スケア・キャンペーン | m-memo

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ネタバレだらけの映画メモ。

忘れ易いので自分用にメモしてます。
ネタバレ部分は詳細を記載することもあれば、
二言三言のこともあります。

 

■あらすじ
人気TV番組「スケア・キャンペーン」。出演者をニセの心霊現象などで怖がらせて、その様子を隠しカメラで撮影するというドッキリで長年視聴者を楽しませてきた。しかし最近では、無料動画投稿サイトの過激な映像などに押されて人気も停滞気味。そんな中、かつての栄光を取り戻そうと企画されたのは、廃墟となった病院でのドッキリ。そこに迷い込んできた一般人を、大規模な仕掛けで恐怖のどん底に突き落とそうと言うのだ。準備が完了し、そこにどことなく様子のおかしいターゲットの男がやってくる。だがそいつはなんと、本物の殺人鬼だった!一人、また一人と襲われ、恐怖に逃げ惑うスタッフたち。しかしその先にはさらに驚くべき展開が待っていた!(メーカーサイトより)

■ネタバレ
*警備員の人員が足りず、臨時スタッフとして病院に駆り出されるジョージ。今夜は、明日検視される死体が運び込まれる予定になっている。死体安置所で落ち着けずにいると、引継相手のエマから「怖いの?」と訊かれるが「怖がりに警備員が務まるものか」と強がる。彼女は「それならお化けや怪奇現象も平気?」と更に尋ねる。「ここは[出る]って噂なの。真夜中に物音を聞いたり影が動くのを見たりした人も居る」
*そんな話の後で警備員室へ。エマは緊急時の連絡先として、自分の電話番号を書き残してくれる。深夜0時過ぎ、1人きりになった病院に車両が到着する。監視カメラを見て出迎えようとするが、出入口までやって来ても誰の姿もない。ストレッチャーに乗せられた死体袋があるだけ。
*随分杜撰な対応で気分も良くないが、死体が届く事は聞かされていた。ジョージは死体袋を死体安置所へ運ぶ。警備員室へ戻ろうとすると死体袋が起き上がる。エマが同じものを見たと話していたため狼狽えずに済んだ。死後硬直だろう。慎重に死体袋のファスナーを開いてみると、アジア系女性の遺体が現れる。顔を覗き込んでいると、死体の目が開く。
*流石に有り得ない事態に駆け出すジョージ。警備員室でモニタを確認すると、死体安置所からは死体が消えていて、廊下に佇む女の姿が見える。モニタは乱れ、女の姿が同時に何箇所にも現れているかのようだ。エマに電話をすると記録を調べた上で『幻覚よ、遺体はまだ運ばれていない』と言う。しかし確かに今、女が警備員室の窓に張り付いている。
*「良いぞ、エマ。ディック、準備しろ」病院内の別室、仮設の制御室で指示を出すマーカス。実は一連の状況は、ホラーを題材としたイタズラ番組[スケア・キャンペーン]の企画なのだ。エマは駆け出しの女優で、怯えて慌てる標的ジョージの姿は幾つものカメラに捉えられている。その様子を笑って見守るスタッフ達。
*ここまでは狙い通りの展開だが、ジョージが拳銃を手に取る。これは予想外だ。幽霊役のアヤコに緊急事態を伝えようとするが、通信が途絶えてしまっている。カメラには物陰に隠れているアヤコの姿が映る。ジョージを驚かせるために飛び出せば、彼女が撃たれてしまう可能性がある。現場へ駆け出すエマ。マーカスは「台無しになる」と不満気だ。
*ジョージの前に躍り出て絶叫するアヤコ、失禁するジョージ。エマは2人を遮るように立ち、必死にジョージを宥める。銃を取り上げてみると、それはゴム製の玩具だった。テレビの企画だと知ってジョージは「これで有名人だな」とご機嫌になるが、アヤコは偽物だったとは言え銃口を向けられて震えている。不測の事態にも番組を完成させる事を優先的に行動するマーカスに、エマは憤慨する。
*玩具の銃は編集で消され、映像が完成する。新しい女優アビゲイルも採用してマーカスは上機嫌だ。エマは退職を申し出るが、マーカスは本気にせず真面目に取り合わない。「俺と別れたいのか?」「数ヶ月前に別れたわよ」そうは言っているが、実際のところ2人の関係は続いている。
*結局次の企画にも同行する事になるエマ。予定されている舞台は廃墟になっているグレンデール精神病院。エマやマーカスの他、ディック・JD・スージーが継続して参加するスタッフだ。企画会議中、上司のヴィッキーがやって来る。彼女はパスワードを入力し、スクリーンに[仮面怪人/MASKED FREAKS]の動画を映し出す。素人芝居の怪しい儀式に紛れ込み、芝居ではなく実際に人を斬り付けると言う内容だ。
*マスクフリークスは人間を生贄にする動画を扱っている集団。2ヶ月前は悪戯動画ばかりだったが、視聴者の期待に応える内に拷問や殺人にエスカレートした。今や彼等は資金力のある世界的な組織になっている。残酷だが子供にも大人気で、動画サイトのチャンネル登録者数は1500万人。その数は毎日増え続けている。
*スケア・キャンペーンのスタッフ達は「悪趣味過ぎる」と否定的な態度を取るが、ヴィッキーは「スケア・キャンペーンは落ち目よ」と手厳しい。「5シーズン続いているし、次回作も最高ですよ」とマーカスが自己弁護しても「視聴率はどうなの?地上波は絶滅寸前よ、視聴者の老人みたいにね。時代に適応しないと、奴等に視聴者を奪われる」と捲し立てる。彼女はもっと過激な作品を望んでいるのだ。最終的にヴィッキーは「新作をもう1本撮りなさい」と言う。5日前に新作が完成したばかりだと言うのに。
*本来ならもっと先に利用する予定だったが、彼等はグレンデール精神病院にやって来る。標的はローハンと言う男。新たに児童精神科病棟を開設するとの設定で、庭師として面接するのだ。アビゲイルは幽霊役、エマはクラシカルなスタイルの看護師アガターに扮する。アヤコの件もあり、同じ俳優と言う立場で若いアビーを守ろうと気に掛けるエマ。待ち時間にタブレットを眺めているアビーに「何を見てるの?マスクフリークス?」と尋ねてみるが、彼女はその名称を知らないようで特に反応しない。誰かに『もう直ぐ本番』とメッセージを送信している。
*やがてターゲットが病院に到着する。ローハンは懐かしそうに周囲を見回していて、訊けば廃墟になる前にこの病院に勤めていたと言う。それは事前に把握していなかった情報で、エマは些か動揺する。更にローハンは不安定な様子で、廊下に佇むアビーの姿に過剰に反応。事務室では壁に飾った写真を凝視している。そこにはアビーの姿がぼんやり写っている。「その子をご存知?」と尋ねてみると、ローハンは「詮索するな」と怒鳴る。
*そこへカメラ越しに見守っていたマーカスが電話を掛けてくる。業務上の電話のように振る舞いながら「先生、中止するべきでは?」と訴えるが、マーカスは「心配するな、上手くいってる」と言う。「直ぐに行きます」と電話を切って部屋を出ようとすると、ローハンは「ここは苦痛に満ちていた」と呟く。
*マーカスが居る仮設の制御室に駆け込んで詰め寄ると「君に全てを知らせない方が傑作になる」と言う。苛立ちながら「他に隠してる事は?」と訊いても「俺は局の要望に応えてるだけさ」と悪怯れずに言うマーカス。彼の視線はモニタに注がれている。事務室の扉を開閉させて、ローハンを廊下へと誘導。蛍光灯を明滅させ、ファンでカーテンを揺らす。
*『ローハン、何処へ行ってたの?寂しかったわ』と廊下に少女の声が響く。2階でボールを転がしてアビーの姿を見せると、更に上階へ。木馬の揺れる部屋では固定カメラだけではなくトニーが撮影もしている。彼はハンガーに吊るされた衣類の影に身を潜めている。ローハンが部屋を見回して背を向けると、シーツに隠れていたアビーが忍び寄り絶叫する。その時エマは事務室のモニタを見て、机の上からペーパーナイフが消えている事に気付く。これはジョージのケースと同じではないか?
*アビーに危険を知らせようとマイクを掴むエマ。マーカスとディックが慌ててそれを止める。しかしエマの悪い予感は的中し、ローハンは握り込んでいたペーパーナイフをアビーの胸に繰り返し突き立てる。血塗れで倒れたアビーに馬乗りになるローハン。更にナイフを振り上げようとすると、エマの声が響く。もうマーカス達も止めようとはしない。「止めて、ナイフを放して。危険はないわ、これは悪戯なの」
*ローハンは状況が分からず茫然としている。エマはアビーを助けるため駆け出そうとするが、マーカスが「危険だ」と腕を掴む。そこへアビーと同じ部屋で身を隠していたトニーが「マーカス、聞こえるか?ここから逃げ出したい」と助けを求める。その声はローハンにも届き、トニーは見付かってしまう。ハンガーから引き抜いたネクタイで、トニーの首を締め上げるローハン。
*モニタを注視するマーカス達を残して、エマはアビーの元へ。途中でガラスケースを叩き割り、ロボトミー手術用のピックを掴む。やがて惨劇のあった部屋に到着するが、トニーの死体だけが残されている。スピーカーからマーカスの声が聞こえる。『奴を見失った』と。アビーはどうなったのかと探していると『下を見るな』と言うマーカス。窓から見下ろすと、地面に投げ出されたアビーが居る。
*嗚咽するエマに、戻って来たローハンが接近する。イヤホンでマーカスの指示を聞き、ローハンとの接触を避ける。ローハンは過去にこの病院に勤務していて、患者でもあったらしい。それを知りながらローハンを標的にしたマーカスを非難するエマ。逃げ惑う内に、マーカスがモニタで追跡出来ない区域に足を踏み入れる。病院は広く、全てのエリアにカメラが仕掛けられている訳ではないのだ。しかしエマが居る廊下には、天井付近にカメラが設置されている。どう言う事なのか、マーカスにも分からない。
*やがてエマはスージーと合流。「アビーとトニーが殺された」と告げる。そこにローハンが姿を見せて、スージーの喉を切り裂く。エマを宥めながら、キッチンへと誘導するマーカス。キッチンにはJDが居る。エマが重い扉を必死に開けていると、ローハンが壁に設置されていた斧を掴む。間一髪でキッチンに滑り込むと、ローハンが背後の扉を斧で叩く。
*漸く一息ついて「アビーを守れなかった」と泣き崩れるエマ。JDは「君のせいじゃない」と慰める。『そうだ、あれは事故なんだ』とマーカスの声がすると、エマは我に返ってモニタに不機嫌な表情を向ける。「警察には電話したの?」『ヴィッキーに連絡したら、先に弁護士と話すから待てと言うんだ』エマは更に不機嫌になる。
*キッチンの外は静かになるが、代わりにモニタ越しに見える制御室がパニックに陥る。斧を手にしたローハンが、マーカスとディックに襲い掛かったのだ。エマが「通報したわ、もう誰も傷付けないで」とマイクを通じて訴え掛けるが、ローハンは血塗れの顔で笑っている。カメラの信号を切られ、もうこれ以上は説得を試みる事も出来ない。
*JDは車で逃げようと提案。2人は走ってバンまで無事に辿り着くが、キーが見当たらない。JDは「スペアキーを持って来るから待ってろ」と車を飛び出す。手術用ピックを握り込んだまま、緊張した面持ちのエマ。そこに後部座席に潜んでいたローハンが身を起こし「アガターさん」と話し掛ける。シートに掛けられたローハンの手を、咄嗟にピックで突き刺すエマ。彼女は車を飛び出して走る。
*車に残されたローハンは、フロントガラス中央に設置されたカメラに向かって「見てたか?」と声を張り上げる。カメラ越しに対応しているマーカスとディックは無傷で「ハプニングが傑作を生むと言っただろ」と笑っている。これが今回の企画で、ローハンは標的ではなく仕掛人の1人。本当のターゲットはエマなのだ。
*ローハンから「ロボトミー手術用のピックで刺された」と聞いて流石に不味いと顔色を変えるマーカス。しかし計画を止める訳にはいかない。JDに「エマが君を追い掛けてるから、アビーの所で隠れてろ」と指示を出す。勿論アビーも生きていて、離れた場所でタブレットを覗き込んでいる。
*ローハンは撮影を中断する事なく、自分の手当てもしようとしないマーカスに憤慨してカメラを切ってしまう。そして覚悟を決めてピックを引き抜く。痛みに呻いていると、カメラを構えた仮面姿の人影が接近する。カメラは青いライトを放ち、大きな刃物が装備されている。そちらに気を取られていると、ローハンの背後で別の仮面姿が身を起こす。隠れていたのは彼だけではなかったのだ。車内の仮面も同様にカメラを持っていて、ローハンの後頭部から刃物を突き刺す。刃がローハンの頭部を突き抜けて、先端が口から飛び出す。
*マーカスは演技を継続させるため、ローハンの説得に向かう。エマと遭遇しないよう、ディックに指示を頼んで部屋を出る。制御室では回線が不調なのか、モニタの画像が不安定だ。それを調整しようとしていると、エマがキッチンに到着。モニタに映る姿を見られてしまうディック。慌ててスイッチを切り替えるが、手遅れだっただろう。消沈しつつマーカスに報告しようとすると、それぞれのモニタに仮面姿の人影が浮かぶ
*「何者だ?」とモニタを凝視しているディックの背後にも、仮面姿の人影が立つ。口の辺りで頭部を一周するようにワイヤーを掛けられるディック。強い力でワイヤーが窄められると、口を境にして頭部が切断される。仮面姿がディックの死体を引き摺って行く。一方エマはキッチンに置かれたパソコンを操作して、共有されているファイルを開く。アビーやスージーが死体に仕立てられるメイキング、ローハンのリハーサルの様子を見る事が出来る。
*状況を理解したエマは、周囲に仕込まれたカメラを発見。「見てるんでしょ、傑作が台無しね」とカメラに向かって叫ぶ。「これでネット動画に負けるんだから残念ね、私は抜けるわ」とイヤホンをカメラに投げ付けるエマ。それを見守っているのはマーカスではなく、仮面姿の集団だ。
*バンに到達したマーカスは、ローハンの遺体を発見。通報しようにも携帯電話は圏外になっている。妨害されているのかもしれない。気が付けば仮面姿に取り囲まれているマーカス。マスクフリークスだと察して慌てて逃げ出す。建物の方へと戻ると、丁度外へ出て来たエマと出会す。マーカスは事情を説明しようとするが、エマは先ず平手打ちして彼に圧し掛かる。「ローハンは死んだ。俺達がマスクフリークスの標的になったんだ」と伝えても、彼女は本気にしない。
*やがて仮面姿の連中に取り囲まれても「これはJDかトニーなの?売れない役者?」と笑っていたが、相手の態度からどうやら本物だと理解するエマ。徐々に距離を縮められ捕まってしまうかと思ったが、通信で何らかの連絡が入った様子で、仮面姿達はそのまま立ち去る。マーカスはこのまま逃げようとするが、エマは「アビーを助けるわ」と譲らない。エマはアビーとJDの居場所を聞き出し東棟へ、已む無くマーカスもそれに続く。
*2人が駆け付けると、JDは既に息絶えていた。胸に刃物付きのカメラが突き刺さっている。録画を再生してみると、アビーが連れ去られてJDが刺される様子が映し出される。マーカスは「スパイが居る」と呟く。「何の情報もなく、奴等がここに来たと思うのか?」その時、マーカスの携帯電話に着信がある。『見てるぞ、撮影もしてる。我々を待ち受けよ』それは奴等の決まり文句らしい。
*エマが「アビーは何処なの?」と尋ねると、『彼女に会いたければ制御室に来い』と答える。マーカスは「奴等の餌食になるぞ」と消極的な態度だが、エマは「仲間を見捨てられないわ」と言う。「今までやってきた事への罰よ」「俺達は殺人者じゃないぞ、今回だって台本通りに撮影してただけだ」エマは会話しながら、ガラスケースから武器になりそうなものを物色、手動ドリルを掴む。
*制御室にやって来る2人。全てのモニタには、マスクフリークスのシンボルが映し出されている。回線は乗っ取られていて操作不能だ。その時、マーカスが出血している事に気付くエマ。しかしそれは彼の血ではなく、頭上から滴るものだ。見上げるとそこには、ずっと姿の見えなかったスージーが吊るされていた。両目から出血している。あの刃物付きのカメラを突き刺されたのだろう。
*狼狽える2人にトニーの声が届く。状況が分かっておらず「何が起こっているんだ?」と怯えている。こちらからの声は届かないため、マスクフリークスがワザと聞かせているのだろう。トニーに1人の仮面姿が迫る様子が、モニタに映る。そのカメラに装備されているのはチェーンソーだ。簀子状の壁に隠れていたトニーは、チェーンソーで無残に刻まれる。
*続いてモニタには、マスクフリークスのリーダーが映し出される。『犠牲者になってくれてありがとう。視聴者が求めているのは本物の闘争だ。これぞ新たなエンターテインメント、数字は嘘を吐かない』視聴者数や視聴率の事を言っているのか。マーカスが「局の差し金か?」と問い掛けると、仮面の男は『我々には局なんか必要ない。金も想像力も揃っている。今回はファンの企画を実現した』と嗤う。
*怯まず「アビーは何処なの」と訊くエマ。するとカメラが切り替わり、庭の様子が映し出される。エマとマーカスに助けを求めながら、無情にも箱に横たえられるアビー。蓋が閉められ、土が被せられる。箱の内部にもカメラが設置されていて、内部で泣き叫ぶ彼女の姿を捉えている。『何時間も生きられない、密閉されているからな。彼女に残されている時間は5分だ』
*2人は庭へと駆け出す。近くに居た仮面姿に指示が入り、2人を追う。途中で廊下の車椅子に仮面姿が接触し、その音で2人が振り返る。密かに追跡するつもりだったが仕方がない。仮面姿はカメラに装備した電動丸鋸を起動させるが、丸い刃が外れて床を転がる。已む無くカメラを手にエマに突進する仮面姿。しかしエマのドリルの方がリーチが長く、腹部に突き刺さる。
*倒れた敵の仮面を外すと、素顔はまだ若い少年だ。マーカスは動揺するエマを立たせて庭へ急ぐ。庭には土で埋まった木枠があり、中には箱がある筈だ。その場に投げ出されたシャベルで掘り起こし、アビーを箱から助け出す2人。マーカスは設置されたカメラに向かって「見てたか?俺達の勝ちだ」と宣言してカメラを叩き壊す。
*3人で逃げようとすると、それまで姿を見せなかったマスクフリークス達が現れる。アビーを助け出せれば自分達の勝利だと考えていたが、マスクフリークスのリーダーは「誰が助けると言った?ハッピーエンドなんか必要ない」と突っ撥ねる。拘束されるマーカス。リーダーはエマに接近し「お前は助けてやる事にした」と言う。「お前は進行役を演じていたに過ぎない」
*エマが「アビーとマーカスは?」と訊くと、マスクフリークスは「どちらか1人を連れて行って良い」と答える。エマはマーカスに最後のキスをすると、アビーを連れてその場から立ち去る。仮面のリーダーは背後から「見てるぞ、撮影もしてる。我々を待ち受けよ」とお決まりの台詞を言う。バンに乗り込む2人。エマは警察を目指すつもりだ。
*一方マーカスは手足を縛られ、ストレッチャーに横たえられている。殴られて気絶していたが意識を取り戻すと、自分に向けられているカメラに「残酷さで気を引くだけで、こんなのは創造じゃない。トリックや意表を突く展開はあるのか?」と捲し立てる。すると仮面姿がモニタを見せる。写っているのは箱の中のアビーの姿。呼吸出来ずに苦しみ、意識を失う。そうなる前に助け出した筈なのに。
*やがて「カット」の声が掛かり、アビーは「もう一度やらせて」と申し出て演技を再開する。スパイが居ると感じたのは間違いではなかったのだ。「なかなかのオチだ」と諦めの表情を浮かべるマーカス。ストレッチャーに乗せられたまま運ばれる先は、燃え盛る焼却炉だ。彼は生きたまま、その中へと押し込まれる。
*エマは漸く町へ近付いている。ふと見上げると、運転席上部に小さなカメラが設置されている事に気付く。青いライトが光っていて、録画中らしい。今回は自分が標的だったため知らない場所にカメラがあっても不思議ではないが、スケア・キャンペーンのカメラは全てマスクフリークスの支配下になった筈だ。エマとアビーが乗り込む前に、マスクフリークスの一員がバンの確認もしていた。するとこのカメラは何なのか?エマは戸惑い、カメラと助手席のアビーを交互に見詰めた。

■雑感・メモ等
*映画『スケア・キャンペーン』

*レンタルにて鑑賞
*恐怖売ります系ホラー。[恐怖]を商材とする集団・刺激を求める客・究極の恐怖はリアルでの死…と言う展開は些かお安い印象。映画と言う虚構の中で、虚構の死とリアルな死を描き分けるのもなかなか難易度が高いよね。
*80分弱と言う尺は優秀。導入部分は特にテンポが良い。中盤はドッキリ番組として導入の繰り返しにもなるので少々退屈。そこへ殺人鬼が投入される訳だけど、終盤まで先が読める展開。オチも弱いけど、あの余韻は嫌いじゃない。
*ヴィッキーがプロデューサー・マーカスはディレクター・ディックは音響その他機器類担当・JDはメイクや小道具に企画・スージーは衣装係兼役者・トニーはカメラマン…て感じかな。ローハン役の本名はトレント。アビーは殆どの場面で幽霊メイクしてるからどうにも可笑しい。
*マスクフリークスがあの動画内容で「資金力のある世界的な組織」と言うのが解せない。因みに着用してるマスクは不揃いで、悪魔系・動物系・麻袋系等色々。カメラに装備されてる武器も、刃1本・2本・電動等様々。文章では分かり難いけど、ローハンが手の甲を刺された時とラストではカメラの位置が違う。仮面怪人の台詞からすると、単なるスパイと言うよりはアビーの持ち込み企画だったと思われる。
*序盤の施設、白衣のスージーも居たから病院と記載したけど2回連続で病院を舞台にするかなと言う疑問が。設定上は警察関係の施設とかなのかも。
*終盤エマが持つ武器代わりの手術器具?も名称不明。中央に回転しそうな刃があったからドリルと言う事にしたけど、他にもあれこれ付属していて回転というよりは掴むような動きをするんだよね。