ザ・ベイ | m-memo

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ネタバレだらけの映画メモ。

忘れ易いので自分用にメモしてます。
ネタバレ部分は詳細を記載することもあれば、
二言三言のこともあります。

 

■あらすじ
メリーランド州チェサピーク湾にある、昔ながらの海辺の町クラリッジ。そこでは、水こそが地域の原動力となっている。ある日、2人の海洋学者は湾の水に驚くほど高濃度の毒性があることに気づく。彼らは町長に警告するが、静かな町にパニックを起こすまいと町長はそれを無視する。7月4日、町は独立記念日を祝うカーニバルムードに包まれ、たくさんの人々の笑顔で溢れていた。しかし、その風景は一瞬にして惨劇へと変わる。チェサピーク湾に疫病が発生。人々は精神を、ついには体中を蝕んでいく突然変異した寄生虫の餌食となる―!(メーカーサイトより)

 

■ネタバレ
*機密情報リークサイトによって、国に押収されていた映像が公開される事になった。カメラの前のドナ・トンプソンが、当時の映像が流れるモニタを見ながら[事件]を語る。2009年 大学でコミュニケーション学を専攻していた彼女は、メリーランド州クラリッジでの7月4日独立記念日の催しをリポートしていた。

*複数のカメラに様々な人々が映し出される。まずはジョン・ストックマン市長。元は掃除機店を経営していたが、選挙に立候補したら大勝した人物だ。マーティとヘレンのワイコフ夫妻は、地域活動に積極的だったが家族揃って死亡した。蟹の被り物をした女性は「ミス甲殻類になるのは女の子の夢よ」と笑う。クラリッジは1903年に漁師が設立した町で人口6200人。養鶏業が盛んで、夏場の観光客も大きな収入源だ。事件の兆候は既に6週間前にあった。

*6月18日付/自然資源局所有の映像:チェサピーク湾で、汚染状況を調べていた2人の海洋学者の遺体が発見された。それぞれクストー財団とメリーランド大学に所属しており、調査を記録して映像を環境評議会に送っていた。遺体にはサメに噛まれたと見られる跡が残されていた。水質検査の結果によれば、チェサピーク湾は水銀が基準値を越えている。不法投棄されたPCBや有機リン酸エステル類・環境ホルモン・バイアグラ・エストロゲン・DDT等も検出されている。
*5月27日クラリッジでの昼食討論会:養鶏所からの糞による汚染を気に掛ける人々と、開発を促進したい人々の議論の様子。海水淡水化施設によって湾の水が濾過され、住民の飲み水になり、養鶏所でも使われている。有害な物質は全て取り除かれていると考えられていた。カメラの前で水を飲む市長。
*一般家庭のプライベート映像:血塗れで「身体が変なの、主人は何処なの」と泣き叫ぶ女性。プールでは子供も泣き叫んでいて、それぞれ皮膚が爛れたようになっている。蟹の大食い大会会場では参加者達が嘔吐している。メープル通りの住人は「隣家の女性が大変な事になっている」と救急へ電話を入れて、窓越しに撮影もしている。
*警察車両搭載のカメラの映像:運転しているのはジムソンで、助手席には相棒で保安官代理のポールが座っている。ジムソンの結婚式ではポールがベストマンだった。2人はドライブスルーに寄る寄らないの話をしている。12時42分、最初の死体が発見される。住宅街の道端に倒れる白人男性を警官が調べる。別の場所では、内蔵を引き裂かれ舌を切られている女性の死体が見付かる。夫の行方は不明。

*携帯電話のビデオ通話:友人と話すジェニファーと言う少女。腕や足には酷い水泡がある。通話履歴によると他は誰にも繋がらず、1日中その友達と話をしていたらしい。「両親は行き先も告げずに出て行った」と話す。
*同時多発的にトラブルが発生し、町は混乱に陥る。一方、町の外部からはアレックスとステファニー、そして赤ん坊アンドリューのタルメット一家が船でクラリッジに向かう。記念日の花火が目的だった。アレックスは歯科医、ステファニーは弁護士だ。
*アトランティック病院救急外来の主任内科医であるジャック・エイブラムス先生は、似た症状の患者が多く来院するためカメラで撮影する事にする。エイブラムス医師はこの日350人を越える患者を診察して、その日の夜に死亡した。患者の肌には、身体中のあらゆる場所に水泡や炎症があり、症状には痛みを伴う。何らかの細菌の集団感染と考えるエイブラムス。その時点で少なくとも30人の患者が待合室に居る。CDCの伝染病担当ウイリアムズと話をして、似た症例のリストを送ってもらう事になる。
*5月/科学者達のカメラ映像:工業用内視鏡で感染した魚の咥内を映すと、寄生虫の幼虫が確認出来る。呑み込まれた卵が体内で孵化したものだ。この報告は市長に送られたが無回答だった。
*CDC宛のメール添付映像:「この生物は足を食べ続け、全て食べ尽すと上部に移動して生殖腺に入ると推測される。寄生虫の2つの特徴が見られる。1つは外から食い破って人体に侵入する。それが皮膚の損傷を引き起こしている。もう1つは体内を食い荒らす性質。この病原体の解明をお願いしたい」医師の言葉に、CDCの職員は茫然とした表情や苦い表情を浮かべる。
*ラジオでは市長のインタビューが流れる。コメントを求められるが無難な答え。「奇妙な噂話で恐怖を煽らないように」と話す。過去の科学者の映像では「農場から肥料が海に流れ込み、有害な物質の濃度が高くなっている」と話している。
*6月2日/科学者の映像:喰い千切られたような状態の魚達。舌がない魚も居る。「湾の40%では生物が棲めない」と言う科学者。
*クラリッジの入り江、少女デニーズと恋人の映像:水に飛び込むデニーズ。「クラゲに刺されそうだから嫌だ」と笑う彼氏。彼女が叫び声を上げると恋人も慌てて飛び込むが、デニーズは叫び続ける。映像はそこで途切れている。カメラは事件の1ヶ月後に海岸で発見された。2人の遺体は見付かっていない。
*船のアレックスとステファニー:水に落ちて「ちょっと水を飲んだ」と言う夫。妻は船上にいる。
*エイブラム医師の映像:患者の数は60人までに増えている。舌を損傷している患者が3人。肉体が損傷している患者について「メチシリンは投与したか」と確認するCDC職員。「投与したが無反応、寧ろ悪化している」との返事。原因は真菌か細菌かもしれない。
*6月10日/科学者の映像:エラに寄生虫が付いている魚を調べる。ワラジムシの一種らしい。更に奥には突然変異らしき黒い大きな虫が見える。「生きた魚の肉を食い荒らす、この生物の生態が理解出来ない」と唸る科学者。その映像は市長と評議会に送られたが共に無回答。
*医療情報サイトに送られた動画:午後3時17分、何が起こっているのか分からず怯える男性。痛みを訴えてシャツを捲ると、腹の中で何かが蠢いているのが分かる。
*2年前のニュース映像:海に入っただけで感染するビブリオ・バルニフィカスと言う細菌の話題。それを見るCDC職員達。死に至るか手足を失う危険がある。似ているが今回のケースは更に酷い。「何の仕業だと思うか」と周囲の職員に投げ掛ける担当者。
*ステファニーに繋がらなかった電話:午後4時18分、母からの電話。父が手術中だと伝えている。「伝染病のせいで脚を切断する事になりそうだ」と。「船を降りないで」と母は言う。「私も感染している。住人の多くは恐らく助からない。でも愛している事を忘れないで」
*あらゆる可能性を検討するCDC。しかし結論は出ない。病院では脚を切断しても症状の広がりが止まらない患者が居る。混乱は更に広がる。
*カメラマンのジム・ウェイト:疲れたからと、子供用プールの水で顔を洗う。彼がカメラに写るのはその時だけだ。彼はその晩死亡した。
*YouTubeに投稿された映像:町から逃げ出そうとする人々の姿。しかし橋は3日間閉鎖され、町から出られた人は居なかった。苦痛に呻く声があちこちから聞こえる町。怯えるドナ。
*警察車両の映像:通報を受けて出向いた家に、ジムソンが足を踏み入れる。銃声が聞こえ、援護に向かうポール。音声はデジタル処理されている。「撃ってくれと頼まれた」と言うジムソン。住人の身体から這い出たものが、彼らの身体にも入り込む。また銃声が響く。
*沿岸警備隊が受信した無線通信:クラリッジ方面の道路が全て封鎖されているため空路で現状調査に向かっているが、海上に無数の魚の死骸が浮かんでいる。見渡す限り、一面の魚。
*CDCは学名キモトア・エクシグアが原因だと推定する。太平洋に住むワラジムシの一種で、最近は大西洋でも発見されている。幼虫の段階で濾過装置を通ったのではないか。
*6月16日/科学者のビデオレポート:海に潜って寄生虫の実態を調べている。その映像を見ながら「完全に成長した寄生虫の群れに遭遇した」と説明するドナ。幼虫や小型の物とは別の大きなものだ。当局がこの映像を見ていないのか、敢えて公表しなかったのかは謎のままだ。
*7月4日8時58分の映像:すっかり暗くなった町。人の気配を求めて歩くドナ。血溜まりを発見して恐る恐る覗き込んでいると、上から血が滴り落ちてくる。そこには死体があって、ドナは泣き叫びながら駆け出す。
*鶏が成長に6ヶ月掛かるところを42日に短縮するステロイドがあり、寄生虫が60倍にまで成長する可能性がある。CDCが医師に伝えた最終的な判断は「スタッフと共にそこから逃げるように」との内容だった。職員は20分前に既に退避している。「見捨てて逃げろと言うのか」と絶望し、混乱する医師。
*電話を切りたくないと怯えるジェニファー。しかしついに回線が途絶える。
*9時3分:船着き場に到着するアレックスとステファニー。水面には沢山の魚が浮いている。
*ジムソン達とは別のパトカーの車載カメラ:市長と保安官の会話。「知事から非常事態宣言を発令すべきか尋ねられて、数時間待ってくれと返事をした」と話す市長。予防策として、州兵に周辺の町への道を封鎖させた。防護服の集団が町へ入って来たら大混乱に陥る。マスコミもまだ騒いでいない。「女子大生がカメラマンと彷徨いているが、彼女のブログはFBIが閉鎖した」とも言う。これはドナの事だ。一方、警官の誰からも連絡がない。30分前から連絡が途絶えた。「携帯電話が使えないように電波塔を停止させたが、無線には影響がない筈だ」と市長は訝る。
*血で汚れた顔を噴水で洗おうとするドナ。その近くにも顔を破壊された人間が転がっている。死んでいるかと思われたが、その眼球だけが動く。ドナは絶叫して駆け出す。その様子をモニタで見ながら「これが取材映像の最後のもの」と語るドナ。
*9時26分:クラリッジに上陸するタルメット夫妻。静かな波止場。「花火は終わったのか?」と言うアレックス。ドナは「2人がクラリッジに到着した時には、既に700人が死亡していました」と言う。アレックスとステファニーが歩き始めると直ぐに、人が倒れているのを発見する。幾つもの死体が転がる町。開いているが人影のない店で落ち着こうとする2人。アレックスは誰かを探そうとし、ステファニーは固定電話を探そうとする。
*11時1分/パトカーの映像:「無線を切っているだけだろう。大丈夫、きっと見付かる」と言う市長と「俺をからかっているならクビだな」と返す保安官。夜の町をパトカーで走る。他に車は走っていない。やがて車と、覚束ない足取りのジムソンを発見。ジムソンは混乱しており顔は血塗れ、銃を手にして「帰れ」と叫んでいる。「病院に連れて行く」と言う保安官。「どうせ死んでしまう、肉を食われている」と市長は止めるが、保安官は車を降りて説得しようとする。結局保安官は撃たれ、更にジムソンは自分の頭を撃って自殺する。茫然とする市長。
*町に転がる死体の中には、ミス甲殻類のものもある。アレックスとステファニーが居るのはアンティークショップだろうか。やがて町の外に居るビルと、ネット通話が繋がる。必死に助けを求める2人。ビルは事態が把握出来ず「何があったんだ?首をどうした?」と聞く。気が付けばアレックスの首に水泡が出来ている。
*7月5日0時1分:エイブラムス医師が院内の様子を映す。病院は赤い非常灯が灯っているだけの状態だ。CDCにはもう通話を拒否され、救助は見込めない。院内には無数の死体がある。一連の騒動は感染症等ではなく、寄生虫の仕業だった。症状として皮膚に水泡等が現れるが、それ自体が命を奪う事はない。ワラジムシの一種である橈脚類、これが人体を食い荒らす。「45分前に発疹に気付いた」と服を捲り上げる医師。「この映像を見付けた人は公表して欲しい」と訴える。
*1人になり車で町を走る市長。暫くは他の車は見えなかったが、交差点で衝突事故に遭う。通常なら市長の死は回避可能だったが、町には出動出来る救急医療班が居なかった。
*アレックスの呻き声。「体の中で何かが動いている」と言う。激しい痛みに苦しみ、火かき棒で殺して欲しいと懇願する。アレックスの首から虫が這い出し、叫ぶステファニー。「アレックスは午前1時26分に死亡。彼が湾に落ちた時に飲み込んだ寄生虫の幼虫は、8時間で完全に成虫になったのです」と説明するドナの声。
*国土安全保障庁とCDCの担当者の会話:チェサピーク湾で発見された2人の科学者の死体について。当初はサメの仕業と思われたが、検視官がそれを否定。多種多様の寄生虫と病原菌が原因だと結論付けた。国土安全保障庁ではもっと早い段階でそれを把握していたらしい。しかし些細な問題で湾を閉鎖し、遊泳・釣り・飲食店の営業を禁止するのは困難だ。対策機関を設置したと分かれば世間はパニックに陥る。上層部の承認がない限り、湾の封鎖は不可能だった。
*ステファニーは赤ん坊を入れたベビーキャリーを手に、乗り捨てられたパトカーに乗り込む。後部座席に居た血塗れの女が「助けて」と手を伸ばす。泣き叫びながら必死で振り払うステファニー。彼女が車を降りて助手席に回り込む間に、寄生虫が女の体内から這い出してベビーキャリーへと入り込む。そうとは知らずにステファニーは、赤ん坊を抱えて人の気配のない町を歩き出す。
*ドナは言う。「5時30分頃、防護服の集団と州兵がやって来て町を3日間閉鎖しました。その時、全てのカメラが押収されたんです。生き残った人々も居ました。町はその後、政府と財政協定を結んだ。どの程度の金額が動いたかは不明ですが、[沈黙]が協定に盛り込まれたのは確か」ステファニーに依頼したが、この映像作品への協力は断られた。クラリッジ海峡に大量の塩素が投入され寄生虫は全滅したが、チェサピーク湾の40%には今も生物が居ない。「公式見解における集団感染の原因は『平年以上の高水温』でした。以上、ドナ・トンプソンでした」

■雑感・メモ等
*映画『ザ・ベイ』

*レンタルにて鑑賞
*ファウンドフッテージ形式のモキュメンタリーホラー

*ネタバレについてもう少し上手くまとめられないかと思ったんだけど(例えばカメラ別にしてみるとか)映るのが一度きりの人なんかも多くて、結局見たまま書くしかなかった。

*分かり難いけど、ウイルスによる感染症ではなく変異した寄生虫だよと言うのが肝。なんだと思う多分。絵面的には目新しさはないけど。汚染された水が感染源と言うのも怖い部分かな。
*POV系は結構見ている方なんだけど、ここまでカメラの数が多い作品は珍しいかも。町全体を襲った事件が題材だから、監視カメラやドライブレコーダーの映像等を盛り込むのは妥当だと思うけど、その分POVらしい不自由さは薄い。