■あらすじ
コロンビア州ボコタ。大学生のジルたちは叔母のジーナたちと旅行中。あいにくの大雨の中、山道を走っていたが濁流にのみ込まれてしまう。最悪な状況の中、山の古い一軒家を見つけ入り込むが、そこには怪しい老人が1人住んでいた。この屋敷は元々ホテルで1987年以降は宿泊客がいない。しかし、地下室に1人の少女が監禁されていた。ジル達は少女を助けようとするが、老人は怯え始める。“彼女”には秘密があった──次々に一家を襲いはじめるのだった。(メーカーサイトより)
■ネタバレ
*戦場カメラマンのデイビッドは、死別した妻マルセラの死に対して罪悪感を抱えている。現在は看護師ローレンと婚約しているが、娘のジルは反抗的な態度だ。彼女はローレンについて「金目当てで結婚する」と捉えている。ジルは元妻の妹ジーナとコロンビアを旅行中だが、一向に帰国する気配がない。このままでは大学の入学式や自分達の結婚式を欠席しそうだと考え、デイビッドはローレンと共にコロンビアへやって来る。
*2人はジルとジーナ、そしてラモンと言う青年と首都ボゴタで落ち合う。ラモンはレポーターであるジーナのカメラマンで、ジルにとってはこの夏の恋人らしい。ジルに帰国を促すが「メデジンにパスポートを置いてある」と言う。今居る場所からは車で6~8時間の距離だ。5人は車でメデジンを目指す事になる。
*激しい雨の中、山道を走っているとパトカーに停車を促される。声を掛けてきたモラレスと言う警部が言う事には、この道は鉄砲水の危険があるらしい。彼は「20km戻れば幹線道路に出る」と助言してくれる。デイビッドは不安を感じるが、ジーナは引き返す事に反対する。このままでは飛行機に間に合わないし、同じ20kmならこのまま走っても幹線道路に出る。そう説き伏せられて、結局そのまま車を走らせる。
*しかし暫く走ると、モラレス警部の言った通りに鉄砲水に遭ってしまう。車は道を外れて横転。どうにか全員無事だが、ローレンは胸部から腹部を強打している。看護師であるローレン自身の診断では、肋骨が2本折れているようだ。携帯電話は圏外で繋がらない。ラモンが周辺を調べてみると近くに大きな建物があるのが分かり、そこまで歩いて移動する。
*建物のドアを叩くと、家主の老人フェリペが「ここには誰も泊められない、村まで歩け」と素気無く言うが「怪我人が居て無理だ」と懇願する。フェリペはデイビッドとジルが親子だと分かると、躊躇いながらも招き入れてくれる。礼を述べて自己紹介し、タオルと電話を頼むデイビッド。しかし、ここには電話はないらしい。フェリペはジルを凝視し、彼女のロザリオに触れて「これはお前を守れない」と言う。
*雨に濡れて震える5人。暖炉で部屋を暖めるため、フェリペはデイビッドを伴い薪を取りに行く。「この男以外は部屋から出るな」と言い置くフェリペ。部屋の壁にはこの建物の絵が掛けられている。プレートによればここは[ギャロウズ・ヒル]と言うホテルだったらしい。残された宿泊名簿を見ると、最後の客が泊ったのは1978年12月14日。30年前だ。電話機は置かれているが電話線は切られている。
*部屋を出るなと言われたが、ジルとラモンはトイレを探して建物の中を歩く。見付けたトイレで、パイプを通して少女が助けを求める声を聞くジル。戻ったフェリペは、2人が部屋を出た事を知り激怒。彼は地下室への扉を覗き込んで、様子を確認している。それを物陰から見ていたジルとラモンは、少女が地下に囚われていると考える。地下に下りてみると人が暮らしている痕跡がある。他にも沢山の部屋があるのに、フェリペはわざわざ地下で暮らしているのだろうか。
*奥へ進むと、頑丈な鍵が掛けられた牢屋のような物がある。板で覆われていて中の様子は分からない。僅かな隙間から少女の瞳が見えて、名前を尋ねると「アナマリア」と答える。少女はフェリペに閉じ込められたのだと言う。鍵を壊して助け出そうとしていると、銃を手にしたフェリペがやって来る。「あの子に触れたら死に至る」と言うフェリペ。彼の背後からデイビッドが近付き殴打、老人は気絶する。
*父に状況を説明するジル。デイビッドが鍵を壊して扉を開けると、窓がなく害虫の這いずり回る[箱]のような空間の中で少女が蹲っていた。デイビッド達はアナマリアを助け出し、ローレンとジーナの待つ部屋へ戻る。怯えた様子のアナマリアを宥めるローレン。気絶したままのフェリペは別の部屋に隔離しておく事にする。カメラは車の中に置き去りのため、ジーナは携帯電話のカメラで少女が監禁されていた箱を撮影する。幅は約3mで高さは約1.5m、酷い臭気だ。
*意識を取り戻したフェリペは「パンドラの箱を開けてしまった、お前の家族全員が死ぬ」と喚く。姿を消したアナマリアを探していたローレンは、少女を追って入った部屋に閉じ込められてしまう。その間にアナマリアは、フェリペが拘束されている部屋に入り込む。「彼等に手を出すな」「でも私を助けたいって言ってるわ」「私が身代わりになる」「デイビッドやラモンの方が強そうね。さよなら、パパ。自由になるわ」
*外に出て、久々の雨を全身で浴びるアナマリア。それに気付いたジーナが慌てて屋内に連れ戻す。ローレンも脱出して、元の部屋に戻っている。アナマリアを撮影して取材を試みようとするジーナ。デイビッドは「撮影なんかしてる場合じゃない、彼女やローレンを医者に診せるのが優先だ」とジーナを詰る。「医者に診せようにも、車は壊れていて使えない」とガレージを調べていたラモンが絶望した表情で言う。しかし何らかの移動手段がなければ、ここでは生活出来ないだろう。
*そこへ拘束を解いたフェリペが現れて「神よ赦し給え」と叫んでアナマリアに襲い掛かろうとする。フェリペから取り上げておいた銃をラモンが咄嗟に発砲して、家主は息絶える。動揺が隠せないラモン。フェリペは事前に手首を切っており、血が大量に流れ出ている。自分も死ぬつもりだったのだ。彼の行動の意味が理解出来ない5人。アナマリアは密かに笑みを浮かべている。ジルはフェリペの様子から、何かを隠していたようだと感じて怯えている。あの箱は何年も開けられた形跡がなく、食事を差し入れるような隙間もなかった。アナマリアはどうして生きていられたのか?疑念を抱いてデイビッド・ラモン・ジルは地下へ向かう。
*一方部屋に残ったジーナは再びアナマリアを撮影し、ローレンに非難される。ジーナが諦めてキッチンへ氷を取りに行くと、携帯電話を手にアナマリアがやって来る。少女は携帯のカメラで撮影しながら「聞いても良い?」と言う。「私を取材したいのね」と笑うジーナ。するとアナマリアは「トレバーって誰?」と尋ねる。それは上司の名前だが、恐らくラモンから聞いたのだろう。アナマリアは「堕胎の事は知ってるの?」と続ける。「彼が知ったら激怒して、あなたをモンスターと呼ぶようになるわ」アナマリアの表情や声が変化して、貌は黒く腐敗したようになる。「胸は痛まないのか?答えろ売女め」ジーナを責め立て、彼女のシャツを捲り上げる。子供を堕ろした筈のジーナの腹部では、何かが蠢いている。
*デイビッド達が地下室を調べると、箱には記号や文様のようなものがあると分かる。手が届かないため、アナマリアが刻んだものではないだろう。フェリペの日記にも同じ古代文様が残されている。そして、やはり食べ物等を受け取れるような隙間はない。フェリペは箱を監視するかのように、地下の空間で暮らしていたようだ。そこに置かれたモノクロ写真には、今と変わらぬアナマリアが映ってる。裏面に書かれた日付は30年も前で、今頃は40歳前後の筈だ。
*3人が困惑していると、階上からローレンの呼ぶ声がする。駆け付けるとキッチンの床に、アナマリアとジーナが倒れている。ローレンが来た時には、アナマリアが喉を裂かれて既に絶命していた。意識を取り戻したジーナは、電気ショックのようなものを感じて倒れたのだと言う。背後から首筋に、スタンガンを押し付けられたのか。ジーナは「この家には他にも誰かが居るのよ」と主張する。フェリペに共犯が居るのかも知れず、直ぐにも家を発つべきだと。しかし激しい雨は降り続いていて、間もなく日没でもある。今夜はここに留まるべきだろう。
*ジルは「アナマリアは薄気味悪かったから、死んで良かった」と吐露する。監禁されていた少女に対しての酷い言葉をローレンは咎めるが、アナマリアを解放した時にフェリペは酷く怯えていた。そして「ロザリオでは守れない」と言ったのだ。箱の文様の意味は何なのか…捲し立てるジル。ローレンは「馬鹿げてる」と言うが、写真については説明出来ない。他人だと言うには、アナマリアに似過ぎている。
*何にせよ安全を考えて、出発は明朝になる。何も出来ない事に苛立ち、屋外で携帯電話を掛けられないかと家から飛び出すジーナ。デイビッドはラモンに彼女を任せる。するとジルが悲鳴を上げて「窓の外に誰かが居た」と言う。キッチンのナイフを掴みデイビッドが外へ出ると、鉄砲水の前に声を掛けてくれたモラレス警部が銃口を向けてくる。銃を構えたまま、フェリペの所在を尋ねるモラレス。ナイフを捨てるよう要求されていると分かりそれに従うが、デイビッドはスペイン語が話せないためそれ以上は説明出来ない。モラレスはフェリペの所在を確認しようと躍起になっているようだ。建物に入り、ジルにスペイン語での説明を頼むデイビッド。
*「監禁されていた少女を助けたら家主から銃を向けられた」とジルが話して、フェリペとアナマリアの死体をモラレスに見せる。取り乱すモラレスに「俺達は殺してない」と訴えるが、彼が激昂しているのは少女の死に対してではなく、彼女を箱の外に出した事についてだった。モラレスは銃を向けたまま、デイビッド・ジル・ローレンを地下へと押し遣る。地下でデイビッドとモラレスが揉み合いになり、投げ出された銃をローレンが拾って形勢が逆転。銃を受け取りローレンとジルを階上へ戻すデイビッド。モラレスに状況を説明するように促すと「アナマリアは少女ではなく、死んでもいない。彼女が死んだ時に誰が傍に居た?」と言う。モラレスの言葉の意味は理解出来ないが「ローレンとジーナだ」とデイビッドは答える。「片方はもうお前の家族ではない」
*一方建物の外では、ジーナが手が滑った振りをしてラモンの携帯を落として壊す。ジーナ自身の携帯は、アナマリアと接触した際に壊れてしまっている。もし電波が届く場所があっても、今の2人には連絡手段がない。ずぶ濡れの状態でラモンを誘惑するジーナ。「フェリペを殺して辛いのね。でも初めてじゃない。女を夢中にさせてクスリを飲ませたでしょ?ジルに飲ませるクスリを私にちょうだい」何故全てを知っているのかと訝り、戸惑いながらもジーナとキスするラモン。すると彼は突然苦しみ出し、大量の血を吐き出す。「助けてくれ」「彼女も同じ事を言っただろ。とことん苦しむんだな」ジーナはアナマリアと同様に、表情や声が変化して腐敗したような風貌になる。思わず彼女の頭を掴み、手摺に叩き付けるラモン。ジーナは首の骨を折り動かなくなる。
*モラレス警部は地下の箱の壁に紙を押し当てて、鉛筆で擦って五芒星の印を写し取る。デイビッドはモラレスの望み通り、彼をローレンの居る部屋へ連れて行く。文様が浮かぶ紙をローレンの腕に押し付けるが、何の反応もない。モラレスはひとまず安堵して「彼女ではない。家族を救いたいなら信じてくれ」と言う。信じ難いが、モラレスは嘘を言っているようには見えない。デイビッドは彼に銃を返す。
*2人でジーナを探しながらモラレスは「彼女の名前はエレナ、[ブルーハ]だ」とデイビッドに話す。「ブルーハとは?」「魔女だよ」17世紀、スペインの司祭がこの場所で魔女を絞首刑にした。しかし魔女は不死身で、殺した相手に乗り移る。30年前、フェリペは刻印のある井戸で年老いた男を発見して救出。魔女はその時、老人に乗り移っていた。魔女がアナマリアに乗り移った時、フェリペはあの箱を作って娘を監禁したのだ。彼は全てを日記に書き残した。魔女の話は聞いてはいけない。相手の秘密を利用し、攻撃するからだ。
*やがてデイビッドとモラレスはジーナの死体を発見する。ラモンが銃で撃ったようだ。つまり今は、ラモンの中に魔女が居ると言う事になる。デイビッドはジルとローレンの傍へと戻り、モラレスがラモンを探す。ラモンはパトカーに乗り込み逃げ出そうとするが、鍵は車内に残されていない。呻き声を上げるラモン。モラレスは車のドアを開けて、ラモンの足を撃つ。揉み合いになり、魔女の声で「私は不死身だ、お前の一族を抹殺するまで死なない」と言うラモン。モラレスは石を掴んでラモンのこめかみを叩く。致命傷は与えない。
*デイビッドはジルやローレンに、モラレス警部から聞いた話を伝える。3人はフェリペが遺した新聞記事や日記を読み解こうとする。フェリペが書き残したメモには何人かの名前が書かれていて、その中には[モラレス]もある。それはエレナの絞首刑を執行した人達の子孫の名前だ。外から戻ってドアを叩くモラレスに尋ねると、祖先は司祭でエレナの死刑執行に加担したのだと言う。彼の兄弟は、魔女の犠牲になったのだとも。魔女に乗り移られていないとは限らないが、デイビッドはやはりモラレスが嘘を言っていないと判断して家の中へ迎え入れる。
*ラモンと揉み合って傷付いたモラレスを手当てしながら、ローレンが魔女を倒す方法を尋ねる。「魔女は、司祭の子孫を全て倒すまで止めない。君等を狙うのは手段に過ぎない、魔女の狙いは私だ。巻き込んですまない。私の車で遠くへ逃げろ」デイビッドが「彼女を解放して悪かった」と詫びるとモラレスは「違う、村を守るのは私の仕事だ。家族と逃げるんだ」と言う。
*モラレスの手当てのため、キッチンでタオルを準備していたジル。そこにジーナの声が届く。曇った窓ガラス越しに「ラモンに追われてる」と助けを求めるジーナ。ドアを開けようとすると、乱暴な口調で「早く開けろ」と急かす。聞き慣れない声だ。窓の方を振り向くと、ジーナの死体が投げ込まれる。ラモンが死体を窓に近付けて、ジーナの声で話し掛けたのだ。「ここへモラレスを連れて来い、お前の頭をもぎ取るぞ」今度は魔女の声で、死人のような顔で脅すラモン。デイビッドが駆け付けてラモンに銃を向けるが、モラレスがそれを取り上げて銃床で繰り返し殴る。ひとまず姿を消すラモン。「何故止めたんだ?」「あんたのためだ、殺せないんだ」撃って殺したら、デイビッドに乗り移ってしまうのだ。
*モラレスは銃やナイフを持たせて、ラモンを殺さないよう念押ししてデイビッド達を送り出す。止まない雨の中を車で走っていると、窓を破ってラモンが襲い掛かるかってくる。混乱の中、車内に残されていた手錠でラモンを繋ぐローレン。これでもうラモンは身動きが取れない。3人は車外へ出て安堵するが、やがて車がゆっくりと沼に向かって動き出す。このまま水没してラモンが死ねば、その原因となったローレンに乗り移ってしまう。必死で車を止めようとするデイビッド。魔女の声をしたラモンが「頑張れ、デイビッド」と嘲笑う。「また後で会おう。お前がマルセラに何をしたか知ってるぞ」
*デイビッドはローレンから手錠の鍵を受け取り、水没した車からラモンを救い出す。詳しい法則を知らないローレンは、その行動を訝り戸惑っている。デイビッドは意識のないラモンに人工呼吸するが、結局彼はそのまま絶命する。するとローレンがその場に倒れ込む。必死に呼び掛けるが憑依は阻止出来ず、ローレンは豹変する。ロープで縛り上げていると、魔女の声をしたローレンが「神はお前の代わりに家族に罪を償わせるぞ。妻を殺したな」と糾弾する。ジルはその言葉に狼狽えるが、デイビッドは返事をしない。魔女はジルに向かって「パパは、早く死にたいと言ったママの生命維持装置を外した」と続ける。父の態度から、それが真実だと知ったジルは「大嫌い」と叫ぶ。
*憑依されたローレンを運んでホテルへと戻った親子を、モラレス警部が出迎える。ジルの態度は硬い。モラレスはローレンを「永遠に箱に閉じ込めるしかない」と言う。魔女は「別の身体をくれたら彼女を解放する」と言うが、フェリペが自分を犠牲にしないで娘を監禁したのはもう救えないからだった。最早モラレスの言葉を信じるしかなく、デイビッドは諦めてローレンを地下へ運ぼうとする。ローレンは暴れて身を捩り、彼女の身体を押さえていたモラレスの頬の肉を噛み千切る。ロープからも逃れたローレンは、死人のような顔で威嚇すると姿を消す。
*モラレスは頬の傷から大量の血を流しており、このままでは死んでしまう。しかしこの状態でモラレスがローレンを殺せば魔女は彼に乗り移り、そのまま宿主と共に死ぬのだ。デイビッドとジルは安全になる。モラレスが死ぬ前にローレンを捕まえる必要がある。銃を手にローレンを探すデイビッド。やがてローレンが姿を見せる。物陰では重傷を負ったモラレスが身を潜めて成り行きを見守っていたが、魔女はお見通しだったらしい。「お前の秘密を知っている」と言うと壁越しに火掻き棒を突き刺して、モラレスの目を射抜く。
*「お前の身体を寄越せば娘は助けてやる」と魔女は言う。より強い肉体が欲しいのだ。デイビッドはその言葉を信じておらず、ローレンを殺すつもりはない。すると魔女はジルの方へと駆け出す。娘を殺そうとすれば、それを阻止するためにデイビッドがローレンを殺すと踏んだのだ。デイビッドはローレンの足を撃ち、銃床で頭を叩く。
*親子は地下室へと逃げ込む。弱っている魔女は、新しい肉体を求めて2人を追って来るだろう。魔女を待つ間に、今まで避けてきたマルセラの話をするデイビッド。彼女は生き続けられないと知っていた事や、ジルが覚えていない幼少期の思い出を。ジルは態度を軟化させ、過去の父の行為を受け容れる。
*デイビッドはジルを地下室から出すと、1人でローレンを待ち受ける。ローレンはマルセラの姿になり自分の身体をナイフで傷付け、デイビッドにも襲い掛かる。どうにか誘導して箱に入れようとするが、デイビッドはマルセラの姿をした魔女を閉じ込める事が出来ない。「あなたの身体をちょうだい。もう一度殺して」と言うマルセラ。「俺には出来ない」と泣き崩れるデイビッド。魔女は苛立ち、現在の肉体であるローレンに戻って「この役立たずが」とデイビッドを罵る。マルセラの姿ではなくなったのを見ると、デイビッドは思わず魔女に発砲する。死を間近にしたローレンは喜び「お前の身体で、私がまず何をするか分かるか?」と嘲笑する。「秘密はまだある」と言うと、デイビッドは自分の顎に銃口を向ける。「止めろ」と叫ぶ魔女。
*デイビッドが引金を引くよりも早く、戻って来たジルがローレンを撃つ。今度はデイビッドが「嘘だ」と叫ぶ。ジルは自ら箱に入り「早く閉めて」と懇願する。「愛してるわ、パパ」「1人に出来ない、絶対に助ける」箱に入って娘を抱き締めるデイビッド。ジルは「駄目よ、何してるの」と咎めながら、同時に怯えて「怖いよ」と泣く。やがて憑依が始まり、ジルの意識は消え去り魔女が現れる。デイビッドは箱から外へ逃げ出そうとする魔女を慌てて引き戻し、どうにか箱へ放り込んで扉を閉める。娘の声で魔女が「私を見殺しにするの?ママみたいに」と言う。そして魔女の声になり、醜く咆哮する。
*デイビッドはギャロウズ・ヒルで暮らしている。決して諦めず、娘をいつか取り戻すつもりだ。彼は何か方法がある筈だと考えている。ジルは今日も娘の声で「パパ」と呼び掛ける。僅かな隙間からは瞳が覗いているが、肌はまるで死人のようだ。
■雑感・メモ等
*映画『ギャロウズ・ヒル』
*レンタルにて鑑賞
*vs.魔女系旅先ホラー
*あらすじでは『コロンビア州』てなってるけど間違いよな。
*際立って斬新な部分等はないけどこれ好き。明確なルールがあってそれがヒト側に一方的に不利ではなく、最後まで貫かれている…と言うのが良い。
*ちょっと残念なのは、最終的に娘が箱に入り父がギャロウズ・ヒルで暮らすと言う構図が、フェリペとアナマリアのそれと完全に同じとこ。前進どころか変化もしてない感が些か虚しい。フェリペがどんな暮らしをしていたのかも改めて考えてしまうから、敢えてそうしているのかもしれないけど。
*モラレスの過去の出来事も気になる。兄弟を亡くしたり町を守ったりフェリペを補助したり。過去と言えば魔女は老人(またはその後に乗り移った誰か)をアナマリアに殺させた訳で、それもなかなかのエピソードだよね。
*ジーナとジルがお揃いでブレスレットを購入、車中でジーナがローレンにそれをプレゼントする…と言う流れが序盤にあって後々何かの伏線になるのかと思ったけど、別に何もなかった。
*ジルはローレンを序盤は嫌ってたけど、結局終始良い人だった。それなのに(死別した妻の外見の時には手が出せないのに)デイビッドに撃たれるのはなかなか酷い。