ATM | m-memo

m-memo

ネタバレだらけの映画メモ。

忘れ易いので自分用にメモしてます。
ネタバレ部分は詳細を記載することもあれば、
二言三言のこともあります。

 

■あらすじ

投資会社に勤務するデイヴィッドは同僚のエミリーに密かに想いを寄せていた。エミリーは金融業界に見切りをつけ、NPOへの転職が決まっていた。エミリーの最後の出勤は、クリスマスパーティーの日だった。デイヴィッドは思い切って声をかけ、家まで送ることになる。しかし、同じく同僚のコーリーにも乞われ、やむなく彼も送っていくことに。コーリーは途中で現金を引き出すためにATMに寄るようデイヴィッドに頼む。ただ現金を引き出すためのその行為は、三人を思わぬ展開に巻き込んでいく。ATMコーナーに見知らぬ男が現れた時、日常の些末なルーティーンが生死をかけた闘いに。真冬のマイナス21℃の極寒の中、日が昇るには時間がかかる。残された選択は男がしかけたゲームにのることだけだった―。(メーカーサイトより)

 

■ネタバレ

*クリスマスだと言うのに、デイヴィッドは年金の運用に失敗してディーンと言う顧客から罵倒されている。彼は[スタークウェザー・フィナンシャル]に勤めているが、思いを寄せるエミリーは今日で退社してNPOで働くらしい。以前にも誘ったが上手くいかず、デイヴィッドはもうエミリーを諦めている。お調子者の同僚コーリーは「パーティに参加しないと、もう二度と彼女に会えない」と嗾ける。デイヴィッドはコーリーに振り回され気味で、今日も「パーティの後、俺を家まで送る約束だ」「選択を間違うと後悔するぞ」と言い募られて結局折れる。
*パーティで何とか機会を作ってエミリーと話すデイヴィッド。エミリーはデイヴィッドと話すと緊張するらしく、彼女も満更ではないと分かる。エミリーはパーティ抜け出して帰宅しようとするが、なかなかタクシーが捕まらない。デイヴィッドはチャンスだと思い、彼女を送って行くと申し出る。一旦会場へ戻るとコーリーが「自分も送ってくれ」と言う。エミリーと接近させようとしていた様子だったのに、コーリーのチグハグな言動に唖然とするデイヴィッド。「タクシーで帰れよ」と促しても「現金がない」と食い下がる。他の友人達もコーリーに金を貸す気はなさそうだ。またしても折れるデイヴィッド。
*エミリーの家とは方向が逆だが、10分で着くコーリーの家へ先に向かう事にする。寄り道のせいで彼女に余計な時間を掛けさせて申し訳ないが、その分長く一緒に居られる。車内でデイヴィッドの携帯電話を借りて、未だ会場に居る友人と話すコーリー。彼は会場に携帯を忘れていて、その所在を確認してもらっている。それでいてテキーラの瓶を抱えているのだから呆れてしまう。取り敢えず携帯の在り処は分かったが、今日のところは諦めるしかない。コーリーが話し終えると、デイヴィッドの携帯は充電が切れる。後部座席から運転席へ携帯を放り投げるコーリー。デイヴィッドは掴み損ねて、携帯は座席の下へ。口先では謝るコーリーだが、反省の様子は見られない。挙句に「腹が減ったから何処かに寄ってくれ」と言い出すコーリー。「2時まで開いているピザ屋がある」「低血糖だから、空腹は具合が悪い」「ピザ屋では現金払いのみだから、ATMにも寄って欲しい」…ウンザリするが、コーリーは言い出したら引き下がらないのだ。諦めてATMを探すデイヴィッド。
*時刻は午前1時18分、気温はマイナス19度。漸く見付けたATMは、広い駐車場の隅にポツンと建っている。ワザと少し離れて車を停めるデイヴィッド。ちょっとしたお仕置きみたいなものだ。「歩かせる気かよ」と不平を漏らしつつ、ここはデイヴィッドも退かないと察したコーリーはATMへ向かう。車内に残されたデイヴィッドとエミリーは会話を弾ませる。飾られたお守りに気付くエミリー。天使の姿と『私や同乗者、そして道行く人々をその手と目でお守りください』との言葉が刻まれたクリップ状の物だ。「神頼みも悪くないわ、私は好き」と笑うエミリー。ふと気付くと、コーリーがATMから呼んでいるようだ。仕方なくデイヴィッドもATMへ。エミリーは暫く車で待っていたが、2人はなかなか戻らない。1人で居るのが我慢出来なくなり、エミリーは車のキーを抜いて外へ出る。リモコンキーで鍵をしようとするが、壊れているようで上手くいかない。

*ATMに迎え入れられるエミリー。2台のATMが並んでいて、そこそこの広さがある。コーリーのカードは磁気が駄目になったようで使用出来ず、結局デイヴィッドが金を下ろしている。その様子を見てエミリーは苦笑を浮かべる。それでもどうにか用事は済んだ。3人でATMを出ようとすると、外に人影が見えた。
*誰かがデイヴィッドの車とATMの中間辺りに佇んでいる。コートのフードを被り、光の加減のせいもあり表情は読み取れない。なかなか体躯の良い男のようだ。ATMを使用したいならもう少し近付いても良いのではないか。男が乗ってきたと思しき車も見当たらない。デイヴィッドとエミリーは「強盗かもしれない」と警戒するが、コーリーはそこまで深刻には考えず外に出ようとする。しかし1歩外へ踏み出そうとすると、相手も威嚇するかのように1歩詰めてきた。そこへもう1人の男がやってくる。彼は深夜に犬の散歩をしているようだ。フードの男は犬を連れた男性に近付くと、突然相手を殴り倒した。更に倒れた男性の頭を掴み、繰り返し地面に叩き付ける。尋常ではない光景に叫び声を上げるエミリー。これでは迂闊に外には出られない。
*警察に通報しようとするが、コーリーは携帯をパーティ会場に忘れてきており、デイヴィッドは車の床に転がしたまま。エミリーも鞄を車に置いたままATMまでやって来た。非常ボタンも、非常時の通話用の受話器も見当たらない。男の目的は不明だった。深夜にはカードがないとATMに入れないため、3人が出てくるのを待っているのかもしれない。焦れたデイヴィッドは車まで戻ろうとする。会話が漏れ聞こえたのか、男はデイヴィッドの車へ。エンジンが掛からないようにコードを抜き、トランクの中も物色する。工具箱を手にATMの裏手に回る男。建物の背後から大きな音がする。この隙に逃げるべきかもしれない。3人で相談していると電気が消えてしまう。端末は別回線なのか明るく輝いているが、照明と暖房は切れてしまった。そうでなくてもこんな場所に何時間も居たら凍えてしまうのに。やがて非常電源に切り替わったのか照明が戻り、男の姿も正面に戻っている。

*突然ガラスを叩き始めるデイヴィッド。警報があれば作動するかもしれない。しかしエミリーは懐疑的だ。大体、ガラスが割れたら男が入って来るのではないか?その時、エミリーがスプリンクラーに気付く。作動させれば消防車が駆け付けるかもしれないが、ライターは持っていない。パトロールの車が通り掛かるがATMからは距離があり、3人には気付かずに行ってしまう。

*デイヴィッドは金を男に渡そうと考える。自分の残高500ドルだけでは心許ないが、コーリーのカードは壊れている。エミリーは自分のイヤリングをデイヴィッドに渡し、コーリーは時計を差し出す。ふと思い付き「磁気が壊れているのにこの中には入れたの?」とコーリーに問い掛けるエミリー。本当は壊れていないのに、金が惜しくて噓を吐いているのではないか?そんな疑念を抱くが、どうやらコーリーは噓を言っている様子はない。
*男は建物の裏手で何事かやっている。デイヴィッドがそっとドアを押すと、何の抵抗もなく開いた。これでは自由に出入りが出来てしまう。戦慄する3人。とにかく金品を渡して、男がそれを拾う間に逃げる事を試みる。男の方へ封筒を投げてから走り出すが、男も僅かに遅れて追って来る。運転席側の鍵穴には例のお守りのクリップが捩じ込まれていて入れない。助手席側に回り込んで車内に入るが、コードが切られている。エミリーの鞄を探り携帯を取り出すと、男が追い付いてきて窓ガラスを叩き割る。携帯を落としてしまい、スーツの上着も剥ぎ取られてしまうデイヴィッド。元々コートを着ていなかったデイヴィッドは更に薄着になってしまう。エミリーはポケットに入っていた口紅で窓に大きく[HELP]と書くが、今それを見てくれる人物は居ない。

*午前3時36分、マイナス20度。薄い壁を壊してみても、その外側はコンクリートに覆われている。暖房の排気口を外す事も難しい。何か思い付いたエミリーは、デイヴィッドにカードを借りて暗証番号を訊く。「5908だ」と答えるデイヴィッド。エミリーはその数字を逆に入力する。「暗証番号を逆から入力すると、緊急時の合図として警察に通報されるらしいの」と言うエミリー。しかしコーリーは「都市伝説だ」と一蹴する。「暗唱番号が4224ならどうなる?」それでも今は何でも試す価値がある。
*気が付くと男の姿が見えない。いつの間に消えたのか。ATMを囲うガラスは凍り付き始めている。車で突っ込まれたり石で窓を割られるかもしれない、この隙に逃げようと提案するコーリー。デイヴィッドとエミリーは反対する。揉めている内に差したままだったデイヴィッドのカードが回収されてしまった。結局[緊急時の合図]はデタラメだったのだろう。男の目的は何なのかと考え始め、コーリーは「年金の運用を失敗された男じゃないのか?」と言う。「電話の男性は60代だ、敵ならお前の方が多いだろ」とデイヴィッドが反論。険悪なムードになる。
*そこへ先刻の車が戻って来る。異変に気付き運転手が降りてくるが車は警備会社のもので、すると警備員である男は銃を持ってはいないだろう。必死に呼び掛け「警察に電話して」と訴える。警備員には3人の言葉が上手く伝わらない。しかし彼は、駐車場に転がる死体に気付いた。警備会社へ連絡を入れようとするが、背後からフードの男に殴り掛かられてしまう。希望を打ち砕かれたエミリーはショックを受け、デイヴィッドやコーリーを拒絶するような態度になる。精神的に相当参っているのだろう、不味い状況だ。
*2人がエミリーを気に掛けていると、前触れなくフードの男がATM内に足を踏み入れた。デイヴィッドとコーリーは怒声を上げ、必死に男を押さえ込み、首を締め上げて息の根を止める。疲弊しつつも立ち上がり3人で外に出ようとするが、外にはまたフードの男が立っていた。人違いだったのかもしれないと3人はパニックに陥る。男の身体を探ると財布があり、中には身分証が入っている。ハロルド・ウェストブルック、住所はフレデリック通り。妻子があるようで、外に居るフードの男の仲間とは到底思えない。どうやらこのATMの管理人だったようだ。打ち拉がれる3人。「お前のせいだ」「殺したのはお前だ」とデイヴィッドとコーリーは揉み合いになる。コーリーはハロルドのコートを剥ぎ取ると、薄着のデイヴィッドを尻目に自分で着込む。
*また男の姿が消えている。コーリーは我慢の限界を越えて外へ出る。走り出すが男は現れない。そのまま逃げられるかと思った矢先、コーリーの身体が何かに弾かれたように倒れる。男がワイヤーを、胸辺りの高さに張っておいたようだ。男は悠然とコーリーに近付き、その身体を何か鋭利なもので貫く。助けに行こうとするデイヴィッドを「もう手遅れよ、私を置いて行かないで」とエミリーが必死に止める。男は建物の裏手で放水用のホースを見付けて、ATMの正面へと引っ張る。
*午前4時55分、マイナス21度。エミリーを巻き込んだ事を詫びるデイヴィッド。「自分の選択の結果よ」と言うエミリー。暫く静かな時間が流れるが、建物の背後から壁を叩く音が響く。驚いているとコーリーが動いているのが見える。まだ生きているのだ。音がしている間に2人でコーリーの居る場所まで走り、彼の身体を抱えてATMに戻る。どうにか男に追い付かれずにATMの中へ入る事が出来た。しかしコーリーの出血は酷く、病院へ連れて行かなければ長くは保たないだろう。狼狽えていると男が車でATMの入口を塞いでしまった。コードを繋ぎ直したのだろう。追い討ちを掛けるように排気口から水が流れ込んでくる。このままでは3人とも凍えてしまう。ハロルドの身体を探ると煙草とライターが出てきた。ライターの炎をスプリンクラーに近付けようとするが届かない。男はデイヴィッドの車のトランクから持ち出したチェアに腰掛けて成り行きを見守っている。
*ゴミ箱で端末を叩き壊そうとするデイヴィッド。警報が届くかもしれないと考えての事だ。エイミーはそのゴミ箱に書類を入れて燃やす事を思い付く。デイヴィッドがエイミーを肩車すると、どうにかスプリンクラーに炎が届く。アラームが鳴り響き水が噴射される。消防機関にも通報が届くに違いない。喜ぶ2人だが、肩車のままバランスを崩しエイミーが倒れ、カウンターで頭を打ってしまう。そのまま事切れるエイミー、絶望に咽び泣くデイヴィッド。しかし男は攻撃の手を緩めない。デイヴィッドの車の後ろから警備会社の車をぶつけて、デイヴィッドの車をATMに突っ込ませて大破させる。デイヴィッドはATMの床に転がるテキーラの瓶を拾い上げる。自分の車に残されたスーツを切り裂き瓶と組み合わせ、即席の火炎瓶を作るとチェアに座る男に投げ付ける。一矢報いたかと思ったが、男は身動ぎ一つしない。よく見ればそれは警備員の死体だった。フードの男は犬の散歩をしていた男の死体の傍らに立っている。完全に出し抜かれたのだ。
*そこへ通報が届いたのだろう、警察車両が駆け付けてくる。デイヴィッドは犯人だと誤解され、必死に弁明する。フードの男は闇に乗じて姿を隠し、野次馬に紛れて連行されるデイヴィッドを見送る。監視カメラの映像があればデイヴィッドへの嫌疑も晴れると思われたが、男は慎重にカメラに写らない範囲で行動していた。車がATMに突っ込む映像があれば誤解も解けたかもしれないが、デイヴィッドがゴミ箱で端末を殴っていた辺りで[信号異常/カメラ故障/通信切断]となっていた。
*フードの男は次の標的を、レイクウェルズのミニマーケットにあるATMに決めたらしい。新しい計画を練り始めている。

 

■雑感・メモ等

*映画『ATM』

*レンタルにて鑑賞

*密室系サスペンス

*脚本は『[リミット]』のクリス・スパーリングとの事で、密室続きだったんだね。

*鍵が掛かっている訳ではないけど実質的な密室・メインは男2人と女1人・メインと他数人死亡・主人公だけが生き残るが容疑者となる…と言う流れはこの作品と共通。あちらは狙われる理由があったけど、こちらは完全に偶然居合わせただけなので鑑賞後の納得度が低い。更にご都合主義が過剰過ぎて気持ちが萎える。中盤に動きが少ないあちらに比べると、出来る事は何でもやろうと言う姿勢は良かったんだけど。

*古い時代なら問題なかったけど、最近のホラー映画では携帯電話が使えない理由を描写する必要があって大変。場所によっては単に[圏外]で良いんだけど、今作ではそうもいかず。で、あれこれ偶然を重ねてるけど流石に厳しい。1人はパーティ会場に忘れてきて1人は充電切れ、最後の1人は鍵の掛からない車に鞄ごと置いてくる…てちょっと有り得ない。もう犯人に妨害電波的なものを使わせた方が良かったのでは。