ジャッカルズ | m-memo

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ネタバレだらけの映画メモ。

忘れ易いので自分用にメモしてます。
ネタバレ部分は詳細を記載することもあれば、
二言三言のこともあります。

 

■あらすじ
1983年。カルト教団に入信した息子ジャスティンを取り戻すため、パウエル一家は非常手段に出た。母親のキャシー、父親のアンドリュー、兄のキャンベル、息子の恋人サマンサの4人は、カルト対策の専門家ジミーを雇い、ジャスティンを教団から逆に強制拉致。人里離れた山荘に監禁し、洗脳を解くための治療を開始する。だがその夜、山荘は仮面を被った狂気のカルト集団“ジャッカルズ”に包囲されてしまう。獲物をもてあそぶように、屋内への攻撃を開始する侵入者たち。恐怖の夜は更けてゆき、そして…。(メーカーサイトより)

■あらすじ
*山道を走る車。2人の若い男が乗っていて、騒がしい曲が流れている。突然タイヤがパンクし調べてみると、切り裂かれたような跡がある。訝っていると1台のバンがやって来て、目出し帽の2人組が襲い掛かる。1人は手慣れた様子だが、もう1人はぎこちない。若い男達は激しく抵抗するが、銃を突き付けられて已む無く腹這いになる。若者の1人、ジャスティンだけが薬品を嗅がされて意識を失う。
*ジャスティンは山中のロッジに運ばれて、ロープで椅子に拘束される。そこに居たのは両親と兄キャンベル、恋人サマンサと自分の不在後に産まれた娘ゾーイだった。ジャスティンとは初対面の、元海兵隊員ジミーも居る。目出し帽で手慣れた様子だったのはこの男で、不慣れな方は父親だったようだ。ジャスティンはカルト教団に所属していて、家族からは「洗脳された」と考えられている。一家は次男を取り戻そうと、専門家であるジミーに依頼した。ここは一家が所有する別荘だ。
*家族が必死に呼び掛けても、ジャスティンは「俺はジャスティンじゃない、本当の家族がタナトスと名付けた。自分達の心配をしろ、殺される列に並んでるぞ」と喚き散らす。椅子が壊れんばかりに暴れ、或いは無感情に実の娘を見る。正気を取り戻すまでは、このままロープで拘束しておくしかない。
*ジミーは2階の一室でジャスティンと2人だけになり、教団について詳細を語る。教義や組織について、やがては金やコネを利用されるだろうと言った内容を。幾らか落ち着いた様子に見えるため猿轡を外してやると、ジャスティンはジミーに血を吐き掛ける。舌を噛んでいたようだ。ジミーは「応急処置だ」と言い、ジャスティンの口にアルコールを乱暴に注ぎ込む。
*家族に「手順通りに遣れば殻は破れる」と言うジミー。夜になりサマンサがジャスティンと話して「一緒に暮らしたい」と訴えるが、反応はない。しかしジャスティンは突然ゾーイの居場所を尋ねる。「俺の兄弟や姉妹は赤ん坊を集めてるんだ。未来そのものだからな」と話すジャスティンに恐怖を覚えるサマンサ。
*その頃、父が家の外の人影に気付く。少し離れた場所で誰かが蹲っているのだ。ジミーが近付いてみると相手は姿を消すが、その場所の岩には教団のマークが書き残されていた。ジミーが追うと、周囲には複数の気配がする。銃を持ち、前方に突き出していた腕にロープが掛けられて、木に吊り上げられるジミー。ジャッカルのマスクを着けた女が接近し、無言でジミーの腹部を横一文字に切り裂く。
*一家はロッジの中から様子を見守っていたが、暗い山中で距離が離れているために詳細が分からない。ゴルフのクラブを手に父と兄が加勢に向かおうとすると、何台もの車のヘッドライトが点灯して2人を照らし出す。母が通報しようとするが、電話線が切られているらしく繋がらない。父と兄が慌ててロッジへ戻ると、屋内の照明が消える。ジャスティンはまだ部屋に居たサマンサに「兄弟や姉妹が迎えに来てくれた」と嗤う。
*施錠を確認してカーテンを閉める。工具箱等から武器になるものを集める。ランタンを用意して、コンロでお湯を沸かす。精一杯の準備をする一家。壁際で外の様子を窺っていると窓を割られて、サマンサが腕を掴まれる。必死に引き剝がすと、ジミーの腕に彫られていた刺青を貼り付けられていたことが分かる。彼の皮膚を剥いだのだ。
*ジミーは既に殺されたのだろうと思われたが、裏口から助けを求める声がする。そこには実際にジミーが居たが、カルト集団の1人もロッジに踏み込んできた。揉み合いになり、母が熱湯を浴びせて父と兄がハンマーで頭を潰す。ジミーは腹部の傷の他、胸に刃物で[タナトス]と刻まれている。病院へ連れて行きたいが、ジミー自身が「外には大勢居て抜け道がない、間に合わない」と言う。家に侵入したのが1人だと聞き「遊んでやがる、ジャスティンにやらせようとしているんだ」と話すジミー。間もなく彼は絶命する。
*その気になればいつでも殺す事が出来るだろうが、相手は服従させるために力を誇示しているようだ。ジャスティンを捕まえた時に一緒に居た青年が、この別荘の場所を知っていたのかもしれない。電気や電話が潰されている以上、外に停めてある車は試さずとも絶望的だろう。兄は「自分が裏口から出て助けを呼びに行く」と提案する。一番近い家でも2km離れていてリスクが大きい。反対されて「それならジャスティンを差し出せば良い。本人も望んでる」と言う兄。しかしより一層強く反対されてしまう。そもそも差し出してしまったらもう自分達は用済みで、ロッジに火を放たれるかもしれない。
*2階に居るジャスティンがジャッカルの遠吠えのように雄叫びを上げる。それに応えるように家の周囲からも遠吠えが聞こえる。かなりの数に囲まれているようだ。続いて2階から大きな物音が聞こえて父と兄が様子を見に行くと、また1人カルトの一員が侵入していた。揉み合いになり、最後は父が首を締め上げる。マスクが外れて顔が見えると、それはジャスティンと一緒に車に乗っていた青年だった。「兄弟を殺したな」と呟くジャスティン。
*ジャスティンを椅子ごと1階に下して、止めさせる方法を尋ねると「俺を行かせろ」と言う。両親がそれを拒否すると「それなら終わりを待つんだな。もう直ぐ入って来るぞ」と話す。「女2人を犯して、それを見せてからあんたの首を斬る」父に対する暴言に、弟を殴り付ける兄。サマンサが「愛してるのよ」と言っても無反応だ。母が取り縋って「本当のあなたに戻って」と訴えると、その頭部に噛み付いて髪を引き千切る。
*他に解決策はなく、父は先刻の兄の提案を聞き入れる事にする。ジャスティンを渡す振りをして、その隙にキャンベルが裏口から助けを呼びに走るのだ。父がジャスティンを連れて入口から出ると、ジャッカルのマスクの教団員が集まって来る。それで全員かどうかは分からないが、兄は裏口から森へと駆け出す。サマンサが裏口のドアを閉めようとすると、待ち構えていたカルトが1人腕を差し込んでくる。堪らず叫ぶサマンサ。静かな森に彼女の悲鳴が響き、これで一家の計画も知られただろう。
*母はサマンサを助けようと裏口へ走り、刃物をカルトの腕に突き立てる。どうにか撃退して安堵した2人は抱き合うが、今度は父が危機に陥る。自分達が外に出た後で鍵を掛けるよう母に指示しておいたため、一味に接近されてもロッジに戻れないのだ。屋根に潜んでいたカルトが落下し攻撃を加え、転倒する父。そこへ松明を持ったサマンサが駆け付けて、炎でカルトを蹴散らす。
*父はジャスティンを連れてどうにか屋内へ戻る。兄も暗い森を進み、途中で数台の車を見付ける。乗り込んでみるとジャッカルのマスクがあり、カルトの連中の車らしい。鍵は見当たらず、少し離れた場所には複数の人影が見える。車外へ出ると人影が近付き、已む無く車の下へ。しかし隠れている事はお見通しだったらしく、兄は結局捕まってしまう。
*ロッジの屋根や壁から、激しい物音がする。それが止むと、カルト集団はロッジ正面に集まる。ブランコの枠組みに、兄が吊るされているのが見える。「親父、助けてくれ。目的は弟だ、渡せば全員助かる」と叫ぶ兄。彼はオイルを身体に浴びせられていて、母は気絶してしまう。
*父がジャスティンに近付こうとすると、サマンサが大きな剪定用のハサミを手に立ち塞がる。「ジャスティンを渡したらもう私達に用はないわ、皆殺しにされてしまう。他の方法を考えて」と訴えるサマンサ。その時2階から窓が割れる音がして、父はサマンサからハサミを取り上げて階上へ向かう。
*助けのないまま右腕を、次いで左腕を燃やされる兄。サマンサが「お兄さんを助けて」と頼んでも、相変わらずジャスティンは無反応だ。頭部へオイルが注がれると、意識を取り戻した母がサマンサの制止を振り切って外へ出る。一方2階からカルトの1人が転落して動かなくなる。父が仕留めたらしい。やがて父が1階へ戻り状況を知ると、つるはしを掴んで外へ飛び出す。
*父は果敢に戦い何人かを倒すが、数の差が歴然としている。長くは持たないだろう。するとジャスティンは「拘束を解いてくれ」とサマンサに頼む。「両親が死ぬ前に行かせてくれ」と。俄には信じられないが、先刻までとは違って以前のジャスティンのように見える。「彼等を説得して」とサマンサは言うが、ジャスティンは「間に合わない、手遅れになる」と話す。「私とゾーイはどうなるの?」「俺が外へ出たら森へ逃げろ。2km北に山小屋があるから助けを呼ぶんだ」
*サマンサはジャスティンを信じて、彼の拘束を解く。それでもゾーイに近付くジャスティンを警戒するサマンサだったが、彼は優しく娘に触れ、サマンサにキスをして「ありがとう」と告げると外へ出る。その頃、父は遂に動きを止められて背中と腹部を繰り返し刺される。カルトのリーダー格に向かって「私が父親だ」と言うと崩れ落ちる父。絶命する寸前に、母が喉を切り裂かれるのが見える。そして父の身体に斧が降り下ろされる。
*ジャスティンはリーダーの前に進み出ると跪く。そして差し出された手の甲に額を押し当て、敬意を表する。彼の心はやはり[本当の]兄弟姉妹と共にあったのだ。そうとは知らないサマンサは、赤ん坊を抱えて夜の道を必死に走っている。やがて大きな道路に辿り着くと、走って来る車のヘッドライトが見える。助けを求めて手を振り、涙を流しながらも安堵の表情になるサマンサ。彼女は未だ気付いていないが、その傍らにはジャッカルのマスクをした男が佇んでいる。

■雑感・メモ等
*映画『ジャッカルズ』

*レンタルにて鑑賞
*vs.カルト系密室ホラー
*基本的にバッドエンドを謳っているものは積極的には見ないんだけど(それだけでネタバレな気もするし、安易な結末である場合が多いと思うから)『あなたが目撃するのは、史上最悪の≪バッドエンド≫』とのコピーを見て「本当に?」と釣られてしまってついレンタル。正直胡散臭くて期待値低めだったけど見始めたら見覚えのある俳優が複数居て、思っていた程マイナー系ではないのかも。
*OPは黒地に赤文字、EDは赤地に黒文字。導入部分に本筋とは無関係の映像あり:1983年3月24日/ある家に侵入して、母親の髪を切る男。気付かれると、手にしていたハサミで母親の喉を刺す。次いで、同じベッドで眠っていて異変に気付いた父親も刺殺。男は娘の部屋に行き照明を点ける。男に気付いた娘は「マテオ、心配してたんだよ」と話すが、相手が血塗れだと気付いて慌てて両親の寝室へ。娘が両親の死を知り泣き叫んでいると、マテオに首を締め上げられる。事が済むと男はマスクを着ける。鏡にその姿が映ると、男が着けているのはジャッカルのマスクだと分かる。
*この部分だけPOVなのかなと思ったら、カメラを持っているとかの設定ではなく単に犯人視点の映像と言う感じ。教団の恐怖エピソードの1つと言う事なのか、例えばジャスティンと一緒に居た青年がマテオなのかは不明。
*この冒頭映像の後に「実際の事件に基づく」旨の表記あり。どの程度実際の出来事がベースになっているのか、これもまた不明。IMDb・wiki・公式サイト辺りを見てみたけど、実話ベース的な表記自体が見当たらなくて分からなかった。実際の事件に即しているなら確かに胸糞悪いけど、ホラー映画のオチとしては凡庸な部類。
*本編中には出てこなかった気がするからネタバレ内では書かなかったけど、カルト集団の呼称が『ジャッカルズ』と言う事なんだよね恐らく。ジャッカルのマスク着用時は何も喋らない。
*母を殺害するのは女カルトで、くるくる回転しながら喉を切るんだけどあれは何?多分同じ女だと思うんだけど、ジミーを斬り付けた時には普通だったのに。クライマックスなのに困惑して脱力してしまった。(くるくる回転系殺人鬼が出てくる映画を過去にも一度見た事があるけど、そちらもドーフ出演だった。)
*この作品内で一番知名度のある俳優はドーフかなと思うけど、役に立たないまま一番先に死ぬ…父はなかなか健闘していて、一般的なホラー映画なら生き残れたかも。惜しい人を亡くした。