるイザベル。
*トーマスがイザベルを追って行くと、ジェーンが口を塞がれ拘束されていた。妻を人質に取られて、銃をイザベルに渡すトーマス。彼は実験について白状する。「私とロバートは[標的]を心得ていた。何かを必死に探している人間が必要だった」と話す。[彼等]は一瞬しか地上に留まれないため、存在レベルを上げる研究をしていた。イザベルは娘に対する罪悪感や恐怖で過敏になっていたために、彼等との共鳴が可能だった。娘に会えるならイザベルは彼等を受け容れるだろうと考えて、閉じ込めるためにこの辺鄙な場所へ引越するように誘導した。マイクロチップを首に埋め込んで、家から離れられないようにもした。それが電気柵のような役目をしているのだ。
*「こんな事になるとは思ってなかった、私なら君を元に戻せる」と言うトーマス。しかしもう手遅れだった。トーマスにナイフを手渡すイザベル。トーマスは身体の制御が利かず「あんまりだ、許してくれ」と言いながらジェーンの喉にナイフを突き立てる。次にイザベルが剃刀の刃を手渡すと、トーマスはそれを自分の左目に突き刺して泣き喚く。イザベルは自らピック状の器具を手に取って、トーマスの身体を繰り返し貫く。やがて身体が自由になったトーマスは逃げようと這い進むが、イザベルはそれを甚振るように、移動しながら刺し続ける。
*地上階に辿り着き、警備システムを解除しようとするトーマス。しかし上手く動作せず、背後にはイザベルが迫る。トーマスは「止めてくれ、娘に会わせてやるから」と命乞いをする。「アマンダは生きている、市内の研究施設に居るから心配ない」と。「俺と一緒に行こう、また娘と一緒に暮らせるぞ」「結構よ、それは望んでない」「じゃあ何が望みなんだ?」イザベルと[彼等]の声が重なって、怒声を発する。「我々に、もう二度と構うな」
*交渉出来ないと悟ったトーマスはまた逃げ出そうと悪足搔きを始めるが、イザベルはその背中に何度もピックを突き刺す。息絶えるトーマス。イザベルはピックで首の後ろからマイクロチップを取り外して、[彼等]と共に家を離れて行く。

■雑感・メモ等
*映画『ショートウェーブ』

*レンタルにて鑑賞
*雰囲気重視型SFサスペンス

*終盤に突如喉を刺したり目を刺したりして、物理攻撃の威力が上がる。
*電波についての説明部分は何回聞いても自分には分からなかったので、まとめ方が適切ではないかもしれない。
*トーマスが序盤に「7年間の研究が無駄になる」、その後ジョシュが「9年間の研究」と言ってるので、引越後2年程経過している模様。
*何故トーマス達が「標的の事を心得ていた」のか謎。マイクロチップをいつの間に埋め込んだのかも分からない。(引越の翌日にはもう外へ出られなくなっていたので。)ジョシュの遺体が消えた意味は何なのか、家には電話がないのか?(ロックを掛けると使用出来なくなるの?)冒頭の娘が失踪した場面で、町から一斉に人が消えたのも不可解。現実ではなく単なるイメージなのかもしれない。(ところであれは本屋で良いのか、図書館的な施設なのか。)トーマスが言っていた通りに娘は生きているのか?何かと謎だらけ。
*それはそれとして主人公が美人だった。