うろ覚えの記憶なんですが、僕が大好きな作家、向田邦子さんのエッセイの中で、向田さんのお母さんが、
『昔は良かった。コレステロールなんてものはなかったからねえ。』
とつぶやく一節がありました。
もちろん、コレステロールは昔も今も変わらず僕らの体の中に存在している訳で、医学の進歩によって「見える化」されたことによって病気の予防などに活用されるようになったに過ぎない。
でも、知らぬが仏、のことわざでもないけれど、知らないままの方が良かったと思うことが日常でも多々あります。
新型コロナの感染状況もここ3ヶ月ほど落ち着いていて、このまま収束に向かってくれたらと思っていたのも束の間、感染力がより強いといわれるオミクロン株の市中感染が各地で報じられていて、年末年始の人の移動の増加による第6波の襲来も懸念されています。
専門家も、冬場は暖房のため換気が悪くなりがちなので、感染対策(ウイルスの滞留防止)のため室内の定期的な換気を推奨しています。
その指標(目安)となるのが空気中の二酸化炭素濃度で、厚生労働省のサイトによれば、商業施設や飲食店等では概ね1,000ppm以下を保つよう示されています。
もう一年以上前に見たテレビに映る飲食店などに、二酸化炭素濃度計が置かれ、感染防止対策として換気が適切に行われていることを「見える化」していることがあって、僕も測定器は以前から気になっていました。
そこで、某アマゾンで比較的正確に測定できると高評価だった二酸化炭素濃度計を購入して使ってみたところ・・・
職場の事務室(約50㎡)で、部屋の中央付近に朝から夕方まで置いてみたのですが、写真のように数値は400ppm台で推移しほとんど変動することはなく、換気については問題なさそうなことが判りました。
暖房(エアコン)は回しっ放しで、定期的に窓を開けたりすることはしなかったのですが、適度に人の出入り(ドアの開閉)があることが良かったのかな。
むしろ湿度のほうが低め(空調稼働中の推奨湿度は40〜60%)なのが分かったので、加湿器を稼働させることにしました。
一方、自宅(リビング)で同様に測ってみたところ、驚きの結果となりました。
設置した直後から数値がみるみる上昇して、あっという間に換気の目安と言われる1,000ppmを突破し、換気を促すアラーム音が止まりません。(アラームは設定で常時オフにできます)
暖房(石油ファンヒーター)をつけたリビングルーム(約25㎡)では、寒くなるくらい窓やドアを開け放して換気をしても、数値は2,000ppmを下回ることはなく、一時的にですが3,000ppmを上回ることもありました。
さらにショックだったのが、僕も家族も仕事に出て無人状態(インコ1羽)の部屋(暖房なし)に朝から夕方まで置いていても、数値がほとんど下がらなかったこと。
某アジア国製だったので、センサーがおかしいのかなと思って再度職場で測ってみると、ちゃんと最初の通り400ppm台を示していたし、試しにセンサーに向かって息を吹きかけると数値が変動したので壊れている訳ではなさそう。
前から気になっていて、ようやく今まで見えなかったもの(二酸化炭素濃度)が見える化されたわけですが、知ってしまったことを今は後悔しています。
換気がとても推奨される高濃度二酸化炭素の環境で、僕や家族の健康に問題はないのだろうか。
いやいや、この場所でもう20年も暮らしてきてちゃんと生きてるんだから、そんなに気にするほどのことでもないはず。
いろんな思いが頭の中を駆け巡ります。
この経験を通じて僕が思ったのは、コロナのPCR検査は、たとえ無料で受けられるようになったとしても、必要に迫られない限りできるだけ受けないようにしようということ。
たぶん、一回でも受けて結果が陰性だったとしても、その後も感染していないかずっと気になってさらに夜眠れなくなりそうなので。
二酸化炭素濃度に限らず、知らない方が幸せ(?)に過ごせるよな、と思うことは山ほどある。
昨夜見たテレビで、街なかで携帯(3G4G5G)やテレビなどの電波がどのように飛んでいるのかを「見える化」していた番組がありました。
無数の電波が空中を縦横無尽(直線的)に飛び回っていて、バイオハザードの主人公アリスでも触れずに通り抜けるのは不可能だろう。(例えが古くてすみません)
数年前、うちのマンションの屋上に携帯電話の基地局設置の依頼が舞い込んだ(設置料年間80万円!)のですが、たった1軒だけ「基地局から出される電磁波が健康に悪影響を及ぼす」と強硬に反対されて、実現しなかったことがあったのを思い出しました。
もしその人が今回の番組を観ていたとしたら、街を歩けば、またスマホを開けば、無数の電波が体を通り抜けていることを知ってどう思うのだろう。
今日の一枚(写真と本文は関係ありません)
今年卵を6個(3個✕2回)生んだ我が家のアイドル。
言葉もだいぶ覚えてきました。今は住所を言えるよう特訓中。今のところ、○○市まで言えます。
彼女が乗っているのは、ダイソンの羽根のないファン(Hot&Cool Link)の本体とリモコンの上。我が家では完全にオブジェと化しています。
本機の暖房能力と空気清浄機能はとても優秀だけど、残念ながら大飯食らい(消費電力大)で、ミクロンレベルのホコリは除去しても二酸化炭素は減らしてくれない。
来年(2022年)こそは、コロナの収束の見通しが立って、皆が笑顔で過ごせる年になりますように。