ダーク・プレイス | m-memo

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ネタバレだらけの映画メモ。

忘れ易いので自分用にメモしてます。
ネタバレ部分は詳細を記載することもあれば、
二言三言のこともあります。

 

■あらすじ

1985年、カンザス州の町。8歳だったリビー・デイの証言により、彼女の兄ベンが逮捕された。その容疑は、母親と2人の姉妹の殺害。一部始終を目撃したのが、末妹のリビーだったのだ。それから28年後─。殺人事件の遺族として世間から同情を受け、支援金や自伝出版で食いつないできたリビー。定職もなく、孤独な生活を送る彼女に、「殺人クラブ」という団体から連絡が届く。 過去の有名な殺人事件を検証するそのクラブは、重要な証言者としてリビーに会いたがっていた。日々の生活に困窮していたリビーは、クラブのメンバー、ライルが申し出た報酬に目がくらみ、出席を決意。 ベンの無罪を主張するクラブを怪しみつつ、生活のために嫌々ながら28年前の事件を振り返ることになる。刑務所を訪れたリビーは、久しぶりにベンと再会した。彼の手首に、女性の名のタトゥーを見つけるリビー。 やがて彼女の脳裏には、徐々に過去の記憶がよみがえっていく。28年前、ヘビメタ好きで悪魔崇拝に傾倒していたベンは、家族の中でも浮いた存在だった。さらに彼には、近所の少女に性的イタズラをしたという疑いが持ち上がっていた。 ベンにはディオンドラという年上の恋人がいて、妊娠が発覚した彼女はベンと一緒に町を出ようと心に決めていた。デイ家の両親は、リビーが2歳のときに離婚。しかし父親のラナーは、たびたび金の無心に来ては、母親のパティを悩ませていた。家が農場とはいえ、女手ひとつで4人の子供たちを育てるパティも経済的に困窮していた。 自宅が差し押さえを迫られたうえ、嫌疑を受けるベンのために弁護士の費用が必要だったのだ。 そんな状況で、あの夜、惨劇は起こった。ライルに背中を押されたリビーは、かつてベンがイタズラをしたというクリシーと会い、殺された姉の日記も読み返し、忘れかけた記憶をたぐり寄せていく。あの夜、自宅で何が起こり、自分は何を目撃したのか……?さらに、事件以来、行方知れずだった父親の居場所を突き止めたリビーは、衝撃の事実へ一歩、また一歩と近づいていくのだった。(公式サイトより)

 

■ネタバレ

*1985年カンザス州キナキーの農場で、母パティと2人の娘ミシェルとデビーが殺されると言う惨殺事件が起こる。末娘のリビー・デイだけが窓から逃げて助かった。リビーの証言もあり、長男ベンが犯人として28年間服役している。

*リビーは惨殺事件の生き残りとして、仕事もせずに寄付金で暮らしていた。しかし、遂にその金も底を尽いてしまう。残金は480ドル程度。人々は新しい事件に興味を持ち、子供を助けたがるのだ。リビーはもう子供ではない。

*そんな中、『殺人クラブ』のライル・ワースから会合への参加を打診される。胡散臭いが、困窮したリビーには500ドルの報酬は魅力だった。彼女は礼金を700ドルに吊り上げた上で会場へ。

*ライルのグループには元刑事や弁護士等、真面目に事件を解決しようとする人が集まっていた。彼らはベンの無実を信じている。あと3週間で証拠品が破棄され、新しい証拠がなければ再審への道が閉ざされてしまうのだと言う。ベンを犯人だと信じ込んで過去と向き合わないリビーに、参加者から「だらしない嘘吐き」と厳しい言葉が浴びせられる。

*気は進まないが、金のためライルに「3週間協力する」と申し出るリビー。事件後初めて、兄ベンを訪ねて刑務所へ。広い部屋で直接会う事も出来るが、死刑囚用であるガラス越しの面会場所を選ぶリビー。彼女は事件以降、人との接触を嫌っている。兄は無罪を主張せず、釈放も望まない。しかし、リビーが「兄さんが犯人よね?」と問い掛けると否定する。

*リビーの証言の他にも、ベンに不利な状況が揃っていた。悪魔崇拝者で、その儀式では動物の殺害や子供の虐待を伴う場合がある。加えて、ベンに下腹部を触られたと言う少女からの訴えもあったのだ。ベンの部屋で赤ん坊用の衣類を見付け、母も狼狽える。

*母が発見したのは、ベンが生まれてくる子供のためにと用意していたものだった。彼にはディオンドラと言う妊娠中の恋人が居た。ベンにいたずらされたと言うのは、彼に好意を寄せつつ相手にされなかった幼いクリシーの虚言だった。

*自分が2歳の時に母と離婚した父ラナー、悪魔崇拝者で賭けの胴元だったトレイ等と会い、やがてディオンドラに辿り着くリビー。彼女は名前を変えて身を隠し、1人で娘クリスタルを育てていた。事件の日にベンと駆け落ちするつもりだったが彼は現れず、怖気付いたのだと思ったと話す。

*トイレを借りると、そこにはルビーが填め込まれた十字架のネックレスが掛けられている。母がいつも身に着けていた特徴的なデザインの物だ。彼女は事件の日に現場に居たのだ。先刻の話は嘘だと言う事になる。リビーの後にトイレに入ったクリスタルが十字架がなくなっている事に気付き、背後からリビーを殴る。ディオンドラは全てをクリスタルに話して聞かせていたため、リビーに秘密が知られたと察したのだ。

*ディオンドラとクリスタルはリビーを殺そうとする。リビーは地下室へと逃れ、窓を抜けて木の影へ。蹲って隠れていると、忘れていた事件の日の事が思い出された。自分の名前を呼び追い掛けてきたベン。目撃者かもしれないリビーも殺すべきだと考えるディオンドラから守るために、蹲る自分に向けて「そこに隠れてろ」と言った兄の事を。

*農場を差し押さえられそうになった母は、自殺幇助を生業とする男ディールを雇っていた。自殺では保険金が支払われないため、殺人事件に仕立てるのだ。これからの生活費やベンの弁護士費用のために、母が選択した事だった。事件の日、その男が依頼通りに母を刺殺した。しかし、居合わせたディオンドラと敵対するミシェルが揉み合いになり、騒ぎによりデビーが起き出してしまった。ディールは目撃者デビーを射殺。一方で、ディオンドラはミシェルの首を締め上げて殺してしまう。ベンは生まれてくる子供のためにディオンドラの名前は一切出さず、自分が罪を被ったのだった。

*広い部屋で直接ベンと対面するリビー。ディオンドラは逮捕され、クリスタルは逃走中。「釈放されたら自分でも娘を探す」とベンは話す。「兄さんも私も嘘を吐いた。おあいこね」と少し笑うリビー。

*刑務所からの帰り道、リビーは生家に立ち寄ってみる。母が死を招き入れたあの忌まわしい家は取り壊されず、今では別の家族が住んでいる。明るい表情の少女がリビーを見て手を振ると、恐らく父親が居るのであろう農場へと駆け出して行った。

 

■雑感・メモ等

*映画『ダーク・プレイス』

*レンタルにて鑑賞

*『ゴーン・ガール』の原作者でもあるギリアン・フリンの『冥闇』を映画化。

*シャーリーズ・セロンとニコラス・ホルトの『マッドマックス 怒りのデス・ロード』組がメインキャスト。コリー・ストールやクロエ・グレース・モレッツも好きだけど、作品としては残念ながら楽しめない。自殺幇助者の情報が序盤で提示されるので展開が予想出来るし、色々な人に接触しても謎が少しずつ解明されると言う感じは薄く…父親との対面とか必要性を感じない。(それにしても父が一番酷いけど、事件関係者で普通に暮らしている人が居ない。)

*リビーの証言については殆ど説明がなかったけど、兄が犯人だと言う方向で誘導された結果だったと言う事かな。

*タイトルの『Dark Places』。リビーのモノローグの「母が死を招き入れた場所」であるリビーの生家が思い浮かぶけど、複数形だから「人が抱える闇」と言うようなイメージなのかな。場所そのものが暗い訳ではなく、人が居る場所に影が出来るし光を灯せる人も居る。或いは公式サイトに「あの夜、彼女が見なかったものとは」とあるので、事件には「暗くて見えない場所が幾つもある」と言う事か。

*『殺人クラブ』は面白かった。コスプレして事件現場を再現するグループや、ライルのように事件解決を目的とするグループ等複数が入り乱れる。鉄道ファンにも色々な層があるような感じで。

*寄付金で生活すると言うリビーの設定も興味深い。こう言うケースが実際にもあるのかな。映画では初めて見た設定だと思う。