■あらすじ
フィンランドの首都ヘルシンキから西へ22キロほど離れたところにあるボドム湖。1960年の夏に、キャンプをしていた男女4人が何者かに襲われる事件が起こった。3人は死亡。生き残った1人も発狂。犯人は未だ捕まっていない。この事件の真相を解明するために、イーダ、ノーラ、エリアス、アッテの4人は事件現場へとキャンプにやって来た。そして、当時と同じシチュエーションで事件を再現しようと試みる。しかし、夜も更け飽き始めてきた頃、イーダの目の前でアッテが何者かに殺されてしまう。逃亡中とされる犯人の仕業なのか。それとも-。(メーカーサイトより)
■ネタバレ
*イーダはこの半年間引き籠っていた。パーティで気を失って、裸の写真を撮られた事が原因だ。親友のノーラと共にキャンプに誘われたため、久し振りに出掛けてみることにする。ノーラは沈んだ様子を見せないが、彼女もまた辛い体験をした。父親が地下室で、首を吊って自殺したのだ。
*2人を誘ったのはお調子者のエリアスと気弱そうな眼鏡のアッテ。アッテは1960年の夏にボドム湖で起こった未解決の殺人事件に執心している。事件現場で当時の様子を再現したいと考えているのだ。それを隠して、他のメンバーは明日合流すると嘘を吐いている。
*アッテの目的を知って2人は不愉快になるが、ノーラは大麻で機嫌が直る。冷たい湖に入ってはしゃぐノーラとエリアス。焚火を囲んで殺人事件の話もする。通説では仲間割れが主流だが、アッテは騒がしいキャンパーに怒った男が殺したのだと考えている。
*深夜にノーラとエリアスがテントを離れた間に、アッテがイーダに裸の写真の話をしようとする。その時、アッテが何者かに刺されてしまう。ノーラとエリアスも戻ってくるが手の施しようがない。瀕死の状態で「皆は逃げろ」と叫ぶアッテ。
*3人で森を走るが、途中でノーラが足を挫いてしまう。彼女はその場で助けを待つ事になり、アッテが持ち込んでいた小さな斧を手渡される。
*森の中を車へと進みながら、エリアスは「裸の写真なんてない、噂だけで誰も見ていない」と言う。写真を拡散したのはエリアスだとされていたが、見たと言っているのはノーラだけなのだ。他の皆も、後から見たと言い出したが疑わしい。父も「ノーラはアバズレで、イーダのせいで家族が恥をかいた」と怒っているが、写真は見ていない。
*エリアスはイーダに好意を寄せており「この心臓は君のものだ」と胸に手を当てるが、そこを刃物が貫く。崩れ落ち、背後から何度も刺されるエリアス。彼を襲ったのはノーラだった。
*イーダとノーラは作業服を持参しており、エリアスとアッテの死体を寝袋に入れて湖に沈める。父にはこんな遠出をするとは言っていないため、朝食までに戻ればどうにかなる筈だ。ノーラの運転で帰路につこうとするが、車の鍵も一緒に湖に沈めてしまった事に気付く。仕方なく、泳ぎが得意なイーダが水中に取りに行く。
*残り時間が少なくなってしまったが、どうにか間に合うだろう。それよりも、写真の件は作り話だとのエリアスの言葉が引っ掛かるイーダ。写真を見たと言い出したのも、エリアスが怪しいと言っていたのもノーラなのだ。
*イーダに問い詰められたノーラは捏造だったと白状する。イーダがエリアスの話ばかりをするようになったため、いつか自分から離れて行くのを恐れたと言う。存在しない写真なのに、皆も見たと言い出したのだ。そのために自分は苦しみエリアス達は死んでしまった、と憤るイーダ。車の中で揉み合いになる2人。
*ハンドル操作を誤り木に衝突して、助手席のイーダは意識を失う。大柄な男が現れ声を掛けてきてノーラは警戒するが、男が牽引してくれるようだ。やがてイーダも目を覚ました。話をしていると、お互いに相手がアッテを殺したと思っていたと分かる。この森に他の人間は居そうにもなく、牽引している男こそ犯人だと思われた。
*大男の車は猛スピードで走る。イーダ達の乗る車は左右に大きく振られ、遂に反転してそのまま引き摺られる。やがて車が停まり、男が車に近付いてきた。しかし、イーダは足に大きな破片が突き刺さって動けない。ノーラに逃げるよう促すが、彼女の跡を男の飼い犬が追い掛ける。
*結局イーダもノーラも捕らえられ、ノーラは男に刺されてしまう。イーダは血塗れで発見されて大男と犬の事を話したが、どれだけ探してもそんなものは見付からなかった。
■雑感・メモ等
*映画『サマー・ヴェンデッタ』
*原題と同じ『ボドム』の別題あり
*レンタルにて鑑賞
*そこそこな出来映えの、フィンランド製サマーキャンプ系ホラー
*冒頭に「1960年の夏、10代の若者4人がテントで襲われた。時が経つにつれ様々な仮説が語られるようになった。この作品はそれらの仮説から着想を得ている」てな感じのテロップが入る。
*あらすじには「事件の真相を解明するために」「当時と同じシチュエーションで事件を再現しようと試みる」とあるけれど、その要素はとても薄い。もっと頑張れアッテ。折角被害者が着用していたのと似た感じの水着まで持って来たのに、着て欲しいとお願いもしないなんて。(濡れた紙や水着を乾かしている様子があったけど水に濡れた場面はなかったから、カットされてしまったのかもしれないけど。)
*再現しようとする事で何が起こるのか?と言う部分に興味があったからそこが弱くて残念だけど、予想外の展開を見せようと言う気概は感じられる。
*ちょっと予想外過ぎて「着想を得ていると言うけど、フィンランドでは一体どんな仮説が出ているのか」と困惑もする。
*実在しない写真を皆が見たと言うのは流石に無理がある気がする。際どいものを1枚くらい用意するなら多少信憑性も出るけれど。
*パーティで薬を盛られて写真を撮られる・仲が良過ぎる女子2人…と言う辺りが『Life Is Strange』ぽい。