トーナメント | m-memo

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ネタバレだらけの映画メモ。

忘れ易いので自分用にメモしてます。
ネタバレ部分は詳細を記載することもあれば、
二言三言のこともあります。

 

■あらすじ
大晦日の日、見知らぬ男を轢き殺してしまった若夫婦のリンジーとジェフ。2人は、事件の隠蔽をすべく死体を自宅のガレージに運ぶ。一息つき、部屋で男の財布を漁ると、この家の住所が書かれたメモが。大晦日の夜、何の用で我が家を訪ねてきたのか?一方、居候の妹・ハンナは、ガレージで息を吹き返した男と対面していた。混乱する一家を切り裂くように、チャイムの音が。玄関には、刑事を名乗る無表情な男・スミスが立っていた。スミスは、巧みな話術と容赦ない暴力、そして大金をちらつかせ、彼らに殺し合いのトーナメントを示唆する。謎の死体は、この殺人トーナメントの参加者なのか?疑心暗鬼の中、リンジーは協力してスミスに対抗しようと提案するが…。(メーカーサイトより)

■ネタバレ
*大晦日、リンジー・ピットマンの勤務先である銀行のパーティ。同伴者の夫ジェフが外で煙草を吸っていて、彼女は年越しの瞬間を1人きりで迎える羽目になる。周囲では誰もがパートナーとキスを交わしている。ジェフは妻の同僚達を蔑み敬遠しているが、彼女が働かない事には家の購入費を返済出来ない。求職中のジェフは危機感が薄く、もう8ヶ月も家を改装している。
*パーティの帰り道、深夜の林の中で余所見をして男を轢いてしまうジェフ。飲酒運転だが、リンジーも同様に飲酒しているため身代わりになるのは不可能だ。救急車を呼ぼうとしても携帯電話は圏外。自分達の車で病院へ運ぶ事にするが、途中で男は息絶えてしまう。ジェフは「男をひとまず家に運ぼう」と主張。代替案もなく、リンジーは已む無くそれに従う。
*「2時間待って、酔いが醒めてから病院へ運ぶ」と言うジェフ。パーティの帰りとしては時間が合わないため、着替えた方が良いだろう。そんな打合せをしていると、ナンバープレートが消えている事に気付く。事故現場で落としたのだ、取りに戻るしかない。その間にリンジーは身支度を整える事にする。
*ジェフが事故現場付近に到着すると、停車中の警察車両が見える。点滅する青色灯。もうナンバープレートを回収する事は出来ない。同じ頃、リンジーの妹で居候のハンナが帰宅する。バスルームに居る事に気付かず姉を探していると、ガレージで男と遭遇。死んだと思われた男は未だ生きていたのだ。男が襲い掛かり、2人は揉み合いになる。
*帰宅したジェフがリンジーに状況を説明していると銃声が聞こえる。ガレージに駆け付けると、狼狽え動揺しているハンナと今度こそ息絶えた男の死体。揉み合う内に男が持っていた拳銃で撃ってしまったようだ。リンジーは泣き止まない妹をどうにか宥めて、睡眠薬で眠らせる。
*リンジーは通報するか弁護士に相談する事を提案するが、ジェフは「全てを知られたら俺はどうなる?」と否定的だ。それは自分だけではなくハンナも同様だと。逡巡するリンジーに「君の好きにすれば良い、取り敢えず奴の正体を探ってくる」と言い置いて、ジェフはガレージへ向かう。
*男の財布の中には『セイヤー通り227番地』と書かれた紙片が入っていた。それはリンジーとジェフが暮らすこの家の住所だ。見知らぬ男は自分達の家を目指していたのか?不審な状況で自分を疑うジェフに対し、思わずリンジーは「ヒモ同然のくせに」と口走る。
*揉めている場合ではなく、ジェフは「警察がナンバープレートを持って訪ねて来たら、鹿を撥ねた事にしよう」言う。死体をシートに包んで隠し、血で汚れたガレージの床を丁寧に掃除する。血を拭った布を焼却する頃にはもう夜が明けていた。朝8時、コーヒーを淹れているとドアの外に2人の警官が立つ。
*内心狼狽えつつ、バロンとキャンベルと言う警官を笑顔で出迎えるリンジー。「牝鹿を轢いてしまった」と話すと、納得した様子でナンバープレートを差し出される。事実確認として車を見せるためガレージへ。その場に居たジェフが「牡鹿を撥ねた」と言って話が食い違うが、警官は然程気に掛けていない様子だ。彼等は「昨夜は様々な通報や苦情があった」と話す。国道4号線で発見された不審車両は、エンジンが壊れた盗難車だったと。その車には例の男が乗っていたのではないか?車が壊れたせいで道を歩いていたのだろう。
*どうにか遣り過ごして警官2人を見送ろうとした時、眠り続けていたハンナが起き出してくる。「あなたも車に?」と警官に問い掛けられて「いいえ、私は車庫で…」と咄嗟に答えるハンナ。警官は話の続きを促すが、空気を察して「寝起きで混乱しているみたい」と誤魔化す。結局そのまま警官達は帰って行く。
*「もう少しでバレるところだった」とハンナを詰るジェフ。「何も言わなかったわ」と反論しつつ「全て私のせい」と言うハンナ。リンジーが訊くと、彼女はリチャードと言う男と付き合っていたと語る。有機野菜のジュース店を経営していると言っていたが、実際には株で老人から金を集めていた。しかしどこにも投資せず、偽の報告書を送り付けていたのだ。彼は辞めたがっていたが相棒がそれを許さなかった。ある日帰宅すると家の中が荒らされ、血が飛び散っていた。そこで事前に指示されていた通りに、鞄を持って逃げてきた。
*鞄の中にはインドのお守りだと言う木製のオブジェが入っている。「リチャードの好みなの、これも」とブレスレットを振って見せるハンナ。オブジェは底部が蓋になっていて、中には[クラウン・ヒル・ロッジ]の手荷物預かり証が入っている。ハンナはそれには気付いていなかった。リチャードは人里離れたロッジに何を預けているのか?
*夫婦で確認に行こうとするが、ハンナは「また警察が来たらどうするの?」と制止する。ハンナを1人残すのは確かに不安がある。結局ジェフとハンナがロッジへ向かう。車内で「クリスマスには携帯電話とブーツをありがとう。プレゼントなんて久し振りだったわ」と言うハンナ。「私達は似てるわね」「どうかな」「どちらも姉さんの影に隠れて生きてる」
*ロッジに到着する2人。ジェフは自分が行こうとするが、ハンナは「自分で蒔いた種だから私が行くわ。姉さんには言わない、あんたの手柄にすれば良い」と言う。ジェフにとっては初めて訪れる場所で、必要な手順も分からない。何か失敗でもして不審に思われるのは得策ではないだろう。
*ロッジへ入り、程なくして戻って来るハンナ。「まだ中を見ていない」と言いながら寄越してきたポーチを確認すると、札束が入っている。5万ドルあるようだ。「リンジーが1年働いても稼げない額だ」と大喜びするジェフ。彼は帰路、ハンナに「リンジーは妹が居る事をずっと隠してた。お前を恥じてたのかもしれない。リンジーはどうするかな」と言い出す。ハンナには金を渡さないかもしれないと言いたいらしい。家は実質リンジーのもので、2人は立場が弱い。ハンナが「黙っていろと言うの?」と不信感を露わにすると、ジェフは「そんな事はしない、お前を試したのさ」と言うが疑わしい。
*一方リンジーは、夜通しガレージで作業していたためベッドで横になる。気が付けば正午を回り、ノックの音がする。訪ねてきたのは2人組の警官とは違う、スーツ姿の青年。彼は刑事のスミスだと名乗る。リンジーは「同僚の方に全て話したわ」と言うがスミスはコーヒーを飲みたがり、些か強引な態度で家に上がり込む。
*夫と妹について「野暮用で出掛けている」と説明すると、スミスは一瞬不服そうな表情を浮かべる。そして「仲が良い家族で羨ましい。私が7歳の時に父が家を出て、その後間もなく母が亡くなったので」と話し「また相棒に叱られるな、喋り過ぎだと」と笑う。彼はコーヒーを飲みながら、ふいに「死体は何処に?」と尋ねる。鹿の話だと自分に言い聞かせて「森へ逃げました」と答えるリンジー。スミスの言動や雰囲気が、次第に刑事とは思えなくなる。「スミス刑事、相棒は何処に居るの?」「彼は出掛けてます、野暮用でね」
*距離を詰めてきたスミスに包丁を突き付けるリンジー。しかし容易に反撃され、殴られて気絶する。気が付けば地下室で椅子に拘束されている。口を塞がれている状態で嗚咽するリンジーに、スミスは「泣くな。元カノもよく泣いた、泣かれると殺したくなる」と言う。泣き止んだリンジーを繰り返し殴るスミス。口内が血で満ちる。「血は酸っぱいと言う人が居る。ヘモグロビンの鉄分のせいだ。甘いと言う人も居る。ブドウ糖のせいだろう、味覚の違いは遺伝子の違いだ」
*スミスは殴り続ける。「性格の違いも星座の違いに関係するのかもしれない。俺は執念深いさそり座だ、1日中でもあんたを殴る。死体は何処だ?」口を塞いでいたダクトテープを剥がされると「車庫にあるわ。私達が轢いた後…」と話し始めるリンジー。スミスは「あんたはやぎ座だな。正直者で積極的だ。だが一方では他人に付け込まれ易い。何故ジェフみたいなクズ野郎に惚れたんだ?大学の野球大会では9回裏にサヨナラ負けした男だ」と言う。この男は自分達について知り尽くしているらしい。
*「俺のセラピストを紹介するよ。ヒモ同然の夫や出来損ないの妹にウンザリだと言えば良い。だが残念な事に、あんたは一生夫や妹から逃れられない。2人は何処へ行った?」ナイフを突き付けられても今度は黙ったままのリンジー。スミスは再び彼女の口を塞ぎ「さそり座とやぎ座の相性は良い筈だ。何かあったら口笛を吹け」と言い捨てて階上へ。ガレージの死体を確認し、ハンナの部屋を物色する。
*リンジーはその間に身体を揺さ振り、椅子を少しずつ移動させる。ドア枠の凹凸を利用して手に巻き付けられたダクトテープを切り、拘束を解く。そしてハンナの下着に顔を埋めるスミスに背後から接近し、火掻き棒で殴打する。気絶するスミス。彼に傷付けられた額や手首の手当てが終わった頃、夫と妹が戻って来る。
*2人を地下室へ誘導するリンジー。立場が逆転し、今はスミスが椅子に拘束されている。口はダクトテープで塞いでいるが身体に巻き付けているのはロープだ、容易には切れない。スミスが凝視するため、ハンナに自室へ居るようにと促す。3人になった地下室で、相手を弱らせようと殴るジェフ。口のダクトテープを剥がすと、スミスはリンジーに向かって「血は甘い」と笑う。そして「妹と話させてくれ」と続ける。自分達が撥ねた男と同様、リチャードの相棒かその仲間なのだろう。
*ジェフは不満そうだが、リンジーは妹を信じてスミスと話をさせようとする。ハンナに「彼が呼んでる」と告げると了承し、地下室へ向かう前に「姉さんが家を出た後、母さんは男遊びばかりしてた」と言う。「謝るつもりはないわ」「別に頼んでない」
*地下室で2人になると、ハンナはスミスを平手打ちしてからキスをする。「死んだかと思ったわ、部屋が血塗れで…」「勘違いだ、俺の血じゃない」相棒ではなく、スミスがリチャード本人だったのだ。ジェフが撥ねた男については「君の無事を確認するために送り込んだ」と言う。それなら盗難車でなくても良い筈だが、ハンナはその情報を知らない。リンジーを殴ったのは「コーヒーのクリームが欲しいと言ったら、ナイフを突き付けてきたんだ」と惚ける。「金は?」「持ってるわ」「その金で世界中を2人で旅しよう」「仲間は知ってるの?」「2人だけだ、愛してるよ」
*リチャードが縄を解くように言うが、ハンナは「話をしてくる、姉を説得してみるわ」と答える。姉とその夫にはリチャードである事は伏せて「解放すれば分け前をやると言ってる」と伝える。ジェフは「お前は単純だな」と嗤い、ハンナは「死んだ男と拘束した男を放置して、ピーナッツバターのサンドイッチを食べてるあんたはどうなの?単純ね」と応戦する。2人は険悪な雰囲気だ。
*部屋でハンナを宥めようとするリンジー。妹は「ジェフの様子が変だった。姉さんにお金の事を隠しておこうとしたの」と告げる。リンジーが「勘違いよ」と否定しても、妹の表情は真剣だ。手を握り「信用しちゃ駄目よ」と釘を刺してくる。ハンナのブレスレットには鉤爪のようなチャームが付いている。
*ハンナの部屋を出ると、廊下で話を聞いていたのだろうジェフが「出鱈目だ」と弁明する。それは聞き流して地下室へ。スミスの首には、ハンナと同じデザインの鉤爪のモチーフがある。サイズは幾らか大きめのペンダントトップ。状況が呑み込めないジェフに「こいつがハンナの恋人リチャードよ」と説明する。拘束されたまま不敵に「9回裏だ、怯えてしくじるなよ」と嗤うリチャード。「ハンナは2人で逃げる気だ」と言うジェフに、リンジーも同意する。
*「でも逃がさないわ」と言い、工具入れから金槌と釘を取り出すリンジー。リチャードの口を塞ぎ、今度はリンジーが「指には末梢神経が集中してるの。女は男よりも痛みに強いそうよ、出産するから。遺伝子の違いね」と知識を披露する。指の爪の中央を示しながら「ここよ」とジェフに指示を出す。リンジーの態度に驚きつつ「リリーフ投手の出番だ」と金槌を振り下ろすジェフ。
*3本の指に釘が刺される。リチャードの絶叫はダクトテープに掻き消される。「あと7本ある。それとも17本かしら」と足下を見るリンジー。目を見開くリチャードに「テープを剥がしたら、全部話して」と告げる。彼からの話を聞きリンジーは「ハンナは変わってない」と落胆する。「君には俺が居る」とジェフが肩を抱くが、続けて「2体なら車に乗る」と言われて思わず身体を離す。「彼を殺すつもり?」「自己防衛だ、放っておけば報復される」
*リンジーは故意に人を殺して、そのまま日常生活を送れるとは思えない。ジェフは「俺達が後始末している間、ハンナを閉じ込めておこう。その後あの金を持たせて、何処かで独り立ちさせれば良い」と言い募る。「ハンナを傷付けない?」「約束する。でも彼女は裏切り者だ」「あの子は家族よ」「俺もだ」リンジーは複雑な表情を浮かべる。
*ジェフは車にシートを敷き、ガレージの死体の歯をハンマーで叩き折る。リンジーはハンナの部屋へ。彼女の机の上には金融学の本が置かれている。「金融学は苦手だわ」「銀行員なのに?」ハンナはその本に、ロッジの手荷物預かり証を挿んでいる。「全ての元凶になった物だから捨てられなくて」と言うハンナ。やがて「白状するわ、地下室に居る男がリチャードなの」と話す。「知ってるわ」「怒らないの?」「彼を愛してる?」「…分からない」それは正直な気持ちなのだろう。抱き着くハンナを抱き締め返すリンジーだが、地下室のドアが開いてジェフが妹を拘束する。
*リチャードを拘束したままの地下室に、ハンナが加わる。頭部には黒い布袋が被せられ、後ろ手に縛られている。彼女はリチャードからは離れた場所に転がされる。視界を遮られて怯えるハンナを、リチャードが誘導する。少しずつ床を這い進ませて、接近したところで起き上がらせて袋を咥える。周囲が見えるようになったハンナに、ブレスレットのチャームで自分のロープを切らせるリチャード。
*手が自由になったリチャードは、椅子の肘掛けに釘で打ち付けられた指を力任せに引き剥がす。傷口にダクトテープを巻き付けて、雑な応急手当をする。その間もハンナは縛られたままで「早く私のロープも解いて」と助けを求めている。リチャードは「君は最高の女だったよ」と言いながら、ハンナの首を締め上げる。
*ジェフが抽斗を確認すると、中身は空だ。そこには5万ドルと、轢いた男が持っていた拳銃を入れていた。枕を2つ抱えてリンジーに近付くと、彼女は電話でこの家の住所を告げている。「急いで来てください」と聞こえ、どうやら通報したらしい。ジェフが戸惑っているとリンジーは「金が消えてたわ。どうして枕が2つ必要なの?」と問い質す。拳銃を持ち出したのはリンジーだった。銃口をジェフに向けている。
*「銃声を抑えるためだ」「1人殺すのに何故2つ必要なのよ」口論になる2人。ジェフは妻に接近して抱え込む。彼は何とか宥めようとするが、リンジーは妹を殺そうと考えているジェフに反発。肘鉄で夫の腕から脱出する。彼女が取り落とした拳銃を手に、リンジーを探すジェフ。やがてガレージで2人は対峙する。銃は使わず倒れたリンジーを押さえ込み「君を愛してる、君の幸せを大切にしてきた」とジェフが言う。「どうかしてるわ」「上手く乗り切ろう、何としても」
*リンジーに覆い被さったまま、ジェフが動きを止める。背後からリチャードが斧を振り下ろしたのだ。ジェフの身体を押し退けると、リチャードが「お待たせ」と笑う。手近なドライバーを掴んでリチャードの胸に突き立てるが、彼は構わず斧を振り回す。やがて斧を投げ出すと、リンジーの首を締め上げるリチャード。「死んだ妹より根性がある」と言う彼の胸からドライバーを引き抜き、今度は首に突き刺す。
*堪らずリンジーから離れるリチャード。その傍に転がるジェフの死体。金が入ったポーチも見える。金を持ち出したのはジェフだった。リチャードは中身を確認して笑い、床に札束を投げる。解放されたリンジーはガレージの床に横たわっている。点滅する青色灯が、ガレージの小さな窓から天井に光を投げているのが見える。
*床を這い進むリンジー。その行き先にはジェフの身体から転がった拳銃が落ちている。リチャードはそれに気付いて、覚束ない足許で拳銃を拾い上げる。「さそり座とやぎ座か。互いに独身の頃に出会いたかったよ」と言いながらリンジーに銃口を向けるリチャード。しかしリンジーが目指していたのは拳銃ではない。ガレージのリモコンだ。
*憔悴しながら、力を振り絞ってリモコンのボタンを押すリンジー。リチャードは音に警戒して咄嗟に銃口を向ける。シャッターが開くと、そこには警察車両が居た。警官が銃を手にしたリチャードへ向けて発砲する。ガレージにまた死体が増える。リンジーは夫の死体の手を握って目を閉じる。
*バロンとキャンベルがリンジーを送り届ける。「誰かと一緒に居た方が良い」「何故こんな寂しい場所へ?」と言う2人に「今夜は1人でゆっくり眠りたいの」と答える。後日改めて聴取が行われる予定だ。リンジーがやって来たのはクラウン・ヒル・ロッジ。ハンナが隠していた手荷物預かり証をフロントで差し出すと「確か昼間にも」と怪訝な顔をされる。「あれは妹です」「思い出した、一度バッグを手にしたが直ぐに元に戻してた。明日取りに来ると言ってたが」「妹はもう来ません」
*リンジーは部屋に鞄を運び込む。大きなボストンバッグに詰め込まれた札束。ハンナが持ち出したのは、その中のほんの一握りだったのだ。家族を失い1人になったが、リンジーは笑顔になるのを堪える事が出来なかった。

■雑感・メモ等
*映画『トーナメント』

*レンタルにて鑑賞
*侵入系サスペンス:主人公大金獲得型

*監督は『ウォーキング・デッド』等を手掛けている模様。この映画では監督と同じ苗字のスタッフが複数居るんだけど、血縁者とかなのかな?
*ジャケットやあらすじが本編と食い違う事は時折あるけど、今作は別作品のデータが混ざったのでは?と本気で疑う案件。本編には[トーナメント]要素が一切ないんだよね、そこが面白そうだなと思って見てみたのに。記事によっては[殺し合いスリラー]と書かれていたりするのでその辺りを[トーナメント]に変換したのか。それにしても[殺し合い]と言う程皆が殺る気に溢れている訳でもないし、ジャケットから受ける印象とは全然違う。
*実際のお話はかなり地味ではあるけど、構成は悪くない。夫も妹も、真実を言っている部分もあれば隠している部分もある…と言うのがバランスが良く描かれている。野球・遺伝子・星座の話題を反復する等、台詞も丁寧。主要人物4人の見映えも良好。特にリチャードがスミスとして登場する部分は、静かな狂人と言う雰囲気で好き。それでも総体的には見所に乏しいかなと思う。
*事故を起こした時にジェフがリンジーに「君は呑んでないよな?」とか言うんだけど、あれは身代わりになって欲しいと言う事だよね?罰則が段違いなのかもしれないけど、素面でも罪には問われるだろうから即座にそう言う台詞が出る辺りがクズだなと。
*ハンナが話すクリスマスプレゼントは、夫婦からと言う体裁だったのかな。ジェフ単独でプレゼントする余裕はなさそう。ハンナへの反応も薄い。
*5万ドルを見た時に「これで普通に暮らせる」「新婚旅行も近場の海で我慢した、宿は安ホテルさ」とか言うジェフ。(リチャードは「世界中を旅しよう」と言うけど、これは桁違いの金額に対しての台詞。)「リンジーが1年働いても稼げない額」で、レートで言えば500~600万円程度か。確かに大金だけど、ジェフも働いて2人分の収入なら1年で稼げるのでは。
*リンジーは事情聴取で状況説明するのが大変そうだなと思ったけど、ジェフとハンナはリチャードが殺しているからそこはそのまま説明すれば良いのか。でも最初の死体の死亡推定時刻は、警官2人の訪問時間より前になるだろうから厄介だよね。