今日は衆院選の投票日です。
夜半には政権の行方を含め大勢は判明するだろう。
投票はしたけれど、現政権が過半数を維持して継続するのか、与野党逆転が実現して政権交代となるのか、正直言ってあまり興味はありません。
なぜなら、どの党の選挙公約を読んでも似たり寄ったりで、変わり映えしないと思うから。
選挙公報から拾ってみた各政党の公約から
●成長と分配(成長なくして分配なし、分配なくして成長なし)
ごもっとも。
しかし、菅前首相の決まり文句だった「感染拡大を何としてでも防ぎながら、コロナで落ち込んだ経済を必ず立て直す」の矛盾と同じように、冷房と暖房を同時にかけるような「美味しい」経済政策がおいそれと成功する訳がない。
【2021.11.2追記】
選挙からわずか2日後の朝日新聞朝刊一面記事です。
国民全体の審判としては「変化」より「安定」を選択したという選挙結果になったけれど、公約について信用も期待もできないことがあらためて浮き彫りになりました。
●新しい資本主義
新聞やネットで色々調べたけれど、具体的には何も示されていないことと、①成長と分配・②コロナ後の経済立て直し、の2点がコンセプトであることは分かりました。・・で?
●農林水産業を成長産業に
担い手は、技能実習生という名目で低賃金で働かされる外国人労働者ですか?
●一億総中流社会の復活
見間違いじゃないかと思って、選挙公報をまじまじと見直しました。この公約の決定に何も異論が出なかったとしたら、この党は終わってると思う。
●消費税の廃止、減税
ほぼすべての財・サービスに課税され「最も公平な税負担」ともいわれる消費税を廃止(減税)して、その膨大な減収をどう穴埋めするのか。
企業の内部留保から課税とか言ってる政党もあるけど、もし本当にできるなら既にやっていると思う。現実的には赤字国債のさらなる増発しかなく、核廃棄物を地中に埋めて何百年後かの世代に先送りするのと同じ「あとはよろしくね」政策。
●各党の各種現金給付(ポイントを含む)政策
公示前の10月上旬に現職の財務省事務次官(事務方トップ)が雑誌への寄稿で「バラマキ」と批判し話題になったけど、まさに選挙の集票のための「餅まき」
どの政権になろうとも、各党が給付金額も対象者もてんでバラバラなことを言っているので、もはや公約とは言えない。有権者を馬鹿にするなと言いたい。
僕がこの国の政治に望むのは、「正直者が馬鹿を見なくていい社会を」というただ一点につきます。
ある政党代表者の選挙演説を聞いていると、「富が一部の富裕層や投資家や大企業に集中しているのでこれを是正して公平に分配すべき」という話をしていたけれど、僕は違和感を感じます。
やり玉に挙がっている人や企業は、相応の努力をして正当に利益を得ている以上、それがまるで社会悪であるかのように言われるのは納得がいかないだろうと思うからです。
利益を得た人が消費に回さず貯蓄するのも、企業が内部留保として貯め込むのも、将来への備えに他ならない。
裏を返せば、個人レベルでは年金制度や社会保障制度への不安・不信感があったり、企業ではバブル崩壊とかリーマンショックのような恐慌的な経済危機に再び襲われるのではないかという社会不安が大きかったりすることが理由なのではないか。
もし利益を公平に分配するから持てる者は供応せよというのなら、そういった不安を一掃してからにしてもらいたい。
僕が気になるのは、コロナ禍の関連でいえば、(時間がなかったという事情はあるにせよ)国の制度設計が極めてずさんだった各種の給付金制度が、一部では「コロナ太り」とも揶揄される逆ザヤを生み、他方で給付金の支給遅れなどで事業が存続できず倒産や廃業に追い込まれてしまったお店や会社が多数出てしまっているという矛盾。
コロナ以前でも、生活保護や各種手当の不正受給は枚挙に暇(いとま)がないし、自営業の人たちでも、同程度の収入でも申告の仕方によって、非課税になる人と年数十万円の課税になる人の差を身近で見てきました。とても「公平な」税負担とはいえない。
困窮支援に関する国の施策があってもそれを知るすべがなく、歯を食いしばって自力で毎日をしのいで生きている人たち。
家族を支える普段の生活に精いっぱいで、体調が悪くても病院に行かず(行けず)、何年も我慢した結果倒れてしまって、命の危険にさえさらされてしまう人。
困って困ってどうしようもなくなって、必死の思いで相談したのに、結局どの制度も利用できず追い返され途方に暮れる、制度の網から漏れてしまった多くの人たち。
臍(ほぞ)を嚙むような思いで一時的に生活保護を受けたけれど、懸命に働いて生活を立て直し、生保からも抜けて再出発を果たし前向きにがんばる家族。
僕が生きている間にはたぶん間に合わないと思うけど、これらの人々が今より少しでも穏やかに笑顔で生きていける社会を、僕は政治に望みます。
今日の1枚(写真と本文は関係ありません)
仕事で関わりのあった子ども(小学校低学年)が、お別れの際に僕にプレゼントしてくれたカード。
仕事も草取りも、がんばります。どうもありがとう。