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ネタバレだらけの映画メモ。

忘れ易いので自分用にメモしてます。
ネタバレ部分は詳細を記載することもあれば、
二言三言のこともあります。

 
■あらすじ
級友のバースデーパーティの帰り、車に乗った3人の女子高生。見知らぬ男が乗り込んできて、3人は眠らされ拉致監禁される。目を覚ますとそこは殺風景な密室…彼女たちはその後、信じがたい事実を知る。ドアを開けて入ってきた男はさっきとは違う異様な雰囲気で、姿を現す度に異なる人物に変わっていた― なんと彼には23もの人格が宿っていたのだ!そして、さらに恐るべき24番目の人格が誕生すると、彼女たちは恐怖のどん底に。3人 VS <23+1>人格。果たして、3人は無事に脱出できるのか!?(公式サイトより)

■ネタバレ
*ケイシーは高校で頻繁に先生に逆らったり居残りをさせられたりしており、家出を繰り返しているとの噂もあった。親しい友人は居ない。クラスの女子で彼女だけが参加しなければSNSで叩かれるだろうと考えて、クレアは自分の誕生会にケイシーも誘う事にした。ケイシーは1人でぽつんと座っているだけで会話にも加わらないが、どうにかレストランでの食事は無事に終わる。保護者である叔父の車が壊れたためバスで帰ると言うケイシーを、クレアの父が送って行くと申し出る。クレアと仲の良いマルシアも一緒だ。
*父がトランクに荷物を積み込んでいると、近寄って来た男に襲われる。既に車に乗り込んでいたクレア達は気付かない。サイドミラーで荷物が散乱しているのが見えてケイシーは異変を感じ取るが、行動するより早く見知らぬ男が乗り込んでくる。事態が飲み込めないクレア達は「あなた、車を間違ってるわ」と男に言うが、彼は間違った訳ではない。自分はマスクを着けると、3人に薬品を噴き付けて気絶させる。
*見慣れない地下室へ運ばれる3人。ベッドが2つ並んだ部屋で、新しく作り付けたらしい洗面所もある。マルシアが男に連れ出されそうになり、ケイシーは「オシッコしちゃえ」と耳打ちする。男が自分の触れる場所を逐一拭いているのを見て、潔癖症だと察したためだ。お陰でマルシアは、直ぐに元の部屋へ戻される事になった。男はマルシアに踊る事を要求したと言う。
*半年間空手を習っていたと言うクレアは、何とか男を撃退しようと提案。しかし、彼はマルシアを軽々と運んでいた。細身だが腕力はありそうだ。クレアとマルシアは男を倒す事に前向きだが、ケイシーは容易ではないと考えて慎重な態度だ。
*ドアの隙間から、僅かに外の様子が見える。隣の部屋には今、男の他にパトリシアと言う女性が居るらしい。スカートが見えて2人分の声が聞こえ、ケイシー達3人について話しているようだ。助けを求めて叫ぶとパトリシアが部屋に入ってくるが、それは男がスカートに着替えただけの姿だった。男は解離性同一性障害なのだ。しかも、彼には23もの人格があった。
*男はファッションに興味を持つリーダー格の[バリー]として医師フレッチャーと面談をする。予約日はまだ先だったが、深夜に「直ぐに会いたい」といずれかの人格がメールをしたためだ。「不安定になっただけ、朝になったら元気になったわ」と誤魔化してその場をバリーとして遣り過ごすが、実際には医師が過去に会った事がない人格[デニス]だった。外に出るためには[照明]が必要だが、本来デニスは照明を得られない筈だった。女を裸で躍らせたがるからだ。
*フレッチャーの主張は少数派で、理解が得られない事も多い。少しでも情報を発信しようと、今日もパソコン越しに海外の大学に向けて事例を話している。「特定の人格で、コレステロール値が上昇したり蜂のアレルギーが出たりする。人格によりIQや体格も異なる」「違う人格が同時に出現する事もある」「彼らは苦悩を通じ脳の潜在能力を解放したのかもしれない」「これが未知と呼ぶものへ至る道ではないか。所謂[超能力]は彼らに由来するのでは?」
*自分の住居へ戻ると、デニスはケイシー達に「お前らは[聖なる食糧]にするために連れて来た。だからもう手は出さない」と言う。困惑して「犬の餌にでもするつもりなの?」と呟くマルシア。やがて、9歳の少年ヘドウィグと言う人格も現れる。「[あいつ]が近付いてる。デニスさんは女の子を4日間追跡して、彼が求めてるのはこの2人だって言ってた」と話すヘドウィグ。これはどうやらクレアとマルシアの事だろう。元々狙っていたのが2人だったために、この部屋にはベッドが2つしかないのだ。ケイシーは「あいつが今回は男を求めてるから、君を渡すって聞いた」と嘘を吐き、ヘドウィグを怯えさせる。「私達はあなたのお守り役として連れて来られたのよ。テレビを見せてごちそうを食べさせる。ここから早く出ないとあいつが来るわ」と畳み掛けるが「駄目だよ、[上の人]に内緒でここを安全に変えたから、外には出せない」とヘドウィグは行ってしまう。
*ヘドウィグの言葉から、何かを塞いだのではないかと考える3人。まだ白く新しい洗面所の壁や天井を叩く。音の違う部分の壁紙を剥がすと天井に通気口があり、クレアはそこから逃げ出す事に成功。狭い通路を走るが、デニスが背後に迫る。通路の途中に置かれているロッカーに身を隠すも息を殺しきれず、直ぐに見付かってしまうクレア。潔癖症のデニスは汚れたセーターを脱ぐようにクレアに指示をする。ケイシーは上着、マルシアはスカートを取り上げられた。クレアは1人倉庫に入れられて、外からスライド式の鍵を取り付けられてしまう。元の部屋の天井も再び塞がれる。
*パトリシアが食事を運んでくる。「もう少しマシな場所で食事しましょう」とダイニングへ案内されるケイシーとマルシア。「クレアも一緒に」と頼むがそれは聞き入れられない。パトリシアは2人に背を向けてサンドイッチを作り始める。マルシアはケイシーの制止を聞かず、パトリシアを椅子で殴って部屋から逃げ出す。反対はしたが手助けしようと、テーブルでパトリシアの行く手を塞ごうとするケイシー。しかし大して時間稼ぎにはならなかった。包丁を握ったパトリシアに「部屋に戻って、ドアを閉めて」と命令され、それに従うしかない。
*マルシアは別の部屋に逃げ込んだが、それ以上は先に進めず武器になるようなものもなく、クレアと似たような倉庫に閉じ込められる。1人で元の部屋に残されたケイシーを「お前等は別々に監禁する。もう直ぐ[獣]がやって来るぞ」と脅すデニス。うんざりした様子で、パン屑だらけのグレーのシャツを脱ぐよう促される。上半身は下着と、白くて薄いシャツだけが残っている状態だ。
*眠っているとヘドウィグがケイシーのベッドに入り込んでくる。嘘を吐いて怯えさせた事を咎められて謝ると、バリー・デニス・パトリシア・ビースト等の事を話してくれる。バリーが照明を支配していたが力を失った事・デニスとパトリシアはビーストの存在を信じている事・自分は照明を取るのが上手いため2人の仲間に入れてもらった事。ビーストに会った事はないらしい。
*マルシアを指して「本当は黒髪の子が良かったけど」と前置きした上で、キスをしたいと言うヘドウィグ。彼はCDでカニエ・ウエストの曲を流して踊るのが好きだと言う。デッキは窓際に置いていると話したため、そこから逃げられないかと考えるケイシー。「君のダンスが見たい、出来れば音楽も聴きたいな。内緒で部屋へ連れてってくれない?」と頼むが、また騙そうとしているのではないかと疑われる。ケイシーは「秘密を話すから、嘘を吐いているかどうか考えて」と言い「私は学校でワザと問題を起こしてるの。居残りさせられたら、皆と離れて独りになれるから」と話す。それは本当の事だ。話を聞いたヘドウィグは、ケイシーの行動を理解出来るかどうかは別として、嘘ではないと判断したようだ。ケイシーに「部屋で良いものを見せる」と約束するヘドウィグ。ただし、デニスの用事が済んでからだ。最近ヘドウィグが寝てしまうと誰かが助けを求めるメールを送信してしまうため、その度にフレッチャー先生に取り繕う必要がある。
*今日もデニスはバリーとしてフレッチャー先生のカウンセリングを受ける。洋服の事ばかり20分も話し続けたが、バリーではない事はもう隠せなかった。フレッチャーは、高校生が校外学習で彼の職場にやって来た時の話を思い返す。2人の女子高生が彼の手を掴んで自分達の胸に触らせ、笑いながら去って行った。一種の度胸試しみたいなものだ。彼は数日怒っていたが、その時フレッチャーが話をした人格は平気だと言っていた。しかし、実際には幼少期の虐待の記憶が呼び起こされていたのだろうとフレッチャーは推察する。そして、皆を守るためにデニスが現れた。抑えられていた人格に照明が与えられたのだ。
*デニスとパトリシアは他の人格に[ビースト]の話を聞かせていた。それは作り話で、怖がらせているだけだと説明したフレッチャー。デニス達の話によれば、ビーストは僅かな凹凸があれば垂直の壁も登る事が可能で、皮膚はサイの肌のように厚くて丈夫だと言う。彼らの本来の人格は[ケビン]と言う。ケビンにデニスが必要な事は理解出来る。強くしっかり者で、人に利用されたりはしないから。フレッチャーはケビンのフルネームを唱えればケビンを呼び戻す事が可能だが、そうはしないと話す。他の人格全てが混乱に陥るからだ。「あなたは悪い人じゃない、あなたは必要だった。皆が照明を得るべきで、誰も傷つけたくはない」
*最初は否定していたが、それを聞いて観念したデニスは自分がバリーでない事を認めて話し始める。他の人格達は自分達を[群れ]と呼んで笑い者にした。でもケビンを守ろうと頑張っている、認めて欲しい。人格はそれぞれ椅子に座っていて、互いに会う事が出来るが、ビーストは住んでいる世界が違う。ケビンの父親が列車で去ったため、車両基地に住んでいる。しかし、フレッチャーは「ビーストに会えないのは[人格]ではないからよ」と話す。ビーストは[24人目]ではない、実在しないのだと。デニスは、フレッチャーの言葉に黙り込む。
*デニスが地下室へ戻るとヘドウィグが現れ、約束通りにケイシーを自分の部屋へ誘う。彼が「窓際」と言っていたのは絵に描いた窓の事で、部屋が外に面している訳ではなかった。失望を隠せないケイシーに「やっぱり逃げるつもりだったの?」と不満気なヘドウィグ。形振り構わず逃がして欲しいと懇願しても、聞き入れてはもらえない。どうにか謝って「良いものを見せて」と懸命に頼むとヘドウィグは折れて、トランシーバーを差し出してくる。玩具だろうと思いつつ驚いた振りをしてみせると、デニスから盗んだ本物だと言う。人の話を内緒で聞けるのだと。
*スイッチを入れてみると「東門だ、何か?」と音声が入る。制止するヘドウィグを平手打ちし「誘拐された、警察を呼んで」と必死に訴えるが、相手は同僚の悪戯だと思っているようだ。結局、信じてもらえないままヘドウィグの代わりにパトリシアが現れて部屋へ戻されてしまう。パトリシアとデニスが入れ替わる一瞬の隙に、ドアの傍に転がっている釘を拾うケイシー。「ビーストは感覚が研ぎ澄まされている。人間が更に進化した姿だ。劣った人類の時代は終わった。人より偉大な者の前に立てる事を慰めにしてくれ。最後のシャツは貰わないでおく。聖なる夜だから。直に終わる」デニスは一方的にそう語るとドアを閉める。
*デニスが照明を手放している間に、20件ものメールがフレッチャー先生に送信された。フレッチャーは驚き、ケビンの住処に駆け付ける。「今メールを貰ったけど、問題ない?あなた達は素晴らしいわ、私は心配なだけ」出迎えたデニスは「素晴らしい」と言われた事を喜び、地下室にフレッチャーを招き入れる。「あなたと俺は似ている、お互いはぐれ者だ」と言うデニス。3歳児を叱るにしては、ケビンの母親は厳し過ぎた。その時にデニスが生まれた。
*一方ビーストは、人格の中でも一番背が高く筋骨隆々、髪はたてがみのように長くその指は自分達の倍はある。フレッチャー同様、デニス達を「素晴らしい」「負の存在ではなく可能性の具現化だ」と言う。「あなたと同じ意見だ」と笑みを浮かべるデニス。「もう直ぐ来る」「居る筈はない、人間がなれるものには限界があるわ」ビーストについてのもう一つの話、[不純な若者を食べる]と言う点についてフレッチャーが確認すると「他に方法がない時もある」とデニスは言う。
*「今の話を記録させて欲しい、明日また私の家で話しましょう」と提案するフレッチャー。ドアの鍵部分にハンカチを詰めて閉まらないようにした上で、洗面所を借りる。場所を聞いて通路を進むと、外から鍵が掛けられる部屋がある。開けてみると、中にはクレアが力なく横たわっている。驚き嗚咽していると、背後にやって来たデニスがドアを閉め「向上心のない連中だ」と言う。フレッチャーは何とか止めさせようと説得を試みるが、デニスは「残念だよ」と言うと彼女を薬品で失神させる。その後、デニスは外へ出掛けて列車のホームに花を置く。そして車庫行きの暗い電車に乗り込み上半身裸になると、線路を駆けて行く。
*一方、今までは声も出せずに居たが、隣り合った倉庫に居る事が分かってクレアとマルシアは励まし合い脱出を試みる。クレアの部屋には目ぼしいものはない。マルシアの方には針金のハンガーがあった。長く伸ばして、ドアの隙間からスライド式の鍵を動かそうとする。その頃ケイシーは、拾っておいた釘で鍵を壊して外へ出る。隣の部屋にパソコンがあるがネット接続はされていない。しかしパソコンには、バリー・ジェイド・オーウェル・パトリシア…様々な人格がそれぞれ記録していたビデオが残っている。動画を見てみると、バリーは「誰かが照明を盗んでいる気がする」と話す。「[群れ]の2人は無敵の男の話ばかり。何を企んでいるのか分からないけど怖いんだ」
*意識を取り戻したフレッチャーは、朦朧としながらもメモを書き残す。そこへケビンが戻って来る。それは見慣れたバリーやデニスとは違い、筋骨隆々としていてまるで別人の肉体だ。「今までの尽力に感謝する」と言うとフレッチャーを抱え込んで腕で締め上げる。フレッチャーはテーブルの上のナイフを掴む。デニスがフレッチャーにフルーツを振る舞った時に並べたものだ。フレッチャーが腕に突き立てようとしても、ナイフの方が弾かれて折れてしまう。そのまま腕の力だけフレッチャーの骨をへし折る[ビースト]。
*ケイシーはバリーの動画で鍵の置き場所を知る。出掛けて行く姿が映っていて、フックの帽子の下に鍵を掛けているのが分かったのだ。鍵を掴んで通路へ出るケイシー。クレアとマルシアはドアの鍵を開けるのに失敗していた。倉庫に入るとマルシアの身体は食い散らかされている。クレアはまだ生きていたが、床を引き摺られていきビーストが覆い被さる。ケイシーは已む無くドアを閉めて、外から鍵を掛ける。続いてフレッチャーの死体を発見。しかし鍵が合わず、それ以上は進む事が出来ない。一方ビーストは、スライド錠を難なく捻じ曲げてドアの外へ出る。
*フレッチャーのメモに気付くケイシー。メモには乱れた字で『彼の名前を呼んで、ケビン・ウェンデル・クラム』と書かれている。気配を感じて振り向くと、垂直な壁を登るビーストの姿があった。「ケビン・ウェンデル・クラム」と叫ぶように言うとビーストが苦しんだ様子を見せ、ケビン自身の人格が現れる。彼はフレッチャーの死体を見て驚く。「あなたがやった」と告げると「僕はバスに乗ってた。その後は何も覚えてない。今日は2014年9月18日だろう?」と言う。彼は4年以上も[眠って]いたらしい。事態が飲み込めると、ケビンは「ショットガンを買った」と言う。「戸棚の下に隠してある。弾は制服用のロッカーの中だ。僕を殺せ」
*しかし、直ぐに別の人格が現れる。ジェイドと言う人格が「フレッチャー先生はメールを見たのか」と聞く。密かにメールを送っていたのはこのジェイドらしい。バリーも現れるが、照明の主導権争いに強いヘドウィグに取って代わられる。彼は「パトリシアとデニスに照明を渡す」と言う。話の途中でショットガンを取り出すケイシー。再びケビンのフルネームを呼ぶが現れたのはパトリシアで「彼は眠らせたから聞こえないわ」と言う。
*ビーストはその存在の維持のため、より多くのものを求めている。次は無価値な若者を10人から12人程度…。ケイシーがドアを押すと、挟まれていたハンカチのお陰でドアが開き外へ出られる。ショットガンを掴んだまま走るケイシー。通路に並んだロッカーの中にクラムと書かれたものがあり、中にはケビンの言う通りに弾が入っている。弾を込めながら走っていると捕まってシャツを引き裂かれるが、銃口を向けるとビーストは一旦姿を消す。
*外への出口はなく、ケイシーは通路の突き当たりの檻の中で、鉄格子越しにショットガンを構える。するとビーストが再び距離を詰めて来る。「我々は栄光に満ちている。最早何ものも恐れない。人は痛みを通してのみ己の偉大さに達する。不純な者どもは未だ手付かず、処刑もされず殺される事もない。苦しんだ事のない者はその存在に価値はない。この世に居場所等ないのだ。奴らはただ眠っている」発砲するが外してしまうケイシー。「銃で俺を傷付ける事は出来ない」と言うビースト。「分からんか?俺は人間ではない。ケビンは人間だが俺は人を越えている」
*それでもケイシーは破かれたシャツを脱ぎ捨てて2発撃ちこむが、決定的なダメージではないようだ。それどころかビーストは、鉄格子を掴んで押し広げてしまう。人間業ではない。その時ビーストは初めて、シャツを脱ぎ捨てたケイシーの傷だらけの身体を見る。彼女は幼少期から叔父に性的虐待を受けていた。まだ幼い頃に、叔父をショットガンで撃とうとしたが失敗に終わっている。その後父が若くして心臓発作で亡くなり、叔父に引き取られたのだ。「お前は他の連中とは違う。お前の心は穢れていない。喜ぶが良い、失意の者は、より進化した者なのだ」笑みを浮かべ、そのまま立ち去るビースト。
*茫然と座り込んでいると、ケイシーは施設の職員に発見され助け出される。3人が監禁されていたのは動物園の地下だった。ケイシーが発見されたのは、動物を入れる檻の一つだったようだ。久し振りの地上、檻の中の[獣]たち。「彼らは何もしない」と職員がケイシーが宥める。
*警察に通報され、ケビンの居たエリアが捜索される。様々な人格の部屋・それぞれの名前の書かれたハンガー・3人の遺体。手当や検査をされた後、警察車両に乗せられて待たされるケイシー。女性の警察官が「叔父さんが迎えに来たわ」と告げるが、ケイシーは喜んだり安堵した表情を浮かべたりする事はない。訝る警察官を真っ直ぐ見詰めるケイシーは、何かを決意したようだ。
*空き家で自分の肉体を手当てするデニスとパトリシア、ヘドウィグ。撃たれたが弾は貫通しておらず「信じていた事が本当になった、これで皆も信じる」と喜び合っている。「これからどうする?」「彼の力を見守りましょう。私達の強さを知らしめるの」
*ダイナーで食事をする人々。店内のテレビではニュースが流れている。「容疑者のケビン・クラムは解離性同一性障害を患っていました。ある人格は彼が勤めた動物園の複数の動物に由来しています。マスコミは複数の人格を持つ彼を[群れ]と呼んでいます」カウンターに座る女性がニュースを聞いて「15年前の車椅子の悪党に似てるわ。あの時も名前が付いた筈よ、何だっけ?」と言う。隣に居合わせた男が「ミスター・ガラス」と呟くと「それよ」と納得した表情を浮かべて女性は席を立つ。彼女の隣に座っていたのはミスター・ガラスと対峙した男、デビッド・ダンだった。

■雑感・メモ等
*映画『スプリット』
*レンタルにて鑑賞
*M・ナイト・シャマラン監督による、解離性同一性障害を題材としたスリラー。
*女子高生が変化する人格に翻弄されたり逆にそれを利用して脱出を試みたりするのかなと勝手に思っていたら、マカヴォイがまたミュータントな映画だった。
*見どころはやっぱりマカヴォイなんだけど、ラストが好きだなこれ。事前情報なしで見たから「そうくるのかよ」と思った。
*動物園の地下エリアで随分自由と言うか好き勝手やってたけど、他の誰も立ち入らないのかなあの場所。人数分の部屋とか服とか揃える資金も大変そうだなとか色々気になる。