HUNT/餌 ハント・エサ | m-memo

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ネタバレだらけの映画メモ。

忘れ易いので自分用にメモしてます。
ネタバレ部分は詳細を記載することもあれば、
二言三言のこともあります。

 

■あらすじ
オランダ・アムステルダムの郊外で牧場を営む家族の惨殺死体が発見された。事件の相談を受けた動物園の獣医リジーは、死体の様子から、すぐにそれは獰猛で攻撃的なライオンの仕業と特定するが警察は信じなかった。しかし街中で、猛獣に喰い殺されたかのような死体が次々に見つかった為、警察署長は止むを得ず、狩りの経験のある自分のいとこを雇うことにする。しかし、ライオンが身を潜めていると予測したフォンデル公園で、逆にいとこが惨殺されてしまう。結局リジーが応援を頼んだイギリスの有名なハンター、ジャックを頼ることになるのだが…。(メーカーサイトより)

■ネタバレ
*アムステルダム、郊外の一軒家。娘が深夜に帰宅して父が家の外へ出ると、エンジンが掛かったままのバイクが転がっている。バイクは娘を送り届けた恋人のものだが、2人の姿はない。父が戻らず異変を感じ取った母も銃を手に外へ出るが、やはり誰の姿も見えない。やがて母は何かに襲われ、抵抗する間もなく地面を引き摺られていく。家には幼い妹だけが取り残される。
*アルティス動物園に勤務する獣医師リジー。仕事は順調だが、カメラマンの恋人デイヴを同棲していた家から最近追い出した。デイヴの浮気が原因だ。それでもリジーの職場に押し掛けるデイヴ。そこへブリンカーズ刑事から捜査協力の依頼が入る。6年前にレッサーパンダの違法取引についても協力したが、今回はもっと物騒な相手だ。
*郊外の現場へ駆け付けると、無残に切り裂かれた家主の遺体がある。「腕がないわね」「妻の頭部と一緒にあるかもしれない」少し離れた場所には、妻以外にも長女とその恋人の死体がある。5歳の次女は未だ見付かっていない。足跡は雨で消えているが、リジーはブリンカーズの「犯罪歴がある娘の恋人や、野犬の可能性は?」との問い掛けを否定する。「人間業じゃない、犬とは全く傷が違う」と。答えを予想していたブリンカーズは「人喰いライオンか」と苦々しく呟く。
*夜までには次女の遺体も見付かり、被害者は5人になる。リジーはデイヴとレストランへ。彼は浮気について反省の弁を述べるが態度は軽薄で、リジーとしては未だ信用出来ない。更に帰り道では「オーディションと称してエロ動画を撮影された」と数人の男女に詰め寄られるデイヴ。助け舟を出してその場は遣り過ごすが、リジーはデイヴを車には乗せずに1人で走り去る。
*翌日、晴天のゴルフ場でプレイ中の男ヘンドリク。一緒に会社を立ち上げた友人2人は横柄な態度に辟易して、ヘンドリクを経営陣から外す事にした。コースから逸れたボールを探しに入った林の中で、準備した書類を差し出す友人ブラム。そこへ野獣が襲い掛かり、ヘンドリクは慌てて林から逃げ出す。別の友人を伴ってコースを横切る血の跡を辿ると、右脚が無残に千切れたブラムが倒れている。そしてバンカーには大きなライオンの足跡が残されている。

*その現場にも呼び出されるリジー。ライオンは1晩で40kmも移動している。足跡から予想される体長は尻尾を除いて約2m、体重は200kg程度。人肉の味を覚えた巨大な獣。報告するが、ザルムバーグ警察署長は「数年前のピューマ騒動の正体は、結局巨大猫だった」と発表を渋る。サーカス等からライオンが逃げ出したとの通報もないのだ。

*嘗ては欧州にもライオンが生息していて、気候変動で生息地が広がったのかもしれない。東欧では富の象徴として極秘で飼育する場合もある。リジーがそう説明しても、署長は「非現実的だ」と取り合わない。極秘で捜索を進めたがる署長だったが、デイヴの根回しで既にマスコミに情報が流れていた。ニュース番組で目撃者が証言している。
*署長は已む無く会見を開くが、集まった報道陣もピューマ騒動を持ち出して笑っており呑気な様子だ。しかし人喰いライオンは夜には街に進入。バイクに乗った宅配ピザの配達員が追い掛け回されて、海に転落する。配達員が恐々陸へ戻ろうとすると、頭部を噛み千切られて首から下が海中に沈む。夜が明けると夜行性のライオンは身を潜めるが、犬とは比較にならない多量の糞が道端に残されている。そしてその近くには配達員の頭部が転がっている。
*ブリンカーズはリジーに「プロのハンターを紹介して欲しい」と頼む。リジーは元恋人で優秀なハンターのジャック・デラルーに連絡しようとするが居場所が分からない。久し振りにリジーと一晩過ごしたデイヴは、ジャックの存在を気に掛けている。一方ザルムバーグ署長は、自分のいとこテオにライオン狩りを依頼する。
*テオは富豪で、趣味で狩猟をしている男だ。彼はライオンの進行方向からして、フォンデル公園に辿り着くと予測。そこで捕獲する計画を立てる。しかしリジーにはテオが素人に見える。動物を薬品で弱らせて観光客に撃たせるサファリもあり、テオが披露した写真はその類いのものだろう。
*いつもより早く、6時に閉園になるフォンデル公園。動物の死体を囮に罠を仕掛け、ライオンを待ち構えるテオ。物音に警戒すると、姿を見せたのは父に憧れて勝手にやって来た息子グイドだった。別の物音がしてグイドが逃げ出し、テオは1人で身を隠す。しかし多少の囲いではライオンの障壁にはならず、容赦なく噛み付かれる。駆け戻ったグイドは発砲を躊躇っている内に、父の仕掛けた罠に倒れる。
*上空から状況を見守っていたヘリが、作戦の失敗を報告する。門扉が開かれて警察車両が突入、混乱に乗じてデイヴも現場へ乗り込む。ヘリは引き続きサーモカメラでライオンの姿を捉えている。しかし見失った僅かな時間に、閉ざされた門扉を避けてライオンは公園の外へ。ファン・エーゲン通りを東に走る。近くに居た警察車両が急行しようとするが、またしてもライオンは姿を消す。
*ライオンは路面電車に乗り込み、惨劇が繰り広げられる。ブリンカーズは改めてリジーにハンターの派遣を依頼。リジーは既にジャックに連絡済で、明日の朝には到着予定だ。予想外の早さに感謝するブリンカーズ。そこでリジーは「私からもお願いがあるの」と頼む。公園に無断で突入・撮影し、逮捕されたデイヴの釈放だ。
*翌朝、8年振りにジャックと再会するリジー。ジャックは明るく野性味があり、如何にもハンターらしい雰囲気がある。しかし彼には片脚がなく、車椅子に座っている。リジーと共に空港で出迎えたブリンカーズは困惑。しかし現場に現れたジャックは、キャタピラー付の特殊な車椅子に乗り換えている。頑丈で安定性があり、かなりのスピードが出る。現場の状況も即座に分析するジャック。敵は体長2.2mのマサイライオン。ブリンカーズはジャックを信頼するが、ザルムバーグ署長は懐疑的だ。

*更にジャックは「一度襲った自分の獲物を食べに戻る筈だ」と言い、テオの遺体を餌にライオンを誘き出す事を提案。署長は「あんな男は送り返せ」と激怒する。警察署を追い出されたジャックはリジーと酒を呑みながら、肝臓癌で余命は長くて2年だと告げる。しかし彼はそれを受け容れていて「俺の人生は最高だった」と笑い、リジーとデイヴの幸せを願う。その間にも被害は拡大。ベビーシッターの目を盗んで家を抜け出した子供が犠牲になる。
*リジーとジャックは現場に駆け付けるが、署長はやはりジャックを拒否。公園を拠点にしているらしいライオンを特殊部隊で包囲して、射殺する計画を立てる。居合わせたデイヴは初めてジャックと対面、彼が車椅子である事に安堵の表情を浮かべる。「麻痺してない部分もあるのよ」と釘を刺すリジー。3人は一緒に食事する事になる。ライオンに脚を食い千切られた武勇伝を話すジャック。話の内容に合わせて拳銃を取り出すと実弾を発砲、レストランのシャンデリアが落下する。
*公園には帰還兵である一般市民が入り込み、特殊部隊が発砲して混乱に陥る。結局作戦は失敗。ザルムバーグ署長も遂にジャックを頼る事になる。昨晩の騒ぎで拘留されていたジャックは解放、テオの遺体を木に吊るして囮に使う許可も出た。作戦が完了するまでは放送しない約束で、デイヴも公園で撮影している。
*夜になるとジャック以外は公園の外へ。ライオンとジャックの1対1になる。やがてジャックの背後に現れるライオン。発砲するとライオンが逃げ出し、彼は巧みに車椅子を操作して追い掛ける。公園内には鬱蒼とした林もあり、ライオンを見失うジャック。いつの間にかテオの死体が消えている。ライオンが音に敏感なため今日はヘリを飛ばしておらず、ジャックは無線も切っている。堪らず助けに向かうリジー。

*ジャックは破られたフェンスの先を目指し、そこにリジーが合流する。ライオンが向かったのは大学の医学部で、解剖用の死体がある。地下室から建物に入ったらしく、進行方向にはテオの身体が投げ出されている。2人が屋内に入ると警備員の新しい遺体。警戒しているとライオンが襲い掛かる。ジャックに牙を剥くライオン。彼のライフルは弾き飛ばされている。リジーが拳銃で撃つと、ライオンは彼女に向かって来る。リジーが近くに置かれていたソファで防御する間に、ジャックがライフルを拾いライオンを撃つが致命傷ではない。彼は近くの教室を抜けて待ち構えるが、ライオンは姿を見せない。
*ライオンの標的から外れたリジー。襲われた際に携帯電話が壊れたため、警備員のトランシーバーを使おうとする。暫くは反応がなく、そこへライオンが戻って来る。その時トランシーバーから応答があり、ライオンが反応。物陰に身を隠していた彼女に気付いて接近する。拳銃で撃とうとするがもう弾が出ない。慌てて近くの部屋に飛び込んで、ドアノブのレバーハンドルが動かないように固定する。
*ジャックはライオンを探しているが、車椅子が充電不足になりその機能を発揮出来なくなる。ゆっくり進んでいると廊下の端にライオンが現れる。後退しつつ何発か撃つが、ライオンは構わずに突っ込んで来る。扉を抜けて更に後退、手摺を破壊して落下しそうになる。ライオンは逃がすまいと前足でジャックの脚を引っ掛ける。痛みで叫ぶジャック。やがて彼は吹き抜けになっている1階下のフロアに落下。ライフルは書架に引っ掛かって手が届かない。幸いライオンはそのまま姿を消す。

*床を這い進むジャック。止血をしているが、それでも夥しい出血で廊下に血の跡が残る。彼はやがて死体安置所を見付けて、中に入るとドアをベルトで固定する。ライオンを迎え撃つには準備が必要だ。そこへ天井を突き破り、リジーが落下してくる。再会を喜ぶ余裕はない。ジャックは毒ガスのボンベを見付けており、新しい血痕でライオンを誘導して撃退しようと考えている。
*アルコールで死体安置所の床を拭うリジー。次いでジャックは医療用のこぎりで、残されている左脚を切るようにリジーを促す。リジーは躊躇うが、ジャックの意思は固い。切り取った脚を床に擦り付けて、安置所奥の小部屋へと血の跡を作る。やがてベルトを切って、ライオンが死体安置所に入って来る。狙い通りに新しい血の跡を辿って、ライオンは奥の部屋へ。棚の上でガスマスクを着けて待ち構えていたリジーが、扉を閉めて毒ガスを噴射する。直ぐには倒れず、暴れたライオンにガスマスクが弾かれる。どうにかライオンが弱るが、ガスマスクが壊れてリジーも危険な状態だ。
*ライオンの痕跡を辿り、死体安置所にやって来るデイヴ。瀕死のジャックが「奥の部屋だ」と伝える。完全に閉まってしまうと中からは扉が開けられず、デイヴがリジーを救い出す。ライオンはまだ死んでおらず2人に飛び掛かる。デイヴが手近にあった椅子で防御、リジーがライオンの頭部に鉄杭を突き立てて、息の根を止める。
*2人が駆け寄ると、ジャックは既に息絶えていた。リジーはジャックの遺体と共に救急車に乗り込み、デイヴは残って撮影を続ける。自分の携帯は壊れたため、救急隊員に借りて車中からデイヴに連絡するリジー。浮気が原因でデイヴを追い出したが「泊まる当てがないなら良い場所を教えるわ」と伝える。軟化した彼女の態度に喜ぶデイヴ。彼は「ライオンは二重窓を破ったんだな」と2階の窓を見上げる。リジーが把握しているのは地下室からの侵入だ。デイヴは二重窓から飛び出した痕跡と、フェンスの外へ続く足跡を見ている。
*踏切で停まっている救急車に、何かの気配が接近する。地下室から侵入して、そのまま屋内で死んだライオン。外へ向かう足跡が残っているのなら、別の個体が居るのではないか。リジーがそれを悟った時、ドアの外にライオンが姿を現す。一度襲ったジャックの身体を追って来たのだ。外の様子を確認しようと救急隊員が開けたドアを弾き飛ばして、ライオンが襲い掛かって来る。後部ドアから必死に逃れるリジー。
*ジャックの死体に齧り付くライオン。後続車の運転手が異変を察知して逃げ出す。リジーはその車に乗り込み、救急車を線路へと押し出す。幸い救急隊員も車外へ逃れている。ライオンにフロントガラスを破られながらもアクセルを踏み続ける。点滅する踏切警報機。やがて救急車が完全に線路上に押し出され、そこに貨物列車が突っ込む。
*街に平穏が戻り、リジーは国営放送で働き始めたデイヴと縒りを戻す。しかし結局、ライオンが何処からやって来たのか正確なところは分からない。2匹で全てだったのか、個体数も不明なのだ。公園で姿を消した飼犬シンバを心配しているリジーに「まだライオンが居ると思うのかい?」と問い掛けるデイブ。しかしシンバは程なく戻って来る。「シンバなんてトラブルを呼びそうな名前だ」「バンビが良かった?」通り過ぎる2人の傍、茂みの奥で得体の知れない何かが息を吐く。

■雑感・メモ等
*映画『HUNT/餌 ハント・エサ』

*レンタルにて鑑賞
*オランダ製人喰いライオンパニック・ホラー

*邦題が独特に妙だなと思いつつレンタル。
*冗長に感じるパートもあったからもう少し尺が短くても良かったけど、概ね適度な仕上がり。ライオンを猛スピードで追跡する車椅子ハンターが見所。

*終盤ライオンに追われての動きは概ね納得出来るけど、リジーが天井から落下する場面は何がどうなってそんな事になったのか謎。最後にライオンの頭部に突き刺す物も何なのか分からない。死体安置所でどんな用途に使う道具なんだろうか。
*前半のデイヴが駄目過ぎて、これは元恋人と再燃するパターンでは。と思っていたらジャックもレストランで酔って発砲してしまう男だった。ついでに瀕死の状態でリジーに「裸を見せて」とか言う。
*警察署長のいとこについて、1回だけ字幕に「テオ」と表示されたからこれが名前かなと思ったんだけど違うかも。(無線での会話中で、誰が誰に対して言ったのかが曖昧なんだよね。)IMDbで確認した役名は[いとこ/ホビーハンター]だった。

*ネタバレでは盛り込めなかったけど、常識人且つ苦労人て感じでブリンカーズが良いキャラ。何回かミントを食べる場面があって、デイヴにも「ミントでも食え」て差し出してくれる。ジャックにはハイタッチをスルーされる。