■あらすじ
ハロウィンの夜、一人の女性が家の窓を開けると、カボチャのマスクをした不気味な男がこちらを見上げている。不安に駆られるが、ハロウィンだからだと自分を納得させる。と、ドアをノックする音が。ドアを開けると外に一本の古いVHSテープが置かれている。テープを拾い上げ急ぎドアを閉める彼女。家にあったビデオデッキにテープを挿入すると、再生されたのは、おぞましくも恐ろしい8つの物語だった。あまりにリアルすぎる映像に次第に恐怖を募らせた彼女はテープを取り出そうとするが、もう再生は止まらない。最後に彼女が知ったときにはもう遅すぎた、このVHSテープはパンプキンヘッドが物語から現実世界に移動するためのポータルだったのだと。そして奴が探していたのは…。(メーカーサイトより)
■ネタバレ
*1:Jack Attack/ジャック・オー・ランタンを作る姉と弟。弟が「カボチャが痛がるかな?」と心配しながらカボチャの中身を取り出して、姉が種をローストする。姉が種を幾つか食べて、弟と犬も食べる。すると、突然弟が呼吸困難になり意識を失う。姉は種を吐き出させようとするが上手くいかず、弟の喉を僅かに切る。痞えていた物を取り出すと、勢いよくツルを伸ばす小さなカボチャだった。弟の身体が裂けて、小さなカボチャが腹から零れる。絶叫する姉の腹も裂けて、沢山の小さなカボチャが飛び出す。犬も呻き声を上げ、ツタが壁を這い回る。そこへ、到着が遅れていた姉の恋人がやって来た。
*2:The Last Halloween/ハロウィンの夜、怯える住人達。子供達が家々を訪ねて回るが、まともなお菓子は貰えずキャットフードが袋に投げ込まれたりする。ジャックの家にも子供達がやって来るが、彼は怒鳴りつけて追い返す。「感染者だ、ハロウィンと勘違いしてる」と言うが、今日は実際にハロウィンの夜だ。空のベビーベッド、もう同じ事は繰り返したくないと言うジャック。ケイトは「何に怯えているの、これ?」と首筋を見せる。彼女は何かに感染している。キスをして「心配ない」と言うジャック。しかしいつの間にかケイトは姿を消し、子供達が家の中に入り込んでいる。子供達がそれぞれ悪魔や怪物に姿を変え、口々に「もう遅い」と言う。後退るジャックを死神のマントが包み込む。子供達が立ち去るとジャックの家は燃え上がる。町中から火の手が上がっており、辺りは喧騒に包まれている。
*3:The Offering/雪の舞う深夜、0時前。父と息子が車を走らせ、ある場所に向かう。父が肉を忘れており、2人は口論になる。父は「俺の話は聞こうとしないから」と息子に供え物をさせる。0時になり、近付く気配に怯えて車に戻って来る息子。父はドアに鍵を掛け、開ける振りをしつつ「何か詰まっていて開かない」と嘘を吐く。息子は供物の肉の代わりに連れ去られ、父は泣きながら1人で走り去る。
*4:Descent/アンドレアは、待ち合わせしていた同僚のヴァネッサが来ないため彼女の家を訪ねる。すると、ベッドの上で血塗れで死んでいるヴァネッサを発見する。声も出せずにいたが、見知らぬ男がベッドの傍らに立っている事に気付き、咄嗟にクロゼットに隠れる。口笛を吹く男。幸い気付かれてはいないようだ。息を潜めていたが、階下に置いた携帯電話が鳴る。鞄と携帯を不審に思いながらも男はそのまま立ち去ったらしい。6週間が経過し、アンドレアは残業後の会社のエレベーターで口笛を聞く。例の男と居合わせ恐怖に怯えるが、更に運悪くエレベーターが故障してしまう。男と共に閉じ込められている最中、携帯の着信音が鳴る。その音で自分の事に気付かれたと思い、握り込んだペンで繰り返し男の首を刺す。エレベーターが動き出し、1階に到着。すると、警備員も受付係も同じ男の顔をしている。恐怖の余り、全く別人の顔が殺人鬼の顔に見えていたのだ。
*5:M Is for Masochist/カーニバルの夜、友人達と遊びに出掛けるサム。『マゾヒスト遊び』と言う見慣れないゲームがある。口を塞がれ回転盤に固定された男を、充分に流血させたら景品が貰えるのだと言う。友人達は釘だらけのボールやナイフを選ぶが、残虐な遊びにサムは躊躇する。すると、男のマスクが外れて父の顔が見える。助けを求める父、蒼褪めるサム。サムがシャツの裾を捲ると、腹部に大きな痣が見える。俄然やる気になったサムは自分を虐待している父を流血させるため、ネイルガンで釘を放つ。続いてチェーンソーを、力の限り放り投げた。
*6:A Boy's Life/深夜、何かの気配を感じて1人で眠るのが怖いマックスは、母のベッドに潜り込む。何も居ないと諭され自分の部屋へ戻されるが、毛布やマットレスを持ち込み母の部屋の床で眠る。父は軍人だったが、認識票を残して死んでしまった。マックスは認識票をお守りのように持ち歩く。母は、自分の恐怖体験をマックスに話す。山小屋で奇妙な音に怯えていたが、正体はミルク瓶で遊んでいるアライグマだったと。マックスも恐怖に立ち向かおうと、自分の部屋にあれこれ罠を仕掛ける。夜になり怪物を捕まえたと思ったが、母を呼んで部屋へ戻ってみると何も居ない。母はこのままではいけないと考え、マックスに合わせて怪物が居るかのように芝居をする。2人で協力して怪物を追い払ったと言う筋書きだ。マックスも満足して、今夜こそ安心して眠れそうだ。しかしベッドの下から何かが現れて、母を連れ去ってしまった。
*7:Mr. Tricker's Treat/小さなケージに押し込まれた男。嘔吐し呻き声を出すと、髭面の男に猿轡をされる。キッチンでは意識のない別の若い男が縛られている。ケージの男は骸骨のコスチュームを着せられ、玄関ポーチのベンチに座らされる。まだ呻き声を出すので、髭の男に喉を切り裂かれる。若い男は白い布を被せられ、庭先の木に結ばれた首吊りロープに引っ掛けられる。そこへ近所の女性が現れ「トリッカーさんの飾り付けが毎年一番ね」と褒めちぎる。髭の男は満更でもない表情で、立ち去ろうとした女性を背後から殴ると家に引き摺り込む。
*8:Alexia/今日は元恋人アレクシア・トーマスの誕生日。SNSのページには沢山のメッセージが寄せられている。「天国でキャンドルを吹き消してね」等…彼女は自殺してしまったのだ。現在の恋人からは「彼女のページは削除して」と言われる。「僕が振らなければ自殺しなかったかな?」「彼女はどこかおかしかった、どちらにしても自殺してたわ」とメッセージを遣り取りして、今から会おうと言う事になる。逡巡しながらもアレクシアを[友達から削除]する。するとモニタに[アレクシアがオンライン]との表示が出る。ウィンドウを閉じようとしても画面がバグって上手くいかない。赤く染まるモニタ・勝手に動くカーソル・『あの女は誰?』と言うメッセージ・腕に走る傷や黒く潰れた女の顔の画像…突然音量が挙がり、女の顔が恐ろしい姿に変わる。更にモニタの裏から肉体を持つ女が現れる。慌ててコンセントを引き抜くと女は消え、代わりに恋人が到着する。安堵するが、少し離れた隙に恋人が椅子に腰かけていて微動だにしない。コンセントを抜いたのに光るモニタ。恋人はモニタの中で怯えていて、椅子に座っているのは別人になっている。振り向いた女は、恐ろしい形相の怪物だった。
■雑感・メモ等
*映画『ナイト・オブ・ハロウィン』
*レンタルにて鑑賞
*ハロウィンをテーマにしたオムニバス。と言うと他にもあるけど、これ自体がシリーズ2作目らしく原題は『All Hallows' Eve 2』。1作目は現時点では日本では見られないと思われる。(1作目『All Hallows' Eve』からのスピンオフが『テリファー』だけど、この2作目にはピエロは登場しないです。)
*カボチャマスクの人物が女性の元にビデオテープを運んでくる。そのテープには8つの恐ろしい物語が入っていた。テープの中で次第に自分に近付いてくるカボチャマスク。恐怖を感じて停止ボタンを押してもテープは止まらない。どうにかビデオデッキからテープを引き抜いて安堵するが手遅れで、彼女の背後にカボチャマスクが現れて喉を切り裂かれる。…と言う映像がお話の前後や合間に入る。
*それぞれのお話の冒頭にタイトルが入ったりはしなかった筈だけど、エンドロールとかで分かるのかな。取り敢えずサブタイトルはIMDbで確認したもの。
*1:どうしてそうなったのか説明はなかったと思うけど、1番ハロウィンらしくて分かり易い。同じく説明はなかったけど、姉は医学生か何かなのかな。普通の人はなかなか弟の喉は切れないよね。姉も幕間の女性も[ハロウィンの夜に恋人を待っている]と言う設定だったから、どのお話にも幕間の女性との共通点があるのかと思ったけどそんな事はなかった。
*2:何の説明もないので設定がよく分からない。「11月1日の朝が来ると、ドルイド祭司は、各家庭にこの火から燃えさしを与えた。各家族は、この火を家に持ち帰り、かまどの火を新しくつけて家を暖め、悪いシー(Sí、ケルト神話の妖精。ちなみに「バンシー」とは「女の妖精」の意。)などが入らないようにする。1年のこの時期には、この世と霊界との間に目に見えない「門」が開き、この両方の世界の間で自由に行き来が可能となると信じられていたからである」(wikiより)この辺のイメージなのか違うのか…何にしても感染とかの要素については不明。ちらりとジュリアン・リッチングスが出てる。1本目の弟とこのお話の主人公の名前がジャックだったから、どのお話にも[ジャック]が出てくるのかと思ったけどやっぱりそんな事はなかった。
*3:これも説明がなく、短いお話。「アイルランドと英国のドルイド祭司たちは、かがり火を焚き、作物と動物の犠牲を捧げた」(wikiより)この辺のイメージなのかどうなのか。それにしても親父が酷い。
*4:オーソドックスなスリラー。
*5:これが1番短いお話。サクっと終わるのが良い。ゲームが何かしら現実とリンクしているなら、唯一ハッピーエンドと言えるかもしれない。
*6: これが1番長いと思う。内容が悪い訳ではないけど、他の作品と比較して随分説明が丁寧でちょっと退屈。尺はもっと短い方が良かった。ハロウィン要素はなし。
*7:不穏さは1番かも。
*8:SNS系ホラー。言葉では説明が難しいけど、終盤の怪物の造形がなかなか良い。目や口の周囲が裂けてると言うかひび割れてると言うか…眼球がぐるりと動くとこが好き。(ジャケットにもそれらしきものが入ってるけど、本編より劣化して見える。)ハロウィン要素はなし。
*気楽に見られるからオムニバスて好きなんだけど、内容に満足出来ない事もしばしば。これはそれぞれ一定水準以上で楽しめた。ハロウィン要素が薄いものや皆無のものもあるんだけど[ハロウィンに届いたテープ]と言うだけで、ハロウィン要素必須と言う訳ではないって事かな。