ザ・シャッフル | m-memo

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ネタバレだらけの映画メモ。

忘れ易いので自分用にメモしてます。
ネタバレ部分は詳細を記載することもあれば、
二言三言のこともあります。

 

■あらすじ

閉鎖された倉庫の中、4人の登場人物。そこでは大金の受け渡しが行われようとしている。場面は代わり、テーブルに着く4人。ポーカーのカードが配られるたびに彼らの運命における立ち位置がシャッフルされ、そのたびに事態は違う展開を迎えていく。 同じシチュエーションで、もしも人物だけが入れ替わったら?小さなすれ違いが展開を大きく変えていく、実験的シチュエーション・スリラー。(メーカーサイトより)

 

■ネタバレ

*「運命がカードを決める。だが、勝負するのはあなただ」

*色のない架空の世界、何処とも分からない場所でポーカーをする4人の男女。ゲームが終わると再びカードが配られ、次のラウンドが始まる。その度にそれぞれの立場が変わる。売人とその仲間、取引相手と警察官…彼等は倉庫で毎回違う役を演じる。自分以外の面子は、いつもリンゴを齧っているお喋りな髭面の男・几帳面で融通が利かないスキンヘッドの男…ベンは勝負の相手を強かな美女だと考えている。
*売人の仲間:ベン・ボルクマンは売人の仲間だ。彼は足を洗う事を望んでいる。ある夜、髭面の売人はリンゴを齧りながら「15分経っても俺が戻らなければ入って来い」と言い置くと、1人で取引場所の倉庫へと消える。無事に取引が済んで大金が手に入れば、ベンは帰路で相棒を殺して高飛びしようと考えている。今夜の取引相手は正体不明の美女ミラだ。売人が無駄口を叩く中、取引は進む。やがて倉庫で身を潜めていたスキンヘッドの警察官エリックが物音を立ててしまい、ミラは売人の仲間が中に居るのだと疑う。売人に銃口を向けて椅子に座らせると、頭を掴んでテーブルに叩き付けるミラ。気絶する売人。彼女は周囲を警戒するが背後を取られ、エリックに銃口を向けられる。更にその背後から、覚醒した売人が発砲してエリックが倒れる。しかしエリックは絶命しておらず、売人も撃たれてやがて2人は動かなくなる。ミラは金と物が入った鞄を両方手にして倉庫から出ようとするが、そこにはベンが待ち構えていた。銃を手に「鞄と銃を置いて奥へ戻れ」と命じるベン。彼女は指示通りにゆっくりと前方へ進む。扉が閉まる音にミラが振り返ると、ベンも鞄も消えていた。
*警察官:取引現場となる倉庫に身を潜める警察官ベン・ボルクマン。やがて髭面の男がリンゴを齧りながらやって来る。彼はその後到着したスキンヘッドの売人エリックを「遅刻だ」と非難するが、エリックは「俺は時間通りにやって来た」と主張する。やがて取引が始まるが、妨害されているのかベンの携帯電話は繋がらず応援を呼ぶ事が出来ない。単身、2人に相対するベン。銃口を向けて手錠を掛けると、エリックの携帯に着信がある。登録名はミラ。順調だと伝えるよう促すが、ミラはベンと話がしたいと言う。既に彼女は隙を突いて倉庫に侵入しており、死角からベンに向けて発砲する。已む無くベンは電話越しの命令に従い、銃と携帯を捨てて床に俯せになる。その時、リンゴの男が自分の背後にあった照明のスイッチへ体当たりして倉庫が闇に包まれる。混乱の中、鞄や銃を確保するベン。今度は携帯も繋がり、応援を要請する。一方、手錠の外せないリンゴの男は声を張り上げ、ベンに向かって「手を組もう」と訴える。ベンは反応しないが、ミラが接近してリンゴの男を射殺。ベンは広い場所へ躍り出ると、ミラに「姿を見せろ」と呼び掛ける。それを聞き入れたミラが現れて、2人は銃口を向け合う。警察官であるベンが安易に発砲しないと踏んだミラは、身を隠している仲間のエリックを呼ぶ。手錠を掛けられたままのエリックが現れると仲間へ銃口を向け、ベンに対して「金を渡さないと彼を殺すわ。死体を増やしたくないでしょ」と脅す。そこへ応援のサイレンが近付いて来る。ミラは金を諦めて逃げる事を選び、笑みを浮かべてウインクすると姿を消す。彼女を追おうとしないベンを咎めるエリック。一層近付くサイレンを聞いて「そんなに遠くへは逃げないさ」とベンは答える。

*正体不明の取引相手:強大な組織の一員であるベン・ボルクマンは、大金を持参して取引場所である倉庫へやって来る。彼の正体は潜入捜査官だ。捜査は実に7ヶ月に及んでいる。売人である美女ミラが姿を見せ、やがて無事に取引は終了。ミラが立ち去ろうとすると、身を潜めていた髭面の警官が彼女を拘束する。署へ連絡しようとする警官。「俺も警官だ、通報されたら潜入捜査が無駄になる」と必死に訴えるベン。しかし警官は納得出来ない様子だ。ミラが必死で肘鉄を繰り出して拘束から逃れると、ベンは咄嗟に警官に向けて発砲する。倒れた身体を見下ろしていると、まだ絶命していなかった警官がベンに銃口を向ける。ベンは更に撃ち込み止めを刺す。本来仲間である筈の警官を射殺して、ベンは些か混乱する。彼はミラに協力を求め、2人で死体を運び出そうとする。そこへミラの仲間エリックがやって来る。状況が分からないエリックは、ベンに銃を捨てるよう命令。ベンは「協力して逃げよう」とミラに持ち掛けるが、彼女はこれを拒否。「あなたが私の立場なら協力した?助けてくれた?」問い掛ける彼女の背後から仲間である筈のエリックが発砲して、彼女の血飛沫がベンに降り掛かる。「答えはイエスだ。彼女を助け、彼女を逃がしただろう。しかし、彼女がその答えを知る事はない」と考えるベン。彼もまた背後からエリックに撃たれてしまう。
*次のラウンドはない。ベンの正体は潜入捜査官。倉庫での出来事は、架空のポーカーゲームとは違って現実に起こったのだ。ベンは美女に惹かれて、勝負の相手を見誤った。勝者はスキンヘッドの男1人だけ。倉庫の床には3人の死体が転がっている。

■雑感・メモ等

*映画『ザ・シャッフル』

*レンタルにて鑑賞

*ドイツ製のシチュエーション・スリラー

*予備知識なしで手に取り「同じ場面で人物だけが入れ替わる」と言うのが面白そうだなと思ってレンタル。

*2番目のエピソードでミラとエリックの名前が出るのでそれを採用したけど、他のエピソードではベン以外の名前は出てこない。制作会社のサイトやIMDbを見ても名前の記載はなし。

*エピソードの前後にポーカーの様子が挿入されて、倉庫での出来事がゲームでの駆け引きに重ね合わされると言う構成。4つの役柄が存在する設定なんだから、4つのエピソードを入れて欲しかった。エピソード3つ、状況は同じで変化に乏しい倉庫の中…となると73分と言う尺でも間延びして長く感じてしまう。

*最初のエピソードでの勝者はベン、2番目は(金は確保して1人は逮捕したものの)勝ったとは言い難い。そして現実に起こったのは最後のエピソード。死の直前の妄想…と言う感じなのかな。キャラクターによってお話がもっと劇的に変化すれば楽しかったかも。