部屋の片付けは、僕の永遠のテーマです。
元来モノを溜めがちで、結婚を期に実家を出て2LDKの賃貸アパートに住んだ頃から物が増え始めました。
最初に増え始めたのは本(書籍)です。
本好きで小説やノンフィクションや専門書などジャンルを問わず読むのですが、図書館で借りるとか中古本を買うという発想がなく、書店で新刊本を月に2〜3冊は買うので、あっという間に本棚はいっぱいになりました。
次に場所を取りはじめたのはゲームソフトと音楽CDと映画のDVD(のちBlu-ray)でした。
しかもたちが悪いことに初回限定版というやつが大好きで、意味もなくフィギュアやおまけの映像ディスクや解説本などがセットになった体積の大きいものを次々と買っていました。
このままでは生活が(経済的にも体積的にも)破綻するな・・と気づいた時には、家じゅうに生活に必要のない物が溢れる状態になっていました。
現在の住居は3LDKですが、家族の部屋とキッチン以外の部屋は、僕の買った物で文字どおり足の踏み場もないほどになっていました。
このままでは、僕が突然死んだりしたら家族が本当に困るだろうなと思い、10年以上も前から「断捨離」をしなくては、と常に頭の片隅では考えているものの、年末年始やゴールデンウィークなどの連休も活用できず、身も心も苛まれる日々を過ごしてきました。
そんな時、住んでいるマンションのアンテナ設備の更新(4K放送対応)の話が持ち上がりました。僕が管理組合の役員をしていた去年のことです。
いくつかの選択肢から最終的に選ばれたのは、ケーブルテレビの導入でした。
スカパーを始めとして、何百もの配信チャンネルがありますが、地デジとBS(4K含む)は基本無料で、メンテナンス費用(管理組合として年契約)も安いというのが大きなメリットでした。
今年3月の管理組合総会で可決され、今年度中の導入が確定しました。
ケーブルテレビ会社の説明によれば、マンション全戸全部屋のアンテナ端子を交換する必要があるとのこと。
ウチは、リビングと僕の部屋、家族の部屋にテレビを置いています。
もう一つの余った部屋(和室6畳)は、引っ越し当初はクローゼットのような使い方をしていたのですが、上で述べたようにモノが増えるに従って物置きと化し、最近は部屋に入る動線までも潰してしまって、いわゆる「開かずの間」になってしまっていました。
もちろんその部屋にテレビはありませんが、アンテナ端子は部屋の何処かに付いている・・はず。
工事日は7月下旬と掲示板で告知されたのは1か月ほど前のことでした。
交換すべきアンテナ端子は4ヵ所。
①リビング、②家族の部屋、③僕の部屋、④開かずの間…です。
とりあえずリビングはソファーをずらせばいいだけなので問題なし。
家族の部屋は、ベランダ側の壁に端子があったため、業者さんにベランダからアクセスしてもらうことにしました。
さて問題は僕の部屋と開かずの間です。
僕の部屋は、前述の趣味の物品の他、大量の服が部屋を占領していました。ここ数年は、衣替えすら困難な状況になっていたほどです。
アンテナ端子の位置は把握していましたが、運悪くそれは部屋の出入口から最も遠い壁の隅に張り付いており、僕自身もう何十年も見ていません。
まるで鉱山の採掘のように、手前からひとつひとつ物を取り除きながら、ようやく端子までの業者さんの動線を確保しました。
最難関は、足を踏み入れることもできないほど物で埋め尽くされた開かずの間(和室)です。端子の正確な位置も不明。
そんな時、工事予定日の一週間ほど前にゴミ出しをした際、偶然ウチの真下の階の住人さんにごみステーションの前で会いました。
マンションは垂直の号室は間取りが同じなので、ウチの開かずの間のアンテナ端子がどこにあるのか確かめる絶好の機会と思いました。
僕「こんばんは、あの、今度ケーブルテレビの業者の工事が一斉に入ると思うんですが、和室のアンテナ端子の位置ってご存知ですか?」
「あー、あんたんとこは、和室にテレビがないっちゃろ。テレビ置いてないとわからんもんね。端子はベランダ側の壁の隅たい。ベランダから工事してもらうのが一番早かよ。」
「ありがとうございます。助かりました(^^)。」
工事日まで一週間を切って、めっちゃ焦っていた僕は、一筋の光明を見出しました。
最低限、和室の出入口からベランダに面している掃き出し窓の鍵を開けられたら、あとはベランダからアクセスして端子の回りのモノを片付けられれば、どうにかこの難局を乗り切ることができる。
ところが、肝心の片付けはなかなか進みません。
平日は仕事が終わって帰宅するのがだいたい21時頃のことが多く、夕食・入浴を済ませるだけで精一杯。
早く片付けしなければ・・という思いばかりが先行し、工事日が近づくにつれ焦りと不安が強くなりました。
物を減らすためには、捨てるか人に譲るか売るくらいしかありません。
ようやく片付け作業に着手したのは、工事日の3日前でした。
最初は、まだ使える物を処分するのに抵抗が強くありました。
最近2回の引っ越しを経験した知人から背中を押してもらって、「使えない」物だけでなく、「使えるけど使わない」物を処分する決心がつきました。
フリマサイトに出したらそれなりの値段がつくだろうと思われるものも多数ありましたが、時間がないこともあって全てリサイクルに回しました。
大量の洋服も大半を処分し、残ったものは体積を減らすために圧縮袋に入れぺちゃんこにしました。
最低限の生活スペースを確保するため、工事日前日は浴室までダンボール箱を積み、工事が終わった直後にまた戻しました。
こうしてこの週末にどうにか4箇所のアンテナ端子の交換工事を終え、ほっとしたのも束の間、工事のために動かした多くのモノの処遇に悩まされています。
1年以上前に購入した寝室用の4Kテレビも、未だに開梱すらされずにリビングに鎮座しています。
端子の周りが整理された今(なう)しか、テレビを設置するチャンスはないと思います。
せっかく4K放送が受信できるようになったのですから、今週末がんばってテレビを設置しようと思います。
断捨離が本当に実現するのはいつになることやら・・