BMW 320d xDrive Mスポーツ(G20)試乗記(その1) | M3遣いのブログ

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ディーラー入庫の際に、現行G20系3シリーズ唯一(日本導入モデル)のディーゼルモデル、320d(セダン)に乗る機会を得ましたのでレポートします。
 
320dは、現行G系3シリーズ(2019.3デリバリー開始)に今年(2020年)追加されたモデルで、日本導入はツーリング(ワゴン)を含めMスポーツxDrive(フルタイム4WD)のみ。車両価格は、6,410,000円(税込)ナリ。
 
ちなみに、ガソリンモデル320iMスポーツの価格は5,940,000円。その価格差は47万円。
 
ディーゼルモデルを、燃料コストの安さで選ぼうと考えている人は要注意です。カタログ燃費(320d=18.9km/l、320i=15.9km/l)と燃料の価格差(ガソリン>ディーゼル)から概算すると、仮に年間12,000km走行する場合、価格差の47万円を取り戻すにはおよそ17年かかります。
 
 
試乗したのは、ボディカラー:サファイアブラックでオプションの19インチタイヤ(ピレリP-ZEROランフラット F225/40/19・R255/35/19)を履いていました。

G20(330i)には、デビュー間もない頃に一度乗って、ブログで試乗記も書いているので、一年前に体感したガソリンモデルとの違いも含めて書いてみたいと思います。
 
今回は、展示会での短い試乗と違い、時間もたっぷり、高速を含め50kmほど運転できたので、操作系も含めてかなり細かい所まで検証できました。では、さっそく・・
 
 
【運転環境・操作系】
G20は、F30系3シリーズより一回りサイズアップしているにもかかわらず、僕の好みのポジション(座面低め)に設定してもチルト&テレスコでステアを調整するとメーターパネル全面がきちんと見渡せて、壁に囲まれているような閉塞感もなく好印象。
 
シートのクッションはM4より座面の厚みを感じられ長時間運転しても疲れを感じなさそう。ランバーサポートの調整も電動で簡単にできるので、どんな体形の人でも容易にフィットするだろうと思います。
 
相変わらず初めて乗って10秒でピタリとドラポジが決まるのは、BMW車に共通する美点だと思います。
 
また、ドアの開閉音と感触も、軽量化(メーカー公称ホワイトボディで-55kg)の影響を感じさせないドイツ車らしいカッチリとした適度な重厚感。
 
しかし、操作系は相変わらずタコメーター裏返しデザインの奇抜なメーターパネルをはじめ「ガンダム化」が激しくて鬱陶しい。ほとんどがスクウェア形状のクリック感の薄いボタンの質感・操作感もペカペカでチープ感は否めない。
 
ステアリングの左右に並ぶボタンも、僕のF82M4と比較しても大幅に増えて、高速でクルコン(前車追従機能付)を設定しようとしましたがマニュアルなしでは不可能でした。

操作系ダメ例の極めつけは、ダッシュの片隅(右ひざの上あたり)にあるヘッドライトの操作パネル。見ただけでは何がどれだか判別不能なボタンが8つ(輝度調整ダイヤルを含めると9個)も並び、手で触っても違いがほぼわからない。

僕は、操作系は運転に集中できるよう極力ノールックで無意識に操作できるのが理想だと思っているので、見た目(ショールーム映え)重視でチープ感満載のガンダム化には嫌悪しかない。
 
何よりも「走り」を重視していたはずのBMWの誇りは、某中国の成金マネー市場の前に白旗を掲げてしまったのだろうか。
 
 
【走行性能】
エンジン音は、紛れもなくディーゼルそのものですが、窓を閉めてしまえば遮音はとても優秀で、ディーゼルであることを意識させられることはありません。
 
搭載されるB47D20B直列4気筒エンジンは、前世代のツインスクロールシングルターボではなく、シーケンシャルツインターボを搭載していて、190PSと40.8kgmの必要十分なパワーとトルクを淀みなく出してくれる。
 
熟成されたZF製8HPの洗練された8速ATの変速マナーとも相まって、発進加速、市街地での中間加速に不満はありません。
 
ただし、そのパワーデリバリーの豊かさは、xDrive(フルタイム4WD)であることとディーゼルエンジンであるが故の重さ(320i:1,540kg・320dxDrive:1,680kg)で残念ながら帳消しになっているような気がします。
 
高速での100km/h巡航時の回転数(8速)は、約1,400rpm。瞬間燃費計の表示は常に20km/l以上をキープ。
 
F30ディーゼルがメーカーの公開パフォーマンスで東京から佐世保まで1,200kmもの無給油走行をやってのけたけれど、このG20でも運転次第では可能と思わせられます。
 
ただし、走行モード切替(3段階)のECO PROとCONFORTでは、僕はどうしても物足りなさを感じてしまいます。唯一、SPORTに切り替えるとシフトアップ時も3,000rpm近くまで引っ張ってくれるようになりどうにか活発さを実感できます。
 

【操舵系】
ステアリングの感触ですが、330iの試乗記でも触れましたが、グリップの太さが半端なくデカいので、握り続けることに力を要しすごく疲れます。
 
高速走行時にレーンキープするだけでもステアをしっかり握っていないといけないので、長距離ツーリングに不安が残ります。シートとドライビングポジションには満点をつけたいくらいなので、かなり残念に思います。
 
電動パワステの感触は、極低速時は軽く、その他の速度域では少し重い(M4との比較)と感じます。
 
レーンチェンジの際は、xDriveならではのスムーズな身のこなしを体感できました。FRのM4では一瞬感じられる揺り戻し(わずかな横G)をほとんど感じさせず、まるでボディ全体が平行移動するような感覚でスムーズに車線変更していきます。
 
4WS(四輪操舵)のモデルには乗ったことがないのですが、両方が搭載されているG30系M5に乗ってみたいと思いました。


閑話休題。

運転していて僕が素直に感じたことなんですが、

「Bピラー、邪魔!」
 
長い間2ドアクーペに乗り続けていると、セダンを運転した時、斜め後ろの視界を遮る太いBピラー(右も左も)がすごく気になります。

もちろん、M4にもBピラーはあるのですが、その位置はセダンより細くずっと後方で視界は広い。

乗降のしにくさやドアの長さに苦労することも少なくない2ドアですが、2ドアならではのメリットをあらためて実感しました。


(その2)へ続きます