部下を育てる | M3遣いのブログ

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ライカではなく、BMWのほうです(^^ゞ
日々想うことをまったりと・・・

ある日の午後、仕事中にボスから新たなミッションが課せられました。


「明日までにプレゼンの原稿を作成するように。」


「はい、承知しました。」


もしかしたら来るかも、とある程度予想はしていたので、「やはり来たか」という感じ。


ちなみに、実際に原稿を使うのはもっと上の人なので、自分が喋る原稿を作るのとはまた違った苦労があるけれど、日頃やっている仕事に関する内容だから、さほど慌てることはない。


自分なりのコツは、プレゼンする相手のことをイメージしながら、ストーリーを組み立てて相手を引き込み、こちらが一番伝えたいことを納得してもらえるように簡潔に文章化すること。


明日までにと区切られた(かなり無茶振り)し、週末には大きなイベントも控えているので、本音を言えば「えー、勘弁してよ」と言いたいところだけど、仕事だからまあ、仕方ない。


ところが、ボスの次の一言に周囲は凍りつきました。


「ただし、今回は○○君(僕の部下)にやってもらう。あなた(僕のこと)はそれを指導して提出すること。わかったな。」


一緒に聞いていた部下は、まるで余命宣告を受けたような顔をして恨めしそうに僕を見る。


それもそうだろう。彼はこの部署に来てまだ一年も経っていないのだから。


ボスの言葉がさらに続く。「あなたも、部下を育てるという意識で仕事をしないと。」


はい、正論をありがとうございます。その通りです。


ボスがいない間に、「原稿作成の経験はあるの?」と部下に聞いてみたけど、前の職場も含めて今回が初めてとのこと。「僕、国語が大の苦手なんですよ。本読むのも嫌いだし。いったいどうすればいいのか。」と途方に暮れている。


「大丈夫だよ。僕も一緒に作るから。まずはボスの言ったとおり、自分が思うように作ってごらん。相手に何を伝えたいのか、ストーリーを組み立ててから肉付けをしていくと作りやすいよ。」


僕自身も、土曜日のイベントの準備や、突発で起きた事件(こういう時に限って起こるものなんですね)の対応の合間をぬって原稿作成を少しずつ進める。


・・・そして。


彼が「作ってみたので見てください。」と出してきたものは、残念ながら原稿の体を成していませんでした。国語が苦手というのは本当らしい。僕が手を加えても、合格点まで持っていくのはかなり厳しそう。


こんなとき、どうすればいいんだろう。


僕が大幅に手を加えてしまったら、部下のモチベーションは一気に下がってしまうだろう。


かといって、期限が切られた原稿を不十分なままで出すわけにもいかない。


せめてあと数日の猶予があれば、彼の自主性を尊重しながら、作成のコツをアドバイスできると思うんだけど。


ボスの言うことは正論です。部下が一年目だからうまく作れないというのは言い訳にしかならない。


僕は今、いろんな方面からの「正論」に苦しめられている気がします。それは、僕自身の心の中にあるものも含めて。


でも、僕が最近読んでいる本の中で、「正論は正しい、だが正論を武器にする奴は正しくない。」という一節に出会って、少しだけ肩の荷が下りた気がしました。


他山の石ではないけれど、僕は正論を武器にする人間にはなりたくない。でも今までの僕は、気づかないうちにそうしてしまっていた気がします。


てか、原稿どうしよう。