ダークタワー | m-memo

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ネタバレだらけの映画メモ。

忘れ易いので自分用にメモしてます。
ネタバレ部分は詳細を記載することもあれば、
二言三言のこともあります。

 

■あらすじ
ニューヨーク。少年ジェイクは毎夜同じ夢にうなされていた。“巨大なタワー”“拳銃使いの戦士”そして“魔術を操る黒衣の男”…ある日、この現実世界と夢で見た≪中間世界≫と呼ばれる異界が時空を超えて繋がっている場所を発見する。すべては実在したのだ――。中間世界に導かれたジェイクは、そこで拳銃使い<ガンスリンガー>に出会う。彼は2つの世界のバランスを保つ塔=ダークタワーの最後の守護者であり、タワーの破壊を目論む<黒衣の男>を倒すため旅を続けていた。一方、ジェイクこそが唯一タワーを破壊できる特殊能力を秘めた存在であることに気づいた黒衣の男は、その強大なパワーを求め、ジェイクたちの前に立ちはだかるが――。(公式サイトより)

■ネタバレ
*宇宙の中心には1本の塔があり、闇の力から人々を守っている。ある子供の心でその塔は崩れると言われている。
*ジェイク・チェンバーズは母ローリー・継父ロンとニューヨークで暮らしている。彼はある朝、地震の揺れで目覚める。最近は世界的に地震が頻発している。ロンはスポーツ系の放送局ですら地震のニュースを流している事に不平を言い、同じアパートに住むティミーは心配して様子を見に来てくれる。
*今日はジェイクのセラピーの日。ロンは「分析医なんか無駄だ」と言い、母は「効果が出てるわ」と反論する。ジェイクは奇妙な悪夢を見続けていて、その絵を描いている。高い塔・黒衣の男・偽の皮膚を被った怪物・黒いピラミッド状の建物・19-19・捕らえられた子供達…黒衣の男は子供達を利用して塔を壊そうと試みている。その世界で塔が攻撃されると、自分の居るこの世界では地震が起きるとジェイクは考えている。塔が壊れると、世界は闇と炎に包まれるのだ。
*分析医は、夢の原因はジェイクが父を喪った事だと捉えている。消防士だった実父はガス爆発の現場で、闇と炎に包まれて死んでしまった。それはジェイクにとっては世界が壊れるような衝撃だったのだろうと。そんな話の最中にも地震が発生する。セラピーからの帰り道、皮膚に縫い目がある男を見付けて怯えるジェイク。夢に出てくる、偽の皮膚を被った怪物のようだ。そこに「用心しろ、奴等は君のような子供を誘拐してる」とホームレスの男が声を掛ける。「特別な子供を、その心の力を欲しがってる」
*帰宅すると、母から新しいクリニックを勧められる。学校で喧嘩したために斡旋されたものだ。ロンは「科学的アプローチが中心だ」と言うが、彼は無料で受診出来る点が気に入っているのだろう。ジェイクは特に反抗もせず「行くよ」と答える。遊びに来ていたティミーは「サイコキャンプか、最悪だな」と言うが、ジェイク自身は何処へ行っても無駄だと思っているため却って気にならない。「絵を見詰めるのは止せよ、キモい」と言うティミー。学校での喧嘩の原因も、夢の絵を取られた事だった。「お前も僕が変だと思うか?」と訊くと「イカれてる」とティミーは答える。忌憚のない言葉に少し笑うジェイク。
*母が「昔は明るい子だった、今の姿は辛い」と言っているのが壁越しに聞こえる。部屋の壁を埋め尽くすように貼っていた夢の絵を抽斗に仕舞い込み「もう夢は見ない、今夜はただ眠る」と自分に言い聞かせるが、徒労に終わる。その日は[ガンスリンガー/Gunslinger]の夢を見る。焼け野原、仲間を奪われた拳銃使いローランドが「負けだ」と言い、その父が「塔があり、お前が居る限りは違う」と返す。2人の前に黒衣の男が現れて「息を止めろ」と言うと父が倒れる。父は黒衣の男の幻術に抗う事が出来ずに、そのまま息絶える。「助かったな、お前に私の幻術は効かない。…今はな」と言い立ち去る黒衣の男。ローランドがその背中に発砲すると、黒衣の男は振り向きもせずに弾丸を掴み、そのまま姿を消す。
*夢の空にはいつも、2つの惑星が浮かんで見える。自分が居るのとは違う世界だ。しかし今日の夢の最後には、米国風のポストがある家の映像が浮かんだ。あの世界へ繋がる場所なのかもしれない。家の絵を描き上げてティミーに見せるが、彼は早朝7時の訪問に困惑した表情だ。ジェイクはインターネットに自分の絵をアップロードして「ここが何処だか分かる?」と問い掛ける。幾つか反応があるが答えはない。
*そこへクリニックから迎えがやって来る。収容・管理担当のジルと言う女性と運転手のトビー。トビーの首筋に継ぎ目を見付けたジェイクは出掛ける準備を装って自分の部屋へ逃げ込む。「夢に出てくる偽皮の奴等だ」と訴えるがロンは取り合わず、母も「今週末だけよ、駄目なら迎えに行くから」と宥めようとする。その時、ネットでの問い掛けの返事がモニタに表示される。『ここは俺の地元のダッチヒルだけど?』
*指示に従う振りをして絵を鞄に詰めてから「歯ブラシを取ってくる」とバスルームへ。ドアに鍵を掛けて窓から逃げて屋上へ、非常階段から地上に降りる。追って来たトビーがアンテナに引っ掛かると、傷付いた偽の皮膚の下から本体である怪物の姿が覗く。地下鉄の駅へ逃げ込んだと見せ掛けて再び地上へ。どうにか追手を逃れたジェイクはダッチヒルへやって来る。夢に見たそのままの建物が建っている場所。
*窓を塞いでいる板を剥がして薄暗い屋内へ。壁には[深紅の王 万歳/All Hail The Crimson King]と赤い文字が書かれている。家には人の気配はないが、何か別の気配がする。家の奥には『旅行者は目的地の入力をどうぞ』とのメッセージが流れるコンソールがある。4桁の数字を入力するようだ。夢で見慣れた[19-19]を入力してみると『19-19、中間世界』と電子音声が告げて、近くの壁が崩れる。空間に穴が開き、現れる光の回廊。『中間世界、一方通行』
*やがてポータルが安定すると、壁の向こうに荒野が見える。夢に見てきたあの世界だろう。履いていたスニーカーを投げてみるが、特に危険な反応はないようだ。逆に自分の居る世界で異変が起こる。家の床や天井が瓦礫と化し、ジェイクを取り囲み潰そうとするかのように蠢く。「止めろ」と叫ぶと収まるが、もう迷っている余裕もなくゲートに飛び込む。
*ジェイクが[中間世界/Mid-World]の荒野に転がり出ると、間もなく『一方通行』との案内通りにポータルが閉じる。空には2つの惑星が浮かんでいる。やはり夢に見た世界は実在していたのだ。スニーカーの片方を回収して歩き始めるが、何処を目指せば良いのかも分からない。
*同じ頃、黒衣の男が本拠地へと帰還する。彼はジェイクが元々居た[基本原理世界/Keystone Earth]で有望な子供を捕まえては、塔を壊すために連れ去っている。ジェイクも候補者の1人だった。ポータルの動きは黒衣の男に管理されており、ジェイクの無断越境は『保安侵害』として報告される。過去になかった事案に興味を持ち、黒衣の男はポータルを起動させる。
*ジェイクは昼も夜も歩き続け、やがて野営の跡を見付ける。スキットルの水を呷っていると、背後から銃口が突き付けられる。相手は夢に見たガンスリンガーのローランド・デスチェインだった。慌てて自分が描いた絵を見せて「別の世界からあなたを探しに来た」と説明するが「ガンスリンガーはもう居ない」と言う。ローランドはそのまま立ち去ろうとするが、ジェイクが黒衣の男の話をすると態度を変える。
*黒衣の男は魔導士ウォルター・パディック。ジェイクは、ウォルターがピラミッド状の建物に居るのを夢で見た事がある。その時にジェイクが描いた絵を見て「必ず見付け出す」と呟くローランド。彼は森の先に住む部族に会いに行くと言う。そこには夢を読み解ける[読み人]が居る。
*ウォルターはその頃、基本原理世界に居た。ダッチヒルの家と、そのエリアの拠点を訪ねる。拠点には多くの下僕が居て、この世界に馴染める偽の皮膚が用意されている。「誰かがこの街のポータルを勝手に使って[館の妖魔]を殺した」と責任者であるセイヤーに詰め寄るウォルター。ダッチヒルで見付けた血液の付着した木片を差し出すと、セイヤーは血を舐めて「純粋な[輝き]を持つ少年だ」と言う。館の妖魔は手強いが、強靭な心を持つ者なら倒す事が可能だ。だからこそポータルを通れたのだろう。昨日は取り逃がした候補者が1人居た。
*ローランドとジェイクは、川を渡り暗い森を進む。森にはウォルターに仕えるタヒーンと言う怪物が居て、注意が必要だ。遊園地の残骸のような場所には[ペニー・ワイズ]と言う看板が残っている。「世界の[変転]前の古い建物だ、何かは知らん」とローランドは言う。ジェイクが地面に塔とその周辺の絵を描くと、ローランドは世界の成り立ちについて教えてくれる。
*全ての中心にあるのが[暗黒の塔/Dark Tower]で、時の始まりからそこにあった。基本原理世界(或いは根本世界)や中間世界、他にも幾つかの世界が塔の周囲にある。塔は強力なエネルギーで宇宙を守り、外部に対する盾となっている。外の世界は闇で覆われ、怪物が溢れている。ウォルターはその怪物を内部に引き入れようとしている。塔が崩れれば、ウォルターが怪物の世界を制する。塔を壊せるのは特別な子供の心の力。
*ジェイクはガンスリンガーが塔を守る存在だと思っているが、ローランドは「俺の目的はウォルターを捜して殺す事だ」と言う。世界のためではなく復讐のために。ウォルターはジェイクを捜しているが、並行して他の候補者による塔への攻撃も続いている。ピラミッド状の建物の中で子供が装置に拘束されて、そこからレーザー砲が放たれる。光の帯が2人の野営場所からも見えて、[ビーム震]で地表が揺れる。悲鳴のようにも聞こえる響き。ジェイクが「地球の地震にそっくりだ」と言うと、ローランドは「ある世界の出来事は、他と共鳴する」と答える。
*夜の森で、ローランドは「お前と歩む者は全て死ぬ」と言うウォルターの声を聞いて跳ね起きる。隣で眠っていた筈のジェイクの姿が見えない。ジェイクは森の奥で、父の幻覚を見ていた。駆け付けたローランドも同様に自分の父の幻覚を見るが、彼は迷いなく怪物を撃つ。「連中は相手の弱さを見抜き、幻影で心を乱す」と言う。「あれは人じゃない。気の毒だが」
*怪物を退け安堵したのも束の間、別の怪物が襲ってくる。ローランドは傷付きながらもまた怪物を倒す。怪物に威嚇されて失敗に終わったが、ローランドが落とした銃を拾おうとした事を褒められるジェイク。塔が攻撃される度に裂け目が出来て、こんな風に怪物が現れる。塔が崩れたら一気に入って来るのだ。
*ジルとトビーからの情報で、逃げた候補者ジェイクの住所を知ったウォルターはアパートへやって来る。母とロンがジェイクの失踪を警察へ届け出て自宅へ戻ると、キッチンで料理するウォルターが居た。平然とした態度で「呼んだのはお前だろ」とロンに言う。「口には出さないが、子供を追い払ってママの愛を独占するのが望みだ。だがお前は単なる身代わりだ」と。母はウォルターが何者か気付く。「ジェイクの絵の男よ」
*その言葉に反応するウォルター。ロンに「息を止めろ」と命じて、倒れた後は一瞥もせず母に接近する。ジェイクの部屋に母を連れて行き「見せろ」と言うと、過去のジェイクの姿が浮かぶ。ガンスリンガーを描く過去のジェイクを覗き込み、笑みを浮かべるウォルター。ジェイクが中間世界に踏み込んだ地点は、最後に把握したローランドの居場所に近い。ウォルターは「特別な子供だ。信じなかった事を後悔しているだろう。施設に送ろうとまでした…恥を知れ」と母に言い放つ。
*長い距離を徒歩で移動し、やがて読み人が居る部族の元へ辿り着くローランドとジェイク。そこにはポータルの[サウスイースト・ターミナル]があるが、長く使用されていないようだ。村人はガンスリンガーを歓迎し、読み人アラはジェイクの強い[輝き]に驚く。それは所謂超能力で、持って生まれる者は少なく、持っていても微弱で本人も気付かない事が多い。ジェイクはこの力のお陰で、別の世界の出来事も見通せたのだ。「あなたの力は計り知れないわ」と、心に直接語り掛けてくるアラ。
*ジェイクは心を委ね、アラがビジョンを読み解く。するとウォルターが北の荒地を拠点にしている事が分かるが、そこは歩いて半年も掛る場所だ。ポータルは監視されているし、ここから直接荒地へ行く事は出来ない。しかしニューヨークにもポータルがあり、そこにもウォルターの拠点がある筈だ。その拠点からなら本拠地である荒地へ行ける。2人は先ず根本世界を目指す事にする。
*ポータルの使用は緊急時のみ、使用を知ればウォルターの手下がやって来る。危険が伴うため村人の一部からは反発があるが、ガンスリンガーには従う掟だ。ローランドが本物かどうか疑う者も居て、アラは「彼はギリアドのローランド、アーサー王の末裔」と説明する。「でも黒衣の男に魂を奪われ、心は復讐で凝り固まっている。最早彼はガンスリンガーではない」とも。それを否定せず、ローランドは「闇の力がある限り、いずれ塔は崩れる。その前に復讐を果たす」と言う。
*ローランドがポータルの様子を確認に行くために席を外すと、ジェイクは「彼は僕を助けてくれた、好きでもないのに。彼はガンスリンガーだ、僕には分かる」と人々に話す。やがてポータルの状態が安定、同調が完了すればニューヨークのポータルと繋がる筈だ。しかし準備が整う頃、村が襲撃される。ポータルの使用よりも早く、ローランドの最後の居場所からウォルターが導き出したのだ。
*ローランドや村人達が応戦するが、敵の数が多い。方々から火の手が上がり、人々が倒れる。敵は子供を捜しているらしく、目的はローランドではなくジェイクだと分かる。ローランドは傷を増やしながらも、攫われそうになったジェイクを銃で救う。2人はゲートの開いたポータルに飛び込む。
*辿り着いた先はニューヨークの、何処かの店の厨房だった。外へ出ると人が多く、夜でも眩しく騒がしい。見慣れない世界に戸惑うローランド。ジェイクは彼を連れて、先ず病院へ向かう。起き上がれる事を驚かれる程の重症だったが、治療が済むとローランドは「皆より丈夫だ」と言い、身体に繋がれたチューブを剥ぎ取って病院を出る。
*ウォルターの拠点を探すにはどうすれば良いのか?そこでジェイクは、以前に話し掛けられたホームレスを思い出す。あの口振りからすると、彼もウォルターの候補者として過去に連れ去られたのだろう。路地裏で見付けてポータルについて尋ねるが、男は怯えて情報を聞き出せない。アラは「輝きを使うと敵に気付かれる」と言っていたが、ジェイクは已む無く男の心に直接話し掛ける。「覚えている事を教えて」と伝えると、幾つかのビジョンが浮かぶ。ソンブラ社・ディキシーと言う店…ジェイクは自分の家でそれらの詳細を調べようと考える。
*ウォルターは根本世界へ追跡班を派遣していたが、反応が弱く位置を特定出来ずにいた。しかしウォルターには慌てる様子はなく「少年に贈り物を残してきた」と言う。ジェイクが家へ戻ると、床にロンの遺体が転がっている。母の姿はなく、自分の部屋にはただ燃え殻と灰だけがある。その灰で書いたのだろう、壁には『Hello There』のメッセージとスマイルマークが残されている。灰の意味するところを察して泣き崩れるジェイクを、宥めて抱え上げるローランド。
*廃ビルの屋上、幾らか落ち着いたジェイクに「俺が殺す、お前のためにも」とローランドは言う。彼と同様ウォルターに親を殺されたジェイクだが「ママを口実に自分の復讐を果たすの?」と問い掛ける。「塔はどうなるの?…村人の言っていた通り、あなたはもうガンスリンガーじゃない」それでもウォルターの拠点をローランドに伝える。携帯電話で調べたディキシー・ピッグの場所だ。
*ローランドは心を動かされ、ジェイクにガンスリンガーの[信条]について教える。以前は唱えると落ち着いたが、もう何年も口に出していない。銃を1丁ジェイクに手渡し、並んで構える。一緒に信条を唱えて、的を撃ち抜くジェイク。「いいぞ。お前の武器は[輝き]、俺は銃だ」と言うローランド。
*2人は銃砲店へ。中間世界では銃弾が稀少だったが、この根本世界には幸い豊富にある。ローランドの銃はアーサー王の剣エクスカリバーから作られたものだが、市販の45口径の弾丸が使える。店員に銃口を向けて、あるだけ弾を奪う。そのまま立ち去ろうとしてジェイクが先に店を出ると、ローランドの背後から「ガンスリンガー」と呼ぶ声がする。ウォルターだ。シャッターが閉まり、ジェイクとローランドを隔てる。シャッターの隙間から強い調子でローランドが「逃げろ」と指示する。ジェイクは状況が分からぬまま店を離れるが、周囲の人間は誰もが偽皮の怪物に思える。
*ウォルターは「道標たる子を見付けても、結局私の元へ…私しか見えてない」とローランドに言う。そこに居るようにしか見えないが幻術で、実際にはウォルターは離れた拠点に居る。「撃て」と命ずると「僕の意思じゃない」と言いながら店員が発砲する。已む無く店員を撃つローランド。「最初は塔の守護、今は復讐。少年に仲間の話はしたか?お前と歩む者が皆死んだ話は?」ここでウォルターを撃っても無意味で、ローランドは憤る。「我々のどちらが勝つにせよ、結局宇宙は滅びるのだ。常に勝つのは死、それが決まりだ」漸く店からの出口を見付けて外に出たローランドの頭に、ジェイクが直接呼び掛けて助けを求める。
*ジェイクは偽皮の怪物に捕まり、ソンブラ社の車でディキシー・ピッグへ連れ去られていた。ウォルターの拠点だ。多くの手下と、ウォルターの本体が居る。ジェイクの強い輝きを測定して満足気なウォルター。直ぐにポータルを通って中間世界の本拠地へ向かう。一方ディキシー・ピッグへ侵入したローランドは、充分な弾丸でガンスリンガーの本領を発揮して、無数の敵を薙ぎ倒す。
*北の荒地でウォルターが塔を攻撃しようとするが、ジェイクの抵抗で武器のレベルが上がらない。ウォルターは「何故抵抗する?奴はお前を愛してない。私に会うために利用しただけだ。だからここに居る、運命だ」とジェイクに捲し立てる。ジェイクが「ママを殺した」と叫んで怒りを爆発させると「それを待っていた」と言うウォルター。ビーム砲が放たれて、光の矢が塔へと突き刺さる。
*塔が今までにない強い攻撃を受けると、ニューヨークの空に暗雲が立ち込めて赤い雷光が走る。その異変の中でウォルターの拠点を壊滅させたローランドが、ポータルを操作する。気付いた本拠地の手下がゲートを閉じようとするが、ジェイクが力を使ってこれを阻止。そこでウォルターはローランドが本拠地へと来る前に、自ら根本世界の拠点へ戻る。漸く直接対峙するローランドとウォルター。銃と超能力とが衝突する。ローランドは跳弾で攻撃しようとするが、それを見抜いて銃弾を素手で掴むウォルター。掴んだ弾を放って逆にローランドを攻撃する。やがて瓦礫の下敷きになり、ローランドは動かなくなる。
*装置に拘束されたまま、ポータル越しにその様子を見ているジェイク。諦めずにローランドの心に呼び掛けて、ガンスリンガーの信条を唱える。ローランドもそれに応えるように信条を口にする。ローランドは横たわったまま発砲、ウォルターは難なくその弾を掴もうとするが、後から撃った弾が先の弾を弾いて軌道が変わる。ウォルターの身体に突き刺さる銃弾。立ち上がり更に撃ち込むローランド。何発も銃弾を受けて、ゲートの向こうの中間世界へと押し戻されるウォルターの身体。遂に額にも撃ち込まれ、ウォルターは絶命する。
*ローランドは銃弾でジェイクの拘束を解く。根本世界に居るローランドの元へ駆け寄るジェイク。ローランドは続けて本拠地を攻撃し、黒いピラミッドは崩壊する。ニューヨークの空を赤く染めていた雲も消え去る。塔は世界の中心に、相変わらず建っている。
*ジェイクはローランドと一緒に、晴れたニューヨークの空の下でホットドッグを食べる。周囲ではまだ混乱が続いているが、当面危険は去った。一息つくとローランドは「もう行かないと」と言う。彼は再び塔を守るガンスリンガーとなったのだ。寂し気なジェイクを「一緒に来るか?」と誘うローランド。「残る理由はないだろ。それに俺も心強い」ジェイクは喜んでその誘いを受ける。仲間として、ジェイクに「Gunslinger」と呼び掛けるローランド。2人は街角のポータルから、中間世界へと旅立つ。

■雑感・メモ等
*映画『ダークタワー』

*レンタルにて鑑賞
*スティーヴン・キングの長編小説の映画化

*原作はキングの多くの作品とリンクしていて、作者自身がライフワークと称しているもの。自分はキングの初期作品はそれなりに読んでるけど、ダークタワーシリーズについては未読。お陰で色々と分かり難い。
*そもそも世界の成り立ちがあれこれ分からないし、会話の中に出てくる[変転]が何なのかも特に説明されない。2つの竜巻に遭う場面の意味や最後のポータルに辿り着いた経緯も謎。小説の映画化では改変されたり端折られたりはよくある事だから、あまり気にしないで見た方が良いかもしれないけど。
*予告編にもあった弾の装填は最高に恰好良かった。ローランドとウォルターの関係も面白いけど、2人の戦いは正直物足りない。ウォルターは掴んだ弾丸をわざわざ保管していたけど、あれでローランドの居場所が分かったりするの?単に思い出の品として?原語は確認しなかったけど『良い終末を』なんて台詞もあり。
*ペニーワイズは分かり易いけど、分析医の部屋にオーバールックホテルの写真が飾られていたりする小ネタも。診療費・交通費・飲食代を難なく支払っているらしいジェイク凄い。ティミーが何かと出てくるから原作では重要なポジションなのかな?と思って調べてみたけど不明。
*根本世界(地球)での異文化についての会話が可愛い。病院でテレビ画面を見て「まだ動物が話すのか?」「あれはCMさ。…まだって何?」とかホットドッグを食べて「犬肉とはな…犬種は?」「違うって」とか。でもテレビ自体には特に驚かないのね。中間世界では映像が映るようなモニタはなかった気がするけど。
*ガンスリンガーの[信条]は次の通り。『我は手で狙い定めぬ。手で狙う者父親の顔を忘却せり。我は目で狙い定める。我は手で撃たぬ。手で撃つ者父親の顔を忘却せり。我は気で撃つ。我は銃で殺さぬ。銃で撃つ者父親の顔を忘却せり。我は心で殺す』
*バスの中で根本世界の女子に「遊ばない?」と声を掛けられて「君等、父親の顔を忘れたか?」と言う場面があるんだけど、父親の顔を忘れると言うのは中間世界でどんな意味があるんだろうか。
*ネタバレ中にはウォルターが「息を止めろ」と命じる場面を2回書いたけど、他にも瀕死の男の前で「燃えろ」と言ったり、ジルとトビーから情報を聞いた後で「殺し合え」と言ったりする。根本世界で母親と一緒に居る幼女に「憎め」と言うのが一番酷いかもしれない。あれはウォルター亡き後も有効なのかな。
*ウォルターがジェイクの家で料理しながら「うちにはチキンがない」とか言ってたけど、あれはディキシー・ピッグが豚肉料理のレストランだからと言う意味?
*原作と映画との相違点等を軽く調べようとしたら、相違点も何も全然違う感じ。角川書店のサイトによれば、映画版は原作後半のエピソードだとか。ウォルターとジェイクは過去にも出会っていて、その時はローランドがジェイクを「見殺しにした」との記載が。あらすじや設定を読むとかなり壮大なお話みたいだけど、映画版は随分簡潔で薄味だった。