ブラック・ミラー:バンダースナッチ | m-memo

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ネタバレだらけの映画メモ。

忘れ易いので自分用にメモしてます。
ネタバレ部分は詳細を記載することもあれば、
二言三言のこともあります。

 

■あらすじ
1984年、ビデオゲームの開発チャンスを得た若いプログラマー。ファンタジー小説に基づくゲーム開発に取り組む中、現実とパラレルリアリティが混同し始める。(Netflixより)

■ネタバレ
*1984年7月9日8時30分、目覚まし時計に起こされるステファン・バトラー。彼は今日、タッカーソフトに自作ゲーム『バンダースナッチ』の試作品を持ち込む事になっている。『バンダースナッチ』は母の遺品の中にあった、ジェローム・F・デイヴィスの同名のゲームブックを元にした作品だ。タッカーソフトにはステファンの憧れの存在であるゲームクリエイターのコリン・リットマンが所属している。
*ベッドから出ると、処方されている薬を服用するステファン。2人きりの家族だが、父は厳重に書斎のドアに鍵を掛けている。紅茶を差し出してガラス製の灰皿で煙草を揉み消してから、息子に朝食を選ばせる父。ステファンは【●01】フロスティーズ(シュガーパフ)を選択する。隣家の犬が庭を掘っているのに気付いて、父が窓の外に向かって声を荒らげる。
*移動中のバスでは【●02】Thompson Twins(Now That's What I Call Music)を聞く。やがてタッカーソフトのビルに到着、社長に出迎えられる。移転間もないタッカーソフトは雑然として散らかっているが活気がある。壁にはリットマンの最新作『メタルヘッド』のポスター。サトパルと言う青年に、煙草とチョコバーを買ってくるよう指示しているタッカー社長。ステファンに気付くと、リットマンに引き合わせる。
*邪魔になるのではないかとステファンは躊躇うが、社長は気にせずリットマンに話し掛ける。リットマン本人も気難しい様子はなく、寛容に受け容れてくれる。社長は「高給取りなのに」と手巻き煙草を吸うリットマンを揶揄うが、本人は「市販品にはストリキニーネが入ってる」と言う。彼は次回作『ノーズダイブ』に取り組んでいる。途中でパラメータエラーが出ると、リットマンは「バッファだな、メモリを喰い過ぎた」と言う。
*その後、リットマンも同席の上で社長に『バンダースナッチ』のデモを見せる。基本はアドベンチャーゲームだが、行動をタイピングするのではなく制限時間10秒以内に選択肢に答える方式だと説明。2人は興味を持った様子だ。画面上には本にも出てくる[パックス/PAX]と、選択肢として[崇拝する][断る]の2つが表示されている。リットマンは[崇拝する]を選ぼうとするが、それではゲームオーバーになる。パックスは運命を奪う悪魔なのだ。「この本を持ってるが、まだ読んでない」と言うリットマン。
*社長が自らコントローラーを掴んでゲームを進めようとすると、何も表示されなくなる。沢山の[道/パス]を制作予定だが、今はまだ未完成だ。それでも好印象だったようで、社長は「このゲームをどう進めたい?」と訊いてくる。発売に前向きで、クリスマス商戦を狙うなら11月に発売したいと話す社長。「専属のチームを組み、リットマンも手伝う」と請け合う。
*またとないチャンスに、ステファンは【●03】オファーを受ける(断る)事にする。喜んだ社長は「先ずは内容を少し削らないとな」と言う。本1冊分をカセットの容量に収めるのは不可能だとの判断だ。戸惑うステファンに、リットマンが「選択を誤ったな」と声を掛ける。そこへサトパルが煙草とチョコバーを買って戻り、社長は上機嫌だ。
*5ヶ月後、『バンダースナッチ』は大々的に告知されクリスマス商戦の注目作品となっていた。しかし、ゲームを紹介するテレビ番組『マイクロプレイ』では「短過ぎて全然駄目だ」と酷評されている。「タッカーソフトが初めてチームを組み、全て社内で制作した作品でしたが、個性のないお堅いゲームになっている。色々な意見を取り入れ過ぎた印象だね」と言う眼鏡の青年ロビン。「儲けを優先して手早く作った感じだ。最初からやり直して欲しい」
*その様子をテレビで見守るステファンと父。番組での点数は5点満点の0点。父はテレビを切って「言わせておけば良い」とステファンを励ますが、コメンテーターの言葉通りだ。「やり直しだ」と呟くステファン。すると彼はまた7月9日に目覚める。同じ朝・同じ朝食・同じ曲。タッカーソフトを訪れ、社長に出迎えられる。リットマンは手巻き煙草を吸っている。
*違っていたのはリットマンが「以前にも会ったな」と言った事だ。ステファンがそれを否定すると、それ以上の言及はしないリットマン。『ノーズダイブ』を見せてくれて、エラーが出るとステファンは「バッファだ、スムーズな動きがビデオメモリを消費し過ぎてる」と言う。「何故知ってる?」「何となく」リットマンは怪訝な表情だ。
*『バンダースナッチ』のデモを見せるとリットマンが「[崇拝しない]方を選ぶ、パックスは運命を奪う悪魔だから」と言い、今度はステファンが驚く。「本を読んだ?」と訊くと「ジェローム・F・デイヴィスは奇才だ。妻の首を斬り落とした事で有名だが」との返事。彼は全ての結末に辿り着いたと言う。「複数の現実が描かれてる、未来的な本だ。時間が存在するならね」
*会話の遣り取りは異なっていたが、結局社長は『バンダースナッチ』を気に入り入社を促してくる。その【●04】オファーを断る(受ける)ステファン。自分でもその決断に驚きつつ「ゲームは完成させたいけど、自分のやり方で進めたい」と訴える。社長は否定的な態度を見せるが「共同作業はストレスになるかもしれない。1人で作業した方が、本の内容を表現出来る。膨大な分岐点と幾つもの現実を」と言い募る。「彼は職人気質なんだ、俺と同じ。アクションゲームならチームで作っても良いが、心理ゲームなら相当集中しないと」とリットマンが助け舟を出してくれる。「この場合必要なのは、1人の狂気だ」
*社長は些か不満気だが「クリスマス商戦を狙いたい、9月12日までに納品出来るか?」と訊く。ステファンはそれを承諾し、自宅でゲーム制作に取り組む事になる。リットマンから「集中する時には何を聞く?」と尋ねられ「トンプソン・ツインズが多いです」と返事をすると、メモを取るように促される。
*帰宅すると父が挽肉を解凍している。ゲームが商品化されそうだと伝えると「素晴らしい」と喜び、煙草を揉み消して右手を差し出してくる。しかしその手が肉汁で汚れているため、ステファンは握手を拒む。自宅で1人でゲームを作る事に、父は戸惑った様子だ。『アドベンチャーゲーム入門書』と言う本を傍らに作業をしていると、テレビでは『マイクロプレイ』のロビンがリットマンのゲームについて語っている。「何度も死ぬけど苦にならない。5点満点の4点だ」「完璧ではないのね?」「完璧なものなんてないよ」
*ステファンは精神科医ヘインズのカウンセリングで、最近の出来事を話す。憧れの存在であるリットマンに会えた事・一緒に働く機会も得られそうだった事・でも急に重荷に感じて断ってしまった事。「断ったの?」「全部ではなく、会社で作る事を拒んだんです。無意識に断ってた。苦し紛れに1人でやりたいと言ってしまった。何故断ったのか分からない」商品化されそうだと伝えるとヘインズ先生は「素晴らしいわ」と喜ぶ。思わず「父さんと同じ台詞だ」と呟くと、先生は気不味い表情を浮かべる。
*ステファンは父に不満を抱いていて、時折苛立ちを覚える。母の死以降、カウンセリングが継続されている事も気に入らない。監視されているような気持ちになるのだ。それをヘインズ先生に伝えると「命日が近付いているから落ち着かないのかも」と言う。「お母さんの話をしてみない?繰り返す事も役に立つかもしれないわ」
*ヘインズ先生に【●05】母の事を話す(話さない)ステファン。自分が生まれた時に母が作ってくれたウサギのぬいぐるみ。それを5歳になっても常に抱えていたステファンを、父は女々しいと感じたらしい。夫婦の口論の種になっていたウサギを、ある時父が隠した。母とステファンが祖父母の家に行く予定だったその日、ウサギが見付からず出発が遅れた。結局ステファンは出掛ける事を【●06】拒否(選択肢は[行かない]のみ)。母は予定を変更、1本遅らせて8時45分の電車で1人旅立った。するとその電車が脱線事故を起こした。
*罪悪感を抱えているステファンを「あなたはまだ幼い子供だったのよ」と宥めるヘインズ先生。「だから父さんが嫌いなんだ」と言うステファンに、先生は「過去は変えられないわ。どんなに後悔しても、別の選択は出来ない」と返す。カウンセリングが終わると「必要な時にはいつでも電話してね。番号は知ってるでしょ」と先生は微笑む。
*その後ステファンはレコード店に立ち寄り、リットマン推奨の中から【●07】トミタの『バミューダ・トライアングル』(タンジェリン・ドリームの『フェードラ』)のレコードを買い求める。書籍コーナーで『ジェローム・F・デイヴィスの生涯』と言う本を見付け、それも購入。店内には『メタルヘッド』のポスターが貼られている。バスの中で本を開くと『マインドコントロールの陰謀』と言う章が目に入る。勿論バンダースナッチについての記述もある。帰宅すると『バミューダ・トライアングル』をプレイヤーに掛けて作業を再開する。
*本の内容をまとめた手書きの資料には[科学者][政府関係者]と言った登場人物が羅列されている。分岐を表す記号も無数にある。7月17日・8月3日・8月20日…今日も服薬して作業を進める。[戦闘/助言][黄色い石/赤い道][はい/いいえ][右/左]様々な分岐を示す紙片が部屋の壁を埋め尽くしている。納期が迫るが、進捗は芳しくない。閉塞感に苛まれるステファン。
*そんな中、紅茶を運んできた父が「外でランチを食べないか」と誘ってくる。何週間も部屋に籠っていて、朝食も食べていない息子を心配しての事だ。聞き流して作業を続けようとするとエラーが発生、父は更に言い募ってくる。反発して【●08】父を怒鳴る(パソコンに紅茶を掛ける)。直ぐに我に返って詫びるが、父は見兼ねて「上着を着なさい、昼食に行くから」と強い調子で言う。
*睡眠時間も不足していて、車中で眠り込むステファン。やがて車が到着したのはヘインズ先生のクリニックだった。父は「ヘインズ先生と話しなさい。お前は食事もしてないし、睡眠時間も足りてない。不安な気持ちを吐き出せば、気分も良くなる筈だ」と言う。その時通りの向こうにリットマンの背中を見付けたステファンは【●09】リットマンを追い掛ける(ヘインズ先生に会う)。
*振り返ったリットマンに「順調か?」と尋ねられ、素直に「行き詰ってる」と返事をする。「落ちたな」「何に?」「思考の闇だ」リットマンは自宅マンションにステファンを誘う。部屋にはキティと言う女性と、パールと言う赤ん坊が居る。パールを抱えて「俺の遺産だ」と言うリットマン。キティには「彼はハマってるんだ」と言う。彼女が「可哀想ね、助けてあげるの?」と訊くが、リットマンはそれには答えない。
*2人でリビングのソファに腰掛けると、火を点けた煙草を差し出される。吸った経験がなく躊躇するが、結局煙草を受け取る。更に「視野が広がる」と違法薬物を勧められる。ステファンはこれを【●10】拒絶出来ずに受け容れる(拒む)。舌の上にドラッグを乗せて暫く待つと、やがてステファンに変化が訪れる。壁の絵が蠢き自分の指先から色が踊り、目に入る全てが愉快に感じる。
*リットマンは捲し立て、ステファンはそれを聞いて笑い続けている。「現実は枝分かれして幾つも存在し、選択は別の現実にも影響する。時間は構成概念に過ぎない、過去は変えられる」「何かを決める時、自分が選択していると思うがそうじゃない。この世界に繋がる外部の意識が決めるんだ。俺達はそれに従っているだけ」「鏡で時間を旅出来る」「政府は人々に偽物の家族を用意して、薬を盛って行動を監視してる」
*「ゲームは暗号なんだ。パックマンのPACとは何か分かるか?プログラム&コントロール、つまり操られる者と言う意味だ。全てはメタファーだ。自由なようで、奴は迷路の中で食べ続けるだけ。追って来るゴーストは多分妄想なんだ。迷路の端から出ても、反対側から逆戻りだ。楽しいゲームなんかじゃない、あれは地獄なんだ。そして現実世界も同じ」
*リットマンは窓の外を見詰め「耳を澄ませば数字の音が聞こえる。選択の行方を示す無限のフローチャートがある」と言う。そしてステファンに向き直り「お前を解き放ってやった、これからは自由だ。理解出来るか?」と顔を覗き込む。ステファンはまだハイになっていて、リットマンの眼球が溶けて零れ落ちそうに見える。「何となくね」と笑うと、リットマンは「教えてやるよ」と言い放ち、ベランダに出る。
*「俺達は今、同じパスの上に居る。道の終点は関係ない。重要なのは俺達の選択だ。それが全体を変化させる。信じるか?」「分からない」「証明してやる」リットマンはベランダから遠くを指差して「どちらか1人が[向こう側]に行く。飛び降りるんだ」と言う。2人が居るのはマンションの高層階。ステファンからは笑顔が消えて「死んでしまう」と怯えるが、リットマンは「別のタイムラインもあるから気にするな」と言う。「パックマンは何度も死ぬが意味はない。またやり直すだけだ」
*「どちらか1人が飛ぶ。どっちにする?」と問い掛けるリットマンにステファンは【●11】「君がやってくれ」(自分がやる)と答える。すると彼は躊躇いもなく「良いよ。また会える」と言い、手摺を乗り越え飛び降りる。遥か眼下の地上に落下して、動かなくなるリットマン。茫然としていると、キティがベランダの外を見て悲鳴を上げる。その時悪魔パックスが現れて、ステファンに接近する。
*驚いて目を覚ますと、父の車の中。ヘインズ先生の病院に到着した時間に戻っている。「飛び降りるコリンを止めなかった」と口走るステファンを説き伏せ、ヘインズ先生と話すように促す父。ステファンも素直に従う。「締切りのせいか頭が混乱して、何もかも操られているように感じるんです。朝食を決める時も音楽を決める時も、誰かに導かれているみたいで」と訴えると、先生は「自分の精神状態に気付いているなら大丈夫よ。でも妄想が深刻化する前に食い止める必要があるわ」と言い、増薬を言い渡される。
*ステファンは【●12】耳を引っ張ろうとする(爪を噛もうとする)が、それも外部からの刺激のように感じて踏み止まる。「何かあったら電話してね、番号は知ってるでしょ」と微笑む先生。診察室を出ると、父は壁に張り付くようにして様子を窺っていたらしい。帰宅するとステファンは処方された薬を【●13】トイレに流す(ゴミ箱に捨てる)。
*3週間後、納期が迫りステファンは黙々と作業を続けている。やがて納品日の9月12日になる。タッカーソフトを訪れると、リットマンの新作『ノーズダイブ』の出荷作業で忙しそうだ。社長は「コリンのゲームは増産が追い付かない」と笑う。リットマン自身の姿は見えないが、社長は「よく無断欠勤するんだ、電話も無視だ」と言い、それ程気にした様子ではない。
*『バンダースナッチ』を社長に披露するが、敵が現れて画面に[手を引く][殺す]の選択肢が出るとエラーが発生する。[政府の陰謀]と言うパスを追加した結果だ。「追加したなら削除すれば良い」と社長は言うが、ステファンは「大事なんです」と譲らない。バグを修正するためにどうにか週末だけ待ってもらうように頼み、社長も折れる。
*社長が立ち去ると部屋にサトパルがやって来て、ビデオテープを差し出してくる。リットマンがテレビ番組を録画したもので、ラベルには『JFDドキュメンタリー』と書かれている。「参考用にとの事です」と言うが、サトパルもリットマンの所在は知らないらしい。
*帰宅して作業を再開するが、思うようには進まない。疲弊したステファンはJFDのビデオを見てみる事にする。再生すると、先ずフロスティーズのCMが流れる。やがて始まった番組のタイトルは『心の目』。「デイヴィスは人生の終盤、毎日のように幻覚剤を使用していた」とナレーターが言う。複雑な展開を持つ『バンダースナッチ』の執筆も、彼を追い詰めたらしい。「自分の意思を持てないと言う考えに取り憑かれ、奇妙な記号を繰り返し書いていました」との解説と共に画面に表示されたのは、分岐を表す図形だ。2つに分かれる現実、運命の分岐点。
*デイヴィスは妻に薬を盛られ、意思を奪われていると感じていたようだ。関係者は「パックスと言うライオンのような姿の悪魔が、妻を操っていると考えていたわ。その妄想の中の悪魔を本にも登場させたの」とコメントする。そして妻の首を斬り落とし、その血で壁に分岐の図形を描いた。逮捕されたデイヴィスは「複数の現実が同時進行している」と話したと言う。
*『バンダースナッチ』に追い詰められ、自由意志を奪われていると感じる。デイヴィスの晩年とステファンの現状は似通っている。番組を流しながら作業していると、またしてもエラーが発生。思わずステファンは【●14】机を叩く(パソコンを壊す)。テレビの声は「自分の選択ではない、責任は伴わない。自制は不可能。それなら人を殺しても構わない。運命は既に決まっている」と続く。
*壁を埋め尽くす分岐の図形。[はい/いいえ][右/左]…ステファンは【●15】『アドベンチャーゲーム入門書』(家族写真)を手に取る。本を読みながら眠ってしまったらしく、気付けば深夜のようで周囲は暗くなっている。静かな家の中でふと思い付き、ステファンは父の衣服を探って鍵を手に取る。いつも厳重に施錠されている書斎の鍵だ。部屋に入ると机の上にはタイプライター、大きな金庫もある。金庫にはアルファベットのキーが埋め込まれている。ステファンは【●16】[PAX](PAC)と入力。するとエラーになり金庫は開かず、ドアの陰から悪魔パックスが出現する。
*夢を見ていたのか、目覚めると朝になっていて周囲が明るい。作業を再開するステファン。残り時間は少ないがまたしてもエラーが発生。堪らず【●17】パソコンに紅茶を掛ける(パソコンを壊す)。しかしカップを掴んだステファンは寸前で自制する。自分の意思ではないと感じたのだ。天を仰いで「誰なんだ?そこに居るんだろ、反応してくれ」と叫ぶ。選択肢はNetflixと分岐の記号。【●18】Netflix(分岐)を選ぶとステファンが見ているモニタに[Netflixで君を見てる]とテキストが表示される。[私が選択をしてる]と。しかし勿論ステファンには意味が分からない。更に【●19】もっと教える(説明する)事にする。[21世紀の娯楽用動画配信プラットフォーム]、しかしそれでも伝わらない。そこで【●20】もっと教える(会話を中断する)。[謂わばオンラインのテレビ][私が操作している]…ステファンが怯えて「理解出来ない」と言うと、そこに父がやって来る。「誰と話してるんだ?」と怪訝そうな父。「言っても信じないよ」「良いから話してみなさい」「僕は未来の人間に操られてるんだ」
*父に「ヘインズ先生に連絡しようか?」と言われ「お願い」と返事をする。先生を訪ねて一通り説明すると「Netflixとは何?惑星か何か?」と訊かれる。「分からないけど、未来のエンターテインメントだとか」と答えると、先生は「論理的に分析しましょう」と言う。「この現実を娯楽として楽しんでいる誰かが居るのなら、何故もっと面白い展開にならないのかしら?視聴者の立場ならアクションを見たいとは思わない?」【●21】そりゃそうだ(はい)を選択すると、ステファンは卓上の飲物を先生に浴びせて書類を撒き散らす。先生は伸縮警棒を両手に掴み「さあ、やるわよ坊や。掛かっておいで」と煽ってくる。
*【●22】反撃する(窓から逃げる)ステファン。2人が闘っていると診察室に父が乱入、ステファンに殴り掛かる。やがて劣勢になり首を締め上げられると、ステファンは【●23】父の股間を蹴る(空手チョップ)。父は体勢を崩すがステファンの肩を掴み、部屋を出てロビーを横切っていく。引き摺られながら「イカれたババアめ、僕と未来の友達のお陰で最高の日になっただろ」と咆哮するステファン。次に画面上には天を仰ぐステファンと【●24】何者だ?との選択肢(1つのみ)が表示される。
*ステファンはまた7月9日に目覚める。同じ朝・同じ朝食・同じ曲。タッカーソフトを訪れ、社長に出迎えられる。リットマンは手巻き煙草を吸っている。「以前にも会ったな」と言うリットマン。ウサギが見付からず、母に向かって「一緒に行かない」と言う幼少期の自分。列車の事故、父に怒鳴る現在の自分。リットマンの後ろ姿・飛び降りる姿。納品日のエラーとJFDドキュメンタリー。画面上の選択肢で【●25】Netflix(分岐の記号)を選ぶがステファンには意味が分からず【●26】説明する(もっと教える)事にする。[21世紀の娯楽用動画配信プラットフォーム]、しかしそれでも伝わらない。そこで【●27】会話を中断する(もっと教える)。ステファンは父に連れられてヘインズ先生を訪ねる。「視聴者の立場ならアクションを見たいとは思わない?」と訊かれて【●28】はい(そりゃそうだ)を選択すると再び同じ展開になり、今度は【●29】窓から逃げ出す(反撃する)。
*そこで「カット」の声が入る。「大丈夫?」と声を掛けてくる女性。狼狽えて「僕は窓を開けて逃げようと」と弁明すると「窓は開かないから逃げられないわ。台本にも書いてないでしょ、マイク」と言われる。そこは撮影用のセット。「僕はステファンだ」と言うと監督らしき女性は「少し休憩しましょう」と笑い、スタッフに「医者を寄越して」と指示する。次いで画面上には天を仰ぐステファンと【●30】何者だ?との選択肢(1つのみ)が表示される。
*ステファンはまた7月9日に目覚める。同じ朝・同じ朝食・同じ曲。タッカーソフトを訪れ、社長に出迎えられる。リットマンは手巻き煙草を吸っている。「以前にも会ったな」と言うリットマン。ウサギが見付からず、母に向かって「一緒に行かない」と言う幼少期の自分。列車の事故、父に怒鳴る現在の自分。リットマンの後ろ姿・飛び降りる姿。納品日のエラーとJFDドキュメンタリー。画面上の選択肢で【●31】分岐の記号(Netflix)を選ぶと、ステファンは混乱する。父が異変に気付いて声を掛けるが「僕は操られてる」と繰り返すばかり。2階の自室から1階のキッチンへ。父が追い掛けてくると【●32】殺そうとする(引き下がる)。阻止しようと「僕に近付かないで」と叫ぶステファンだが、意思に反してガラス製の灰皿を掴み吸い殻が床に散らばる。「これは僕じゃない、操られてるんだ」と涙を流して父を殴打。額から血を流して昏倒する父。
*もう動かない父を見下ろし、それから天を仰ぐ。「次は?」と言うステファン。【●33】遺体を埋める(切断する)事を選択すると電話が鳴る。タッカーソフトの社長からだ。「リットマンは別の世界に行ったままだ、助けてはくれないぞ」と言うのは単なる例え話だろうが、ステファンには違って聞こえる。「大々的に宣伝してるんだ、納期が守れなければ大損害になる。今日中に仕上がるのか?」と問い掛けられるが目途は立っていない。【●34】勿論出来る(無理だ)と返事をするステファン。
*電話の後、タッカーソフトにはキティが訪ねて来る。恋人リットマンの行方が分からないためだ。彼が姿を消すのは初めてではなく社長はまともに取り合わないが、キティは「今回はいつもと違う、最後に会ったのはいつなの?」と詰め寄る。するとサトパルが「ステファンへのビデオを預かった時です」と口を挿む。社長は追い込み状態のステファンを煩わせたくないが、キティに気圧される。
*ステファンは庭の隅に穴を掘り、父の死体をキッチンから運び出そうとする。そこに呼び鈴が鳴る。咄嗟にナイフを隠し持つステファン。ドアを開けるとそこにはキティが居た。名乗られ「知ってます、以前にも会った」と言うが、彼女には覚えがない。この[道/パス]では初対面なのだ。リットマンについて尋ねられ【●35】何も知らない(飛び降りた)と答える。落胆しつつ「もし連絡があったら電話をするように伝えて」と言うキティ。
*夕暮れ、彼女が帰った後で父の遺体を庭に埋める。1人になった家で作業を続け、夜明けにソフトを[実行]してみる。すると隣家の犬の鳴き声がする。またうちの庭に入り込み、掘り返しているのだ。いつもそれに怒鳴っていた父は家に居らず、掘り返されている土の中だ。
*テレビ番組『マイクロプレイ』では、髭面のクリスピンと言う男が話している。「数週間に渡り議論と憶測を呼んだタッカーソフト社が、昨日倒産しました」と。半年前までは業績も好調だったが、クリスマス商戦の目玉ソフト『バンダースナッチ』が発売される事はなかった。クリエイターであるステファンが殺人罪で逮捕されたためだ。リットマンもこの事件の直前から行方不明になっている。ステファンはリットマン失踪への関与は否定、彼が投身自殺する光景を見たと証言した。「タッカーソフト社は消え、『バンダースナッチ』は幻になりました」
*その番組を獄中で眺めるステファン。独房の壁には分岐の記号が無数に描かれている。番組が終わると、彼はもう1つ記号を描き加える。画面には【●36】[埋める?切断する?]との選択肢(1つのみ)が表示される。リットマンの声がする。「パックマンは何度でも死ぬ、やり直すだけ」
*ステファンはまた7月9日に目覚める。同じ朝・同じ朝食・同じ曲。タッカーソフトを訪れ、社長に出迎えられる。リットマンは手巻き煙草を吸っている。「以前にも会ったな」と言うリットマン。「いいえ」と言うと、今度は「会ったよ。あの時、また会えると言っただろ」と言う。ウサギが見付からず、母に向かって「一緒に行かない」と言う幼少期の自分。列車の事故、父に怒鳴る現在の自分。納品日のエラーとJFDドキュメンタリー、「ヒントになるかも」と言うリットマンの声。
*天を仰いで「反応してくれ」と叫ぶ。父を殴打して、天を仰いで「次は?」と訊く。【●37】遺体を切断する(埋める)事を選択すると、ステファンは動揺してヘインズ先生の診療所に電話を入れる。先生は別の患者の診察中で、翌朝の予約をする。その時丁度社長が電話を掛けてくるが、通話中のためステファンと話す事はできない。同じ部屋に居たリットマンは「受話器を外してるのかもしれない、俺はそうしてる。好きにやらせた方が良い。きっとゾーンに入ってるのさ」と言う。そこで社長はそれ以上は介入せず、24時間待つ事にする。お陰でステファンは作業に集中する事が出来る。
*ヘインズ先生を受診して「父は南フランスの伯母の家に居ます」と話す。ステファンが1人暮らししている事を先生は驚く。実際にはバスタブで父の死体を解体した。「父が居ないと快適です。行き詰っていたゲーム制作も道が開けて前進した」「完成したの?」「完璧な状態で納品出来ました。プレイヤーに選択肢を与え過ぎていたので、見直して大幅に削ったんです。プレイヤーが自分で選んでいるようで、実際は僕が結末へと導く」「それは良い結末?」「そう願います」
*ステファンの部屋は壁ばかりか天井にもメモが貼られている。無数の選択肢。棚の上には切断した父の首がある。満足そうに微笑むステファン。テレビでは『マイクロプレイ』のロビンが興奮気味に話している。「完璧だ、文句の付けようがない。5点満点、神懸ってる」と『バンダースナッチ』を絶賛している。
*それは1984年当時の評価だ。リポーターのアイシャ・カシャニは「その後クリエイターであるステファン・バトラーが父親を殺害していた事が発覚し、ゲームは回収されました」と伝える。それが今、別人の手で復活しようとしている。リットマンの娘パールが父の私物の中から『バンダースナッチ』を見付け、そのリブートに取り組んでいるのだ。「問題作のリメイクが物議を醸す事は理解出来ますが、自由意志のコンセプトが面白いんです。今は様々な端末でインタラクティブストーリーを楽しめる。私は動画配信プラットフォームでの展開を考えています」と取材に答えるパール。カシャニが「Netflixとの噂もありますが」と問い掛けると「噂には答えられないわ」と笑う。
*1人で作業するパール。技術は進んだが、基本的な作業は共通している。分岐を示す記号、その先に展開を書き込んでいく。[はい/いいえ][パックスに捕まる/警察に捕まる]…ある程度作業をすると、プログラムを走らせてみる。始まりの場面は1984年7月9日の朝、ベッドで目を覚ますステファン。ドット絵ではなく実写映像だ。しかし直ぐにエラーが発生。パールは悪態を吐き【●38】パソコンにお茶を掛ける(パソコンを壊す)。機械がショートする音がして、画面が暗転する。次に画面にはステファンの姿と【●39】[家族写真を手に取る]との選択肢(1つのみ)が表示される。
*書斎に鍵を掛ける父・薬を飲む自分・「お母さんの話をしてみない?」と言うヘインズ先生。ウサギが見付からず、母に向かって「一緒に行かない」と言う幼少期の自分。列車の事故、父に怒鳴る現在の自分。行き詰る作業、少し落ち着こうと家族写真を手に取る。「鏡で時間を旅出来る」と言うリットマンの声が聞こえる。そのまま眠ってしまったらしく、気付けば深夜のようで周囲は暗くなっている。洗面台の前に立ち手を伸ばすと、指先が鏡の中に吸い込まれる。鏡を通り抜けるとそこは15年前、ステファンも5歳の頃の姿になっている。ベッドに入ると、ウサギについて口論している両親の声がする。父は母を説き伏せて、ウサギを持ち去ってしまう。
*目を覚ますと5歳ではなく、現在の姿のステファン。作業を再開するが操られていると感じ、天を仰いで「誰なんだ?そこに居るんだろ、反応してくれ」と叫ぶ。画面上の選択肢で【●40】分岐の記号(Netflix)を選ぶと、ステファンは混乱する。父が異変に気付いて声を掛けるが「僕は操られてる」と繰り返すばかり。2階の自室から1階のキッチンへ。父が追い掛けてくると灰皿を掴んで殴打する。額から血を流して昏倒する父。
*天を仰いで「次は?」と訊く。【●41】遺体を切断する(埋める)事を選択すると、ステファンは動揺してヘインズ先生の診療所に電話を入れる。以降は全く同じ展開になり、最後にパールは悪態を吐き【●42】パソコンを壊す(パソコンにお茶を掛ける)。次に画面にはウサギを持ち去る父の姿が映り【●43】[父からうさぎを取り戻す]との選択肢(1つのみ)が表示される。
*書斎に鍵を掛ける父・薬を飲む自分・「お母さんの話をしてみない?」と言うヘインズ先生。5歳の自分と、ウサギについて口論している両親の声。母を説き伏せてウサギを持ち去る父。『アドベンチャーゲーム入門書』を手に眠ってしまい、深夜に目覚める。父の書斎でキーを叩いて【●44】[TOY](PAC)と入力。金庫の扉が開いて、中に入れられていたウサギを取り戻す。そこへ父がやって来るが、現在の父ではなく15年前の姿だ。自分の視点も下がって、5歳のそれになる。「見付けたのか。良いぞ、持って行け。元の場所へ戻すんだ」と言う父。ベッドの下の定位置にウサギを置く5歳のステファンと、それを見詰める19歳のステファン。
*翌日、ウサギは見付かるが結局8時30分の電車には間に合わない。「8時45分の電車に乗りましょう」と手を伸ばす母。5歳のステファンは【●45】母と一緒に行く(行かない)。電車で旅立つ母とステファンとウサギ。しかし電車は目的地に辿り着く事はなかった。ヘインズ先生のカウンセリングを受けていた現在のステファンは突然死する。次に画面には金庫のパスワード表示画面が映り【●46】[PAC/プログラム&コントロール]との選択肢(1つのみ)が表示される。
*ステファンはまた7月9日に目覚める。同じ朝・同じ朝食・同じ曲。タッカーソフトを訪れ、社長に出迎えられる。リットマンは手巻き煙草を吸っている。「以前にも会ったな」と言うリットマン。ドラッグでハイになっているリットマンが捲し立てる。「政府は人々に偽物の家族を用意して、薬を盛って行動を監視してる」「プログラム&コントロール、あれは地獄なんだ」
*『アドベンチャーゲーム入門書』を手に眠ってしまい、深夜に目覚める。父の書斎でキーボードを叩いて[PAC]と入力。金庫の扉が開くと、中には[重要患者ファイル]として自分についての資料が入っている。[プログラム&コントロール研究]との記載・投与した薬剤の記録や様々な写真・ヘインズ先生のカウンセリングの動画。そして[トラウマの発端]と言う実験。
*ビデオテープを再生すると、父が薬剤を仕込んだお菓子を5歳の自分に食べさせている。アイマスクを着けられて連れて行かれたのは、実験用のセットらしい。自分を呼ぶ母の姿。電車で一緒に行く事を拒絶すると、母はゆっくりとセットの外へ出る。茫然としていると背後から「何故見たんだ」と父の声がする。「父さんは何者なんだ」と叫ぶが返事はなく、ステファンはその場にあったガラス製の灰皿で父を殴打する。
*目を覚まして作業を再開するが操られていると感じ、天を仰いで「誰なんだ?そこに居るんだろ、反応してくれ」と叫ぶ。画面上の選択肢で【●47】P.A.C.S.(分岐の記号)を選ぶと、ステファンの見詰めるモニタには[プログラム&コントロール研究]と標示される。机を叩くと父が異変に気付いて声を掛けるが、何も言わずに2階の自室から1階のキッチンへ。父が追い掛けてくると「僕を操ってるな」と詰め寄る。「ヘインズ先生もグルだ。プログラム&コントロールだろ。僕に薬を盛って監視してる。コンピューターの操作も」と捲し立てる。父は疲弊した様子で「お前は病気なんだ」と言う。自分の意思で灰皿を慎重に掴むと「騙されないぞ、もう終わりだ」と父を殴打する。額から血を流して昏倒する父。
*父の遺体の傍、狼狽えた様子はないステファン。ふとヘインズ先生を思い出す。「いつでも電話して」と言っていたが、番号は何だったか。様々な場面で会話に出た数字を繋ぎ合わせて【●48】[20541]と入力する。電話は繋がるが、先生は休みだと言う。受付の女性に伝言を頼み「プログラム&コントロールは知ってる、監視してる事も。父とグルなんだろ?僕を実験材料にしてる」と一方的に話す。相手は困惑しているが、構わず「僕は父を殺した、次は先生の番だと伝えろ」と告げる。死体を庭の隅に埋め終えた頃、警察車両のサイレンが聞こえる。診療所の女性が通報したのだろう。
*『マイクロプレイ』ではロビンがソフトの感想を求められている。「ゲームより現実の方が恐ろしいね。作者のバトラーは精神を病んで、父親を殺した。ゲームは未完成だったのに強引に発売されたんだ。殺人とは比べられないが、酷い話だ」と言うロビン。彼の採点は5点満点の2.5点。「話題性だけのゲームだった」と切り捨てる。
*その番組を獄中で眺めるステファン。独房の壁には分岐の記号が無数に描かれている。番組が終わると、彼はもう1つ記号を描き加える。

■雑感・メモ等
*映画『ブラック・ミラー:バンダースナッチ』

*Netflixにて鑑賞(Netflixオリジナル作品)
*最後にステファンが移動中のバスの中、ウォークマンで『バンダースナッチ』のテープを聞くと言う映像が入る。
*視聴者が主人公の行動を選択出来る、インタラクティブ・ムービー。Netflixオリジナルのドラマシリーズ『ブラック・ミラー』に属する1本。自分は当該シリーズはS1とS2の途中まで視聴。この『バンダースナッチ』には『ブラック・ミラー』絡みの小ネタも幾つかある様子。例えば作中登場するゲームのタイトル『メタルヘッド』『ノーズダイブ』は『ブラック・ミラー』のエピソードのタイトルでもあるらしい。
*ブログには殆ど書いていないけど、折角加入してるからとNetflixオリジナル作品は時々見てた。でも正直面白くない作品が多い。最近はNetflixオリジナル作品と言うだけで鑑賞を避けてた状態。この『バンダースナッチ』はゲームブック風或いはサウンドノベル的だなと思ったので鑑賞。これが想像以上に面白くて、今後はNetflixオリジナル作品も侮れないなと思ってしまった。
*作中、ステファンもゲームブックを基に選択式のゲームを作っている。その内容と、ステファンの不安定さがゲームに巧く作用していて楽しい。行き詰ると特定の選択肢まで戻ってやり直しになるけど、ゲームのリセットとは違ってリピート感があるのがまた面白い。
*以前にも[結末が選択出来る動画]と言うものが投稿サイトで公開されていたと思う。何かを選択すると、その内容に沿った動画のアドレスへ移動する感じの。面倒に感じたから自分は見てないけど、恐らくその方式では複雑な分岐はしないんじゃないかな。それに比べると随分手軽で、見応えのあるものが作られるようになったなと思う。
*感覚的には殆どゲームだけど、表示される選択肢は基本的に2つ。(時には1つ。)一般的なゲームより選択の幅は狭い。それでも映像の質が高く満足感がある。加えてステファンの行動を選択していた筈が、自分自身の選択を迫られるのが面白い。ステファンが「Netflixって何だよ」と叫ぶ辺り、他にはない高揚感だった。
*ネタバレ部分の文章、最初は【括弧】内に数字だけ書いてたけど選択肢を探し難かったので丸印も付けた。[こちらが選択した方]で(こちらが選択しなかった方)。
*2回目以降は選択していないルートを通ってみようとか作為的になりそうだから、1回目を辿るようにしながら書いてみたんだけど何回か失敗。初回は破壊を避けていたのに(基本的に「納期は守るべき」と言うスタンスだった)【●14】で間違ってパソコンを壊したら、直ぐに行き止まりになって[戻る]のみの選択肢になった。(同じ選択肢から再開になったのでこの部分は端折った。)
*初回は【●25】では[分岐の記号]を選択。間違って再度[Netflix]を選択したけど、初回は映画の撮影オチを見てなかったからこれはこれでまあ良かった。
*【●41】も間違ったようで、初回ではパールは1回しか登場しなかった。最後の選択肢【●42】を変えてみたけど、新しい分岐や結末は見られず。
*そして何が違ってしまったのか分からないけど、初回はステファンが父を殺した後でリットマンが家にやって来ると言う展開が2回あった。1回目は彼を殺さず、2回目は刺殺。その流れでゲームの点数が3点になる結末があったような。これは記憶が曖昧。
*それぞれの選択肢で時間切れになると、自動的にどちらかが選ばれるのかなと思う。【●48】だけは数字を入力しないといけないけど、ここは失敗するとどうなるんだろ。やり直しなのか終了してしまうのか?ヒントとして様々な場面の映像が流れるけど、例えば[2]だったら[重荷]の[荷]で表現されていてちょっと笑う。
*それなりの結末に到達するとクレジットへ脱出する事も可能みたい。完全に停止するまで流してみたけど、その場合は幾つかのエンディングを見せてくれる感じなのかな。失敗と思われる選択肢に直接戻れる訳ではない。(例えば【●16】は違う方を入力してたらどうなったの?と思ったけど、その機会はなかなか訪れず。)
*『マイクロプレイ』の眼鏡青年、どこかの場面でマイロとか何とか呼ばれていたように思ったんだけどその場面を探すのが困難で。IMDbではロビンと言う名に続いてクリスピンが掲載されていたので、もしかしてこれかなと思ってロビンと言う事にしておいた。ロビンが別の人の役名なら詫びる。
*リットマンがステファンに渡すのはLSDなのかな。描かれているのはパックス?煙草も大麻含有とかかもしれないけど詳細不明。
*因みにそもそもバンダースナッチとは「ルイス・キャロルの詩『ジャバウォックの詩』と『スナーク狩り』で言及される架空の生物である。キャロルの詩の中では、バンダースナッチの姿形や大きさについては説明されていない。また、バンダースナッチというのがフェニックスのような一体の生物のみに与えられている名前なのか、それとも一群の種に与えられた名前なのかも記述されていない」とのこと。(wikiより)
*もっと違う展開や結末があるならまた見てみたいな。状況によっては追記しようと思う。